小川洋子のレビュー一覧

  • ミーナの行進

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    最初から期間が定められた中での物語。

    突飛な出来事があるわけではないけど、少し不思議な環境であり、わずかな不穏さも漂っている。この独特の雰囲気が物語を読ませてくる感じ。

    ポチ子にみまもられ、見守る物語だった‥

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    2026年03月02日
  • ことり

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    小鳥が人生の全てだった兄と、その弟で主人公である「小鳥の小父さん」の一生を描いた物語。
    私は、お兄さんが亡くなってから、小父さんの本当の人生が始まった気がした。兄との記憶を辿りつつ、自分自身の拠り所を見つけようとする姿を見て、小父さんが平穏に生きられるようにと、祈りながら読み進めた。
    小父さんの最期は、きっと幸せだったんじゃないかと思う。

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    2026年03月01日
  • サイレントシンガー

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    小川洋子氏の小説は
    なんでこんなに静かで美しいんだろう

    特別ななにかではなく
    たとえば海辺で見つけるシーグラスのような
    ふと気づく美しさのような

    静かな森の静かな人々は
    ファンタジーのようなのだが

    自動車で出かけたり
    CMの歌入れなどの仕事があったりと
    現代的な現実的なものもあり
    不思議と隣り合わせなのだ

    どこか知らない世界のようでいて
    この世界だし
    知らない人々のようで
    私達のようでもある

    この不思議な小川洋子の世界が私は好きなので
    映像化はしなくていいです

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    2026年02月25日
  • からだの美

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    小川洋子さんの美しいと思うもの
    スポーツ選手のパーツから動物、カタツムリの殻にまで
    とりわけ「ハダカデバネズミの皮膚」には驚かされる
    「ハダカデバネズミが、小説の中で自分が作り出した動物だったらよかったのに」には笑った
    なんて「作家」!
    矜持なき美はないのだと、
    誰よりも美しい文章を紡ぐ作家の目が言っていた

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    2026年02月25日
  • 妊娠カレンダー

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    不穏な雰囲気の中でも、描かれる風景、モノのようすが精緻で美しさを感じる。読後の想像を掻き立てる3編。

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    2026年02月18日
  • 妊娠カレンダー

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    ★★★ 読めてよかった

    妊婦の妹、大学生の甥に古巣の寮を紹介する叔母など、主役ではない人々の短編集。彼らは物語の本筋に踏み込めないから、ストーリーの中で生じた出来事について、全てを説明する視座を持たないのがもどかしい。
    しかし過去の回想の描写は懐かしさを感じさせ、こちらにもセピア色の景色が見えるようだった。

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    2026年02月16日
  • 貴婦人Aの蘇生 新装版

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    文庫本の帯によるとこの作品は“硬質な文体で描かれた初期の傑作”らしい。
    硬質な文体、か。小川洋子さん作品にあまりそういうイメージは持ってなかったけど、言われてみればたしかに。無機質な感じ、乾いた感じ。

    読んでいるうちにいつの間にか、自分が“距離を保って舞台袖から結末を見守る関係者”みたいになっていたりする。

    感想書くのが難しい不思議な読後感。どこかアンバランスながら、成り立っている。小川洋子ワールドだなって感じ。

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    2026年02月16日
  • 琥珀のまたたき

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    ネタバレ

    ●どこか海外の風景が浮かぶようなファンタジーのようなおとぎ話のような不思議な世界観なんだけど、時々現実が垣間見えて息苦しくなる。
    ●三者三様のこの生活に対する違った思いがあって、特にオパールは外の世界で普通に育ってきたんだから状況もわかってただろうしそりゃ逃げ出したくなるよね。琥珀は逆に一生囚われてしまって本当に可哀想だと思った。

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    2026年02月13日
  • サイレントシンガー

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    静謐という言葉がこれほど似合う小説はない。沈黙は信仰で、歌は祈りのようである。この閉じられた静かな世界が続くことを願う。

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    2026年02月11日
  • アンネ・フランクをたずねて

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    アンネの隠れ家生活の支援者であったミープさん宅を訪問したおり筆者がミープさんにサインをお願いしてもらった文章、
    〝…… we were no heroes, we only did our human duty, helping people who need help.〟
    「…… 私たちは英雄ではなく、助けを必要とする人々を助けるという人間としての義務を果たしただけなのです。」

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    2026年02月08日
  • 続 遠慮深いうたた寝

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    幼い子に読み聞かせた絵本「てぶくろ」がウクライナ民話であることを思い出させてくれた。いま人びとに大切なことが、、、

    『どんなに小さなてぶくろでも、求める者があれば喜んで分け合おうとする精神があり、それを文学の形で受け継いできた事実だけは、厳然として存在している。子どもの手で持てる薄い絵本の中に、尊い真理が詰まっている』

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    2026年02月06日
  • 不時着する流星たち

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    ネタバレ

    実在の人物や物事に着想を得て書かれた短編集。
    最初は面白いコンセプトだなと思ったんだけど、読み進めていくにつれて狂気を感じた。

    「第八話 若草クラブ」「第九話 さあ、いい子だ、おいで」あたりがそのピーク。怖い。小川さん作品は時々こういう訳わからない話があるから面白いんだけど、でも好みではない。

    そもそも"世界最長のホットドッグ"をモデルに書かれた短編(第九話)って何???って意味わからなすぎて怖くなっちゃった。そういうモデルから着想を得て創作できるって単純にすごいと思った。

    全体的に掴みきれなくてよくわからなかったかも。最後の「第十話 十三人きょうだい」はいい感じ。

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    2026年02月02日
  • いつも彼らはどこかに

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    何かがそばにいるだけで、自分が存在しているような、、、
    実際に存在していないものが実在してそこにいるかのような、、、

    祖み終えたときは、不思議な話の中に取り込まれていくような感覚だった。

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    2026年02月02日
  • サイレントシンガー

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    内気な人々が集まって暮らす「アカシアの野辺」で雑用係のおばあさんの孫であるリリカは、その沈黙の里で歌を紡いでゆく・・・
    内気な人たちが、自発的にコミュニティを形成するのかなという違和感はあったものの、優しい語り口で、童話のようなファンタジーのような小川さんの世界観はとても心地いいです。
    リリカには、この物語をうまく成立させなくてもいいから、料金係さんと幸せになってほしかったなぁという思いが残ります。
    ドボルザーク「家路」、小学生のころ下校時に放送されていました。

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    2026年02月01日
  • 約束された移動

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    「巨人の接待」がよかった。巨人はバルカン半島の地域語しか話せず私が通訳することに。物静かな巨人と私との心の共鳴が心地よい。
    よく行く西湖の野鳥の森公園を思い浮かべて読んだ。

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    2026年01月20日
  • サイレントシンガー

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    静けさの中、誰も邪魔しないように、寄り添うように生きた女性の生涯の話。おとぎばなしのような、祈りのような、綺麗で優しいお話だった。

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    2026年01月12日
  • 海

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    ネタバレ

    ありふれた日常の、ありそうでない1ページ。
    でも読んでいると不思議と心地良かったです。

    海:鳴琴鱗という楽器の音を私も聴いて見たいと思った。後半は弟との掛け合いが中心で、家族を"落ちたピーナッツのよう"に表現しているのかなと感じました。

    風薫るウィーンの旅六日間:小川先生の作品では少しコメディ寄りなのかなあと感じました。
    誰もが老いのマントを─という表現がすごく良かったです。実際、古い恋人の見分けもつかなくなるほどに皆が同じような見た目になっていたんだろうなと想像できました。
    遠いところからはるばる旅した琴子の気持ちと、昔の恋が、一緒に枯れて灰になったなと、重ねて読んでしまいました。

    バタフライ和文タイプ事務所:やはり良い意味でおかしい。小川先生の作品はこうだよな!?という作品でした。どうやったらこんなに文字を、鉛を、官能的に書けるんだろうと思いました。

    小川先生の書く文章は読みやすくて、でも少し妖艶な感じがして、上手くまとまらないけどそれがすごく好きです。

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    2026年01月11日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    生きるとは自分の物語をつくること。題名の深い今は2人の対談の中から汲み取るとしても、なかなか理解するのが難しいかも。小川洋子さんと河合隼雄先生の対談集。河合隼雄さんと言えばよく村上春樹さんと対談、共著もあったと思う。人は結局、矛盾を物語をつくって消化し理解して受け入れて生きていくしかないのかな。みんな辛い、それを克服して生きていく。

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    2026年01月10日
  • ブラフマンの埋葬

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    172頁と短くすぐに読めてしまった。
    解説にも書かれていたけど登場人物や地名も固有名詞は出てこなくて、そういう意味で唯一スポットライトが当たるのが"ブラフマン"。彼が何という動物なのかは明言されず、森で生まれた水かきのあるしっぽの長い生き物ということのみわかる(犬?猫?リス?)。

    最後の急展開にびっくり。タイトルから想像できた結末ではあるけど、余りにもあっけない。主人公はそれを受け入れられたのか?唐突でやるせないだろうけど作品ではそのあたりは触れられていない。

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    2026年01月08日
  • 耳に棲むもの

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    なんと言ったら良いのだろう。
    感想は…感動するわけではないけれど、なんだか不思議な気持ちが漂う。
    例えるなら、フランス映画を観た後の気分と似ているかも。

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    2026年01月02日