小箱

小箱

1,600円 (税込)

8pt

『ことり』につぐ7年ぶりの書き下ろし長編。小さなガラスの箱には亡くなった子どもの魂が、ひっそり生きて成長している。箱の番人、息子を亡くした従姉、歌声でしか会話できないバリトンさん、竪琴をつくる歯科医……「おくりびと」たちの喪失世界を静謐に愛おしく描く傑作。

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小箱 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年03月06日

    不思議な話、というのが一番の印象
    詳細があまり語られない出来事が多く、ほとんどの謎が残ったまま最後まで進んでいく。人によっては物足りないと感じることもあると思う
    ただ、不思議でありながらも、美しい雰囲気によって、自分は終始涙ぐんでしまっていた
    続きが気になって眠れない、というような話ではなく、日常に...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年01月14日

    心の中の木の陰の水溜まりには日が射しているけれど、思いの外深いようだったから蒸発することはなかった。その底には祈るように、幾つかの色のあるものが呼吸をしていて、それらのものに呼吸を合わせることが、この小説を読むことだった。

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    Posted by ブクログ 2020年04月26日

    『今初めて、自分の顔がこんなふうだったと知ったかのような気分を味わう。園児たちの鏡に、私の姿が上手い具合にちょうど収まっている』

    小川洋子は「喪失」ということに拘っている作家だと思う。何かが決定的に失われてしまった世界を描いていると言ってもよい。そして、いつもその失われたものは、直接的には描かれな...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年03月06日

    語り手が住むのは廃園になった幼稚園。
    そこの講堂には、ガラスケースが整然と並んでいて、
    その中には、亡くなった子どもたちに見立てたの人形が納められている。
    親たちは子どもたちのあちらの世界での成長を、人形に移して一緒に生きていく。
    語り手はその管理をしている。
    折々に訪れる親たちの静かに時が進んでい...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年04月21日

    2013年に東北地方で出会った土着神事に亡くなった子どもが死後も成長し結婚できるように、玩具や文具を納めたり花嫁・花婿人形を収めたガラスケースを奉納する親たちからインスピレーション得て書いた作品だとか。
    『ことり』から7年ぶりの長編小説。

    子どもが死んで一人もいない町の元幼稚園に暮らす語り手の私、...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年11月21日

    幼い子どものいない世界。
    主人公は年齢不詳だが、きっとものすごく若くはないのだろう…今は廃墟のように古びた幼稚園に住んでいる。
    すべてが幼い子どものために作られた、部屋も食事も園庭もプールも講堂も、小さな作りのこの建物に。
    きっと何十年も前からこの街から子どもたちは消えてしまったのだろう。
    どうして...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年04月24日

    もし、こんな世界があったら、怖いと言うか寂しいというか、切ないというか?でも、将来ありうるかもしれない?もし、そんな未来が来たら、すごく怖い。

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    Posted by ブクログ 2021年08月30日

    あなたは、『夏至の翌日、プール開き』を自宅でするんだ!という友人の話を聞いたらどう思うでしょうか?

    えっ?実は超お金持ちだったんだ!羨ましいなあ、そんなある種の妬みや僻みの感情が巻き起こるのではないでしょうか?でも、『一搔きし、二搔きめの最後が完全な形を取りきらないところで、早くも向こう岸に到着...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年12月12日

    そこはかとなく落ち着かない世界。
    うっすらと不気味で残酷な空気が混入している静かな世界。
    装丁がとてもしっくりきて、美しい一冊。

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    Posted by ブクログ 2020年05月31日

    小川洋子さんらしい小説というか、独特の世界が広がっていた。静かな、静かな物語だった。
    子供を亡くした親というのは、こういう感じなのだろうな。

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