小川洋子のレビュー一覧

  • 小箱

    Posted by ブクログ

    亡くなった子供たち、その子供たちを大切に思い続ける大人たち。 まるでその街全体が生と死の間にあるような、時が止まってしまっているような、独特な雰囲気。 最初から最後まで捉え所のない不思議な世界観でした。

    0
    2023年01月04日
  • 口笛の上手な白雪姫

    Posted by ブクログ

    短篇集。「亡き王女のための刺繍」「盲腸線の秘密」「口笛の上手な白雪姫」と赤ん坊の神秘性、聖性に触れる作品が多く感じられた。
    「一つの歌を分け合う」はレ・ミゼラブルをまた観たくなる言葉の紡ぎ方で作家のちからを感じた。実際に福井さんへ取材したらしい。
    「仮名の作家」はさすがの小川先生。固執、執着からの狂気が見事。途中で共感性羞恥になって読むのがつらかった。共感してはいけないのは承知。
    「かわいそうなこと」のシロナガスクジラへの視点が好き。

    0
    2022年12月31日
  • 最果てアーケード

    Posted by ブクログ

    特に好きも嫌いもない作品
    アーケードじゅうどこを見回しても死、死、死!
    代謝と呼ぶのも憚られる死
    なのになぜか適度に温かいのが不思議で不気味

    0
    2022年12月27日
  • 科学の扉をノックする

    Posted by ブクログ

    73冊目『科学の扉をノックする』(小川洋子 著、2011年3月、集英社)
    作家・小川洋子が科学のスペシャリストたち7人にインタビューをし、それを纏めた一冊。
    ジャンルは天文学や鉱物学、生物学、スポーツ科学など幅広いが、いずれも専門的な内容ではないため、全くの門外漢でも問題なく読むことが出来る。
    小川洋子らしい柔らかな文章で書かれており、一つ一つのインタビューはまるで物語のようなユニークさ。
    科学に興味がなくても十分に楽しめる。

    「私は今日ほど安らかな気持で、死の話に耳を傾けたことはなかった」

    0
    2022年12月15日
  • 約束された移動

    Posted by ブクログ

    穏やかで静かに進んでいるような雰囲気なのに、不気味さや不穏も存在している。
    移動に関わる様々なプロフェッショナルたちの思考が新鮮で、深く考えされられます。

    0
    2022年12月01日
  • 掌に眠る舞台

    Posted by ブクログ

    人にはさまざまな人生があり、ささやかだけど自分が輝ける場所があって良いと思った、そんな短編作品。テーマは統一していますが、内容は幅広くちょっと理解し難い部分はありましたが、それでも小川さんの世界観が伝わり、独特な余韻が残る一冊。

    0
    2022年12月04日
  • 沈黙博物館

    Posted by ブクログ

    形見と沈黙を軸に進んでいく謎めいた物語です。登場人物の感情表現やスリリングな展開に引き込まれながらも、どのように物語が終着するのかが予想できず、先に先に読み進めてしまう変わった魅力のある本でした。

    0
    2022年11月05日
  • 小箱

    Posted by ブクログ

    ひなびた町の朽ち果てた幼稚園の講堂の箱の中に、子どもを失った親達が子どもに必要であろうモノを入れていく。亡くなった子どもを想いながら講堂に通う親の姿が、もの悲しい。寄り添う主人公に癒される。不思議な幻想的なお話。このような境遇の方々に安寧が訪れる事を願う。

    0
    2022年10月16日
  • 最果てアーケード

    Posted by ブクログ

    大事な手のひらに握りしめた、他の誰にも見せる必要のない、ひとかけらの結晶があって・・・

    と、いう一文が同じく小川洋子さんの蜜やかな結晶にあり、テーマは同じと思った

    0
    2022年10月01日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

    Posted by ブクログ

    ポール・オースターの小説内で語られる物語の捉え方と、小川洋子の物語の捉え方に共通点が多くて驚いたが、後書きにポール・オースターを敬愛してると書いてあったので納得。

    113
    それはつまり切っているということです。切る時は、励ましの言葉で切ると一番カッコええわけね。「頑張れよ」っていうのは、つまり「さよなら」ということです(笑)。

    0
    2022年09月29日
  • とにかく散歩いたしましょう

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    あぁ、書かなくちゃ。精進しなきゃ。
    といつも思っているんだなぁ。
    そしてあの素晴らしい小説が産まれているんだなぁ。

    表紙にも登場するわんこさんは後書きの頃のは虹の橋を渡っているらしいけれど、そこに残るぬくもりが感じられるエッセイ。

    0
    2022年09月28日
  • 凍りついた香り

    Posted by ブクログ

    ある日突然恋人は命を絶った。理由が不明なその死を受け止めきれず、恋人の生きた軌跡を辿る主人公の物語。
    恋人そっくりな弟や母親から、自分より前の恋人(元カノ的な何か)から、そして異国の街で、その記憶や記録の断片を辿って恋人の過去を構築していく。結局のところその理由は不透明なまま、でもなんとなく美しい感じで物語が終わる。
    不穏な湿度を含んだ母親とのやり取りにぞわぞわし、終盤に至ってはもはや自分が何を読んでいるのか分からなくなってくるあの感じ、読んでいると引き込まれ現実世界をちゃんと忘れることができて、結構好きだった。

    0
    2022年09月17日
  • 約束された移動

    Posted by ブクログ

    小川さんの作品の特徴である、どこか品が良くて、
    どこかグロテスクな感じが含んだ、短編集です。
    この作品たちの主人公たちは、自分の与えられた
    仕事を全うするのですが、その仕事の中で、自分の
    中で、ある秘密というか、忘れられない過去が含み
    として、語られている。表題作の「約束された移動」今作は、ホテルの客室清掃員が、1年に一度必ず泊まる、ハリウッド俳優との2人だけのある秘密を描いているのですが、秘密を抱えた人たちのどこか寂しいが、秘密を抱えた人たちだからこそ通じ合える関係性をどうか感じてほしいです。

    0
    2022年08月19日
  • 約束された移動

    Posted by ブクログ

    おそらくどの解説を読んでもしっくりこない気がする。

    どう足掻いても捉えることができない霧のような小説。

    0
    2022年08月17日
  • 洋子さんの本棚

    Posted by ブクログ

    小川洋子さんって、すごい売れっ子作家さんなのに作品に出てくる人とおんなじで慎ましい人、無欲な人って印象なんだけど、よりその印象が強まった。

    親の嫌いな部分、欠点ばかり似てきてしまったなあと思っているけど、小川さんの「子どもが自分に似ちゃったなぁと思うのはたいてい欠点の方。ああ、やっぱり、みたいな」(P133)というとを読んで、親の視点から見てもそうなのか、と思った。まだ娘からの視点でしか考えられないけど世のお母さん方もそんなことを考えているのかな。

    以下共感したところ、覚えておきたいところをかいつまんで

    ✳︎子どもが巣立つ時、もう取り返しがつかないんだという後悔がくる。
    もっと日々感謝し

    0
    2022年08月11日
  • いつも彼らはどこかに

    Posted by ブクログ

    博士の愛した数式を書いた作者の短編集
    どこか欠落しつつ、どこかにひっそりと他人の人生の通行人程度にしかならないような人たちの愛らしいこだわりや考え方を、何か別の事象や出てくる生き物に重ねて描く。
    一番好きな作品はビーバーの小枝
    ビーバーの勤労と物書き、翻訳家との心の交流がとても丁寧に描かれている

    0
    2022年07月30日
  • 琥珀のまたたき

    Posted by ブクログ

    静かでひそひそ声が聞こえてくるような、古い宝箱を開けたときのような雰囲気は良かったけど間延びして飽きてしまった 睡眠導入剤としてはとても良かった。。スミマセン 私には合わなかったようです

    0
    2022年07月20日
  • ボタンちゃん

    Posted by ブクログ

    やさしくやわらかな雰囲気でした。子供が成長がはやすぎて色々なモノを捨てたし買いました。捨てずに残すととんでもない量になるんですよね。

    0
    2022年07月02日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

    Posted by ブクログ

    小川洋子さんと、臨床心理学者の河合隼雄さんとの対談本。
    心理学的な話が主なのかと思いきや、数学や宗教に絡んだお話も多いです。
    「原罪」「原悲」や、西欧一神教の人生観についての話はとても興味深かったです。もう少し深く考えたいので、そのうちまた読み返したい。

    河合氏は、2007年に亡くなったそうで、もっとこのお二人の対談を読んでみたかったので残念です。この方の本もそのうち読んでみたい。

    0
    2022年06月19日
  • 琥珀のまたたき

    Posted by ブクログ

    四人の兄弟の一番下の妹が亡くなった後
    母親が思った事は もうこれ以上子どもを失いたくない。
    という事で 家の中に閉じ込めて(=外に出さなければ守れる) 
    三人の子ども達を生活させる。
    テレビなどの情報は全くないけど
    沢山の図鑑や書籍が子ども達の情報源だった。
    三人いるので 遊びも色々工夫して成長していった。

    話の 構成が 主人公の琥珀(アンバー氏)の 子ども時代と現在とを 交互に描いているので 
    最後は 家から出たのだろうけど
    どういうきっかけで 出るようになったのか
    摩訶不思議な 世界を 描いてる 本でした。

    0
    2022年06月16日