小川洋子のレビュー一覧

  • とにかく散歩いたしましょう

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    ネタバレ

     小川洋子さんのエッセー集は初めて。
     本のことや、当時飼っていたラブラドールのラブのこと、岡ノ谷先生の研究のことや、ご自身の作品のことなどがふれられていて、楽しく読めた。
     特に、執筆するときに小説の世界に浸るというか、その世界の様子を見て聴いて感じたことを<描いて>いるだけなので、私自身のものではないと言うところが小川洋子さんの作品の世界観(自分が勝手に思ってるだけ)だなと。ツバキ文具店だったり、リトルアリョーヒンだったり、標本士だったり、ミーナだったり、どの小説の主人公も彼・彼女らだけのオリジナルの世界を持っているからこうも惹かれるのかなとか思った。

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    2018年11月10日
  • いつも彼らはどこかに

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    短編で、終わりが「え?ここで?!」という話が多かった。よく分からない話も多かった。
    でも、作者の世界観は好きだな。あと、丁寧な言葉遣いの文体が好きです。

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    2018年11月02日
  • 博士の本棚

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    ほとんど読んだことのない本ばかり。手のとってみたくなる本が多かったが、とりあえず、「アンネの日記」は読んでみよう。

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    2018年10月21日
  • ボタンちゃん

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    ネタバレ

    小川洋子さんの良さをそのままに絵本にしている。ガラガラにもエプロンにもぬいぐるみにも、いろんな意味を込めて描かれています。ただ絵本ならではの良さという意味ではそこまで強く感じられませんでした。小川洋子さんは小説だからこそつくれる世界観があるのだと思います。

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    2018年08月09日
  • 沈黙博物館

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    ネタバレ

    何かでお勧めされてた本。
    博物館というキーワードに惹かれて。

    誰も駅に降りないような村で、博物館を作りたいという依頼主に会うためにやって来た博物館技師の僕。
    未成熟な輝きを持つ少女と、どうみても親とは思えない位、年が離れた依頼主の老婆。
    そこから沈黙の博物館と称した、老婆が集めた形見の展示の準備から、村で起こった死人の形見の収集(窃盗…)まで行うことになる。

    読んでいくと、時々現れる不釣り合いなキーワードに意味があるのか考える。
    持参した親の形見のアンネの日記、兄から譲られた顕微鏡、沈黙の行を行う沈黙の伝道師の存在。
    人形劇やお祭りが娯楽の、へんぴな村っぽいのに、爆弾事件や猟奇的な殺人事件が起こったり、文化会館や観光用の土産屋があったり。

    博物館を設立するお金の出所はおろか、老婆の出自や登場人物の名前すら出てこない。
    老婆、少女、庭師、家政婦、そして技師さんこと僕。で構成されている。
    一人称なのになんだかよそよそしさを感じるのはこのせいか。

    ちょっと不穏だけど、幻想的で落ち着いた雰囲気で進む物語。何かを暗示しているようで、いまいち掴みきれない世界。
    なぜ殺人犯の容疑者に疑われつつ、僕は逃げ出せなかったのか(洗脳?)
    顕微鏡を形見としなければならない理由は?(社会との隔絶?)
    誰も訪れない沈黙の博物館の運営は?
    少女もまた老婆に見出だされた、博物館のための後継者なのか?

    連続殺人の犯人以外、分かりやすいところがなくてもやもやと考えた。
    最後の書評で、ホロコーストのくだりを読んだら、急に今までの話が繋がるようで、見方が変わる。
    もう一回読もうかな。

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    2018年08月01日
  • 言葉の誕生を科学する

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    人間が言葉を生み出した謎に小説家と科学者が迫る。言葉の原型をもとめて人類以前に遡る対談形式の入門書。
    言葉とはコミュニケーションの最たるものなのか。自分の気持ちを伝えるための進化か退化か。ただひとつ言えるのは、言葉から派生した文章表現には美しさが伴うということ。

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    2018年07月10日
  • カラーひよことコーヒー豆

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    ダイジョウブ! あなたのことを見ていてくれる人がきっといます-。作家・小川洋子による、泣きたいほど優しい気持になれる、愛に充ちたエッセイ集。『Domani』連載に書下ろしを加えて書籍化。

    優しい気持ちになれる本。
    私もなかなか大人になれない…。

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    2018年06月14日
  • 犬のしっぽを撫でながら

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    小川さんの優しさや温かさにあふれたエッセイ集。
    タイトルだけ見て借りたのだけど…なぜ表紙が犬のしっぽではないのか?というところに、大いなる疑問が残る。

    愛犬ラブちゃん、阪神タイガース、ご家族、著書「博士の愛した数式」やアンネ・フランクへの追憶…テーマがまとまっているような、いないようなパートもあるんだけども、そのひとつひとつから小川さんの人となりが感じられる、優しい文章とお話。
    祖父のお話の構成で、最後に「最近、死んだ人のことを思い出すことが多くなった」というような言い回し(うろ覚えでごめんなさい)を持ってくるところで、ものすごく切なさを誘われた。なんとなく、本文の冒頭や途中に出てくるのであれば何も感じなかったと思うのだけど、雲丹をなめてお相撲を見ている二人の背中を想像していた団欒がこの一文で締められることで自分も年を取ったなぁ、と突きつけられた気がしてしまって。

    あと自信がないことに関してすごく自信がある、というお話にはすごく共感してしまった。私もメダル取れるかも、と思うけど、こんな謙虚で控えめな文章かけないからやはり小川さんの勝ちか。。。

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    数に隠されている神秘と美しさ。その偉大な真理に向き合う芸術家ともいえる数学者たち。ひとつの作品を生み出すきっかけや、小説へのあふれる想い。少女時代の『アンネの日記』との出会いとその後のアウシュヴィッツへの旅。そして天真爛漫な飼い犬や大好きなタイガースのこと。日々の中の小さなできごとや出会いを、素晴らしい作品へと昇華していく小川洋子の魅力あふれる珠玉のエッセイ。

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    2018年02月27日
  • 科学の扉をノックする

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    再読本。
    数年前は楽しく読んでいたような気もする。改めて読んでみると、著者が言うように興味あるものを気の赴くままに書き綴ったインタビュー本である。なので科学のこの分野を知りたい!と読むとがっかりするかも。
    著者によって擬人化された諸々の表現や、安易な可愛い発言が目についてしまって残念。恐らく私には合わなかっただけなのだろう。

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    2018年02月24日
  • やさしい訴え

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    この静かで残酷な世界に浸りました。
    新田さんと薫さんの完璧に閉じられた世界に入り込んだ瑠璃子さんの、感情をふたりにぶつける様は痛々しいものがありましたが、彼女を嫌いになれるはずがありませんでした。
    皆、心に抱いた傷をこの森で癒していて、瑠璃子さんがただ少し早く癒されただけだと思いました。
    新田さんと薫さんの日々が、これからもずっと永遠に続いていきそうだなとわたしも感じました。
    お話の筋とは離れていると思いますが、カリグラフィーの先生の言葉が心に響きました。「それ、謙遜のつもり?自分の能力を低く見積もっておいた方が、あとで楽ですもんね。」「できないと思ったらできないの。できると思ったら何とかなるの。そう考えると世の中なんて単純よ。」
    「やさしい訴え」を聴いてみましたが、綺麗な曲でした。チェンバロの音色は密やかで好きでした。

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    2018年02月15日
  • 偶然の祝福

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    後から考えると何が怖かったのか分からない怖い夢を見ることがある。
    眠りの導入部で自分の目にしたことの無い映像が勝手に流れ出すような。
    見当違いなことを言っていたら恥ずかしいが、現実なのか夢なのか分からない世界がこの小説と似ていると思った。
    読んでいる途中は何とも言えない居心地の悪さみたいなものを感じていたのに読み終わってみると不思議とまた読みたくなっている。
    何だろう、上手く言葉にできない。

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    2018年02月07日
  • いつも彼らはどこかに

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     8編からなる短編集。
     動物に関連する内容の短編が収録されている。
     ジーンとくるものもあれば、後味のよくないもの、現実から少し離れたもの、と様々。
     僕の一番のお気に入りは「竜の子幼稚園」と「断食蝸牛」で、これらはジーンとくるものと後味のよくないものになる。
     小川洋子さんの作品としては、本作は僕との相性はよくなかったようで、いまひとつ面白みに欠けた内容だった。

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    2018年01月04日
  • 洋子さんの本棚

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    2人の洋子さんが語り合う本の世界。

    と言っても、私は読んだことのない本が多くて、そこから脱線していく話の方が面白く読めた。
    山極寿一の人間の白目と目の表情の話とか。
    お母さんのために置いておきたいパンを少しずつ食べていってしまう娘さんを想って泣く話とか。

    紙の中にある出来事が、身体を持つ人間を通して、その人にとって意味のある「何か」となるような。
    そんな濃い対談だった。

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    2017年12月02日
  • アンネ・フランクの記憶

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    ある経験を機に再読。
    先に読み返しておくべきだったかな?そうするとその経験も変わったものになっていたやもしれませぬ。
    まぁともかく日本での受容に対する色んな見方が存在するという解説が一番衝撃的というか、目から鱗というか。解説含めて多くの人が手に取り、沈思すべき本であります。

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    2017年11月30日
  • ホテル・アイリス

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    再読です。淫らで執拗な性愛の世界に浸りました。主人公のマリという少女と、醜い老人である翻訳家の間にあったものは、わたしの思っていたSMという形では言い表せない気がします。ホテル・アイリスのある港町の白っぽい渇いた光と、島での夢の中のようなひととき。仕える肉体は、醜ければ醜いほどいい、というマリの境地には辿り着けませんが。マリをとりまく人々は、翻訳家の甥以外は関わりたくない人々でした。マリがいつか、自由になれたらいいなと思います。小川洋子さんにかかると、官能的なお話もこんなにひっそりしたお話になるのだなと思いました。

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    2017年11月10日
  • 原稿零枚日記

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    執筆が思うようにはかどらない作家の『私』。出かける度に現実と幻の狭間に陥り、その出来事を日記に綴る。不思議な世界が日記形式で紡がれる長編小説。
    苔料理に運動会荒らし、そしてあらすじ教室と、ありそうでない奇妙で独特な世界観が面白い。小川さんの発想力にただただ感服する。

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    2017年07月26日
  • ボタンちゃん

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    低学年の読書感想文とともに
    暖かい時間だなぁ

    それでも、読んでいただいたのは途中まで(^^;
    つづき読まないと!

    ほぼ一年ぶりに最後まで読みました(^^;
    それぞれの物たちが役目を終えて昇華されていくんだけど?
    これってハッピーエンド違うかも?
    絵はかわいい(^^)

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    2018年07月11日
  • 世にも美しい数学入門

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    ゲーデルの「不完全性定理」…正しいとも正しくないとも判定できない命題が存在する、ということを証明。
    アラン・チューリング…ある命題がゲーデルのいう"原理的に真偽を判定できない命題"であるかどうか、を判定する方法が存在しない、ということを証明。
    真偽を判定できない命題を「悪魔的な問題」とすると、ゴールドバッハの予想(*)がその悪魔的な問題かどうかすら判定できない。

    *ゴールドバッハの予想…「6以上の偶数はすべて二つの素数の和で表せる」
    未解決。素数の定義は約数を持たないこと。約数は掛け算の話だけど、ゴールドバッハの予想は足し算の問題だから難しい。

    「間違っていても、正しい方向に間違うところが天才」という話は、アインシュタインの宇宙項を思い出す。

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    2017年06月11日
  • いつも彼らはどこかに

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    久し振りに小川洋子さんの短編集を読む。

    動物が何らあの形で係る連作集なのだが、例えば看板の兎に拘る登場人物にウソっぽさを感じてしまった。日本ではなく、かといって特定の外国でもない不思議な場所は「ブラフマンの埋葬」でもそうだったが、この作品集ではなぜか醒めてしまった。

    (引用)
    …世の中には目隠しの似合う人と似合わない人がいるのかどうか分からないが、間違いなく老人の顔にそれは上手く馴染んでいた。小鼻の出っ張りと縁のカーブがずれることなく重なり合い、前方に突き出した大きな耳が紐をがっちりと支え、禿げあがった青白い額が、黒い色を特別に引き立てていた。

    ディティールを重ねていく小川洋子節を堪能するところもあった。こういう細部の描写が却って、何かの欠落を際立てているような気もする。

    「断食蝸牛」は、小川さんってやっぱり変な人だなと思った一編。
    「ビーバーの小枝」が一番しっくりきた。

    やっぱり、小川洋子さんはちゃんとした小説を読もうかな。

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    2017年05月29日
  • やさしい訴え

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    眼科・チェンバロ・カリグラフィー。

    小川さんらしさを感じる言葉選びを通して、
    静謐でどこかしら奇妙な、三人の人間関係が描かれる。

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    2017年05月17日