小川洋子のレビュー一覧

  • 妊娠カレンダー

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    表題作よりも『ドミトリィ』が好きだった。『密やかな結晶』に描かれるような欠損と喪失のある不思議な世界。小川さんが描く女性は凛として上品だな。

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    2025年12月27日
  • サイレントシンガー

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    とても静かな物語で、最初から最後まで何かを訴えるような劇的なことが起こるというわけではないが、それでも静かな中でこそ伝わってくるメッセージもあった。
    言葉数が少なくとも、むしろ伝わることは大きいということ。自分自身の激しすぎる主張は、誰かの気持ちを踏みにじっているということ。人間は自然の中の一部であり、完全に分かつことはできないということ。

    沈黙の中でこそ深い意味が伝わるというこの作中の世界観は、まさにこの作品を読むということそのものによって伝わってくるような気がした。

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    2025年12月27日
  • サイレントシンガー

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    ◼️ 小川洋子「サイレントシンガー」

    彼女は沈黙のために歌う。精巧に築かれたフィールド。恐れ入りました。

    小川洋子は「猫を抱いて象と泳ぐ」で日本にポール・オースターみたいな作家がいたのかと驚いた。しかし数作品読み進めるうちに、独自の、他人には理解してもらえない範囲を作り、それをひたすら守る、という手順のようなものにやや腰が引けた感覚もあった。

    今回も同じではあるのだが、ここまで発想を広げて組み上げたことにただ感心して、唸った。

    「魂を慰めるのは沈黙である」
    有名温泉地近くの山の一角。金網や厳重な門、柵で囲まれた施設「アカシアの野辺」そこに住む男たちは沈黙を好み、指を使った言葉で意図を伝

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    2025年12月18日
  • 続 遠慮深いうたた寝

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    『読者の皆様のお心に、一言でも深く染み入る言葉があればと願いつつ…』という著者小川洋子さんの遠慮深いお人柄の感じられるエッセイ。本の紹介もたくさんしてくれてます。それが嬉しい。本好きな人はぜひ。

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    2025年12月18日
  • 続 遠慮深いうたた寝

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    迷子を見つける能力、著者らしい(笑)
    日々の出来事から、海外のお話まで幅広い。

    本の紹介は、なかなか手にとるのは難しいものが多いけど、少し頑張って読んでみようと思うものをストック。

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    2025年12月18日
  • 続 遠慮深いうたた寝

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    エッセイあり、書評あり、日記ありと小川洋子さんの味わい深い文章の数々。
    最後に紹介されていた「じゃむパンの日」感慨深く読みました。赤染晶子さんの作品もっと読みたかった。

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    2025年12月07日
  • 耳に棲むもの

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    とても久しぶりに小川洋子さんの本を手に取りました。
    そうだった。美しく偏狂的でひっそりと閉ざされた世界観が小川洋子さんだった。
    補聴器売りの方にまつわる短編集なのかな?

    "骨壷のカルテット"が好きでした。
    父は「耳鳴りがひどかったようです」
    「しかし、それを苦にされていたご様子はありません」
    「はい。むしろ外から入ってくるより、内側でなっている音の方に耳を傾けている方が、心が落ち着いたようです」

    読み終わって、印象に残った言葉はここでした。

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    2025年12月01日
  • ミーナの行進

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    ミーナと言うユニークな女の子と、素敵な家とコビトカバのポチ子と過ごした時間が穏やかで楽しそうで羨ましくなった

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    2025年11月24日
  • 人質の朗読会

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    最初はスローペースで読んでいたのだけど、だんだん気になっていって最後はとても集中して読み込んだ。
    私が人に朗読するなら、自分のどんな思い出を語るだろう。

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    2025年11月22日
  • ボタンちゃん

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    ネタバレ

    作は小川洋子さん
    絵本も描かれるのですね

    よくある事ですね
    物を大切にしなさいって事ですね
    あの子にもこの子にも1つや2つは小さい時から大切な物ありますよね
    貴方は何を大切な宝物にしてますか?

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    2025年11月19日
  • そこに工場があるかぎり

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    あの工場を見てみたい!
    お菓子、ボート、鉛筆など、私たちが日常で見たり使ったりしているものは、一体どこで、どのように作られているのだろう。
    ”ものづくり”の愛しさが綴られる工場見学エッセイ。


    小川洋子さんが身近なものを製作している工場に見学に行き、その経験を綴る工場見学エッセイ本です。
    「なんて面白そうなんだろう」という基準だけで選ばれた工場は、お菓子や鉛筆、ガラス加工製品、サンポカー(子供をのせる車輪のついた箱みたいなやつ。街中で小さい子が保育士さんにのせられ運ばれている。かわいい)など様々。
    工場見学というのは、小学校のとき以外はバスツアー旅行なんかでしか行ったことがないですし、バスツ

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    2025年11月06日
  • 妊娠カレンダー

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    読むきっかけがある男性芸人さんがおすすめしていたこと。タイトルから男性が進んで読むものだとは思わなかったためどんなストーリーなのか気になりました。

    「妊娠カレンダー」
    もちろんフィクションとはわかっているのですが、どうも合いませんでした。登場人物全員、誰にも共感ができませんでした。妊婦検診の様子もちょっと違うのではと思いました。

    「ドミトリィ」「夕暮れの給食室と雨のプール」
    グッと引き込まれるストーリーでした。こちらの方を表題作としても良かったのではないかと思いました。

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    2025年10月30日
  • 人質の朗読会

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    一万円選書の5冊目。
    題名の通り、異国の地で誘拐された人質たちが語る朗読会。
    その内容は自分自身の人生の1ページについて。


    自分の中にしまわれている過去、未来がどうあろうと決して損なわれない過去だ。
    それをそっと取り出し、掌で温め、言葉の舟にのせる。


    それぞれの語った内容が短編として綴られていました。
    どの話もどこか不思議で、特にオチがあるわけでもありません。
    でも他の人からしたらなんでもないその思い出が、きっとその人の人生にとってなくてはならない瞬間だったのだと思います。

    彼らの話はしっかり届いていましたね。
    私にも届きました。
    私が語りたい人生の1ページは何だろうって考えさせられ

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    2025年10月26日
  • 遠慮深いうたた寝

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    読みやすい。たまに小川さんの世界が炸裂して、ハッとする瞬間がある。
    小川さんの長編小説が読みたくなっちゃう。ギャップがすごい。

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    2025年10月18日
  • 最果てアーケード

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    最近長編を読む気力が薄れていたのでこの短編なら読めるかも!と思って読んだら正解だった。

    やはり仄暗くて少し埃っぽいような空気感。静かな絶望、諦め、受容、みたいな。明るさとか希望とかはないけど登場人物みなその絶望をひっそりと受け止めているような感覚?

    小川洋子さんだなあ、という感じ。

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    2025年10月18日
  • 妊娠カレンダー

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    独特な視点から描写される世界。静かな嫉妬。妊娠=幸せという図式が必ずしも成り立つわけではない、幸せの裏側。他2篇も不思議な感覚の物語。キレイな文章。

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    2025年10月10日
  • 約束された移動

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    『人質の朗読会』ですっかり小川さんファンになってしまい、こちらの短編集も読んでみました。1つ1つのお話もなんともいえない不思議な小川ワールドで、理解するというより、浸る、という感じですかね。なんともいえない雰囲気が味わい深く、惹きこまれました。

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    2025年10月06日
  • 海

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    平坦な道をただ進んでいるような、感情の起伏なく読めてしまう。最近、精神的ダメージが大きい映画を観てたから、ちょうどよかった。

    好きなのは、『ひよこトラック』と『ガイド』

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    2025年10月05日
  • まぶた

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    表題を含む短編集
    この作者の小説を読むのが初めてのため、他の作品は分からないが、これらの短編の文体が、雨が降ったあとの薄暗い森の中のような湿度と温度を纏っている。
    少し怖い話、不思議な話があるが嫌な感じがない。
    作中の「不可能な愛が一番美しい」という台詞が心に残った。

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    2025年09月30日
  • 沈黙博物館

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    なんとなく、題名に引かれて手にとってみた本。
    彼女の作品を読むのはこれが初めて。

    博物館技師という、これまた私のほとんど知ることのなかった職種が描かれていたのも面白かった。
    小さな村を舞台に、その村で亡くなった人の形見を「収集」したものを博物館にするというちょっとミステリアスなお話。異彩な個性を放つ登場人物たちも魅力的。博物館をつくるという話自体が私にとって新鮮な発見がたくさんあった。全てのものは放っておくと風化してしまいなくなってしまう。収集して保存する。それが博物館の基本的な仕事なんだとあらためて思う。物が溢れかえっている世の中で、じゃあ何を保存するか。この本では、その人が確かに生きた、

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    2025年09月28日