小川洋子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
あの工場を見てみたい!
お菓子、ボート、鉛筆など、私たちが日常で見たり使ったりしているものは、一体どこで、どのように作られているのだろう。
”ものづくり”の愛しさが綴られる工場見学エッセイ。
小川洋子さんが身近なものを製作している工場に見学に行き、その経験を綴る工場見学エッセイ本です。
「なんて面白そうなんだろう」という基準だけで選ばれた工場は、お菓子や鉛筆、ガラス加工製品、サンポカー(子供をのせる車輪のついた箱みたいなやつ。街中で小さい子が保育士さんにのせられ運ばれている。かわいい)など様々。
工場見学というのは、小学校のとき以外はバスツアー旅行なんかでしか行ったことがないですし、バスツアーだともう買い物の前座みたいな扱いで情緒もなにもないですが、小川洋子さんの文章を通してみるととても繊細で、美しく、尊く見える。
驚いたのは、工場での製品の製作という複雑な工程、何が起こってどう作っているかという内容を、文章だけで分かりやすく伝えている事。
自分で書いたら絶対に訳が分からなくなるであろう細やかな作業工程を、現場を見てもいない一読者でもこんな機械でこんな風に作っているのかなあと想像させることが出来るのは、流石小川さんの文章力という感じです。
全く知らない業界でも、魅力が伝わる、興味がわく。素敵な本でした。 -
Posted by ブクログ
なんとなく、題名に引かれて手にとってみた本。
彼女の作品を読むのはこれが初めて。
博物館技師という、これまた私のほとんど知ることのなかった職種が描かれていたのも面白かった。
小さな村を舞台に、その村で亡くなった人の形見を「収集」したものを博物館にするというちょっとミステリアスなお話。異彩な個性を放つ登場人物たちも魅力的。博物館をつくるという話自体が私にとって新鮮な発見がたくさんあった。全てのものは放っておくと風化してしまいなくなってしまう。収集して保存する。それが博物館の基本的な仕事なんだとあらためて思う。物が溢れかえっている世の中で、じゃあ何を保存するか。この本では、その人が確かに生きた、という証として、その人の「生」を最も体現しているものを形見として残す、という面白い発想がある。
さぁ、私が生きた証として何が形見として適当だろうか。
・・・、まだ何もないような。