小川洋子のレビュー一覧

  • 科学の扉をノックする

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    作品名のとおり、入門書の一歩手前のようなインタビュー記事のようなものでありながら、小川洋子さんの妄想から始まる各章はとても物語的。グルーヴ感満載の読み心地で、研究者の方々の人となりがひしひしと伝わってきて楽しい。

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    2021年05月26日
  • 洋子さんの本棚

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    二人の洋子さんが、人生に影響を与えた本について対談。 教養と感性が豊かな人はこうやって文学を愉しむのか。物語の背景と自身の経験を重ね合わせながら昇華させてる。 飴玉を嘗めるように幸せな記憶を思い出して乗り切るって素敵。

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    2021年05月04日
  • 洋子さんの本棚

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    2人の洋子さんの対談集です。

    平松洋子氏はさぞかし多くの食にまつわる
    本を読んでいるのでは、と思いましたが、
    ここで語られているのは文学作品ばかりで
    した。

    そうだろうなあ。

    文章が上手いのは、やはり幼少の頃から
    多くの良書に触れていたからなのだな、と
    納得しました。

    小説家である小川洋子氏も当然しかりであ
    あり、それゆえ2人の本にまつわる楽しい
    対談集に仕上がっています。

    本好きの女性はどのような本を読んで、
    自身の成長につなげていくのかが分かる
    一冊です。

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    2021年04月22日
  • 刺繍する少女

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    1番図鑑がインパクトあった。
    読み終わるとゾクゾクする。
    普通の話をしていたのに、一瞬で狂気に繋がる。
    口裂け女的な妖怪チックな、いきなり非現実に陥る感じに似てる気がした。

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    2021年03月29日
  • 刺繍する少女

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    「キリンの解剖」という話のわたしと守衛さんのやりとりが心地よかった。
    工業地帯?をランニングするわたしの姿とそれを見守る守衛さんの画を思い浮かべながら読んだ。

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    2021年03月28日
  • やさしい訴え

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    ネタバレ

    文体の美しさは相変わらず。
    小説として素晴らしいので、その意味で星4つ。
    内容の好き嫌いなら、星1つ。

    新田という男は、卑怯だ。
    愛してる女がいるのに、違う女を抱く。
    女の訴えを沈黙でやり過ごし、拒絶すらしない。
    卑怯。
    結局女を傷つける。
    女は、どこにも居場所を得られない。

    雨がじとじと降る中で、チェンバロンなんか聴きながら読んだから、気分が鬱々としてきて、途中でポップな音楽に変える。

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    2021年03月13日
  • 余白の愛

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    詩的な物語。
    事前知識なく読みました。
    ちょうど一年前、私も同じ状況となり一時的に聞こえなくなりました。恐怖は相当ありました。一般的にはどうなのでしょう。私は1週間が勝負でしたけれど。
    その状況を思い出しつつ、読みました。
    確かに受け止めるしかないのです。
    冷静にストーリーは進んでいきます。静かです。

    +++

    レビューを読んでくださった方へ

    プールに入っているみたい、もわもわする、と突然感じて半日治らなかったら。
    様子を見ている場合ではありません。1時間でも早く診察を受けましょう。
    治らなくなります。タイムリミットは48時間です。(突然発症するので、いつから始まったかはっきりと把握できるはず。それがこの病の特徴ともいえます。当てはまる方、土日挟んで月曜日に、なんてとんでもないです。)

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    2021年02月18日
  • 凍りついた香り

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    謎解きと書かれてますが、ミステリー小説ではありません。
    答えは用意されてないので、読むならそのつもりで。

    突然もたらされた調香師:弘之の死。
    記念日のプレゼントは「記憶の泉」と名付けられた香水。
    フロッピーに残された言葉の断片から
    彼の軌跡を辿る旅をする決意をするのだが・・・

    「猫を抱いて像と泳ぐ」を連想しました。
    本作では、香りの表現に強く惹きつけられました。
    色んな記憶を掘り起こしてくれるから、
    小川作品は大好きです。

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    2021年02月07日
  • 凍りついた香り

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    救われないって読み終わって1番に感じた。大切なものをなくしてぽっかり空いた隙間を日常生活の中で、時折感じながら今後生きていくって思ったら、凄くリアルでズシンと来て、ため息が出てしまった。

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    2021年01月30日
  • まぶた

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    2021年 4冊目

    まぶたを巡る短編集

    1 飛行機で眠るのは難しい
    「飛行機は時間の迷路」
    飛行機で居合わせた老婆の死。嘘にまみれた手紙であっても彼女は幸福であった。手紙のなかに、二人だけの真実があったから。
    30ページ程度の付き合いだったが、私も彼女の最期に思いを馳せた。

    2 中国野菜の育て方
    光る野菜なんてあったら、すぐ手放すでしょう。夫婦はもうそれが食べられるかどうかなんてどうでもよく、捨てることができなくなった。
    はぐくむ、という字に違和感をもった。夫婦が中国野菜に「飼育」されているような感じ。

    3まぶた
    いつからか、少女はNの家から出なかったのだろうか。歪んだ関係がいいですね。

    4お料理教室
    軽快な感じと、若干の後ろめたさがあって結構好き。

    5匂いの収集
    「薬指の標本」と似た感じだけど一番気に入った。枇杷は人肉の味だと昔母から教わった気がする。小川洋子の分かりやすいメタファーが好き。センター試験に出てきそうだなぁなんて度々邪推する。
    自分を「保管」したあとは、昔の恋人の欠片は捨ててほしいな。

    6バックストローク
    肩を手放したことで、弟は解放されたのだろう。家族の絆とは引き換えに。


    7詩人の卵巣

    8リンデンバウム通りの双子
    二人の老人の、静寂とぬくもりを感じた作品。

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    2021年01月15日
  • 余白の愛

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    「どうしてもそこに、取り返しのつかない空白が残されている気がして仕方ないんです」

    耳をとおして見る静かな世界。

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    2020年12月31日
  • 余白の愛

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    雪に閉ざされたバースデーパーティーの帰り道はこの物語を象徴しているような静けさと温かさがあって素敵でした。時間を空けてもう一度も読みたいです。

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    2020年12月19日
  • 偶然の祝福

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    小川洋子の世界。
    短編連作。

    裏表紙から。
    失った物への愛と祈りが、哀しみを貫き、偶然の幸せを連れてきた。

    なるほど、なのでタイトルが「偶然の祝福」なのか。

    読み終わって、詳細をしっかり覚えているかというと、すごくあやふやな記憶しか残っていなかった。
    だけど哀しみの中に、息子と犬のアポロが寄り添っている。
    じんわりと幸せを感じる一冊。
    とくに「キリコさんの失敗」と「涙腺水晶結石症」が良かった。

    それにしても解説の川上弘美さんが一番好きな小川作品が「ホテルアイリス」というのがびっくり。
    英訳されている洋書もつい買ってしまったけれど、ちょっとついて行けない世界。
    もっと読み込んで小川洋子の世界に入り込まないといけないのか?
    徐々に小川作品も読んでいこうと思います。

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    2020年11月29日
  • 不時着する流星たち

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    たしか、フジファブリックの山内総一郎くんがおすすめしていた本だったから読んでみた。
    素敵な歌詞を書く人が好きな言葉が気になって、いつも自分から選んで読むジャンルではなかったけど…
    読んでいて不思議な気持ちになる感じで、言葉遣いが繊細で綺麗という印象の本だった。

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    2020年10月13日
  • 凍りついた香り

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    死んだ彼の過去を追う女のお話
    彼の過去について何も知らなかった
    彼の家族から知らされたことなどから
    海外へまで足をのばし・・・
    今さら知ったからどうなるものでもないのだけど
    それでも彼のことを知りたい
    そして知らされる事実
    とくにびっくり展開でもないですが
    読んでいてこちらも彼の過去が気になっていきました

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    2020年09月23日
  • 世にも美しい数学入門

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    学校教育で数学に馴染まなかったけれど、最近興味を持つ機会があったので、読みやすそうなものから。数学…見えないものを見るような不思議な世界。

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    2020年08月29日
  • まぶた

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    「えっ ここで終わるの?」と思ってしまった話がいくつかあった。雑踏の中である人物の後を頑張って追っていたら途中で見失ってしまって、追いかけるのに必死だったもんだからふと周りを見たら自分が今どこにいるのか分からなくなっていて、急に孤独を感じて戸惑う、みたいな。勝手についていって勝手に置いてけぼりになったくせに、「こんなところにひとりで置いていくなよ」と思ってる、みたいな。
    『博士の愛した数式』のイメージでこの本を読むとちょっと難しいかもしれない。
    「あれ?これ前の話にもあったような?」と思う箇所がいくつかあった。(野菜売り、身を小さくしていれば、ナチス、などなど)坂木司の『短劇』みたいだなと思った。
    全部よかったけど、「飛行機で~」「まぶた」「匂いの収集」が特によかった。

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    2020年08月23日
  • やさしい訴え

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    勧められて初めて小川さんの本を読んでみた。
    感情の機微が伝わり、ゆっくり読めるような感じだった。
    違うのも読んでみたいと思えた。

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    2020年08月02日
  • 原稿零枚日記

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    「最果てアーケード」「ことり」「いつも彼らはどこかに」「夜明けの縁をさ迷う人々」など独特の世界を醸し出す小川洋子さん、「原稿零枚日記」、2010.8発行。飛び飛びの、時に続いた26日分の日記をもとにした小説。入院中の母親を介護し、生活保護を受けている女性小説家の話。「健康スパランド」で、8歳の時死んだ娘にそっくりで許されるならあなたの顔に触らせていただきたいとお願いされる日記。公民館の「あらすじ教室」の講師で、タイトルを聞いてパッとあらすじを語る日記。押しの強い生活改善課の人と盆栽祭りに行った話。印象大。

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    2020年07月13日
  • 不時着する流星たち

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    不時着とは
    「不時着陸」の略。航空機が、故障や燃料欠乏等のため、初めに予定しなかった場所に降りること。

    生きていくということは結構やっかいなことなので、いちいちすべてを真面目にやっていたら、とてもじゃないけど頭がおかしくなってしまう。だからわたしたちは無意識のうちに、さして重要でない約束や、どうでもいいような想い出や、自分にとって必要ではなくなった人々などを、箒のようなもので集めて隅っこに追いやることで折り合いをつけるのかもしれない。
    でも、そういうことが出来ない人がこの世にはいる。どうでもいいと思われることをそう思わずに、ちゃんと向き合う人。そういう人たちの10個の物語だ。

    小川洋子さんの書いた本を読むのはこれが初めてで、こんなに長い間、なぜ読む機会がなかったのだろうと不思議に思った。
    でも出会えたのだから、これから急いでたくさん読もうと決めた。そのくらい好きになった。


    第一話 誘拐の女王
    昔誘拐され、犯人に監禁されたことがあるという血の繋がっていない姉との話。
    第二話 散歩同盟会長への手紙
    散歩が好きな男の人が、散歩をしながらローベルト・ヴァルザーという作家のことやそれ以外のことに思いを巡らす話。彼が散歩している場所は実は。。。
    第三話 カタツムリの結婚式
    慎ましく暮らす家族の楽しみは空港に行くことだった。女の子はそこでカタツムリのレースを管理している不思議な男の人と出会う。
    第四話 臨時実験補助員
    とある実験のために、二人一組となって街の中で条件が合うところに置手紙をする。彼女が組んだ女性は、その条件にピタリと合う完ぺきな場所を見つけることができる女性だった。
    第五話 測量
    大学生の彼の祖父はある朝突然、目が見えなくなった。その日からおじいちゃんと彼は、自分たちの周りの世界すべてを歩数で測り始めた。
    第六話 手違い
    お見送り幼児とその付き添いの女性が、その日頼まれていたお葬式の会場に行くと、今日はお葬式はないと言われてしまう。そんなはずはないはずだが、仕方なく二人は会場を後にして、いつもお葬式のあとに清めるために寄る公園へと向かう。
    第七話 肉詰めピーマンとマットレス
    事故で片耳の聴力を失った息子の留学先を訪ねる母親の話。息子が好きな肉詰めピーマンを異国のキッチンで作る。
    第八話 若草クラブ
    若草物語の劇をやることになった4人組。脚本を書く彼女は末っ子エイミーの役をやることになる。エイミーはこれといって見せ場のない役だが、他の3人は、映画でこの役をエリザベス・テイラーがやったのだと口々に言い、彼女はその女優に異常な興味を持つようになる。
    第九話 さあ、いい子だ、おいで
    子どものいない夫婦が、街にあるペットショップで文鳥を買う。ペットショップの店員は体格のいい若者で、彼女はもし自分に子どもがいて男の子だったら、こんな子だったのではないかと想像する。
    第十話 十三人きょうだい
    彼女のおばあちゃんは十三人の子供がいる。一人も病気や戦争で死ぬこともなく、大人になったのがおばあちゃんの自慢だ。十三人目のおじさんはまだ独身でちょっとかっこいい。彼女はそのおじさんのことを、みんなに内緒で「サーおじさん」と呼んでいる。でも、彼女はおじさんの本名を知らず、おじさんも教えてくれないのだ。

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    2020年07月06日