小川洋子のレビュー一覧

  • 科学の扉をノックする

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    ネタバレ

    星座を作っている星、これは変わらない星と言うので恒なる星恒星と名付けられたわけです。ちょこまか動く回っているのが惑う星惑星です 孤立した小さな存在ではなく、無限の宇宙とつながっているのだと言う、不思議な安堵感を覚える 宇宙を探索することは、自分自身とは何もであるかを探索することに等しくなる 鉱物学者には、ルーペとハンマーを持って山へ行き、石を叩く義務があると先生はおっしゃる。大地に出向いて石を叩く、これが鉱物学者の最初の仕事だと先生はおっしゃる 薬の代わりにお笑いビデオを出すような病院が出てくるかもしれません。だから私は、笑は副作用のない薬だ、と言っているんです 要するに大きな仕事は

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    2017年12月01日
  • 洋子さんの本棚

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    小川洋子、平松洋子『洋子さんの本棚』集英社文庫。

    同郷で同世代のダブル洋子により、本を切り口に人生を語る対談集。二人の洋子が何を読み、どう生きてきたのかが赤裸々に語られる。どちらかと言えば女性向けの内容。

    度々、平松洋子の『野蛮な読書』が取り上げられるが、あれは読書をテーマにしたエッセイの中でも傑作だと思う。

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    2017年10月23日
  • いつも彼らはどこかに

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    ランチタイムに、自分の席で、近くの小さな公園で、
    一人で食べにきたお店で、少しずつ読み続けた本
    短編集なので、ちょうど良い感じで短い時間に読めた

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    2017年07月02日
  • 偶然の祝福

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    孤独な女性小説家の過去、日常を描く連作小説。
    間違いなく日常が描かれているが、そこにあるのは、ミステリアス、生々しい神秘性、非現実感、虚構。
    最初はエッセイ?と勘違いしそうになりました。ご自身の経験も多かれ少なかれ盛り込まれてるとは思いますが。

    小川洋子さんは静謐な文章を書かれる方、と紹介されることが多いが、その通り喧騒とは正反対のところにいる。
    流れている時間がすべらかで秒針の音ひとつしないのだ。
    主人公の人生は穏やかなものではなく、しかし落ち着き払っている。
    終わり方はストンときたし好みだが、その後主人公にとってやさしい時間はやってくるのだろうか、という読後感が残った。
    暗い話が好きな私

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    2017年06月13日
  • 原稿零枚日記

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    日常からいろんな世界に入り込んでいく。変な世界だけど、キレイに整理されていて、すっと入ってくると、いつも思う。不思議な心地。

    「苔料理専門店」「ドウケツエビ」「あらすじ教室」「カワウソの肉球」「盆栽フェスティバルの桂チャボ」「子泣き相撲」「イトトンボの付け爪美女」どの話も魅力的。

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    2017年07月30日
  • 刺繍する少女

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    怪談がかった話が大半の短編集。表題作なんかは」純文学なんだけど。

    あいかわらず、特にこれというでもない言葉を取り上げてそこからどんどん想像して、大体の場合怖い方に持っていく小川洋子流の言葉の昇華方法が素晴らしい。

    本作の場合、言葉というよりも、キリンや寄生虫というような生物が多いのだけれども。ぼろ屋の王女様なんてのは、小川洋子らしいなーというファンタジーでもある。

    角川から発売されており、表紙もかわいらしくされているのは、内容も割と軽いタッチが多いのを表しているのではないかと思う。

    芥川賞などと気負いせず読めるので、若い人にも勧めやすい1冊だ。

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    2017年05月26日
  • カラーひよことコーヒー豆

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    雑誌「Domani」に連載していたエッセイ集で、大人の女性や働く女性に対するお話も多い。

    小川さんの人柄が好きになり、その作品に触れたくなった一冊。

    小川さんは、道行く様々な人の背後にある暮らしや仕事、人生を想像し、尊敬と愛情の目で世の中を眺めている。小川さんの手にかかれば、どんな人生もどんなに慎ましい暮らしも、掛け替えのない物語に溢れた素晴らしい人生に思える。

    小川さんの小説の源泉はこういう愛情溢れる心なんだなと思って尊敬するばかり。

    毎日新聞からのエッセイ「とにかく散歩いたしましょう」を読んだ時にも感じたけれど、話中で紹介される本が、今回も自分の好きな本ばかりで嬉しくなる。枕草子や

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    2017年05月05日
  • とにかく散歩いたしましょう

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    小川さんの日常と、小川さんが読んだ本の一節が重なり合うようにリンクしていて、丁寧な日々が感じとれる一冊。色々な本が登場してきて、小川さんの読書量はきっとすごいんだろうなぁと敬服…そして飼い犬とのエピソードは本当にほっこりする。

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    2017年04月18日
  • 偶然の祝福

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    小川洋子の小説は、博士が愛した数式しか読んだことがなかったけど、この人のほん。面白い。

    ほんの少しの非日常をこんなうふうに淡々とミステリアスに、そして、ささやかな幸福に、ほんの少しのラブストーリーに、不思議なホラーに、少しづつ姿を変えて読ませてくれる、身近によくある話のようで、なかなかないんだけど、なんか自分でも経験したような気になるような日常風景の中に取り込まれる世界。

    ふとした瞬間に、今の自分と本の中の主人公が簡単に入れ替われるほど普通の日常の出来事が、どんどん読ませてくれます。

    ゾクっとしたり、え!?そうくる!?って思ったりオチも完璧なのに、なぜかとても日常的。

    そんな不思議な

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    2017年04月17日
  • 世にも美しい数学入門

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    とてもとてもロマンティックな本です。

    『数学』というと
    とかく実用的で ひたすら規則ただしく 面白みがなく と、つまらないイメージしかなかった。

    なのに、この二人の対談の中には
    神の… 悪魔的な… 美的感覚 想像力 ひざまずく心
    など驚くような形容詞が実に自然体で並んでいる。

    数学というものの魅力を惜しむことなく語る藤原先生と 自分の尺度できちんと受け止める小川女史

    数学へのものの見方を変えてくれた本でした。

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    2017年03月23日
  • 原稿零枚日記

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    日記の中で異界が次々に立ちのぼる。メタな物語。どこまでが本当なのか。梨木香歩の『家守綺譚』などのテイストに似ている。最後のMが生きていてくれるだけで、という部分。お母さんが声を向こうにやってしまう部分。そこが染みる。

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    2017年03月21日
  • いつも彼らはどこかに

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    しっとり不思議な感覚になる短編集。美術館にくる修理屋はちょっぴり苦手。なのにクセになる。何だかいけない気持ち。帯同馬に思いを馳せた。

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    2017年03月12日
  • 世にも美しい数学入門

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    啓蒙書としては大成功だ。偉大な数学者が生まれる条件も面白い。何かにひざまづく感覚、美的感覚、精神性を尊ぶことが大事というのが腑に落ちた。

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    2017年03月09日
  • 偶然の祝福

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    不気味だけど懐かしい。キリコさんの失敗のパンの届くところ、盗作、失踪者。静謐は十分だったが、つながり、掘り下げがイマイチだったか。
    現実と創作が混じり合ったエーデルワイスの感じは好き。

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    2017年02月06日
  • アンネ・フランクの記憶

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    ミープさんの佇まいに、私も心が震えた。

    また、規則正しさの怖さ。

    小川さんの文学にいかにアンネの叙述が影響を与えているか認識した。

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    2017年01月12日
  • 原稿零枚日記

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    タイトルから、エッセイなのかと最初思った。
    (違うこれは小説だ、ということを分かった上で読み始めた)

    作家の“私”はなかなか思うように執筆がはかどらない。小説の取材で、宇宙線研究所や盆栽フェスティバルなど、様々な地を訪れる“私”だったが、いつも知らず知らずのうちに不思議な世界へと迷い込んでしまう。
    苔料理を出す料亭、海に繋がる大浴場、神隠しのように人が消えてゆくアートの祭典。これは果たして現実なのか。幻と現の狭間で、作家は日々の出来事を綴り続ける。

    日記形式で書かれている不思議な短編集。
    遅々として原稿が進まない作家の日常は、お世辞にも立派とは言えない。派手さもなく心が浮き立つようなことも

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    2016年12月04日
  • アンネ・フランクの記憶

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    「アンネの日記」に続いて、小学生ぐらいの頃に読んだ。その後、大学生ぐらいになってから「博士の愛した数式」を読んで、同じ小川洋子さんが書いたものだと知った。そう思って読んでみるとまた違った感じがありそうなので、もう一度読みたい本。

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    2016年09月22日
  • カラーひよことコーヒー豆

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    小川洋子さんのエッセイ「カラーひよことコーヒー豆」、2009.12発行です。29編のエッセイが収録されてます。小川洋子さん、エッセイにも「キレ」があります!29番目のエッセイは「理想の一日」です。小川洋子さんの理想の一日は、小説を書き、犬と散歩し、タイガースを応援することだそうです。この3つさえあれば十分、他には大した望みはないとのこと。小説をウォーキングに、犬が猫に、タイガースがカープに・・・、私の一日に~(^-

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    2016年05月30日
  • いつも彼らはどこかに

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    ネタバレ

    2016年、31冊目です。

    動物と人間のふれあいみたいなことがモチーフかと思って読み始めました。
    それは、心地よく見事に裏切られました。まさに小川ワールドという感じです。
    ストーリーや文体そのものに、大きな感動や心を揺さぶるメッセージがあるわけではないのですが、自分の心の中にある様々な考えというか既存の感情の隙間に、じわっとしみ込んでくる感覚がします。
    これは、私の小川洋子作品に対して共通して抱くイメージです。
    この小説は、何かしらの生物が出て来る8つの短編が収められています。
    「帯同馬」/「ビーバーの小枝」/「ハモニカ兎」/「目隠しされた小鷺」/「愛犬ベネディクト」/「チーター準備中」/「

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    2016年11月19日
  • やさしい訴え

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    林の中にある別荘に夫の元から逃げてきた瑠璃子は、チェンバロ製作者の新田とその弟子である薫と知り合い、それぞれ心に傷を負った三人で、不思議な三角関係が形成されていく。
    濃い緑の匂いや、少し哀愁を帯びたチェンバロの音が感じ取れるような美しい文章の中に、時折混ざる嫉妬の表現がなんとも不安をかきたて、読んでいると癒されるのと同時に、胸がざわついた。
    読み終えた後、胸に突き刺さるよな強烈な印象ではないものの、ちょっと悲しくて切なくてほろ苦い……そんな余韻に包まれました。

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    2016年05月24日