小川洋子のレビュー一覧

  • 約束された移動

    Posted by ブクログ

    なんだか、一対一で読み聞かせをされているような感じ。
    静かで、落ち着いていて、感情があまりのらないような声で。

    不思議な話達だった。
    だけど、もしかしたら、現実にあるのかもしれない。

    短編だったけれど、どれもお話に続きがありそうな終わり方で面白かった。

    個人的には「元迷子係の黒目」が好き

    0
    2024年09月05日
  • 口笛の上手な白雪姫

    Posted by ブクログ

    相変わらず装丁が綺麗すぎる
    大切な宝物みたいな感覚になる


    小川洋子さんの本はどれも、【物語を読んでいる】という感覚になれる。

    現実味がないし、不思議で、幻想みたいな…

    物語を読みたい時には小川洋子さんが1番良い。


    今回は短編集で、どれもふわっとしてて特別何が起きるとかは無くて、どれもちょっと寂しい感じになる物語でした。

    「先回りローバ」と「口笛の上手な白雪姫」が良かったかな。

    0
    2024年09月04日
  • 世にも美しい数学入門

    Posted by ブクログ

    この本は文学の道を進む小川洋子さんと数学の道を進む藤原正彦先生から成る対談形式の本なんですが、まず小川洋子作の「博士の愛した数式」を読んでいないと本書の内容があまり頭に入ってこないです。素晴らしい本なので本書を読む前に読んどくべきです。
    また大学で数学などを専攻している人などにとってはとてつも暇なので、数学に興味があるよーっていう文系の人などが読むべきだと思います

    0
    2024年09月03日
  • 完璧な病室

    Posted by ブクログ

    デビュー作含む最初期の四篇。毒気や性的な意識が強かったり内容が難しかったり。クセが強いけど最初期の作品を作者のあとがき付きで読めるのはありがたい(作品の解説とかそういう内容ではないけれど)。「揚羽蝶が壊れる時」が難しくて消化不良。

    0
    2024年08月19日
  • 約束された移動

    Posted by ブクログ

    六つの短編
    静かなおとぎばなしを読んでいるような不思議なお話したち。
    それぞれの主人公が自分の仕事に誇りを持って打ち込み、自分の役割をキチンとこなす。読んでいて清々しいです。
    「わかります、わかりますよ」と誰にでも接することができ、「うん、わかってる。無事に果たせた?」とキチンと微笑み、信じることのできる人間になりたいものです。

    0
    2024年07月22日
  • 夜明けの縁をさ迷う人々

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    夜明けの縁をさ迷う人々

    収録作品は以下の通りです。
    曲芸と野球、教授宅の留守番、イービーのかなわぬ望み、お探しの物件、涙売り、パラソルチョコレート、ラ・ヴェール嬢、銀山の狩猟小屋、再試合

    どの物語も、正常と異常の縁をさまよう人の物語です。曲芸、エレベーター、楽器、全集など各短編ではガジェットが異なりますが、それらに執着するがゆえにバランスを踏み外して、縁をさまよっていた人々はその執着するものの引力に引き寄せられ、崩壊します。もう一つ共通しているのは、ぬるりとしたエロティズムでしょうか?ふとした言葉で垣間見られる隠微さ。
    印象的だったのが、野球ではじまり野球で終わるという構成。野球というものが「フィールドオブドリーム」のような奇跡が起きそうなスポーツ(もはやスポーツではなく文化なのかもしれません)なんだなと再確認した次第です。サッカーも文化ですが、不思議や奇跡が入り込む余地が少ないのと対照的かなと。。。
    忙しい毎日を離れて、異界の縁を楽しんでください。

    竹蔵

    0
    2024年07月02日
  • 完璧な病室

    Posted by ブクログ

    ふいに小川洋子さんの本が読みたくなって手に取った。
    小川洋子さんの、残酷で美しい、繊細な文章が心地いい。
    「ダイヴィング・プール」が1番お気に入り。

    0
    2024年06月30日
  • からだの美

    Posted by ブクログ

    16篇のお話が入っていますが、シロナガスクジラのお話が好きでした。一度その大きさを体感してみたいなぁ。

    目に見える姿形の美だけでなく、その奥深くにある美しさにも目を向けることで得られる愉しさもきっとある。

    生き物の身体の細部を観察して愛でてみたくなるような、新しい視点を分けてもらいました。

    0
    2024年06月26日
  • 沈黙博物館

    Posted by ブクログ

    読み始めた瞬間、二つの結末を想像した。あるいは二つは両立するかもしれないとも。
    ひとつは、主人公の男がこの世界に取り込まれて抜け出られなくなること。
    もうひとつは博物館は完成する前に瓦解すること。ひとつは外れ、ひとつは当たった。
    殺人事件の話は夾雑物だと感じ、これがなければもう一ランク上の評価にしたかもしれない。

    /博物館専門技師である「僕」は老婆の依頼に従って村の住人の形見を集めた博物館づくりに勤しむ。そのためには死者が出たときその者を象徴する形を盗み出さねばならない。
    /中央広場で爆発事件が起こり少女は大怪我をする。左頬に星型の傷が残る。
    /連続殺人事件。どうやら主人公は容疑者になっているようだ。真犯人は誰だ?
    /博物館は完成するのか?

    ■簡単な単語集

    【穴】役場の裏の塀に開いた穴。昔、納税者の識別をするために使った。耳がその穴にすっぽり入る間は納税の義務がない。そのため闇で耳縮小手術がなされることがあった。
    【油絵の具】三十六色の油絵の具は売れないまま終わった女性画家の遺した執念のようなもの。
    【依頼主】ソファーに付いた染みのような老女。《私が目指しているのは、お前ら若造が想像もできんくらい壮大な、この世のどこを探したって見当たらない、しかし絶対に必要な博物館なのじゃ。》p.14。時代がかった話し方をする老婆の存在はこの地の、この仕事のリアルさを減じさせここが彼岸ないしは異世界でもあるかのようにも感じさせる。
    【依頼主の性格】少女によると《優しくもないし、親切でもないけど、邪悪でもない。彼女はいつも遠くを見ているの。》p.33。
    【依頼主の要求】[1]物事をてきぱきと進める。[2]人がやらないことをやる。[3]絶対に途中やめしてははだめ。
    【老い】《さすがに私も歳を取った。自分が老いると、世界までが老いたように感じるから不思議じゃ。》p.55
    【形見】依頼主は村人たちの形見の品を収蔵する博物館を作ってくれと言った。依頼主が十一歳のときから集め始めた。誰かが死ぬたびになにか一品をもらった。《私が求めたのは、その肉体が間違いなく存在しておったという証拠を、最も生々しく、最も忠実に記憶する品なのだ。それがなければ、せっかくの生きた歳月の積み重ねが根底から崩れてしまうような、死の完結を永遠に阻止してしまうような何かなのだ。思い出などというおセンチな感情とは無関係。もちろん金銭的価値など論外じゃ。》p.49。《ここにある形見のほとんどは盗んだものである。盗品じゃ。》p.52。これからは主人公がその入手を引き継がなくてはならないと言った。《形見について語れるのは、それを収集した人間のみである。》p.313
    【義眼】病院に入院していた、もと教会のオルガン奏者だったというおじいさんの形見。子どもに怖い話をしてそのときよく取り出して脅していた義眼を形見の品としてくすねた。
    【聞く】《母がよく言ってるわ。未来が知りたかったら、耳の穴をふさげって。そうすれば、遠く未来にいる自分の内なる声を、聞くことができるの》p.125
    【暦】依頼主が作成した暦にしたがってものごとは行われる。構想から完成まで二十三年。美しい文字で書かれイラスト入り。
    【少年】修道院の少年。沈黙の伝道師同様シワイロバイソンの毛皮を着ている。出会った頃は会話できていたがいずれ自然に沈黙の行に入ることになるだろうという。
    【卵細工】村唯一の名産品。
    【沈黙の伝道師】一生ものを喋ってはいけない沈黙の行に入っている。住民には敬われているようだ。村の北の外れにある修道院で暮らしているらしいが行ったことがある人は少ない。《伝道師が求めているのは言葉の禁止じゃなく、あくまでも沈黙です。沈黙は自分の外側にあるのではなく、内側に存在すべきものなんです。》p.167。《手紙も日記も書けません。ただし、読むのは自由です。外から入ってくるものを拒絶はしないのですが、自分の中からは外へ出て行かないのです。》p.199。少年は出会った頃は話していたが時が満ちると自動的に行に入り喋らなくなるらしい。ところで修道院での暮らし方、行の方法など誰が教えてくれるのだろう。少年の話からすると、なんとなくわかるというものでもないようで誰かに教わってるふうではあるのだが。仮に文書化されたマニュアルがあったとしても最初に書いたその人は沈黙の行を失敗してるわけで…。行は実践していない、教え係みたいな人がいるのだろうか?
    【兄さん】「僕」に顕微鏡の扱い方を教えてくれた。理科の先生になり保健体育の先生と結婚した。世界の成り立ちを知っているからか、ものを持つことに執着しない。本当にいるのかどうかは不明。
    【庭師】依頼主の家の庭師。大工仕事もできる。夫婦ともにわりとつきあいやすい。《たいていの心配事は、頭で考えるよりずっとあっさり片付いちゃうもんさ》p.88。趣味でジャックナイフを作る。《いずれにしても、ものを作るってのは、人間に与えられた中で最も尊い営みだ。》p.138
    【爆弾事件】少女の左頬に星型の傷を残した。いまだガラス片が入っている。《爆弾事件を恨んではならん。我々の身の上に起こることで、何一つ無駄なものはない。世界のすべてに理由があり、意味があり、そして価値があるのじゃ。形見の一つ一つがそうであるようにな》p.154
    【博物館】博物館は常に拡大する宿命を持つ。《コレクションの展示されていない博物館にどんな魅力があるか、知ってる人はそう多くないだろう。》p.220。《私たちが知らないどこかに、この世から消えたコレクションを展示する博物館が存在しているのよ》p.328
    【僕】博物館専門技師。旅行鞄の中身は《数枚の着替えと、使い慣れた筆記用具、髭剃りのセット、顕微鏡、そして二冊の本――一冊は『博物館学』、もう一冊は『アンネの日記』――それだけだった。》p.5
    【保存】《物を保存しておくって、考えていたよりずっとややこしいことね》p.92
    【娘】依頼主の娘。血はつながっていない。養女になったときすでに母は老女だった。《彼女は、まるで博物館がどこか遠い国にある秘密の楽園ででもあるかのように、うっとりとしていた。》p.34。《あなたの有能な助手になるためには、喪服の似合うことが第一条件ですものね。》p.69
    【メス】「僕」が村に来て最初の死者は百九歳で村の長寿記録を塗り替え中だった外科医で、形見の品は彼が闇で耳縮小手術をしていたそのためのメスしかないと依頼主は言った。依頼主の耳を切ったメスでもある。
    【野球場】村人は野球が好きなんだとか。いろんなチームが試合をする。そのときはお祭り騒ぎ。驚くほどレベルが高い。《男の子は誰だって、野球から人生を学ぶものでしょ?》p.82
    【老婆】→依頼主

    0
    2024年06月15日
  • 口笛の上手な白雪姫

    Posted by ブクログ

    「亡き王女のための刺繍」、「かわいそうなこと」が好きだった。
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    「大事にしてやらなくちゃ、赤ん坊は。いくら用心したって、しすぎることはない」。公衆浴場の脱衣場ではたらく小母さんは、身なりに構わず、おまけに不愛想。けれど他の誰にも真似できない多彩な口笛で、赤ん坊には愛された――。表題作をはじめ、偏愛と孤独を友とし生きる人々を描く。一筋の歩みがもたらす奇跡と恩寵が胸を打つ、全8話。

    0
    2024年06月09日
  • 偶然の祝福

    Posted by ブクログ

    いつもそばに失踪者たちの影があったという「私」。タクラマカン砂漠に羊の買い付けに行った友人の叔父さん、歯医者に入れ歯を置いたままいなくなった隣の席の少年のおじいさん、嘔吐袋をコレクションしていた自分の伯母さん…。失踪者たちの王国は広々とした草原の続く光あふれる場所なのか。行ってみたいような心細いような気持ちになった。そばにいる犬のアポロやまだ小さな息子、失くし物を取り戻してくれたお手伝いのキリコさんの存在に救われる。

    0
    2024年06月02日
  • 完璧な病室

    Posted by ブクログ

    どこまでも綺麗で残酷な短編四篇。
    幸福からは程遠い内容なんだけど綺麗だなぁって思いながら読んで…たら唐突なホラーにビビる。

    0
    2024年05月21日
  • 科学の扉をノックする

    Posted by ブクログ

    小川洋子らしい目線で
    科学的な題材と向き合ったエッセイ。
    7つのテーマが収録されている。

    科学の説明というよりは
    科学的題材と向き合う研究者の人柄や
    ストーリーに主眼が置かれている。

    家庭の医学が好きだった子供時代など
    小川洋子作品の表現でみたシーンも出てきた。

    0
    2024年05月13日
  • いつも彼らはどこかに

    Posted by ブクログ

    気に入った2編

    - ビーバーの小枝
    緩やかに繋がり関係し合ういのち。
    一生懸命に手元の小枝を食んで、残るのはその痕跡だけ

    - チーター準備中
    特別なコトはなくて、誰もがかけがえのない特別

    0
    2024年05月05日
  • ブラフマンの埋葬

    Posted by ブクログ

    この小さなブラフマンと呼ばれる生き物は結局何だったのか記されていない。穏やかに進む前半から徐々に不穏さを感じていき…。
    小川さんの筆力があってこその作品で、おそらくこういった一見何も起こらない物語を描くことがとても難しいのではないだろうか。
    温かな春から、急な春の嵐に巻き込まれたような、そしてまた静寂がおとずれる、浮遊感のある作品だった。

    0
    2024年05月05日
  • 不時着する流星たち

    Posted by ブクログ

    モチーフになった人たちを詳しく知らないからか、そこまで入ってこず。とりあえず、その人たちのことからでしょうか。

    0
    2024年04月29日
  • 完璧な病室

    Posted by ブクログ

    同僚が貸してくれた本です。
    これは小川洋子さんの初期の頃の以下4作品を収めたもの。

    「完璧な病室」
    「揚羽蝶が壊れるとき」
    「冷めない紅茶」
    「ダイヴィング・プール」

    なんとも独特な世界でした、どの4作品も。小川洋子さんは、グロテスクな事象や残酷な心理描写などを、なんとも精巧で均等で美しい文章で表現するなーと思いました。本書の中でもあったような表現をお借りすると、つるりと冷たい陶磁器の美術品のような印象を受けました。

    一番好きだったのは「冷めない紅茶」かな・・・。登場人物の関係性を含め、すごく曖昧で不思議な世界で、え、これはどういうことだろ、どうもこうもないのだろうか、と一瞬一生懸命考えましたが、もうこれはこういう世界のお話なんだと思うことにすると一番好きなお話になりました。

    一番わからなかったのは「揚羽蝶が壊れるとき」かな~。
    「ダイヴィング・プール」は、読んでいて少し苦しかったです。
    表題作「完璧な病室」は、好き嫌いでいうと好きな方かな、くらいですが、一番小川洋子さんらしい作品のような気がしました。気がしただけです。

    読んでいる間はなんだか、いつもの現実とは違う、一段暗い世界を、ゆっくり歩いているような感覚で、決して明るく楽しい短編集ではないですが、美しい文章に浸りながら小川洋子さんの世界をより知れた気がして、良い読書でした。

    0
    2024年03月25日
  • 余白の愛

    Posted by ブクログ

    耳についての感覚とか、文学的だけど理解できる感じもあって、個性ある作品だと思った。
    文学らしい描写だけじゃなくて、静かなトーンで進んでいく話もよかった。

    けどわたしには少し文学らしさが強すぎて、若干物語としては不自然さも感じたかな、、

    0
    2024年03月23日
  • からだの美

    Posted by ブクログ

    体に関する(特にスポーツに基づいて)気付きを書いている☺️言葉が巧みで、想いを細かい描写で表現できることはスゴい。 将棋の話が心に残る

    0
    2024年03月22日
  • 最果てアーケード

    Posted by ブクログ

    【なぜだかわからんがずっと鞄に入れておきたい本】

    なんだかわからない
    特別感動したわけでもない
    大好きな本になりました!てわけでもない。

    可笑しさとかさみしさとか嬉しさとか
    いろんなものがしっくりきて心が落ち着く。
    現実とひと続きの中にアーケードがあって
    でも絶対に存在しない感もある。

    どんなに悲しくたって本はどっかへ行ったりしないから
    そっと鞄の中身のレギュラーになったっていいじゃない。
    いつだって自分が求めればそこにいてくれる安心感を本に求めたっていいじゃない。

    読み終わって次の日とか次の次の日とか
    すぐじゃないいつか
    急にアーケードのことを思い出して泣きそう

    0
    2024年03月13日