小川洋子のレビュー一覧

  • 薬指の標本

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    小川洋子の本を初めて読んだ。
    ふわっとしていて独特の雰囲気があり、何を意図しているのかはっきり掴めない、不思議な物語だった。

    私だったら何を標本にするよう依頼するだろうか。何を小部屋で語るだろうか。
    そんなふうに想像してみることで、自分の中に何が引っかかっているのかが見えてくる気がする。

    普段は気にしないようにしていても、実は心に残っている辛いこと。
    それを振り返り、昇華させていくような小説なのかも。

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    2025年09月21日
  • 余白の愛

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    耳の病をわずらった「わたし」は、病をきっかけに知り合った速記者Yに静かな想いを寄せるようになる。

    現実と幻想のあいだで揺れ動く主人公。

    静かで穏やかな世界が続く。

    特にバスのシーンが印象深い。

    著者ならではの耳や指の表現の豊かさに圧倒される。

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    2025年09月20日
  • 妊娠カレンダー

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    ネタバレ

    妊娠カレンダーに関しては、生命の誕生って奇跡的で喜ばしい事なのに、誰も心から喜んでいないような気がして怖くなった。
    全体的に暗い印象をもつ物語で作者さんが何を思って作品を書いたのか読み取れない。だけど、作中の表現、文章が綺麗で透き通ってるなって思いながら読んだ。

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    2025年09月08日
  • ミーナの行進

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     家庭の事情で主人公の朋子が芦屋にある親戚の家に預けられ、そこに住まういとこのミーナや伯父さん伯母さん家事手伝いの米田さんやローザおばあさん、ペットのポチ子との生活を描いた作品。
     朋子は芦屋にある洋館の大きさや暮らしの違いに戸惑いつつも、楽しく暮らしいていく。ページを読み進めるたびに1970年代の良い雰囲気が伝わってくる。また、登場人物たちが織りなす日常生活の中にある、現代においては小さな出来事や幸せを一緒に噛み締めることができる良い作品。

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    2025年08月31日
  • 薬指の標本

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    なんだろう、、、官能的な文章っていうのかな?
    直接的な表現ではないけどエロスを感じました。
    ただ、読書初心者だからか理解が出来ないというか、想像力がないのか。
    個人的には後半の話の方が好みでした。

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    2025年08月27日
  • ミーナの行進

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    クリスマスの準備をローザおばあさんが完璧に行う描写が好きだった。裕福な暮らしをしている人たち特有の空気感や余裕が素敵だった。静謐な雰囲気なお話だった。

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    2025年08月17日
  • 妊娠カレンダー

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    なんと感想を表現したら…と読み終わった後に考えたが
    あとがきに書いてある「生命」がキーな話なのかなと思いました。

    今でこそ子育ての大変さを訴える媒体が増えているので珍しいことではないが発行された1994年には「妊娠」という現象、
    変わってゆく身体に対しての不快感でもない様な…なんとも言えない気持ちを表現ている。
    当時からすると価値観に反した非常に斬新な作品なんだろうなと思いました。

    人は生きてゆくと、身体は変わるし、歪に老いて行く。変わってほしくない今と、変わってほしくない過去に囚われた短編集なのかなと思いました。

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    2025年08月12日
  • 琥珀のまたたき

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    彼らの6年8ヶ月を語るには短く、物語としては長すぎる、永遠に終わらないかと錯覚するような作品だった。
    小川さんの作品の多くにいえるように、この作品もまた不変であるはずのものがほんの少しだけ綻び、その小指の先ほどの綻びが、気づいた時にはもう止めることが出来ないスピードで大きな穴になっていくようなお話だった。
    閉じ込められていたからこその美しさ。
    誰が悪かったのか、誰が救われたのか。
    何も残っていない掌を眺めている気持ちだ。

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    2025年08月10日
  • 不時着する流星たち

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    作品紹介・あらすじ

    たくらみに満ちた豊穣な世界文学の誕生!

    盲目の祖父は、家中を歩いて考えつく限りの点と点を結び、その間の距離を測っては僕に記録させた。足音と歩数のつぶやきが一つに溶け合い、音楽のようになって耳に届いてくる。それはどこか果てしもない遠くから響いてくるかのようなひたむきな響きがあった――グレン・グールドにインスパイアされた短篇をはじめ、パトリシア・ハイスミス、エリザベス・テイラー、ローベルト・ヴァルザー等、かつて確かにこの世にあった人や事に端を発し、その記憶、手触り、痕跡を珠玉の物語に結晶化させた全十篇。硬質でフェティッシュな筆致で現実と虚構のあわいを描き、静かな人生に突然訪

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    2025年08月05日
  • そこに工場があるかぎり

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    普段は全く興味も関心もない仕事のことなのに専門職の人の話を聞くと感心するとともに、もっともっと知りたくなってくる。そんな欲求を満たしてくれる一冊。
    自分が普段行っている作業も著者にインタビューされ、活字となったら、こんなに魅力的になるのだろうか?そのあたりのこともとても気になる。

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    2025年08月03日
  • 妊娠カレンダー

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    小川洋子さんの作品は何冊も読んできたが芥川賞受賞作は読んでいなかったなと手に取った。表題作を含む3編を収録。いろいろな形で身体的な何かと不思議な感覚を描く作家さんだなと思っていて、「ドミトリイ」は特にその後の作品につながる片鱗を感じる初期作品という感じで良かった。表題作で扱われる「妊娠」もまさに身体の変性にまつわる不思議で不気味な体験そのものという感じなので、なるほどこれが小川洋子の芥川賞受賞作か、と納得の作品だった。

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    2025年07月31日
  • 耳に棲むもの

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    小川洋子さんらしい、不思議な幻想的な世界観。絵は山村浩二さん。タイトル文字写真だとわからないけどキラキラですてき。

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    2025年07月31日
  • ブラフマンの埋葬

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    犬を飼っていた時の事を思い出しました。
    描写が一つ一つ柔らかくて、とてもリアルだと感じました。
    ペットとの大事な思い出を思い出したい時、寂しい冷ややかな日等ほっこりしたい時に読みたい本

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    2025年07月27日
  • 最果てアーケード(1)

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    ネタバレ

    最果てアーケード(1)

    とある街の古いアーケード商店街。中古レース屋、剥製用の義眼屋、紙屋・・・こだわりの品をそろえた商店が入っているアーケード。
    そのアーケードの大家の女の子と店子、お客の物語の短編集です。徐々に大家さんの過去や明らかになっていくのですが、それはネタばらしになるので読んでみて下さい。
    原作が小川洋子氏ということで手に取りました。物語は小川さんなのですが、どうもしっくりこない。気づいたのは、竹蔵は小説を文体やリズムで好き嫌いの判断をしているようだということ。小川さんの独特の文体ではないのが違和感の正体かな?
    いづれにしても、登場人物や各エピソードの内容ほど全体的に面白く感じな

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    2025年07月25日
  • 妊娠カレンダー

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    密に関わっている他者ではなく、自分からは遠い存在の他者を通して、自分というものを映し出す。そんな作家性を感じた作品たちだった。

    台詞回しが独特で、描写は身体的なものが多いので、なんとなくなじめなさがある。

    自分の心に秘めておく分にはちゃんとした背景のある悪意も、それを言葉にしたり公にしたら、途端にとてつもなく悪いことのように感じるかも。
    他に選ぶ道がないと思っている時、自分の中に潜む黒い気持ちなんて誰かに言おうと思わないよなあ。

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    2025年07月17日
  • 凍りついた香り

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    母と子の少し歪んだ関係って、どこにでもあるよね。
    母ってどうしてもどこか気持ち悪さを孕んだ存在だと思う。
    小川洋子さんの紡ぐ文章は、どこかひんやりとしていて、静かで、落ち着く。情が熱すぎず、それがとても心地いい。と、どの作品を読んでも感じます。
    心が疲れた時によく効きます。

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    2025年07月02日
  • 約束された移動

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    短編集。大袈裟な職業ではないがそれぞれがその職務と意義を大切にしている。
    他の人から見たら異色に感じられる行動も見られるがそんなことにはお構い無しの強い意志、というよりそうするべきだという思い込みを持つ人は小川先生の作品によく登場する。

    「巨人の接待」が好き。きっちり仕事してくれる人に心を許してくれるというのが、読んでいて気持ちが良い。

    解説の藤野可織先生の言葉が的確で、深く頷きながら読んだ。

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    2025年06月24日
  • 遠慮深いうたた寝

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    かわいい表紙に惹かれて購入しました。
    一つ一つが短いので、寝る前の少しの読書時間にちょうど良かったです。

    小川洋子さんの作品は、ほとんど読んだことがないのですが、このエッセイで阪神ファンだったり推しがいたり、私が勝手に今まで小川さんに持っていたイメージと違う一面がたくさん知れて、面白かったです。

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    2025年06月20日
  • 約束された移動

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    どこか不穏な感じや不安定な感じを漂わせながらも、一定の品格や清々しさを決して失わない表現は、いつもと変わらずそこに感じられる。
    その上で1つの事を粛々と全うする様や、移動という表現でもたらされる人生の流れや事柄。そしてそこで生まれる自分でしか分からない、素晴らしい感覚。それを誰にも伝えたり表現する事なく噛みしめる行為。
    読むうちに、私もその中に織り混ざって、なんだか穏やかに心地いい気分になる。

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    2025年06月12日
  • ブラフマンの埋葬

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    ネタバレ

    懐いていただけに最後がさみしいです。世界観はあまりわからなかったですが、ブラフマンが可愛い。どんな姿をしているのか想像するのもちょっと楽しいです。

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    2025年06月08日