小川洋子のレビュー一覧

  • 琥珀のまたたき

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    この本の世界観が独特で全く意味がわからなかったが、解説を読んでなんとなくわかった。
    時間が止まっている表現であったり、この閉塞感、視点の移り変わり、すべてが難しいが読み終わった感想としては、その人の境遇だけで決めつけることをしないということ。

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    2023年11月12日
  • 口笛の上手な白雪姫

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    ネタバレ

    偏愛と孤独を友とし生きる人々を描く、8編の短編小説。

    「一つの歌を分け合う」が一番印象的だった。
    従兄弟が亡くなってしばらくしてから、伯母が舞台俳優を亡くなった我が子だと思い込み、主人公と一緒に観劇に行く話。
    「劇場では誰も泣いている彼女を不思議がったり、奇異な目で見たりしなかった。理由を取り繕う必要はないのだ。伯母は好きなだけ泣くことができた。」
    という、帰り道のシーンがよかった。

    夫の祖母の葬式のときに、子供を亡くした叔母さんの話を聞いてから、それと重なって思いを馳せてしまった。

    「かわいそうなこと」「盲腸線の秘密」も、子供ながらの世界を表していてよかった。

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    2023年11月05日
  • 洋子さんの本棚

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    ネタバレ

    同い年、同じ県下で育ったおふたりによる読書対談。個人的的には大好きな須賀敦子氏が翻訳したタブッキの『インド夜想曲』を取り上げているのが嬉しかった。「本の値段を見ずに買う」という贅沢をなかなか許せずにいる自分をちょっとだけ情けなく思った。

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    2023年10月30日
  • 密やかな結晶 新装版

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    時間の流れをゆったりと感じる。
    全体的に寂しかった。
    消滅という想像し難い現象を物語の中で完璧に作り出していた、消えていくことの寂しさをただひたすら感じるお話だった。

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    2025年06月22日
  • 琥珀のまたたき

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    ちょうど気持ちが下を向いている時期に読んだので、この閉塞感が苦しくて読むのに苦労した。息も苦しくなった。
    外から見るとママのしたことは考えられないけれど、琥珀にとってはそんなに悪いものでもなかったのかもしれない。4人一緒にいられるなら。
    ママの、オパールの、瑪瑙の、ジョーの話も聞きたい。文字という声あるものだけの話では見えない。オパールや瑪瑙がこの日々を愛しく思い出す時間がありますように。

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    2023年09月01日
  • 琥珀のまたたき

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    幼い娘を亡くした母と姉弟がその子のことを思う愛情が伝わってきた。しかし少し常軌を逸した形ではあったが、そのくらい深い愛があったのだなと。描写が繊細でほんの微かな変化にも敏感で想像力豊かな作品だった。

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    2023年08月29日
  • ゴリラの森、言葉の海(新潮文庫)

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    ゴリラの専門家(霊長類学者)の山極寿一さんと、小説家の小川洋子が、ひたすら対談する。対談集なので、徹底的に突き詰めるというより、ふわっと終わった感がある。学者は、霊長類のゴリラの特性から、人間との共通点、違う点、なぜ違いが出たかについて語る。小説家は、なぜ人間界にだけが戦争や暴力や強姦が起きるのかを考えている。山極さんは『言語』、それによるメタファー、そして死の記憶等の、他の動物にはない人間特有の特性だとする。それは人間が文明を築き上げた源でもあり、それがまた、戦争、暴力をも引き起こす源でもあるのか。個人的には、ゴリラの子殺しの話が興味深い。自分の子どもを殺した男ともつながれる。それは死の記憶

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    2023年08月19日
  • 約束された移動

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    この著者の目には、世界はどんな風に見えているのだろう。一見すると奇抜で現実味を欠く内容なのに、妙に生々しい手触りの文章で、彼・彼女らが確かにそこにいると感じられる。エンタメとして楽しむ本ではないのだけれど、なぜか手に取っている。癖になる小説家だ……

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    2023年08月14日
  • からだの美

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    「赤ん坊の握りこぶしの中にはいつでも、生きるに値すると思わせてくれる世界が広がっている」
    まど・みちおさんの詩が、東京バンドワゴンの我南人の口調を連想させる…。

    ナメクジが大嫌いなのだが、カタツムリからの進化ということを初めて知った。別ものだと思っていた。どっちもキモチワルイが。

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    2023年08月05日
  • 小箱

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    ネタバレ

     昔、幼稚園だった家には、棚にいくつものガラスの箱が。その箱の中には、死んだ子供が年を取るにつれて必要なものがその都度、おさめられている。また、一人一人の音楽会が開かれてる。遺髪を弦にした小さな竪琴の奏でるメロディ。小川洋子さんの世界が静かに、静かに広がっています。「小箱」、2019.10発行。時折、ほんとにそうだと納得の言葉が散りばめられています。字を書く音が心を安らかにする。2人で1冊の本を読むのは、手紙を1通やり取りするのと同じ。

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    2023年07月22日
  • 偶然の祝福

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    積ん読になっていましたが、ふと手にとって読み始めました。私の読解力がないのか、あれ~?なになに~と理解困難な箇所もありましたが、ほっこりするような、ふわっと幸せ感じるような、穏やかな気持ちになれます。

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    2023年07月09日
  • 偶然の祝福

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    説明のつかない奇妙さや気持ち悪さがありつつも、どこか儚くて切なく感じる短編集でした。

    特に前半「失踪者たちの王国」、「盗作」はちょっと気持ち悪く感じました。

    小川洋子の描く動物は優しくて可愛いです。
    「涙腺水晶結石症」が好きです。

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    2023年07月02日
  • からだの美

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    小川洋子の不思議な魅惑的な文章が出来上がる
    頭の中を見た感じ。

    一瞬をとらえた写真も素敵。

    それにしてもハダカデバネズミには
    世の中にこんな生き物がいたのかと驚かされた。

    不思議な本の表表紙の作品は、
    中谷ミチコさんの「すくう、すくう、すくう」だそうです。

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    2023年06月20日
  • 琥珀のまたたき

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    小川洋子さん、いつも目に見えない心の中を深く伝えてくれます。末娘を失った母親の狂気、外との世界を遮断し母の望むように生きようとする三姉弟。
    オパール、琥珀、瑪瑙。名前の言葉選びも奥深い。母との関係を精算した父が作った百科事典。その中で生きる末娘。琥珀の目に映る世界は幻想か希望か。百科事典の中で生きる家族だけは永遠であり続けて欲しい。

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    2023年06月17日
  • からだの美

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    小川さんの文章と写真がマッチしており、時折ハッとさせられました。短めの文章でありながらその中身の濃さと美しさに圧倒された一冊。

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    2023年06月15日
  • からだの美

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    からだのパーツに注目して書かれたエッセイ。
    観察眼が素晴らしく、自分が今までに美しいと感じていたもの(イチロー選手の肩とか)を言語化するとこうなるのか!と感心した。
    また、見過ごしてしまいそうなものにも美を見出していて、興味深く読んだ。

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    2023年06月10日
  • アンネ・フランクの記憶

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    アンネ・フランクの記憶を辿る、小川洋子の旅。

    ナチス・ドイツや人種差別問題、ホロコーストは頭のどこかで「遠くの」「昔の」事だと思っていたのですが、こうして小川洋子という好きな作家が、アンネ・フランクと交流のあった方に取材をされている事でかなり地続きに感じられました。

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    2023年06月07日
  • からだの美

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    同じものを見ても、きっと私はそう感じない。
    だからこそ面白い。バレリーナの爪先、フィギュアスケートの高橋選手の話が印象的。
    1つの話が3~4ページなので、隙間にサクッと読めるのがいい。

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    2023年06月02日
  • 約束された移動

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    六篇のお話から成る短編集。読み終わった後、自分の感情がうまく言葉にできなかったのですが、改めて思い返すと優しさと奇怪さとグロテスクな要素が絡み合っているお話ばかりだったからだと気付きました。
    それでいて、なぜか静謐な雰囲気が保たれているのが不思議です。

    それぞれのお話の主人公の名前が出てこないのはダフネ・デュ・モーリエの『レベッカ』を思い出しました。

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    2023年05月03日
  • 夜明けの縁をさ迷う人々

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     久しぶりの小川洋子さんの作品。野球を舞台にした作品が、生き生きと躍動感たっぷりで素晴らしい。阪神タイガースのファンでしたっけ?

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    2023年04月14日