小川洋子のレビュー一覧

  • 耳に棲むもの

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    ちょっと難しかったかも。

    小川洋子さんは昔から大好きで、期待していたのもある。

    物語の展開ではなくて、場面をいかに読者と距離を近くするかに焦点をあてたかのような
    こと細かい背景の描写と動きが特徴的に感じた。

    とはいえあまり起承転結って感じじゃないから、夢遊病とか白昼夢みたいな、ふわふわした感覚で逆に読書の新体験だった。

    読み終わった後は、幼少期の強烈な、謎の記憶が1つ増えた感覚。

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    2025年03月30日
  • 耳に棲むもの

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    不思議な話だった。
    各地を旅する補聴器のセールスマンが亡くなったところから話は始まります。
    この主人公は、耳の中には、不思議なカルテットが棲み、耳の中で踊るドウケツエビを飼っている。
    そして、各地で出会った人との話がまた少し薄気味悪かったり、グロテスクだったり、官能的?だったり…よくわからなかった。

    挿絵は、素敵でした。

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    2025年03月23日
  • 密やかな結晶 新装版

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    いや難しい…!400頁超の長編。本編1頁目を読んだだけで引き込まれて、続きが気になってどんどん読み進めた。小川洋子さんの作品は独特の世界観があるけれどこれもかなり異質。"消滅"の概念に頭を悩まされた。なかなかすっと受け入れるのは難しい。『アンネの日記』がこの作品を書くきっかけだったと解説で知り、なるほどと思った。記憶狩り=迫害のようなものか?

    にしても最後の消滅をどう捉えたら良いのだろう。理解はできるんだけど納得がいかないというか、どう解釈していいのかわからない。余韻というのかモヤなのかわからないけど消化不良感はやや残る。

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    2025年03月22日
  • 耳に棲むもの

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    補聴器の調整、販売をする主人公を軸にいろんな時代をつづった物語。どの話も味わいがありじんわりと響く内容だった。

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    2025年03月18日
  • 妊娠カレンダー

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    小川さん2作目。今村夏子さんを思わせるゾクッとした話、だけど、こちらの方が先ですね。「妊娠カレンダー」はとにかく先が気になってドキドキした。妊娠すると、本人もだけど周りも戸惑うよね。今までと違う人になってしまったような気になるかも。密かに実験的なことをしてしまう妹の気持ちも少しは分かるかな〜「ドミトリイ」はもっと不思議な話だった。スウェーデンにいる健全な夫の世界には、もう戻れない気がするなぁ

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    2025年03月17日
  • 遠慮深いうたた寝

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    作家ってやはり想像力豊かなんだと再認識。そして作家でなくても、人間にとって「想像力」って大切なのではないかと気付かされました。仕事をする際にも相手の気持ちを想像することは大事だし、家族や友人との関係においても気持ちを察することが必要ですよね、

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    2025年03月17日
  • 耳に棲むもの

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    なんとも不思議で不気味な読後感。
    万人におすすめはできないけど、
    お腹の底にずっしりと残る作品。

    5つの短編のちょうど真ん中、
    「今日は小鳥の日」
    野鳥好きなわたしはそのタイトルに大いに期待したのだけど、結果は…ああ。。

    久しぶりの小川洋子。
    やっぱり「猫を抱いて象と泳ぐ」が一番好きかな。

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    2025年03月13日
  • 妊娠カレンダー

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    小川洋子さんの作品は初めて読みました。情景がリアルに想像できるような文章が印象的でした。なんでこんなことをするんだろう?と理解しようとすればするほどわからずだったけど、淡々としたひんやりと心地よい冷たさの文章にいつの間にか魅了されてました。優しさの中の冷たさ、常識の中の非常識相反するものが混在して社会は成立している矛盾を感じました。

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    2025年03月02日
  • 妊娠カレンダー

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    芥川賞受賞作であり、3つの作品が納められた短編集。表題作でもある「妊娠カレンダー」が個人的には最も読み応えがあった。妊娠した姉に染色体を破壊するというグレープフルーツのジャムを食べさせるという部分がすごくシンプルに描写されていて余計におぞましさが際立ったように感じます。文体も色々な物事について具体的に書かれているため、想像しやすいのはもちろんですが、異様な感じがするという体験ができました。

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    2025年02月27日
  • 最果てアーケード

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    先日読んだ博士の愛した数式が面白かったので、同じ著者さんの本を買ってみました。

    街の中にひっそりとあるアーケード内にまつわる短編。
    コンビニたそがれ堂や、あずかりやさんみたいな、短編が繋がってる話すっごく好きなんだよなあ。こういうお話の書き方って名前あるんだろうか。

    相変わらず文章がとても綺麗で頭にスッと入ってくる。瞬時に情景が浮かぶような小説を読むと心の底から没頭できて良い時間を過ごせたなあと感じます。
    悲しかったり、少し怖かったり、心温まるような、アーケード内の人にまつわるお話が「私」の目線で淡々と書かれている。
    いまいちグッと感じなかったのはあまりにも「私」が淡々としていたからかもし

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    2025年02月25日
  • 耳に棲むもの

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    [こんな人におすすめ]
    *上質な物語に身も心もゆだねてしまいたい人
     没入できます。著名なオーケストラの生演奏を聴いている時のように、睡魔も日常のモヤモヤも全部忘れて幸せな気分に浸れます。
     なお、5篇に分かれているので少しずつ読み進めることも可能です。

    [こんな人は次の機会に]
    *動物を愛している人
     思い出そうとするたびに「脳内で再生してはいけないよ。世の中には忘れてしまった方が良いこともある。」と脳内が優しく語りかけてくるほど気持ち悪い描写があります。困ったことに、該当部分を読んでいる時は文章の美しさに心を奪われているので恐ろしさに気づくのが遅れます。読む前にご注意ください。
     

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    2025年02月24日
  • 余白の愛

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    ネタバレ

    Yとヒロが積極的に主人公に構ってくれるのだが、Yの存在は幻覚だったとして、ヒロはそんな幻覚が見えることも含めて叔母に付き合ってあげていたのかと読後に改めて思うと、凄い子だ。
    Yの指への惹かれようが、性的ともいえる魅力を感じる。そして自身の突発性難聴となった耳に聞こえてくる幻聴のバイオリン。それも魅力的な指により速記という形で絡め取られて、抱擁されたような心地。
    帯に記憶と現実が溶け合うとあるが、物としては指と耳が溶け合い、Yと主人公が溶け合う。


    人間は小さな声で話しているといくらか優しい気分になれるものだということを、私は病気になってから発見した。小さな声は柔らかくて肌触りのいいベールにな

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    2025年02月23日
  • 耳に棲むもの

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    なんとも不思議な世界観。
    耳の中で空き缶がカラカラ鳴る。
    今まで聞こえていた音が聞こえなくなりそうで不安になった。

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    2025年02月16日
  • 小箱

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    不思議な奇妙な、美しさに溢れた小さな世界。死が常に近くで佇む街は、知っていそうで未知の世界です。音楽会の描写が、読んでいて静かすぎて現実とは遠いところに連れて行ってくれます。
    亡くなった子どもの楽器は想像するだけであまりに儚いです。

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    2025年02月12日
  • 完璧な病室

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    昔外国人と話せる英会話アプリをやっていて、そこでダイヴィングプールを勧められたことがあり、ずっと気になっていた。あの外国人、センスが良いな……。
    どの短編もずっと暗くて陰鬱で神経質な感じだった。どれも読んでいると心がヒリついて落ち着かない。ぱちぱち続く静電気に顔を歪ませながら読み続けるみたいな、不思議な痛さのある読書体験だった。でも不愉快だったわけではない。10代の時に感じていた、かさぶたを剥がす気持ちよさみたいなもの、いちいち色んなことに積極的に傷ついてみたり不愉快に感じてみたり、そういう心って大人になると健やかな生活を妨げるから意識的に忘れていくもののような気がするけど、それを久しぶりに思

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    2025年02月06日
  • 琥珀のまたたき

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    静かで美しい文章がひたすらに続く。静かに静かに物語が進んでいく。とくに大きな展開はなく進んでいくため途中で気が狂いそうな感覚に陥った。
    この閉鎖的な世界の中でも子どもたちは楽しみを見つけて、でも確実に月日は流れ年齢を重ね成長している。少しずつ綻びを見せはじめる生活、気づいても気づかないふりをする。残酷だけど美しい物語。

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    2025年02月01日
  • 海

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    短編集。どの短編も生活との地続き感と小川ワールドのスパイス感が絶妙でどれも残る。活字管理人とか元詩人とか鳴鱗琴とか、どれも惹かれるワードじゃない??鳴鱗琴とか聞いてみたいしどんな音色か想像するの楽しい。私は活字管理人がしたい。

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    2025年01月31日
  • 妊娠カレンダー

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    小川洋子さんの作品は初めて。
    芸人さんがテレビで絶賛していたので気になって読んでみた。
    描写が細かくて丁寧で、言葉が美しい。
    でも、ちょっと冷たい感じが私は苦手。
    これが小川洋子さんの書き方なのか、この作品がそうなだけなのか…
    別の作品も読んでみたい。

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    2025年01月27日
  • ブラフマンの埋葬

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    謎の生き物とのひと夏の暮らし。匂ってくるような自然。生と死を象徴するもの。石棺、古い家族写真、ブラフマン、肌の温もり。予感なく失う命。
    2025.1.25

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    2025年01月25日
  • 夜明けの縁をさ迷う人々

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    ネタバレ

    相変わらず良かった!

    「静謐」という言葉がぴったりくる小川氏。彼女の2007年の作品となります。

    短篇9編からなる本作、全般的に幻想的(シュール!?)、でも筆致はしっとり。

    そうしたギャップが、真面目な顔して冗談をいうかの如く、ユーモアを湛えた雰囲気すら醸成しています。

    あるいは、冗談だと思っていた話が実は本人は本気で、その本気が狂気・ホラーの世界につながっていくかのような小品もあります。それもそれで味わい深くありました。

    ・・・
    どれも良かったのですが、一番印象に深い作品を挙げます。

    私としては「イービーのかなわぬ望み」。

    エレベーターで生をうけ、そこで育ち、エレベーターボーイ

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    2025年01月18日