小川洋子のレビュー一覧

  • 遠慮深いうたた寝

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    作家ってやはり想像力豊かなんだと再認識。そして作家でなくても、人間にとって「想像力」って大切なのではないかと気付かされました。仕事をする際にも相手の気持ちを想像することは大事だし、家族や友人との関係においても気持ちを察することが必要ですよね、

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    2025年03月17日
  • 耳に棲むもの

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    なんとも不思議で不気味な読後感。
    万人におすすめはできないけど、
    お腹の底にずっしりと残る作品。

    5つの短編のちょうど真ん中、
    「今日は小鳥の日」
    野鳥好きなわたしはそのタイトルに大いに期待したのだけど、結果は…ああ。。

    久しぶりの小川洋子。
    やっぱり「猫を抱いて象と泳ぐ」が一番好きかな。

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    2025年03月13日
  • 最果てアーケード

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    先日読んだ博士の愛した数式が面白かったので、同じ著者さんの本を買ってみました。

    街の中にひっそりとあるアーケード内にまつわる短編。
    コンビニたそがれ堂や、あずかりやさんみたいな、短編が繋がってる話すっごく好きなんだよなあ。こういうお話の書き方って名前あるんだろうか。

    相変わらず文章がとても綺麗で頭にスッと入ってくる。瞬時に情景が浮かぶような小説を読むと心の底から没頭できて良い時間を過ごせたなあと感じます。
    悲しかったり、少し怖かったり、心温まるような、アーケード内の人にまつわるお話が「私」の目線で淡々と書かれている。
    いまいちグッと感じなかったのはあまりにも「私」が淡々としていたからかもし

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    2025年02月25日
  • 余白の愛

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    ネタバレ

    Yとヒロが積極的に主人公に構ってくれるのだが、Yの存在は幻覚だったとして、ヒロはそんな幻覚が見えることも含めて叔母に付き合ってあげていたのかと読後に改めて思うと、凄い子だ。
    Yの指への惹かれようが、性的ともいえる魅力を感じる。そして自身の突発性難聴となった耳に聞こえてくる幻聴のバイオリン。それも魅力的な指により速記という形で絡め取られて、抱擁されたような心地。
    帯に記憶と現実が溶け合うとあるが、物としては指と耳が溶け合い、Yと主人公が溶け合う。


    人間は小さな声で話しているといくらか優しい気分になれるものだということを、私は病気になってから発見した。小さな声は柔らかくて肌触りのいいベールにな

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    2025年02月23日
  • 小箱

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    不思議な奇妙な、美しさに溢れた小さな世界。死が常に近くで佇む街は、知っていそうで未知の世界です。音楽会の描写が、読んでいて静かすぎて現実とは遠いところに連れて行ってくれます。
    亡くなった子どもの楽器は想像するだけであまりに儚いです。

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    2025年02月12日
  • 完璧な病室

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    昔外国人と話せる英会話アプリをやっていて、そこでダイヴィングプールを勧められたことがあり、ずっと気になっていた。あの外国人、センスが良いな……。
    どの短編もずっと暗くて陰鬱で神経質な感じだった。どれも読んでいると心がヒリついて落ち着かない。ぱちぱち続く静電気に顔を歪ませながら読み続けるみたいな、不思議な痛さのある読書体験だった。でも不愉快だったわけではない。10代の時に感じていた、かさぶたを剥がす気持ちよさみたいなもの、いちいち色んなことに積極的に傷ついてみたり不愉快に感じてみたり、そういう心って大人になると健やかな生活を妨げるから意識的に忘れていくもののような気がするけど、それを久しぶりに思

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    2025年02月06日
  • 琥珀のまたたき

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    静かで美しい文章がひたすらに続く。静かに静かに物語が進んでいく。とくに大きな展開はなく進んでいくため途中で気が狂いそうな感覚に陥った。
    この閉鎖的な世界の中でも子どもたちは楽しみを見つけて、でも確実に月日は流れ年齢を重ね成長している。少しずつ綻びを見せはじめる生活、気づいても気づかないふりをする。残酷だけど美しい物語。

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    2025年02月01日
  • 海

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    短編集。どの短編も生活との地続き感と小川ワールドのスパイス感が絶妙でどれも残る。活字管理人とか元詩人とか鳴鱗琴とか、どれも惹かれるワードじゃない??鳴鱗琴とか聞いてみたいしどんな音色か想像するの楽しい。私は活字管理人がしたい。

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    2025年01月31日
  • ブラフマンの埋葬

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    謎の生き物とのひと夏の暮らし。匂ってくるような自然。生と死を象徴するもの。石棺、古い家族写真、ブラフマン、肌の温もり。予感なく失う命。
    2025.1.25

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    2025年01月25日
  • 夜明けの縁をさ迷う人々

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    ネタバレ

    相変わらず良かった!

    「静謐」という言葉がぴったりくる小川氏。彼女の2007年の作品となります。

    短篇9編からなる本作、全般的に幻想的(シュール!?)、でも筆致はしっとり。

    そうしたギャップが、真面目な顔して冗談をいうかの如く、ユーモアを湛えた雰囲気すら醸成しています。

    あるいは、冗談だと思っていた話が実は本人は本気で、その本気が狂気・ホラーの世界につながっていくかのような小品もあります。それもそれで味わい深くありました。

    ・・・
    どれも良かったのですが、一番印象に深い作品を挙げます。

    私としては「イービーのかなわぬ望み」。

    エレベーターで生をうけ、そこで育ち、エレベーターボーイ

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    2025年01月18日
  • いつも彼らはどこかに

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    ネタバレ

    8編すべてに動物が登場する。
    読み終わって、人も動物もみんな孤独だという思いを抱いた。それは決して悪いことではなくて、孤独な存在がそれぞれ感じられることが小さな光のようだった。
    特に好みだったのは「愛犬ベネディクト」だった。祖父と孫ふたりの生活にはベネディクトという存在が必要なのは分かったけれど、ブロンズ製の犬を中心とした生活に、この家庭の喪失が浮き彫りになっている気がして胸が締め付けられた。手作りドッグフードを食べて病気にまでなっているのだ。この生活はいつまで続けられるだろう、と悲しくなった。
    ラストの「竜の子幼稚園」も悲しかったけれど、空っぽの心にじんわりと温かい余韻をくれるような物語だっ

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    2025年01月03日
  • ブラフマンの埋葬

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    特筆すべきテーマや表現、共感ポイントは私にはないのだけど、解説にあった、「言葉のイメージ」というのに頷ける。
    抽象画のように、淡く掴みにくいが、隣合う色同士が調和するように、人物の固有名詞が出てこない作品の中で、物の固有名詞が本の調和を奏でる。
    ブラフマンの愛らしさ…みたいなのがいまいち私には煩わしく感じ、これは私が猫好きだからかもしれない。犬のような従順さとおちゃめさ。それから飼い主への絶対的な信頼感。どれも私が犬に対して苦手に思うことの全てだ。犬好きだったら受け取り方が違ったかも。
    それにしても、間間にあるブラフマンの解説は何なのだろう。

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    2024年12月30日
  • 掌に眠る舞台

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    最初から最後まで何が何だかよく分からなかった。
    博士の愛した数式のイメージが強すぎて装丁が綺麗なこの本を選んでしまったことが失敗かな…
    すべて舞台にまつわる物語で「掌に眠る舞台」という題名も納得なのだがストーリーの終着点が見つけられず困惑。
    あまりにも非日常すぎて私はついていけなかった。
    年を経て価値観や感じ方が変わる頃にもう一度読みたい。

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    2024年12月22日
  • 口笛の上手な白雪姫

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    前は大好きだった、小川洋子の静謐で決して透き通っていない曇りガラスのような世界観。

    その世界観は全く変わってないのに、なぜか あまり引き込まれなかった。どうして?
    自分が今いる現実世界でなんとか 頑張って、高い税金や社会保険料を納めて、それでもいろいろため息のでることや悩みを抱えて生きていかなきゃいけない。

    その現実感に合わなかったのか…と思うと、なんか寂しくなる。

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    2024年12月15日
  • やさしい訴え

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    タイトルはそこで出てくるのねって思ったし
    そのあとYouTubeでどんな感じか気になって聴いた

    まずチェンバロがどんなものか知らなかったから
    調べて見てよかった

    それぞれが幸せになる終わりを見たかった
    これから1人で生きて行くことで
    新たに得られるものもあると思うから続きを見たいと思った

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    2024年12月01日
  • 原稿零枚日記

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    作家である主人公の、日常
    取材のための温泉
    運動会の、パーティーの、子泣き相撲の、新生児室の、荒らしたちの観察
    生活改善課
    素寒貧な心の会
    あらすじ係
    どれもこれも、現実なのか、妄想なのか
    「ふときずくと、今語っているのは本当に経験したことなのか、自分が書いた小説のあらすじなのか
    ‥」

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    2024年11月22日
  • 不時着する流星たち

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    最初はよくわかんないけど
    気づいたら世界に入り込んでた!

    小川洋子って感じ。
    短編集でひとつ30分くらいで読めるのもよい。

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    2024年11月02日
  • 約束された移動

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    人の移動は、大概約束された土地を行き来している、平凡に見えるが、そこそこに奇妙な、そして時に闇で覆われた道。

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    2024年10月23日
  • 琥珀のまたたき

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    静かな環境でないとなかなかこの本の世界観に入り込めず読むのに時間がかかってしまった。
    壁の中で外の世界から閉ざされて、閉塞的な場所で身を寄せ合い、それでも楽しみを生み出し密やかに暮らしていたこの姉弟は幸せだったのだろうか…
    壁から出だ後のそれぞれの人生はどんなものだったのだろう…
    母は何を守りたかったのだろうか…

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    2024年10月10日
  • 犬のしっぽを撫でながら

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    アンネ・フランクへの旅、の数篇は、実際に現地へ赴き、目にしたもの感じたものを実直に描かれており心に響いた。
    同じユダヤ人でも、列車に乗せられ殺された者もいれば助かった者もいる。
    生き延びた人達は本来有難く、喜ぶはずだが、なぜ自分は生き残ったのか、と疑問を抱き、自身が獲得した 生 を後悔し憎むようになる。生きながらも自分自身を責めている。これは辛い。
    これが戦争、ひいては虐殺の後遺症ではないか。
    人間らしい感情、価値観を混乱させ、後々の人生にも甚大な悪影響を及ぼす。

    甲子園球場や列車など、沢山の席がある場所で、混乱せず皆自分の席に座れるのは、「数字」があるからだ。
    →この考え方は斬新だ。 そ

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    2024年10月08日