小川洋子のレビュー一覧

  • 原稿零枚日記

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    ネタバレ

    2015年の41冊目です。

    主人公である”作家”の私の奇妙な日常を、日記風に書き綴っています。小川洋子作品に欠かせないな「奇妙な職業」を持つ人を始めとし、「奇妙な料理」、「奇妙なツアー」が出てきます。日常の中に描かれている非日常的かる不思議な世界が、現実から読み手の意識を引き離していきます。引き離された意識が自分なのか?置き去りにした無意識が自分なのか?奇妙な世界から、「あなたは何者?」と問われている気持ちになる。
    苔料理店、ツアー参加者が次々に迷子になりながらも時間通りに進んでいく現代アートの祭典見学ツアー、物語の”あらすじ”をまとめるあらすじ係という職業、楽譜めくり係、、、。この奇妙な世

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    2015年09月16日
  • 偶然の祝福

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    基本的に人間は信じていない私ではあるが、それでも人生のどこかで誰かに助けられた場面があったことは認めざるを得ない。いかに人間嫌いな私でも、たった一人で生きてきたわけではない。普通の人は助けてくれる人というのは家族であったり恋人や友達であったりするのかもしれない。だが極端に知り合いの少ない私は、いざというとき力になってくれたのは、赤の他人であることが多かった。通りすがりの優しいおばちゃんや、名前も告げずに去っていったサラリーマン。よくぞあの時あのタイミングで、と奇跡を信じたくなるほどありがたい助けもあった。
     たぶん、世の中はそいういうふうにできているのだ。不幸と幸福のバランスがとれるように、な

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    2022年09月27日
  • 世にも美しい数学入門

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    「博士の愛した数式」の小川洋子さんと、数学者の藤原正彦さんの対談集

    この本のすごいところは、入門として得られる知識について、地理的背景のほか、特に有名な人物や各種の定理・予想などの幅の広さにもあると思います。
    有名なフェルマー予想(サイモンシンのフェルマーの最終定理が詳しい)の他に、ゴールドバッハの予想(6以上の偶数はすべて2つの素数の和で表せる)という問題にも触れられていて、そこから、ゲーデルの不完全性定理(正しいとも正しくないとも判定できない命題が存在するということを証明)を提示し、 コンピュータの父であるチューリングによる、ある命題が真偽を判定できない命題であるかどうかをあらかじめチェ

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    2015年08月18日
  • やさしい訴え

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    林の中にいるようで涼しくなれる物語。
    静かな気持ちになれる。
    ただ主人公が女くさくて、イマイチ好きになれないかも。ただ引き際は潔い。

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    2015年08月13日
  • アンネ・フランクの記憶

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    アンネ・フランクを辿る旅に出ることは、すなわち、過去の戦争と向き合うこと。
    小説家を志すきっかけとなったのがアンネ・フランクの日記だったという小川洋子さんが、アンネゆかりの地を訪ね歩いたときのエッセイだが、とても重い旅だったのではないだろうか。

    私の場合、ゴールデンウィークにアンネ・フランクの家を訪れたことから、もう一度アンネについて知りたいと思い、アンネの日記を再読し、小川洋子さんのこのエッセイを読み、そして映画「シンドラーのリスト」を観た。その結果、アウシュビッツには行っていないものの、あまりの悲惨さ残酷さに直面し、かなりの疲労感を感じてしまった。

    小川洋子さんも、旅立つ前にある程度予

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    2015年05月24日
  • 科学の扉をノックする

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    「博士の愛した数式」などの作品で有名な作家、小川洋子氏が、それぞれ分野の違う7人の科学者たちを訪ねるという内容。

    文系の人が書いた自然科学の本ということで、科学本としては読みやすい部類に入る。
    ただ専門用語や若干複雑な説明も書いてあるため、理数系はからっきしだめという人には、ちょっと辛い部分があるかも。

    ただこの本の魅力は、単に科学に対する見識を深められるというところにあるのではない。
    そうではなく、小川洋子氏の科学への純粋な興味と、作家ならではの独創的な解釈。
    そういった単なる知識ではないところにこそ、この本の面白さがあると思う。
    だからこの本を読むときは科学の知識を理解する、理解しよう

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    2015年05月20日
  • 刺繍する少女

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    着想は桐野夏生そっくりなんだけど、仕上がりは全くの別物( ´ ▽ ` )ノ。
    いつものように、ほのかな死の予兆を描いたものが多い( ´ ▽ ` )ノ。
    ゼンマイの話は、もろ死後の世界の物語で、マシスンの「奇跡の輝き」みたいだった( ´ ▽ ` )ノ。
    ケーキのかけらとアリアは合わせると、「サンセット大通り」みたいだね( ´ ▽ ` )ノ。
    これぞ小川洋子、という短編集で、まだ彼女の世界に触れたことのない人にぜひ勧めたい一冊( ´ ▽ ` )ノ。
    2015.4.14

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    2015年04月14日
  • 沈黙博物館

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    ネタバレ

    最後が安部公房の砂の女のように主人公が囚われる
    庭師が怖かった

    文章は美しかった
    小川さんの話の中で怖くなった話だった

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    2015年03月29日
  • 世にも美しい数学入門

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    小川洋子と数学者の藤原正彦。
    数学はどこに行っても普遍で完全な世界。定式の発見はセンス。豊かな所で生まれ育ち、感性がある人に神様がそっと教えてくれる。江戸期の日本に立派な数学者がいてびっくり。この本を読んで、芸術ともいえる数学を感じることができた。

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    2015年02月28日
  • 刺繍する少女

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    時々チラっと見える凶器がまた悲しくもなる
    そんな物語が多数でした。

    たんたんと語られる、なんでもないような雰囲気が大好きです。

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    2015年02月15日
  • 世にも美しい数学入門

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    数学は美学。美学は世の中の役には立たない。数学もしかり。であるが故に純粋。
    美学者迷亭を思い出した。『吾輩は猫である』の世界。

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    2015年02月11日
  • アンネ・フランクの記憶

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    小川洋子さんは少女時代に「純粋な文学として」アンネの日記と出会い、自らも物を書く喜びに目覚め、そのことが作家になるきっかけにとなった。
    そのことをアンネの日記の翻訳者で本書の解説を務めている深町氏はアンネ〜との最も幸福な出会い方だと述べています。

    アンネの親友だったジャクリーンさん、擁護者だったミープさんと会うくだりは特に印象的です。
    ちょっとどうかと思う質問もありますが……。

    一作家のエッセイとして色々な感想が素直に書かれていて、読みやすかったです。
    ホロコーストの善悪をどうこういう本ではありませんが、あらためてナチによるユダヤ人迫害や収容所での扱いは人間の尊厳を根こそぎ奪うものだった

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    2015年02月03日
  • 刺繍する少女

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    読み終わって最後のページを見たら、初版は1999年・・・もう15年も前の短編集なのですね。
    小川洋子ワールド全開の短編集で、全く古さを感じない・・・と言っても15年しか経ってないか。
    どれも日常のちょっとした心の隙間に、現れそうなお話。
    怖いけれど、なんかわかるなあ~って感じ。

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    2014年11月20日
  • とにかく散歩いたしましょう

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    カラーひよことコーヒー豆の感想で信頼する読友のはこちゃんさんが小川さんを腐したことを実は根にもっていたのだが(笑)… ひょんなことから続けてエッセイを読むことになってその腐す理由がわかるような気がしてきた。
    居丈高な態度は大嫌いなのだが謙遜、それもひとつの分野で地位を確立している人においての過度の謙遜はやはり鼻に付くものなのだ。
    例えばお土産で「つまらない物ですが…」と言うよりも「美味しかったんで是非とも食べていただきたくて…」と言われたほうが自分のことを思ってくれてる度は格段に高く嬉しさも倍増する、そういう事でないか?
    でもね、巨大化する心配事などを読むとやっぱり小川さんはいい人なのよ…あ、

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    2014年11月10日
  • 科学の扉をノックする

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    ネタバレ

    作家の小川洋子氏が、専門知識をもった科学者たちへのインタビューを通して、科学の面白さを追求するもの。

    宇宙や遺伝子、素粒子、遺体科学の話しなどについて、素人目線で専門家に質問してくれているのが嬉しい。

    作者は、いかにこの本が作者のわがままに満ちあふれているか、と謝っているが、人の物事の興味というのは主観であってわがままであることは当然のことで、そういう意味では逆にそのことがこの本の面白さを表しているのだと思う。

    STAP細胞のことなどで、もし科学への興味を失う子供達いるのなら、この本はいい後押しとなることだろう。

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    2014年08月23日
  • やさしい訴え

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    ネタバレ

    林の中の別荘と湖を舞台に、チェンバロ職人とその女弟子、犬、主人公のカリグラファーが織り成す美しいけれども残酷な物語。おとぎ話の世界に入れなかった<わたし>、これからどうやって生きていくのだろう。<霊媒師>とまではいかないまでも、自分の力で幸せをつかんでいるといいな。

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    2014年07月27日
  • 言葉の誕生を科学する

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    小説家の小川洋子と、岡ノ谷一夫教授の対談形式で、一気に読めました。
    ジュウシマツやハダカネズミの歌の観察も面白く、歌や言葉を獲得した人間の不思議を思いました。
    言葉ができたことにより、時間や死を認識し、神を生み出し、物語を紡ぎ出す…、当たり前だと思ってたことにスポットライトが当たり、正に目から鱗が落ちる思いでした。

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    2014年07月05日
  • 妖精が舞い下りる夜

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    30歳前後のときに書かれたエッセイ集。
    『妊娠カレンダー』で芥川賞を受賞し、子供が生まれて数年という期間。

    自省的な文章であり、書くことがいかに小川さんにとって大切でかけがえのないものなのかがひしひしと伝わってくる。
    早稲田に通いながら小説を書き始めた頃の思い出が印象深い。
    決して芽が出ない作家志望者が大勢いる中で、ずば抜けた才能を持っている人ではあるけれど、ひたむきに書き続けることが一番大切だと感じられた。

    後半に出てくる熱狂的な阪神ファンならではのエピソードも面白い。
    阪神の勝利と読売の敗北を何よりののぞみとしながら、暗黒時代の阪神の戦いに一喜一憂する健気さであるよ。

    作家としてだけ

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    2014年06月24日
  • とにかく散歩いたしましょう

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    毎日新聞で連載されていた「楽あれば苦あり」(2008年〜2012年)をまとめたもの。

    ひらがなの「る」と友達になれる言語感覚を持つ姪っ子。
    かぎ編みの説明書の前衛小説のような一文にさ迷う。
    本棚で隣り合わせになった本たち。
    一人の散歩、ラブとの散歩。

    「私が目指すのは、機嫌よく黙っていることである。」
    これは、わたしにとっても理想の生き方かも。




    くまのプーさん、若草物語、ごんぎつね…など読み返したくなる。

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    2014年05月21日
  • アンネ・フランクの記憶

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    高校生のとき、英語の教科書に『アンネの日記』の1節が載っていた。
    確かペーターとのやりとり、彼への恋心について書かれた部分。
    ちょうど『アンネの日記』の完全版が文庫化されていて、それを読んでみようという気になった。
    彼女が本当はどんな女の子だったのか興味がわいたから。

    うまく言えないけど、高校生の私は『アンネの日記』を読んで、何か救われた気持ちがした。
    思春期に感じていた葛藤を自分以外にも同じように感じていた人がいて、それを言葉に残してくれた。それが何だかものすごいことだと思った。
    実際に身近にいたら、多分友達になることはないタイプの子だ。きっとお互い話しかけることもないだろう。
    それが分か

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    2014年04月21日