【感想・ネタバレ】まぶたのレビュー

あらすじ

15歳のわたしは、高級レストランの裏手で出会った中年男と、不釣合いな逢瀬を重ねている。男の部屋でいつも感じる奇妙な視線の持ち主は?──「まぶた」。母のお気に入りの弟は背泳ぎの強化選手だったが、ある日突然左腕が耳に沿って伸ばした格好で固まってしまった──「バックストローク」など、現実と悪夢の間を揺れ動く不思議なリアリティで、読者の心をつかんで離さない8編を収録。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

バックストロークは何回読んでも感動する。どんなに荒んだ心でもぐんぐんしみこむ小川洋子の言葉はすごいと思う(i_i)

0
2026年02月17日

Posted by ブクログ

不穏で美しい。例えるなら廃墟の遊園地みたいな本だと思います。
私は特に匂いの収集からのバックストロークの流れが大好きです。しん、とした閑けさと、現実ではありえないような情景がありありと浮かぶ繊細な描写は、ページを読まなくても思い浮かぶくらい何度も読みました。
私にとっては誰もいない夏休みの、湿っぽいでも冷ややかな図書室を想起させる本です。

0
2024年09月04日

Posted by ブクログ

この不穏さが大好き。
どの話もどの人物も何にも自分に共通点が無いのに、なんでかわからないけど地続きで、逆に全部自分事みたい。
難しい表現は何一つない、スッと心に入ってくる書き方も好き。
しばらく小川さんにはお世話になりそうですり

0
2024年07月02日

Posted by ブクログ

「飛行機で眠るのは難しい」「中国野菜の育て方」「まぶた」「お料理教室」「匂いの収集」「バックストローク」「詩人の卵巣」「リンデンバウム通りの双子」を収録した短編集。
いずれも滑らかで柔らかく丁寧な感触の中に一点、針で、あるいは指の先で突いたかのような闇を含んだ、小川洋子さんらしい作品。個人的に「匂いの収集」が1番わかりやすく好みであった。

0
2024年02月07日

Posted by ブクログ

どこにでもあるふと立ち止まることのない人たちの瞼の裏にしかないような強烈な景色が、日常や普遍的な平凡さとミルフィーユみたいに重なって、なんともいえない感動を覚える。
「リンデンバウム通りの双子」は静けさで溢れていて、強い言葉も表現もないのに、まぶたの裏に焼きつきそうな衝撃と強さがあった。
著書を翻訳してくれている人であるにせよ、それだけだった人。でもその双子には、瞼を閉じるたびにきっと浮かぶ苦しみや地獄があって、平坦で本当はきっと1日1日が長い日々があって、戻らない幼い日々があって。
美味しいスープの香り、病院に差し込むあたたかい日、可愛い妹とのいたずら、父が大事にした顕微鏡。。。
まばたきするたびに、美しい風景が、悍ましい風景が、人からしたら大したことのない風景が、カメラのシャッターのように見え隠れする。
人生は一回しかなく、その日、その一瞬を、一本の道のように生きてるはずなのに、その人は1人しかいなくて、誰でもどこにでもいるはずなのに、その中には、そのまぶたの中に、さまざまな景色が、時間が、風景が重なって時は進み、苦しさと優しさと、暴力とあたたかさが、荒廃と永遠が、ぱちりぱちり、と層を重ねていて。
そういうミルフィーユの時の中で、複雑な時空の中で、私たちは生きている。
あの人もこの人も、わたしも、大したことがなくて、つまらないものに見えるけれど、本当はもつと複雑でやさしくて物語と心のミルフィーユがあって。
その人たちの生き方にも日々にも誰にも文句も手出しもできる筋合いなんてなくて。

どうして小川洋子さんは、どんな物語にもとりあげられないような片隅にいる人をこんなふうにそっと掬って、なぞることができるんだろう。
そこに愛が感じられるのはどうしてなんだろう。
どうしたら、こんなことができるんだろう?

そんなことを感じました。

小川洋子さん、大好きだなぁ。

0
2023年02月19日

Posted by ブクログ

「飛行機で眠るのは難しい」を初めて読んだのは高校の授業。教科書に載っていた。
静かな雰囲気、淡々と描かれる死、生々しい人間の見栄、人生、さみしいような、切ないような、
ずっと忘れられなくて、本を買った。

この話が小説の中で一番好きな私のたからもの。

0
2022年10月30日

Posted by ブクログ

不思議な空間。良かった。
堀江敏幸さんの解説が完璧なので、ほかに書くことがない。

どれも印象的だけど、『まぶた』『お料理教室』が特に。

0
2021年11月20日

Posted by ブクログ

一見、日常的な風景なのに、いつのまにか非現実な世界に入っていることに気づいた。
小川洋子さんが描く静謐な雰囲気は変わらず。

0
2019年01月03日

Posted by ブクログ

とてもするすると読んでしまうのですけれど、この短編集も確かに小川ワールドでした。
何度読んでも大好きな「詩人の卵巣」の眠りの描写が、心にひたひたと染み込みます。軽くはなりましたが、不眠症でもあるわたしの眠りの召し使いは何処に…。
どのお話も死の予感がするのですが、「匂いの収集」の猟奇的な感じも好きです。
「バックストローク」の、弟の片腕が体から離れていく描写も素敵。
お話たちの薄暗さが心地好いです。日常を離れられました。

0
2018年02月22日

Posted by ブクログ

小川洋子さんならではの素敵な言葉選びと不穏な雰囲気が漂う短編集。。
バックストロークは強烈。まぶたは流浪の月みたいだと思った(まぶたが先です)。2001年にこの物語が存在したんだと思うと不思議な感覚。

0
2025年12月14日

Posted by ブクログ

目次
・飛行機で眠るのは難しい
・中国野菜の育て方
・まぶた
・お料理教室
・匂いの収集
・バックストローク
・詩人の卵巣
・リンデンバウム通りの双子

小川洋子の小説の体温は低い。
それはひんやりと湿ったものだったり、かさかさに乾いたものだったりするが、決して温かくはない。
たとえひとの命を救ったとしても。

そこに「ない」ものを書くのも上手い。
「ありえない」と言うほど強い「無」ではなく、気づくとそこには「ない」」ものの持つ気配。

この絶妙な塩梅が、心地よかったり不気味だったりと、作品に彩りを与える。

ストーリーを味わう作品集ではないと思うので、具体的なことを書いても意味わからんことになるだろう。
ただ、これらの作品は、現実だとか事実だとかのしがらみとは無縁なところで味わえばよいのだ。

私にとって小川洋子は、エンタメ小説から純文学への橋渡しをしてくれた作家の一人。
未だ純文学はちょっと苦手意識があるけれど、小川洋子を読んだら、また次の純文学を手に取ろうと思えてくる。

0
2023年12月20日

Posted by ブクログ

様々な視点からのまぶたの連想は、時として切なく影を感じながらも光に近づくような何処かそんな感覚を思わせるものがありました。

外国でのストーリーも幾つかあり、海外に夢を置く自身にとって一期一会の旅の中での出来事に、日常離れしたまた違ったワクワクもありました。

0
2022年01月29日

Posted by ブクログ

3.5
博士の愛した数式の小川さんってこんな感じの作風なのか。。
少し世間ずれした不思議な人たちのお話たち。
でもどの人たちもありありと想像できる
なぞの野菜売りのおばさんの話印象的だなぁ

0
2021年10月27日

Posted by ブクログ

小川洋子ワールドがなんとも言葉にできないけれど、心地よい。リンデンバウム通りの双子が個人的に大好きだった。

0
2021年07月12日

Posted by ブクログ

2021年 4冊目

まぶたを巡る短編集

1 飛行機で眠るのは難しい
「飛行機は時間の迷路」
飛行機で居合わせた老婆の死。嘘にまみれた手紙であっても彼女は幸福であった。手紙のなかに、二人だけの真実があったから。
30ページ程度の付き合いだったが、私も彼女の最期に思いを馳せた。

2 中国野菜の育て
光る野菜なんてあったら、すぐ手放すでしょう。夫婦はもうそれが食べられるかどうかなんてどうでもよく、捨てることができなくなった。
はぐくむ、という字に違和感をもった。夫婦が中国野菜に「飼育」されているような感じ。

3まぶた
いつからか、少女はNの家から出なかったのだろうか。歪んだ関係がいいですね。

4お料理教室
軽快な感じと、若干の後ろめたさがあって結構好き。

5匂いの収集
「薬指の標本」と似た感じだけど一番気に入った。枇杷は人肉の味だと昔母から教わった気がする。小川洋子の分かりやすいメタファーが好き。センター試験に出てきそうだなぁなんて度々邪推する。
自分を「保管」したあとは、昔の恋人の欠片は捨ててほしいな。

6バックストローク
肩を手放したことで、弟は解放されたのだろう。家族の絆とは引き換えに。


7詩人の卵巣

8リンデンバウム通りの双子
二人の老人の、静寂とぬくもりを感じた作品。

0
2021年01月15日

Posted by ブクログ

「えっ ここで終わるの?」と思ってしまった話がいくつかあった。雑踏の中である人物の後を頑張って追っていたら途中で見失ってしまって、追いかけるのに必死だったもんだからふと周りを見たら自分が今どこにいるのか分からなくなっていて、急に孤独を感じて戸惑う、みたいな。勝手についていって勝手に置いてけぼりになったくせに、「こんなところにひとりで置いていくなよ」と思ってる、みたいな。
『博士の愛した数式』のイメージでこの本を読むとちょっと難しいかもしれない。
「あれ?これ前の話にもあったような?」と思う箇所がいくつかあった。(野菜売り、身を小さくしていれば、ナチス、などなど)坂木司の『短劇』みたいだなと思った。
全部よかったけど、「飛行機で~」「まぶた」「匂いの収集」が特によかった。

0
2020年08月23日

Posted by ブクログ

短編集です。
えっ?という終わり方や、怖い、怖い!という終わり方や、やっぱりそうなるよね。という話があります。

0
2020年03月08日

Posted by ブクログ

不可解な事象を体験しながらも人は誰も不幸だと認識しなければ十分に幸せなのだと感じさせてくれた小川洋子さんの心奪われる8編の物語。『飛行機で眠るのは難しい』嘘は己の内面を着飾る服で愛とも言えるでしょうね。『中国野菜の育て方』光る野菜と謎のおばあさん。『まぶた』少女はハムスターの二の舞から救われたのかもね。『お料理教室』一刻も早く帰りなさい!『匂いの収集』五体満足な内に逃げなさい!『バックストローク』弟よ!あなたを捨てたわけじゃない。『詩人の卵巣』さあ、眠りなさい。『リンデンバウム通りの双子』家族を大切にね。

0
2019年04月30日

Posted by ブクログ

意味不明と片付けてしまえばそれまで、とも言えるようなシュールな世界観。でもそこにはうっとりするような美しさとか、心に引っ掛かるイメージとか、温もりとかが確かにあって、これぞ芸術、文学的文章……という感じ。堀江さんの解説を読むとまたなるほどなあと思います。

0
2019年01月03日

Posted by ブクログ

表題を含む短編集
この作者の小説を読むのが初めてのため、他の作品は分からないが、これらの短編の文体が、雨が降ったあとの薄暗い森の中のような湿度と温度を纏っている。
少し怖い話、不思議な話があるが嫌な感じがない。
作中の「不可能な愛が一番美しい」という台詞が心に残った。

0
2025年09月30日

Posted by ブクログ

どの物語も、清々しく美しくて、清潔感が有る。前半は、その清潔感の裏に潜む、捉えようの無い不穏な空気や、どこまで深いか分からない闇、恐怖に似た冷たい感覚が際立って押し寄せてくる様な物語。
後半は逆に、その清潔感を使い古されたモノや老いた人間の中にも写し込み、決して新品や綺麗で皺一つないものからは醸し出せない奥行きを表現していて、温かみを感じる物語だった。

0
2025年05月30日

Posted by ブクログ

死にたい夜のお供に、小川洋子さんの作品は
最適解な気がする。

パラレルワールドのようなファンタジーに浸かり、
純粋な人々の揺らぎに身を任せる心地よさ。
いつしか自身の心も落ち着いている。

個人的に、村上春樹先生のファンタジー感と似てる気がするんだが。
この発言は各方面のファンからぼこぼこにされそうだけど。

0
2025年04月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

どの登場人物も、音もなく崩壊していくようだった。彼らが纏う空気には確実に死が感じられるのに、誰もそれを恐れてはいないように見える。
死とは息をひそめればいつでもそこにあり、生き物が必ず辿り着く終わりの時。でもきっと怖いものではないのだ。
それぞれに悲しい出来事や上手くいかなかった事を抱えながら、今多くを求めず穏やかに生きている人々を見ると、心が静けさに満ちてくる。手の届く範囲の、目の前のものを愛していくことの大切さを教えてくれる。
繋がりのない短編集なのに、全てにどこか共通したものがあった。
「お料理教室」だけは誰も話が通じない感じがして、フワフワして拠り所がない感覚になった。確かなものがいつもあるのに、この話にはそれが無い不安感があった。

0
2024年02月28日

Posted by ブクログ

不思議な本だった
現実では有り得ないことなのに、読んでいるのは日常の1場面ですごい不思議な感じになった。
【バックストローク】って国語の教科書に載ってるのかな?
この話が個人的には1番好き

こちらの1冊を教えてくださったブクトモ様に感謝☆

0
2022年02月28日

Posted by ブクログ

どの作品も良かったけど、私が特に気に入ったのは、「リンデンバウム通りの双子」と「匂い収集」です。「匂いの収集」は素敵な恋の話かと思って読んでいたら・・・・。
怖かったです。「リンデンバウム通りの双子」は最後の2行がいいですね。すごーく主人公の気持ちがわかりました。

0
2021年10月26日

Posted by ブクログ

まぶた。
ひらがな3文字だと、なんか間抜けな感じ。
目蓋。目の蓋のような役割。
その目で見えているものも、蓋をすれば見れなくなる。
良いものも、悪いものも。
蓋をされた目でも、観えるものは人それぞれだろう。
闇をただ感じるのか、虚飾の世界に埋没するのか、過去失敗したオムレツのとんとんを思い返すのか、
未来に待ってる壁一面の本棚に囲まれた部屋を作りたい夢なんかを。
そう、考えると、目蓋って奥が深いな。

0
2021年09月21日

Posted by ブクログ

8つの作品が収録された短篇集で、幻想的で奇妙な出来事を交えながらも、人間という愛らしい存在を感じられたのが、印象的でした。

また、奇妙な出来事を体験した後で、自らの人生を見つめ直すような展開が多いことに、人生とは、何をきっかけにして突然変わるか、分からないものだなとも思えました。しかし、不自然さは感じずに共感できたのは、小川さんの、上品でいて飾らない文体にあるのかもしれません。

こういった上品な奇妙さと、私の人生観には、精神的な距離を隔てているのを感じ、逆に、読んでいて気楽な心地良さがあって、何となく旅行時に持って行きたい本だなと思いました。

0
2021年03月26日

Posted by ブクログ

どんよりとした曇り空、じっとりと湿った空気、しんと静かな街、ひやりとした手触り。
ちょっとだけぞくりとするものが垣間見えるような。

ずっと気になっていた本を、物語の役割をきっかけに読む。
私の好きなテイストの小川さん。

0
2018年08月19日

Posted by ブクログ

高校の国語の授業で「バックストローク 」
をやって面白いと思って読んでみた

ちょっと難しい
本質には直に触れない感じ

0
2018年07月08日

Posted by ブクログ

『リンデンバウム通りの双子』がよかった。
逆にそれ以外は、老婆や身体の一部など不気味さを連想させる要素による、おとぎ話的なわざとらしさが強く感じられた。その点があまり好みではなかった。

・飛行機の中で古書商の男が語った「眠りの物語」。死の要素に満ちたその物語とともに私は眠りに落ちてゆく。『飛行機で眠るのは難しい』

・12日の木曜日に見知らぬ老婆にもらった中国野菜を育てていたら夜中に光るようになった。老婆の畑を訪ねると、そこには駐車場しかなかった。『中国野菜の育て方』

・レストランの前で倒れている男を助けたことをきっかけに、少女は、島にある男の家に通うようになる。男の家のハムスターにはまぶたがなかった。男が語る話は事実とは信じられない気配がある。『まぶた』
→ホテルアイリス?

・つつましい雰囲気が気に入って通うことにした料理教室での実習中、突然現れた排水管清掃業者に、清掃してもらうことになった。排水口からは流したものが次々と吹き出し、流しは60年分の汚物でいっぱいになった。『お料理教室』

・彼女は匂いを茶色い小瓶に収集していた。彼女がいないときに棚の一番上を覗いてみると、知らない男の身体の一部が、瓶に収められていた。『匂いの収集』
→薬指の標本?

・作家にとって、プールは特別な風景であった。強制収容所の処刑場近くにある場違いなプール。背泳ぎの選手として将来を期待されていた弟のために、母が庭に作らせたプール。しかし弟は、あるとき左腕を降ろすことができなくなり、ついにその左腕は付け根から抜けてしまった。『バックストローク』

・恋人をおいて一人で訪れたある街の裏道には、昔の詩人のための小さな記念館があり、そこには詩人の孫である老婆と客引きの少年がいた。記念館の展示ケースに収められていた髪の毛は、詩人の卵巣に生えた髪の毛で、詩人はそのために命を落としたのだった。その夜、ベッドでまどろむわたしの意識の前に、老婆と少年が現れ、わたしは眠りへと誘われていった。『詩人の卵巣』

・わたしの作品をドイツ語に翻訳してくれていたハインツは、80歳過ぎの老人であり、しかも一卵性双生児であった。ロンドンの娘に会いに行く途中、ウイーンに立ち寄ったわたしは、ハインツ兄弟の人生の話を聞き、思い出の場所を訪れる手助けをした。『リンデンバウム通りの双子』

0
2018年12月31日

「小説」ランキング