小川洋子のレビュー一覧
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ブラフマンの仕草が愛らしい。
本を読みながら想像できるほど描写がリアルだった。
名前のあるものと、名前の無いもの、、、。
名前を知らない人を見るときは「この人はどういう人か」 主観を挟まず 客観的にその人を見ることができるが 名前 を知ることにより 「この名前からこの人のイメージ やまたこの人はこういう風なのではないか」という主観が少し 挟みながら その人を見てしまう傾向があると私は思った
名前を知っているからこの人と知り合いだ 名前が知らないからこの人と知り合いではないという関係ではなく名前があってもなくても人々は関わりを持ちまた関係が途絶えていくものなのかもしれない -
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たぶん初めての小川洋子さん
★は4よりの3
タイトルに惹かれて手に取った。
「薬指の標本」と「六角形の小部屋」の中編2本。
どちらかと言うと、タイトルではない方の「六角形の小部屋」のほうが好みだったかな。ゆっくりじっくり読みたいけど続きが気になる感じで。でも、どちらをタイトルにするのかと考えたら、「薬指の標本」のほうが魅力的に感じるなと。
「薬指の標本」は千早茜さんの「透明な〜」に雰囲気似てるなーと思いながら読み進めたんだけど、ほかの方の感想読むと同じように感じた方も居たようで同感。でもこちらのほうが奇妙というかよく分からない不気味さのようなものがある。読み終えてもスッキリなんてするわけもなく、モヤモヤは残りつつもこれはこれで良い後味と感じたり。
んー、小川さん癖になりそう…! -
Posted by ブクログ
◼️小川洋子「不時着する流星たち」
小川洋子さんテイストがだんだん分かってきたような。まさに"いつもの"話の短編集。
私がこの著者は何読んだ、といつも書くのは忘れないためでもある。例えば伊坂幸太郎や長野まゆみ、泉鏡花などはどれ読んでてどれ読んでないのかサッパリ状態汗。
「アンジェリーナ 佐野元春と10の短編」「博士の愛した数式」「海」「猫を抱いて象を泳ぐ」「最果てアーケード」「ことり」「サイレントシンガー」といったところ。今作は2017年の作品。
母の再婚により、血の繋がっていない17歳年上の姉と同居することになった幼い私。姉はいつも裁縫箱のようなものを持っていて、中身は自分が誘拐されそうになった時、助けてくれた物たちだと私にささやく。
「えっ誘拐?」「そう。ゆう、かい」
(誘拐の女王)
まずはタイトルにやられてしまった。やっぱりこれくらい謎めいておもしろそうでなければならないよ、うん、と。冒頭に出てくるこの誘うようなセリフと謎めいた状況。オチは?で、かつ、まあ誰にも似たような体験(こんな極端でなくとも)はあるよね・・と思わせる。これがまあ小川洋子さん独特の感覚かなと。世の中の常識から少々はみ出した不器用な人々や老いのために少し現代とずれている者たちの悲哀や喜びを描く、作品が今作でも多い。長編を短編化しているような感じでバラエティに富んでなかなか楽しい。
「散歩同盟会長への手紙」
「カタツムリの結婚式」
「臨時実験補助員」
「測量」
「手違い」
「肉詰めピーマンとマットレス」
「若草クラブ」
「さあ、いい子だ、おいで」
「十三人きょうだい」
の12篇。それぞれ何らかのものにインスパイアされたりオマージュとして書いているようだ。例えばカタツムリを偏愛していた著名作家パトリシア・ハイスミスだったり、ピアニストグレン・グールドであったり、エリザベス・テイラーであったりする。篇の最後に紹介がついている。
それにしても、さまざまなシチュエーションとその場に漂うものー感情や、そこに結びつくまでの感覚的、抽象的なものを知覚し、考え出し、具体化する手腕にはいたく感心する。
最も心に残ったのは「臨時実験補助員」か。かつてのアルバイト。2人1組で宛名が大学の実験室になった封筒を、ポストのそば、あからさまでなく、またそれでも見つかるような場所に置いていく。一緒に回った年上の若い母親さんは適した場所を探す名人だった。交流が生まれ、一度家にも行った。そして、数十年の時を経て、偶然再会したー。
紹介文によれば、この手法はアメリカの心理学者が生み出した「放置手紙調査法」。調べてみると、宛先に対し拾った人が投函してくれるかどうかで潜在的な支持率や偏見を調査するものだそうである。へぇー。
その他お葬式に呼ばれる見送り役の幼い女の子、ペットショップの気になる店員ものなど日常、もしくは非日常、いつもではないが誰もが経験するような、どこかにある点を徐々にズームアップするように、物語を紡ぐ。
以前源氏物語を通読したとき、女子は自分たちを物語に登場する女性たちの誰に当たるかって考える、と教えてもらった。若草物語は読んでないけど、やっぱりそうなんだろうか。
きちんとオチがある作品たちではない。でもオリジナリティある、短編らしい短編。そんな気がした。 -
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80分毎に無に戻るってどんな感覚なんだろう。
全部引き戻されて今の状態がわからなくて、文章の中の博士はいつも「自分なんて」っていうニュアンスを描いていたからきっとこの家政婦と出会うまでに沢山の申し訳なさや苦労や苦痛を貼り紙や無意識の内に刻まれてるんだろうなと思いながら。
でも人生の終盤に主人公達と出会い、よき友人として80分で、いやもう数秒で消える時間の中でも穏やかな時間が過ごせているのかな。
主人公達も、物語の中、博士の病気とはいえ80分毎のリセットに嫌な顔をせずずっと対応するのも凄い。12年間のルートの年月の中、一体どれだけのリセットを繰り返してるのか想像できないなぁと思ったり。
愛がなければここまでの付き合いはできないし、お互いが本当の意味で良き友であり親代わりであるのかなとからおもったりした。 -
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【平凡な日常に彩りを持たせたいと思っている人】向け
小川洋子さんの本をはじめて読んだ。
温かみがあり、推し活に熱心で興味を持つことを忘れない方なのだなと思わされた。
小川さんに限らず、小説家の方は何気ない日常に色をつけることがとても上手で、それを言語化する力がとてつもないのだと思わされる。
特に『とんかつ』というお話が好き。
父と母のさりげない気遣いが大人になって愛だと気付く。
大切な人がずっといるとは限らない。
取り返しがつかなくなる前に行動に移していかないといけないなと思わされる。
◾️心に残った文章
母が作るとんかつは脂身が多くてあまり好きではなかった。
父はこれが好きなんだと言って、代わりに赤身のところを私と弟に分けてくれた。
いくらでもそういう機会は作れたのに、ぼんやりしているうちに、取り返しがつかないところまで、時は過ぎてしまった。 -
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【『ゴリラは人間の鏡』、ゴリラの生き様に学べ!】
表紙で体育座りをしているゴリラが、どこか悲しげに何かを訴えている。(とっても、かわいい♪♫)
振り返れば、私も毎日が窮屈に感じてならない。
便利さと経済的豊かさを引き換えに、ルールに縛られギスギスした現代社会。
正直、話題があちこちに飛び私の古臭いCPUではオーバーヒート気味に煙を吹いていたけれど、一番心が「ウホッ」となったのはゴリラの「覗き込み」という仲裁行動でした。
2頭がケンカになった時、別の1頭が間に入ってお互いの顔をじっと覗き込み、言葉なしで争いを止めてしまうそうです。(顔が近すぎて笑えるのだが)
では、人間の世界はどうなんだろう?
ロシアやウクライナ、中東など、人間の世界は正義を振りかざした争いが絶えません。
作中で語られる、白黒つけるルール(言葉)に固執して自滅した『レ・ミゼラブル』のジャベールのように、現代人は「相手と向き合う構え」を失っているような気がします。
表紙のゴリラさんに一肌脱いでもらって、プーチンやトランプ大統領たちの顔を覗き込み、「まぁ落ち着けよ!」と「ゴリラ的仲裁」でこんな無益な争いを止めてもらいたい。
「ゴリラは人間の鏡」という言葉。
猪突猛進のように進んできた現代社会。言葉や正論、コスパばかりに頼りすぎている私達に、「ここいら辺で一度立ち止まってみて、もっとゴリラを見習おうぜ」と優しく語りかけられているようでした。