小川洋子のレビュー一覧

  • ことり

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    イマイチはまれず
    でも、そういう小説なのだと感じた

    兄も弟も美しくて雑念がなくて欲がない
    ただあるものを愛でて生きている

    情報が溢れた世界でこんなに清らかに変わらずに生きていくのは難しいから余計に美しいって感じる

    癒しとも違う柔らかくてひんやりとした静という感じ
    そして、ところどころ怖いと感じるのはなんなんだろう

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    2026年10月17日
  • ブラフマンの埋葬

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    ブラフマンの仕草が愛らしい。
    本を読みながら想像できるほど描写がリアルだった。
    名前のあるものと、名前の無いもの、、、。
    名前を知らない人を見るときは「この人はどういう人か」 主観を挟まず 客観的にその人を見ることができるが 名前 を知ることにより 「この名前からこの人のイメージ やまたこの人はこういう風なのではないか」という主観が少し 挟みながら その人を見てしまう傾向があると私は思った
    名前を知っているからこの人と知り合いだ 名前が知らないからこの人と知り合いではないという関係ではなく名前があってもなくても人々は関わりを持ちまた関係が途絶えていくものなのかもしれない

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    2026年10月15日
  • 薬指の標本

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    たぶん初めての小川洋子さん
    ★は4よりの3
    タイトルに惹かれて手に取った。
    「薬指の標本」と「六角形の小部屋」の中編2本。
    どちらかと言うと、タイトルではない方の「六角形の小部屋」のほうが好みだったかな。ゆっくりじっくり読みたいけど続きが気になる感じで。でも、どちらをタイトルにするのかと考えたら、「薬指の標本」のほうが魅力的に感じるなと。
    「薬指の標本」は千早茜さんの「透明な〜」に雰囲気似てるなーと思いながら読み進めたんだけど、ほかの方の感想読むと同じように感じた方も居たようで同感。でもこちらのほうが奇妙というかよく分からない不気味さのようなものがある。読み終えてもスッキリなんてするわけもなく、モヤモヤは残りつつもこれはこれで良い後味と感じたり。
    んー、小川さん癖になりそう…!

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    2026年10月14日
  • 猫を抱いて象と泳ぐ

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    紹介文に惹かれて購入
    期待値がちょっと高すぎたかな

    幸せとは言い切れない悲しい物語。だけど、本人は幸せだったと思う。

    最後ミイラと会ってほしかった
    お互いに会いたいと思っていたのだから
    勿体ぶらずに早く手紙を出していたら会えたらと思う
    けど、会えなくて良かったと思う
    手紙を出すまでのあの気持ちがあったからこそ、この物語が読んだ人の心に残り美しくなる。
    彼の死こそ意味があるのだと。

    チェスのルールを知っていたら彼の譜面の美しさをより感じることができたのだろうな。
    それはちょっと悔しいや


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    2026年10月14日
  • 妊娠カレンダー

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    姉の妊娠から出産までを寄り添うようにそばで暮らす妹は見続ける。
    かなり無茶な姉の要望にこの妹は可能な限り答えていく。
    しかし姉に対する愛情、姉の中で育っていく胎児、出産という事実に対する畏敬の念などは感じられない。
    ただ目の前で進んで行く出産に向かう経過を観察して受け止めているだけ。
    自身に経験のない出産に至る経過を観察していても高揚感、共感は生じず自分の身の回りで起きている事象でしかない。
    出産は、そして生命の誕生は喜ばしくめでたい事というのは自身のことでなければ社会的な一般化した儀礼のような物であるのだろうか。

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    2026年10月12日
  • 小箱

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    通っていた幼稚園を思い出した。
    小さい机やトイレの便器。
    バリトンさんのイメージが何故か坂東彌十郎。
    カバーがとても幻想的で、物語ととても合っている。

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    2026年10月12日
  • 博士の愛した数式

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    ネタバレ

    小川 洋子

    東京帰って時間あったんでサクッと読んだ今春映画化されてた原作です。阪神タイガースの話を織り交ぜるのは大正解で物語をカラッとじめつかせない役割を果たしているかと・・・題材が題材なだけにね。もう少し離れの未亡人と博士の関係を掘り下げて欲しかったけど。70点。

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    2026年10月12日
  • 不時着する流星たち

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    ◼️小川洋子「不時着する流星たち」

    小川洋子さんテイストがだんだん分かってきたような。まさに"いつもの"話の短編集。

    私がこの著者は何読んだ、といつも書くのは忘れないためでもある。例えば伊坂幸太郎や長野まゆみ、泉鏡花などはどれ読んでてどれ読んでないのかサッパリ状態汗。

    「アンジェリーナ 佐野元春と10の短編」「博士の愛した数式」「海」「猫を抱いて象を泳ぐ」「最果てアーケード」「ことり」「サイレントシンガー」といったところ。今作は2017年の作品。


    母の再婚により、血の繋がっていない17歳年上の姉と同居することになった幼い私。姉はいつも裁縫箱のようなものを持っていて、中身は自分が誘拐されそうになった時、助けてくれた物たちだと私にささやく。
    「えっ誘拐?」「そう。ゆう、かい」
    (誘拐の女王)

    まずはタイトルにやられてしまった。やっぱりこれくらい謎めいておもしろそうでなければならないよ、うん、と。冒頭に出てくるこの誘うようなセリフと謎めいた状況。オチは?で、かつ、まあ誰にも似たような体験(こんな極端でなくとも)はあるよね・・と思わせる。これがまあ小川洋子さん独特の感覚かなと。世の中の常識から少々はみ出した不器用な人々や老いのために少し現代とずれている者たちの悲哀や喜びを描く、作品が今作でも多い。長編を短編化しているような感じでバラエティに富んでなかなか楽しい。

    「散歩同盟会長への手紙」
    「カタツムリの結婚式」
    「臨時実験補助員」
    「測量」
    「手違い」
    「肉詰めピーマンとマットレス」
    「若草クラブ」
    「さあ、いい子だ、おいで」
    「十三人きょうだい」

    の12篇。それぞれ何らかのものにインスパイアされたりオマージュとして書いているようだ。例えばカタツムリを偏愛していた著名作家パトリシア・ハイスミスだったり、ピアニストグレン・グールドであったり、エリザベス・テイラーであったりする。篇の最後に紹介がついている。

    それにしても、さまざまなシチュエーションとその場に漂うものー感情や、そこに結びつくまでの感覚的、抽象的なものを知覚し、考え出し、具体化する手腕にはいたく感心する。

    最も心に残ったのは「臨時実験補助員」か。かつてのアルバイト。2人1組で宛名が大学の実験室になった封筒を、ポストのそば、あからさまでなく、またそれでも見つかるような場所に置いていく。一緒に回った年上の若い母親さんは適した場所を探す名人だった。交流が生まれ、一度家にも行った。そして、数十年の時を経て、偶然再会したー。

    紹介文によれば、この手法はアメリカの心理学者が生み出した「放置手紙調査法」。調べてみると、宛先に対し拾った人が投函してくれるかどうかで潜在的な支持率や偏見を調査するものだそうである。へぇー。

    その他お葬式に呼ばれる見送り役の幼い女の子、ペットショップの気になる店員ものなど日常、もしくは非日常、いつもではないが誰もが経験するような、どこかにある点を徐々にズームアップするように、物語を紡ぐ。

    以前源氏物語を通読したとき、女子は自分たちを物語に登場する女性たちの誰に当たるかって考える、と教えてもらった。若草物語は読んでないけど、やっぱりそうなんだろうか。

    きちんとオチがある作品たちではない。でもオリジナリティある、短編らしい短編。そんな気がした。

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    2026年10月11日
  • 博士の愛した数式

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    80分毎に無に戻るってどんな感覚なんだろう。
    全部引き戻されて今の状態がわからなくて、文章の中の博士はいつも「自分なんて」っていうニュアンスを描いていたからきっとこの家政婦と出会うまでに沢山の申し訳なさや苦労や苦痛を貼り紙や無意識の内に刻まれてるんだろうなと思いながら。
    でも人生の終盤に主人公達と出会い、よき友人として80分で、いやもう数秒で消える時間の中でも穏やかな時間が過ごせているのかな。
    主人公達も、物語の中、博士の病気とはいえ80分毎のリセットに嫌な顔をせずずっと対応するのも凄い。12年間のルートの年月の中、一体どれだけのリセットを繰り返してるのか想像できないなぁと思ったり。
    愛がなければここまでの付き合いはできないし、お互いが本当の意味で良き友であり親代わりであるのかなとからおもったりした。

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    2026年10月09日
  • 小箱

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    死んだ子供とそれを悼む者たちの話ではあるが、主人公である私の考えや行動により優しさや慈愛のようなものは漂っている。しかし、それと同時に私を含めてこの街や人々が行っていることからは、どこか病みや異常も感じられる。それは、好悪や美醜などの相反するもの本書に存在しているからだろう。時に一方が、時に混ざり合って滲み出すそれは、傷を治すためにできたかさぶたのようだ。

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    2026年10月08日
  • 続 遠慮深いうたた寝

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    【タイパの世の中に疲れてしまった人】向け

    効率が求められる現代社会において、日常の何気ない瞬間を切り取って言葉にして残せる人ってとても素敵だな。
    急ぐことも大事だけど、たまにはのんびりゆっくり生きていく日も大事だなと思わされる。

    私も否定的な言葉を使わないようにしたい。
    意識していこう。

    ◾️心に残った文章
    会話の中に一度も否定の言葉がないこと。
    そんな夫婦が理想。
    夫婦の日常会話にわざわざ否定の言葉を吐いて雰囲気を悪くする必要はない。
    うん、そうそうと肯定していれば結局は丸くおさまる。
    お互いの気持ちも穏やかでいれる。

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    2026年10月06日
  • 遠慮深いうたた寝

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    【平凡な日常に彩りを持たせたいと思っている人】向け

    小川洋子さんの本をはじめて読んだ。
    温かみがあり、推し活に熱心で興味を持つことを忘れない方なのだなと思わされた。
    小川さんに限らず、小説家の方は何気ない日常に色をつけることがとても上手で、それを言語化する力がとてつもないのだと思わされる。

    特に『とんかつ』というお話が好き。
    父と母のさりげない気遣いが大人になって愛だと気付く。
    大切な人がずっといるとは限らない。
    取り返しがつかなくなる前に行動に移していかないといけないなと思わされる。

    ◾️心に残った文章
    母が作るとんかつは脂身が多くてあまり好きではなかった。
    父はこれが好きなんだと言って、代わりに赤身のところを私と弟に分けてくれた。
    いくらでもそういう機会は作れたのに、ぼんやりしているうちに、取り返しがつかないところまで、時は過ぎてしまった。

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    2026年10月06日
  • 世にも美しい数学入門

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    数学者と小説家の対談。中でもフェルマーの定理の証明を巡る話が面白い。
    こうした本を読むと数学はとても面白そうに思えるが、小学校の分数あたりで算数を早々に諦めてしまったことが悔やまれる。

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    2026年10月05日
  • 海

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    小川洋子短い物語の世界観でした。
    以前ラジオを聞いていたので
    小川洋子さんが音読しているのを
    聞いている気分になれました。

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    2026年10月04日
  • 劇場という名の星座

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    帝劇は行ったことがないですが新しくなったら足を運んでみたいです。0番に立つ推しを観にいきたい。劇場で働く方の話が印象に残りました。パラソルの人と妊婦の人は正直ただの迷惑客では!?薬剤師の人もよく許したな…私の心が狭いだけかしら。良い話とうーん?な話のギャップが凄かったです。

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    2026年10月01日
  • 劇場という名の星座

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    劇場に来る人、一人ひとりに物語があるということね。劇場と関わりのある思い出なら、その場所にいるとブワーッと色々なことが思い出されるに違いない。そんな思い出があるっていいな。

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    2026年09月30日
  • 夜明けの縁をさ迷う人々

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    久々に読んで小川洋子ってこうだったわ!を思い出せたのが楽しかった。
    ずっと死と隣り合わせな美しい世界観。

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    2026年09月28日
  • 博士の愛した数式

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    自分には刺さりませんでした。

    数学は昔から苦手だったから作中に出てくる数式の説明もあまり理解できなかったし、その美しさに共感もできなかった。なんとなくでしか分からないのが残念。ただ、先の人生で素数は特別扱いするかも。

    ちょっと面白いと感じたのは、時代設定が1980~1990年代で、ちょうどそのころのルートと自分が同世代だったから、なんとなく子供時代の懐かしい雰囲気を思い出して楽しめた。

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    2026年09月27日
  • 夜明けの縁をさ迷う人々

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    うわは〜へーんな世界
    九つの短編が入っていた
    エレベーターで生まれ、エレベーターの中で生き、エレベーターから出ると消えてしまったためEB(エレベーターボーイ)の話が一番印象に残った
    最初と最後の野球の話は全然だった笑

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    2026年09月24日
  • ゴリラの森、言葉の海(新潮文庫)

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    【『ゴリラは人間の鏡』、ゴリラの生き様に学べ!】

    表紙で体育座りをしているゴリラが、どこか悲しげに何かを訴えている。(とっても、かわいい♪♫)
    振り返れば、私も毎日が窮屈に感じてならない。
    便利さと経済的豊かさを引き換えに、ルールに縛られギスギスした現代社会。

    正直、話題があちこちに飛び私の古臭いCPUではオーバーヒート気味に煙を吹いていたけれど、一番心が「ウホッ」となったのはゴリラの「覗き込み」という仲裁行動でした。
    2頭がケンカになった時、別の1頭が間に入ってお互いの顔をじっと覗き込み、言葉なしで争いを止めてしまうそうです。(顔が近すぎて笑えるのだが)

    では、人間の世界はどうなんだろう?
    ロシアやウクライナ、中東など、人間の世界は正義を振りかざした争いが絶えません。
    作中で語られる、白黒つけるルール(言葉)に固執して自滅した『レ・ミゼラブル』のジャベールのように、現代人は「相手と向き合う構え」を失っているような気がします。

    表紙のゴリラさんに一肌脱いでもらって、プーチンやトランプ大統領たちの顔を覗き込み、「まぁ落ち着けよ!」と「ゴリラ的仲裁」でこんな無益な争いを止めてもらいたい。

    「ゴリラは人間の鏡」という言葉。
    猪突猛進のように進んできた現代社会。言葉や正論、コスパばかりに頼りすぎている私達に、「ここいら辺で一度立ち止まってみて、もっとゴリラを見習おうぜ」と優しく語りかけられているようでした。

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    2026年09月24日