小川洋子のレビュー一覧

  • 妊娠カレンダー

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    小川洋子さんの作品は何冊も読んできたが芥川賞受賞作は読んでいなかったなと手に取った。表題作を含む3編を収録。いろいろな形で身体的な何かと不思議な感覚を描く作家さんだなと思っていて、「ドミトリイ」は特にその後の作品につながる片鱗を感じる初期作品という感じで良かった。表題作で扱われる「妊娠」もまさに身体の変性にまつわる不思議で不気味な体験そのものという感じなので、なるほどこれが小川洋子の芥川賞受賞作か、と納得の作品だった。

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    2025年07月31日
  • 耳に棲むもの

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    小川洋子さんらしい、不思議な幻想的な世界観。絵は山村浩二さん。タイトル文字写真だとわからないけどキラキラですてき。

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    2025年07月31日
  • ブラフマンの埋葬

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    犬を飼っていた時の事を思い出しました。
    描写が一つ一つ柔らかくて、とてもリアルだと感じました。
    ペットとの大事な思い出を思い出したい時、寂しい冷ややかな日等ほっこりしたい時に読みたい本

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    2025年07月27日
  • 薬指の標本

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    二人の女性が出てくる二編の短編集
    どちらも不思議な物語です
    仕事あるいは恋人との関係が変わってしまった二人の女性が、それぞれ奇妙な体験をして、それに夢中になってしまいます
    二人の最後は対照的ですが、果たしてどちらが幸せなのでしょうか…

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    2025年07月26日
  • 薬指の標本

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    2つの作品が収録されている。共通して出てくるのは、"案内板を出したり宣伝をしなくとも、その場所を必要とする人々は導かれるようにそこを訪れることができる"という空間。日常のなかにひっそりと存在し、必要としてくれる人を待ち続けるという慎ましさが小川洋子さんならではの感じ。

    「薬指の標本」はとくにディープでフェティッシュな感じ。

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    2025年07月26日
  • 最果てアーケード(1)

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    ネタバレ

    最果てアーケード(1)

    とある街の古いアーケード商店街。中古レース屋、剥製用の義眼屋、紙屋・・・こだわりの品をそろえた商店が入っているアーケード。
    そのアーケードの大家の女の子と店子、お客の物語の短編集です。徐々に大家さんの過去や明らかになっていくのですが、それはネタばらしになるので読んでみて下さい。
    原作が小川洋子氏ということで手に取りました。物語は小川さんなのですが、どうもしっくりこない。気づいたのは、竹蔵は小説を文体やリズムで好き嫌いの判断をしているようだということ。小川さんの独特の文体ではないのが違和感の正体かな?
    いづれにしても、登場人物や各エピソードの内容ほど全体的に面白く感じな

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    2025年07月25日
  • 妊娠カレンダー

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    密に関わっている他者ではなく、自分からは遠い存在の他者を通して、自分というものを映し出す。そんな作家性を感じた作品たちだった。

    台詞回しが独特で、描写は身体的なものが多いので、なんとなくなじめなさがある。

    自分の心に秘めておく分にはちゃんとした背景のある悪意も、それを言葉にしたり公にしたら、途端にとてつもなく悪いことのように感じるかも。
    他に選ぶ道がないと思っている時、自分の中に潜む黒い気持ちなんて誰かに言おうと思わないよなあ。

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    2025年07月17日
  • 密やかな結晶 新装版

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    過去に読んできた小説の中にも類を見ない、ショッキングな物語だった。急激に事件が起きるでもなく、少しずつ良くない方に傾いていって、最後には何も無くなるような。救いのない終わり方だと感じた。
    隠し部屋の生活から『アンネの日記』や『ある奴隷少女に起こった出来事』が想起されたが、それらは隠し部屋で生活する当事者であることに対し、本作は匿う側の目線であるという違いが楽しめた。
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    その島では多くのものが徐々に消滅していき、一緒に人々の心も衰弱していった。
    鳥、香水、ラムネ、左足。記憶狩りによって、静かに消滅が進んでいく島で、わたしは小説家として言葉を紡いでいた。少しず

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    2025年07月16日
  • 薬指の標本

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    この人の小説は常に、ひんやりした闇の中に、じっとり湿った生温かさみたいなものを感じる。決して派手でも明るくもない地下室みたい。
    そして、本人に自覚があるかどうかは別として、元来ヒトってみんなそうだよなと思う。

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    2025年07月15日
  • ホテル・アイリス

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    作者の描く、清々しく儚い美しさや、不安定で冷たい恐ろしさみたいなものは、いつもと変わらずに表現されていて、そこにマゾヒズムというスパイスが追加される事で、こんなに陰湿で卑猥になるんだ。と感動した。

    サディズムとマゾヒズムの関係性には、ある程度の理解があるつもりなんだけど、それは言語化するのは到底困難で(偏見ももちろんある)、目を逸らしているところが多々あるし、勘違いしてただのプレイの一つだと思い込んでいる人間が殆どの中で、ただのエロとしてでは無く、エモとして表現しているところは、この人の文体と表現力だから出来る事なんだろな、と思った。

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    2025年07月05日
  • 凍りついた香り

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    母と子の少し歪んだ関係って、どこにでもあるよね。
    母ってどうしてもどこか気持ち悪さを孕んだ存在だと思う。
    小川洋子さんの紡ぐ文章は、どこかひんやりとしていて、静かで、落ち着く。情が熱すぎず、それがとても心地いい。と、どの作品を読んでも感じます。
    心が疲れた時によく効きます。

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    2025年07月02日
  • 猫を抱いて象と泳ぐ

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    駒の制約ある不自由さと、スーパーの屋上や回送バス、盤の下や壁の間で身動きの取れなくなった登場人物達の不自由さが重なって見える。だがチェスは10の120乗もパターンがあるとされており、登場人物たちにも無限の可能性があると思える。

    作中181ページのセリフで
    「どうしてだろう。自分から望んだわけでもないのに、ふと気がついたら皆、そうなっていたんだ。でも誰もじたばたしなかった。不平を言わなかった。そうか、自分に与えられた場所はここか、と無言で納得して、そこに身体を収めたんだ」
    この言葉にあるように静かに受け入れて次の一手を打つ、そんな生き方が出来れば幸せだろうなと感じた。

    また賭けチェスや人間チ

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    2025年06月30日
  • 人質の朗読会

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    はじめの一文から小川洋子ワールド全開だった。
    "そのニュースは地球の裏側にある、一度聞いただけではとても発音できそうにない込み入った名前の村からもたらされた。"

    8人の人質と、1人の特殊部隊通信班隊員によって語られた9つの物語。他人からするとなんてことのない、人生のほんの一部の光景。それが当人にとっては色褪せることのない特別な記憶だったりする。
    「冬眠中のヤマネ」がよかった。

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    2025年06月29日
  • 約束された移動

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    短編集。大袈裟な職業ではないがそれぞれがその職務と意義を大切にしている。
    他の人から見たら異色に感じられる行動も見られるがそんなことにはお構い無しの強い意志、というよりそうするべきだという思い込みを持つ人は小川先生の作品によく登場する。

    「巨人の接待」が好き。きっちり仕事してくれる人に心を許してくれるというのが、読んでいて気持ちが良い。

    解説の藤野可織先生の言葉が的確で、深く頷きながら読んだ。

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    2025年06月24日
  • 遠慮深いうたた寝

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    かわいい表紙に惹かれて購入しました。
    一つ一つが短いので、寝る前の少しの読書時間にちょうど良かったです。

    小川洋子さんの作品は、ほとんど読んだことがないのですが、このエッセイで阪神ファンだったり推しがいたり、私が勝手に今まで小川さんに持っていたイメージと違う一面がたくさん知れて、面白かったです。

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    2025年06月20日
  • 約束された移動

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    どこか不穏な感じや不安定な感じを漂わせながらも、一定の品格や清々しさを決して失わない表現は、いつもと変わらずそこに感じられる。
    その上で1つの事を粛々と全うする様や、移動という表現でもたらされる人生の流れや事柄。そしてそこで生まれる自分でしか分からない、素晴らしい感覚。それを誰にも伝えたり表現する事なく噛みしめる行為。
    読むうちに、私もその中に織り混ざって、なんだか穏やかに心地いい気分になる。

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    2025年06月12日
  • 薬指の標本

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    2編共、どうしようもなく閉ざされた感覚、よるべなさ、あたたかい感情とさみしさが共通している。

    読み終えるとずうんと気分が落ちてしまうから、夜に読むのは要注意だなと思った(私の場合)。

    小川洋子作品は、脇役たちのほうがあたたかい不思議。

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    2025年06月11日
  • 密やかな結晶 新装版

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    ネタバレ

    小川洋子さんの温かい言葉と人柄が溢れている作品。
    最後まで「言葉」が残る世界と最初に「言葉」を失う小説の世界、対比する2つの世界が同時並行に進む。記憶が少しずつ消滅するという不思議な設定だが、主人公の心境の変化や潜在的な不安には、主人公が書く小説の世界線から触れられる。
    私は消化不良のまま読み終えたけど、小川洋子さんの作品に込める想いは、解説で少し理解できた気がします。『工芸作品のような小説』というフレーズに共感!

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    2025年06月09日
  • ブラフマンの埋葬

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    ネタバレ

    懐いていただけに最後がさみしいです。世界観はあまりわからなかったですが、ブラフマンが可愛い。どんな姿をしているのか想像するのもちょっと楽しいです。

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    2025年06月08日
  • 耳に棲むもの

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    骨壺 鳥の死骸 心中 座敷牢 遺体 犬の死骸 溺死…
    数えきれないほどのマイナスワード。
    狂気に満ちた話がつながっていく。
    補聴器の耳の中では外界では聞こえない音が静かに聞こえてくるのかもしれない。
    マイナスワードの傍ら、星 収穫祭 カルテット 小鳥のさえずり プラスワードが安堵させてくれる。

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    2025年06月08日