小川洋子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
密やかな結晶を読んだときと同じ。
意味はわからないけど何か強く引き付けられて、意味はわからないのに息を詰めて一気に読んだ。
市川春子の漫画に少し似ている。
小川洋子の作品は国を感じさせないところがある。
落ちている髪の毛を不快に思うのは、そこに有機物から無機物への変容を見るから。
その人間が生きていたと言う証拠である物体(形見)は、髪の毛と同じく生前は有機物であり死後は無機物であった。その無機物に新たな役目、展示品としての役目を与えることで、有機物へと再転換させる。
形見とは、卵細工と同じなのかもしれないと思った。
修道院の中の描写が素晴らしく美しい。あのシーンだけでも、読んでよかったと思