小川洋子のレビュー一覧

  • 洋子さんの本棚

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    ネタバレ

    小川洋子さん、平松洋子さんによる、対談形式の書籍紹介本。

    お二人の成長に合わせて、5章に渡り、印象に残った本を紹介してくださっている。
    その5章は、少女時代の本、少女から大人へ向かう時の本、家を出る時の本、人生の中で思い出すと力が湧くような本、旅立ち(死後の意味で)に向かう本、という内容。

    紹介されている本は、ほぼ読んだことのないものが多く、新しく読みたい本リストに加わった。

    個人的に印象に残ったのは第4章、人生のあめ玉。
    人には後悔や恥ずかしかった経験がたくさんあるが、
    それらを肯定して、私はこれでよかったんだ、良いことも悪いこともすべて今の自分を作っているものだと思って生きていくとい

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    2026年06月18日
  • サイレントシンガー

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    饒舌なこと、適切な言語化が求められる現実社会のアンチテーゼのような作品。内気な人々が作り上げた小さなコミュニティが何十年と続いている「アカシアの野辺」,そこでの会話は指言葉と呼ばれるもので成り立っていて、言葉を発することはほとんどない。とても静かな世界のお話。アカシアの野辺で働くおばあさんの元でリリカは育った。彼女は名を明かさず、匿名で歌うことが仕事の一つだ。サイレントシンガー。彼女の日常を、人々とのやりとりを、人生を、辿った物語だ。
    はしゃぐこともなく、慎み深い優しい時間が流れていく。とても寂しいし、とても哀しいと感じてしまうが、幸せ?不幸せ?尋ねるのは失礼な気がする。
    指言葉のサヨナラは、

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    2026年06月17日
  • 博士の愛した数式

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    数学だからこそこの物語は美しい。「博士の愛した百人一首」でも「博士の愛した四段活用」でもダメなのである。
    数学とは小学生の時算数と呼ばれていた時代からすでに縁は切っているけど、「大嫌いな奴のちょっといいとこ」みたいな素敵な物語でした。

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    2026年06月14日
  • ミーナの行進

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    母親の仕事の都合で1年間だけ岡山の伯母さんの家に預けられた朋子。そこで一つ下の少女ミーナと出会う。
    子供時代の体験はずっと心に残る。キラキラした思い出のページを垣間見たよう。心安らぐような心地よいお話。

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    2026年06月14日
  • 劇場という名の星座

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    ネタバレ

    2025年2月をもって一時休館となった“帝国劇場”が舞台の小説!

    小川先生の帝国劇場への愛がぎっしりと詰め込まれたラブレター。

    お恥ずかしながら、まだ帝国劇場で観劇したことないんですが…。
    かなり楽しめました!

    本作を読んで、帝国劇場の休館があけたら、1度足を運んでみたいなぁと思いました!

    (帝国劇場に実際行ってから、あらためて読み直すと、また別の感想が出るかも◎)

    スラスラ読めて、読み終わったら、心が温かくなるそんな作品です!

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    2026年06月13日
  • 博士の愛した数式

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    ネタバレ

    静かな名作
    個人的には感情の起伏がある方が好みだが、それぞれの愛と優しさがあった。

    未亡人との関係
    博士の過去を多く語らない
    あえて書いてないのか、そこに想像の余白があるが、そこが知りたくもある

    80分という記憶の保持
    それが削られていく様がリアルで、まるで命を燃やしているように感じた

    寿命が可視化されてるような
    静かな優しい本だった

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    2026年06月13日
  • 海

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    ネタバレ

    〈備忘録・ネタバレあり〉
    7つの作品をおさめた短編集

    ・海
    婚約者とその家族の間になにかしらのわだかまりがあること、小さい弟(大人)が少し変わっていて純粋な心をもっていることは分かったが、何をどう読み解けば良いのか、物語の着地がわからなかった。小さい弟の愛くるしさは伝わった。

    ・風薫るウィーンの旅六日間
    ありきたりなおばちゃん琴子さんが、病に伏すかつての恋人に会いにいくのに、たまたまホテル同室だった主人公が付き添うはめになる。連日通った末に元恋人は亡くなるが、実は人違いで隣のベッドだったというオチ。ただただそういう話でしかない。琴子さんの可愛らしい描写には引き込まれる(図々しいが)。
    たっ

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    2026年06月14日
  • 海

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    ごくごくうすーーーい短編集
    なのにどうでしょう、この妖しく静かで品のある
    ことばの世界にとっぷり浸った満足感。

     
    7篇の短編集です。

    幻想的でノスタルジックなフィルター越しに日常をのぞいているような。
    ほのぼのかと思いきや、急に不穏な香りが漂ってきたりおとぎ話のような世界に迷い込んだり。

    このふんわりとした得体の知れなさは、
    文学でしか味わえないよなぁと思います

    短くても、しっかり「小川洋子的なもの」を感じられる1冊でした。

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    2026年06月11日
  • そこに工場があるかぎり

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    テレビの短編ドキュメンタリーを見ているかのようでした。
    普段何気なく目にするものの工事見学もありましたが、私は全く未知の世界の工場見学に面白さを感じました。例えば、ただひたすら金属に細い穴をあける会社とか、競技用のボートを作る国内唯一のメーカーとか、複数人の保育児を運ぶサンポカーを作る会社とか。
    今の時代は大量生産しているものが多いですが、本書で紹介される工場には、唯一無二のものを作り出す職人さんがたくさんいらっしゃいました。専門家とか職人さんってカッコいいなぁと思います。一つの事に精通している、誰にも負けない、スペシャリスト。もしかしたら時代に合わないのかもしれませんが、私は憧れます。
    きっ

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    2026年06月08日
  • 劇場という名の星座

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    帝国劇場愛に溢れた短編集。一つの演目を上演するのに役者だけでなく「思いも寄らない仕事に従事している人間が、大勢集まっている場所」で、一人一人が丁寧な手仕事で感動を巻き起こす。なのに、59年で壊す必要あるのか…。何百年も愛されて利用されてる欧米の劇場引き合いに出しても仕方ないけど、木造建築ならまだしも、欧米真似たコンクリート作りの“一丁倫敦”までも…。借金大国になるはずだ。百尺ラインで東京にも空があったんだと銀杏並木と共に、感動した日は遠くになりけり。「皇居を見下ろすのは不敬」はともかく、第一生命、明治生命、東京会館に続き帝国劇場まで…哀しい…。

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    2026年06月08日
  • 遠慮深いうたた寝

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    一編一編がかなり短いので感情移入する前に次の編に移ってしまうのがもったいなく感じた。

    あと、物事の切り取り方が独特で面白いのにご自身の著書を「つまらない」とか書いているところが多々あったのが気になった。面白いと思って読んでいる読者に対して失礼だと思うのであまり卑下しすぎるのは良くないと思う。

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    2026年06月07日
  • 掌に眠る舞台

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    どこかこの世の物とは思えない
    夢のような話の作品で

    まさに劇場の観客になることが出来る1冊でした。

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    2026年06月05日
  • ことり

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    ネタバレ

    ことりの小父さんと呼ばれるおじさんの人生。

    小父さんにはポーポー語を話すお兄さんがいて、
    両親がいた頃から
    お兄さんとの生活を大切に守っていたし、
    幼稚園の鳥小屋も大切にしてたし、
    司書さんも大切にしたかったし、
    仕事も丁寧にしてたし、
    ブローチも宝物だったし…

    全部を繰り返し繰り返し、
    丁寧に丁寧に扱うことで、
    それはそれは大切に守ってたし
    守りたかったのに
    なかなかそうはいかなくて、みんな結局は
    小父さんのもとから離れていってしまって…

    小父さんはただ守りたいだけなのに
    (時にはひどい方法で)離れてしまうのが辛い。
    とても静かな小説の世界の中で
    何度も胸が締め付けられる、
    いたたまれ

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    2026年06月03日
  • 人質の朗読会

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    ツアー中 異国で反政府ゲリラの襲撃を受け人質となった日本人たちが各人の思い出を語る─。


    この先 起こることを自らの意思で選択できない状況下。
    しかし個々の中にある思い出は何者にも踏みにじられることはない。

    人質が8名に対し語られた物語は9話。

    正直どんな気持ちで読んだらいいのかと思った。でも語られる話はどれも日常のささやかな思い出で、暫し状況を忘れてしまう…。
    9話目があることによって冒頭のショッキングで血なまぐさい事件とは裏腹に終わりは静謐な余韻に満たされたんじゃないかと思った。
    そして人には誰しも語れる物語があるということか…。

    小川洋子さん。久しぶりのこの感じ。

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    2026年06月03日
  • とにかく散歩いたしましょう

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    小川洋子さんの新聞連載エッセイ集
    読みやすい
    愛犬ラブとの交流と別れの話が印象的
    その他作家の日常や愛読書の話など興味深かった

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    2026年06月03日
  • ことり

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    読み進めるほどに不安な気持ちがもくもく出て来たけど、最後は小鳥のようにふわりと着地しました。素敵な本でした。

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    2026年06月02日
  • 劇場という名の星座

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    帝国劇場の短編集。
    著者ならではの視点で紡がれた物語、著者だからこそ、劇場という非日常の世界が生き生きと描かれたのだろう。

    劇場前は通ったことはあるけれど、無縁な建物と思っていが、今は2030年のリニューアルオープンを心待ちにしている。

    2作が好き
    「ホタルさんへの手紙」「劇場は待っている」

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    2026年06月01日
  • 密やかな結晶 新装版

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    おそらく☆5以上の作品なのだろうと思う。
    読んでいる最中も著者が何を言いたいのか、
    「わたし」と「わたしが書いている小説」のつながり、
    この作品が投げかけている「もの」とはなにか、
    どれが何のメタファーであるかを考えながら読んだが
    同著者の「ことり」よりも読み取ることが難しかった。
    評価の☆3は自分の感性の無さによる評価である。

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    2026年06月01日
  • 不時着する流星たち

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     ピックアップした人物やものはどこか普通ではない風変わりな感覚や強烈な個性を持っている。

     グレーな人たちや病んだ人の行動や感覚をふんわり残酷に詩的に描くのが上手く、短編でも充分な重量を感じる。

     怖いもの見たさかな
    強い異様な輝きを持っている人達…
    枠に収まりきらない人達…

    それぞれの人物をこういう捉え方してるんですね。
    面白い試み。
    3話目と7話目が温かみがあって好きだった。
    9話目は動物虐待が辛い

    タイトルも素敵

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    2026年05月28日
  • 人質の朗読会

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    誰しも一つはある、人に話すほどではないけど大事に抱えているストーリーを教えてもらったような本。
    子供の頃、母に叱られて家出をする!と大騒ぎして、母にお弁当としてゆで卵とハムとセロリなどをマヨネーズで会えたらサラダを持たせてもらって(喧嘩したのに?)、家の前の公園で泣きながら食べたのを思い出した。

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    2026年05月26日