【感想・ネタバレ】不時着する流星たちのレビュー

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感情タグBEST3

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ぞくぞく。不穏。そわそわ。ざらり。
もしかしたらどこかにいるかもしれない不思議な人たちのお話。実在した人をモチーフに着想された短編集。発想力に脱帽です。再読。

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2021年06月28日

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面白かったです。文庫で再読しました。
何度読んでも、このモチーフでこの物語を描くのか…と驚いてしまいます。
カタツムリのお話がパトリシア・ハイスミスだったり、肉詰めピーマンのや文鳥のお話は最後の方にモチーフが少し出てきたり。小川さんの視点、不思議で惹かれます。
単行本の時には恐らく読み飛ばしていた、肉詰めピーマンのお話の息子さんが読んでる絵本、気になる…と思っていたら、エドワード・ゴーリーの「むしのほん」でした。こちらも読みたい。
こちらのお話たちもとてもひそやかでした。

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2019年12月12日

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ネタバレ

今作では測量が1番好きだ。
祖父と孫で阿吽の呼吸というか、よくいる孫なら面倒くさくなって付き合わなくなりそうだが、根気よく付き合うというよりは、祖父の測量を手伝うというのがごく自然の流れであるかのように付き添っていて、ほっこりした。
段々、歩数が少なくなり、それでも続ける。

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2023年06月01日

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実在した人からイメージして書いた短編集のようです。小川洋子さんの小説は静かで穏やかな雰囲気なので、寝る前が読書タイムの私にはぴったりです。今回も毎晩1篇ずつ(たまに2編)読みました。どの話も良かったです。1番好きなのは「若草クラブ」かな。

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2022年03月17日

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実在する人物や事実から着想を得た短編集。
その周りに、光の当たらない薄暗がりに、
いたかもしれない人たちの密やかな話。

穏やかな筆致で歪な世界を描き出し、
切ない幸せと残酷な喪失に心を乱される、
The 小川ワールドの真髄という感じだし、
世界が1冊に10個もあるうえに、
事実が絡んでるから、
しやこれは本当のことかも、
案外自分のそばにあるかも、なんて思ってしまう。
ファン大歓喜の作品なのでは。

今作でも、ちょっと変わったこだわり、
もしくは執着を礎にして構築された
自分だけの世界を持っている人達が描かれている。
そのこだわりが行動に制約をうんだり、
世間とのズレをうんだりして、
どこか危ういというか、儚いというか、
不健康というか、微かな緊張感がいつもある。

その世界は時に小さな幸福をもたらしてくれる。
閉じた世界の安心感を与えてくれたりもする。
だけどふとしたことで崩壊してしまった時、
取り返しのつかない喪失に胸を痛めることになる。
失意の中で暗闇に椅子を置いて
永遠にそこに座り続ける人もいれば、
世界ごと箱にしまって
ときおり撫でて懐かしみながらも
別の世界を生きていく人もいる。

実際には自分は、自分含め大多数は、
彼らより少し鈍感に逞しく器用に生きてるけど、
彼らの美しく閉塞的で危うげな世界に惹かれて、
世界がもたらす幸せと不幸せにどっぷり浸かって
感情を揺り動かされてしまうから、
きっと今こうやって普通に健やかに生きているのは
自分の世界を早々に諦めたか、
普通を壊してしまうほど
自分にとってのっぴきならない価値のある礎に
出会っていないからかもしれない。

きっと自分がそこへは行かないから、
どこか、手に入らないものへの憧れに
近い感覚があるのかな。

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2021年12月04日

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10篇の短編集。
人だったり、言葉だったり、植物だったり。
ちょっとしたそういうトコロから着想を得て紡がれたようなお話たち。
ここからそんなお話になるのか、とか、
そこに着想を得ていたのか、とか。
小川さんの凄さを改めて感じる作品たち。

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2021年06月14日

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たしか、フジファブリックの山内総一郎くんがおすすめしていた本だったから読んでみた。
素敵な歌詞を書く人が好きな言葉が気になって、いつも自分から選んで読むジャンルではなかったけど…
読んでいて不思議な気持ちになる感じで、言葉遣いが繊細で綺麗という印象の本だった。

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2020年10月13日

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不時着とは
「不時着陸」の略。航空機が、故障や燃料欠乏等のため、初めに予定しなかった場所に降りること。

生きていくということは結構やっかいなことなので、いちいちすべてを真面目にやっていたら、とてもじゃないけど頭がおかしくなってしまう。だからわたしたちは無意識のうちに、さして重要でない約束や、どうでもいいような想い出や、自分にとって必要ではなくなった人々などを、箒のようなもので集めて隅っこに追いやることで折り合いをつけるのかもしれない。
でも、そういうことが出来ない人がこの世にはいる。どうでもいいと思われることをそう思わずに、ちゃんと向き合う人。そういう人たちの10個の物語だ。

小川洋子さんの書いた本を読むのはこれが初めてで、こんなに長い間、なぜ読む機会がなかったのだろうと不思議に思った。
でも出会えたのだから、これから急いでたくさん読もうと決めた。そのくらい好きになった。


第一話 誘拐の女王
昔誘拐され、犯人に監禁されたことがあるという血の繋がっていない姉との話。
第二話 散歩同盟会長への手紙
散歩が好きな男の人が、散歩をしながらローベルト・ヴァルザーという作家のことやそれ以外のことに思いを巡らす話。彼が散歩している場所は実は。。。
第三話 カタツムリの結婚式
慎ましく暮らす家族の楽しみは空港に行くことだった。女の子はそこでカタツムリのレースを管理している不思議な男の人と出会う。
第四話 臨時実験補助員
とある実験のために、二人一組となって街の中で条件が合うところに置手紙をする。彼女が組んだ女性は、その条件にピタリと合う完ぺきな場所を見つけることができる女性だった。
第五話 測量
大学生の彼の祖父はある朝突然、目が見えなくなった。その日からおじいちゃんと彼は、自分たちの周りの世界すべてを歩数で測り始めた。
第六話 手違い
お見送り幼児とその付き添いの女性が、その日頼まれていたお葬式の会場に行くと、今日はお葬式はないと言われてしまう。そんなはずはないはずだが、仕方なく二人は会場を後にして、いつもお葬式のあとに清めるために寄る公園へと向かう。
第七話 肉詰めピーマンとマットレス
事故で片耳の聴力を失った息子の留学先を訪ねる母親の話。息子が好きな肉詰めピーマンを異国のキッチンで作る。
第八話 若草クラブ
若草物語の劇をやることになった4人組。脚本を書く彼女は末っ子エイミーの役をやることになる。エイミーはこれといって見せ場のない役だが、他の3人は、映画でこの役をエリザベス・テイラーがやったのだと口々に言い、彼女はその女優に異常な興味を持つようになる。
第九話 さあ、いい子だ、おいで
子どものいない夫婦が、街にあるペットショップで文鳥を買う。ペットショップの店員は体格のいい若者で、彼女はもし自分に子どもがいて男の子だったら、こんな子だったのではないかと想像する。
第十話 十三人きょうだい
彼女のおばあちゃんは十三人の子供がいる。一人も病気や戦争で死ぬこともなく、大人になったのがおばあちゃんの自慢だ。十三人目のおじさんはまだ独身でちょっとかっこいい。彼女はそのおじさんのことを、みんなに内緒で「サーおじさん」と呼んでいる。でも、彼女はおじさんの本名を知らず、おじさんも教えてくれないのだ。

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2020年07月06日

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十篇から成る短編集で、物語の最後に、モチーフにされた人物や事柄が短く説明されていた。
発想や着眼点の豊富さに驚く。
小川さんの手にかかると、いくらでも物語が生まれそう。
物語を紡ぎ出す名手だと思った。
おとぎ話の要素もたくさん詰まっていて、結末に驚かされる。

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2020年02月02日

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素敵で不思議な雰囲気の短編集。この人の文章は語られてる内容が何であれ本当にうっとりさせられる。正直に言うと何が伝えたかった事なのか?をちゃんと理解できてないケースも多くファンというのもおこがましい気がするが、あえて言うなら言葉で語られた言葉では説明しにくいイメージそのものが伝えたい事なのかな?とも思う。

子供の頃の自分中心の世界観の中で感じた、心地良く秘密めいた場所を思い起こさせる、私にとっての小川洋子さんはそんな素敵な読書体験を得られる稀有な作家であり、本作でもその魅力は存分に発揮されてると思う。

中でも「誘拐の女王」「若草クラブ」「十三人きょうだい」は特に良かった!

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2019年09月18日

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モチーフになった人たちを詳しく知らないからか、そこまで入ってこず。とりあえず、その人たちのことからでしょうか。

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2024年04月29日

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ネタバレ

なんとなく心ざわつく読後感。
「失われたものへの哀悼と、喪失の甘美さに充ちた、極上のオマージュ作品」とは解説の文章であるが、なかなかぴったりな表現だなと思った。

表現が精密で、モデルになった人物や出来事の解析度が高く、顕微鏡レベルで提示されるので、ぼんやり生きてる私には少しクラクラしてしまった。
後でもう一度読み返してみよう。

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2024年03月08日

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「盲目の祖父は、家中を歩いて考えつく限りの点と点を結び、その間の距離を測っては僕に記録させた。足音と歩数のつぶやきが一つに溶け合い、音楽のようになって耳に届いてくる。それはどこか果てしもない遠くから響いてくるかのようなひたむきな響きがあった――グレン・グールドにインスパイアされた短篇をはじめ、パトリシア・ハイスミス、エリザベス・テイラー、ローベルト・ヴァルザー等、かつて確かにこの世にあった人や事に端を発し、その記憶、手触り、痕跡を珠玉の物語に結晶化させた全十篇。硬質でフェティッシュな筆致で現実と虚構のあわいを描き、静かな人生に突然訪れる破調の予感を見事にとらえた、物語の名手のかなでる10の変奏曲。」

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2023年09月25日

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文庫版で再読。
そこはかとない不気味さ、そわそわしたまま終わる短編たち。
味わい深い。
ちょうど出勤の片道で1編読み終わるボリュームで、通勤電車の幸せなお供になりました。
小鳥を愛する私には辛い話もありましたが。。。

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2021年08月21日

Posted by ブクログ

パトリシア・ハイスミスや、エリザベス・テイラーのような有名な人から、一般的にはあまり知られていない(というか少なくとも私は知らない)人物、さらにはチーム(バルセロナオリンピックの米国男子バレーボールチーム)やモノを題材にした小説集。
文章はきれいだし、物語は想像力に満ちたものであるが、私には、物語に込められているであろう作者の意図が分かりにくく、楽しんで読めたとは言えない。

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2021年08月07日

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美しくて、そしてゾワゾワとくる、まさに小川洋子さんワールドでした。
例えるなら、大人のための童話かな。

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2021年01月20日

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実在するモデルを元に作られた10篇の短編集。
氏の小説は久しぶりに読んだが、彼女の感性を共用するには、私は少々歳を取り過ぎたのかもしれない。美しい言葉で語られるが、どの物語にも狂気を感じ、途中で読むのが辛くなった。
美しいが、落ち着かない感じ。
それがタイトルの『不時着する流星たち』へと繋がっているのかもしれない。

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2020年07月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

そこに狂気があるとして


まるっきりのタイトル買い。少し怖くて、ちょっと気持ち悪くて、でもたぶんプラスに向かうマイナスのちから、というものもあるんだろうなぁ…なんてぼんやり。
頭がおかしくなりそうな、いろいろ、の中で
それを形にするには、じゃあ、どうしても
そちらがわ、に踏み込むしか無い?

高みの見物、は許されないのだ。

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2019年08月30日

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