小川洋子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ子どもを失ったというのは希望や未来を失ったのと同義だ。人々がどれだけ穏やかに暮らしても、箱の中での成長を楽しみに見守っていたとしても、子どもの声がしない日々はもう朽ちていくだけのもののように思える。晴れやかな結婚式も、みんなが真剣にやればやるほど虚しく響く。
最後まで、何故子どもが1人もいないのか、何故子どもが産まれないのか、その理由は明かされない。箱の中に大事に置かれたそれらはきっと誰にも言えない悲しい物語を内包しながら、愛を受けて満たされているだろう。手放せないものを大事に持ち続け、自分なりに愛することを肯定されても、死が増殖していくだけの世界を残酷に感じる。ふとした瞬間にとてつもない寂し -
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Posted by ブクログ
かつて幼稚園だった場所に暮らし、亡くなった子供たちを弔う小箱を管理する「私」と亡くした子供を想い続ける人々の交差。
『妊娠カレンダー』や『ハウス・クリーニング の世界』に比べ、ぐっと温度が高い。『口笛の上手な白雪姫』よりももっと。子供を自分とは全く関係のない世界の存在に感じている今の私は、読み進めるほどその温度の高さに戸惑いを感じ、登場人物たちの子供に対する特別な慈しみを、ガラスケースで守ろうとしている願いを、自分は本当に心の奥底からは理解できていないのだということが苦しかった。子供を望む人、子供のいる人、子供がいた人はこの本を読んでどう感じるのだろう。