小川洋子のレビュー一覧
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ネタバレある小父さんの一生。
始め、彼が亡くなった所から過去を遡る描写は衝撃だった。この物語を全く知らずに読んだためだ。どこまでが姪(私の中では)の語らいで、どこからが小父さんの語らいなのか。
流れるよう描写展開は美しかった。静に始まり静に閉じる。ある意味、人から見た人生ってこういうもんだよなとか思った。本人はそこに感情が重くのしかかるから、動的な人生であったろうが、話として大きな展開が少ないと感じるのはまさにそういう事ではないのだろうか。
1つ無くしたら次の拠り所を探した小父さんが段々とそれらの悲しみを感じ生きるのは辛くも感じたが、始めから最期までことりは彼の傍にいたのだった。 -
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帝国劇場の建て替えに伴い、これまでのその箱の中、そして外、関わる多くの人、俳優ではなく支える人、観客、に焦点を当てたお話で、知らないことを知れた物語だった。
帝国劇場の0番の凄さをより感じた。
一人一人帝国劇場に向かうにはその人の人生があって。
着到板を描くということ。過去に書かれた人のものは残っている。必ず人の手に触れ、その歴史で板にも個性が宿る。
幸運の椅子の存在。その秘密を守ってきた売店係たち。
光が当たらなくても誰かを輝かせる存在。
たくさんの人が関わり、ひとつのステージが完成する。当たり前だけどそれを感じ取れる作品だった。
建て替え後、またこの歴史が繋がるよう、帝国劇場に行きた -
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◼️ 小川洋子「最果てアーケード」
上手いな、と思う。クローズドな世界と、孤独。
昨年「猫を抱いて象と泳ぐ」を読んで以来、折りにふれ小川洋子を手に取っている。著者の居住地=自分の地元近くが舞台が多い、というのもあるが、その独特なクローズドの世界と繊細な設定、発想、描写が好きだからでもある。
古びたアーケードの商店街。既製品から切り取ったレースを売る店には、とにどき客に遺髪を持ちこまれる。紙とともに古い、使われた絵はがきをたくさん置いてある店、シンプルな揚げドーナツを売る「輪っか屋」、ドアのノブだけが商品で、ドアを開けると人が座れる窪みのあるドアノブ屋、さまざまな店に囲まれて育った少女の私 -
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【短評】
『博士の愛した数式』で名を馳せた小川洋子による「舞台」をテーマにした短編集。
バレエに憧れを抱く少女が手繰る工具達の舞台。帝国劇場に住み着いている「失敗係」という謎の人物。舞台のパンフレットに役者のサインを貰うことに心血を注ぐ女性。帯に記載されていた物語の断片が非常に魅力的であり、平素の好みとは違う領域であることを承知で、惹かれるように手に取った次第。
うーん。評価が難しい!
決して厚くは無い一冊に8つの掌編が納められているからして、展開は実にシンプルだ。構成・構造のお話をするならば、例えば「バレエに憧れを抱く少女が手繰る工具達の舞台」という物語は、それ以上でもそれ以下でもなく、そ -
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ある国で監禁された8人の人質たち。子供の頃のちょっと不思議な経験、あれはなんだったんだろうと微笑みながら思い返す記憶、心のどこかにしまっていた物語がしずかに厳かに語られる。
ひとりひとりの物語が色鮮やかで、だけれど、きちんと完結しており、この話にはこの語り方、この長さが最適解。でもずっと苦しいのはそれがラジオから流れて来た人質のひとりのみんなの命をかけた人生の朗読会だから。
自分の中にも物語があるのではないかと考えてしまった、けれど、ろくな物語はなさそうです。
俳優の佐藤隆太さんの解説が唯一の光となり、もはや物語の一部でありひとりの人質だったのかもしれません。