小川洋子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレありふれた日常の、ありそうでない1ページ。
でも読んでいると不思議と心地良かったです。
海:鳴琴鱗という楽器の音を私も聴いて見たいと思った。後半は弟との掛け合いが中心で、家族を"落ちたピーナッツのよう"に表現しているのかなと感じました。
風薫るウィーンの旅六日間:小川先生の作品では少しコメディ寄りなのかなあと感じました。
誰もが老いのマントを─という表現がすごく良かったです。実際、古い恋人の見分けもつかなくなるほどに皆が同じような見た目になっていたんだろうなと想像できました。
遠いところからはるばる旅した琴子の気持ちと、昔の恋が、一緒に枯れて灰になったなと、重ねて読んで -
Posted by ブクログ
◼️ 小川洋子「サイレントシンガー」
彼女は沈黙のために歌う。精巧に築かれたフィールド。恐れ入りました。
小川洋子は「猫を抱いて象と泳ぐ」で日本にポール・オースターみたいな作家がいたのかと驚いた。しかし数作品読み進めるうちに、独自の、他人には理解してもらえない範囲を作り、それをひたすら守る、という手順のようなものにやや腰が引けた感覚もあった。
今回も同じではあるのだが、ここまで発想を広げて組み上げたことにただ感心して、唸った。
「魂を慰めるのは沈黙である」
有名温泉地近くの山の一角。金網や厳重な門、柵で囲まれた施設「アカシアの野辺」そこに住む男たちは沈黙を好み、指を使った言葉で意図を伝