小川洋子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレタイトルを忘れて読む、
人質にされた人たちの間で共有し合ったストーリーの記し。
ふつうの人たちの、ちょっと不思議な思い出話。
こんなふうに、みんなのひとりひとりの話なんて全部聞いてられるはずがないけれど、
聞いてて、読んでて飽きない、というか、
もっと知りたくなってしまう不思議。
人質になったから語られたのか、
とにかくこの世の中はたくさんの思い出たちでいっぱいなんだろうなー。
その多くは語られることはなく、伝えられることはなく…
だからこそ、わたしが聞き出してみたい、と思ったりするのかな。
もっと話して、っていいたくなるような、
そんなストーリーが、現実の身の回りにもた -
Posted by ブクログ
ネタバレ【妊娠カレンダー】
主人公は大学生の妹。姉夫婦と一緒に住んでいる。心が脆い姉が妊娠。
大きな病院ではなく,近くの産院で出産するという。そこは幼い頃姉と裏から中庭に入り込んで遊んでいた古い病院。窓から覗いた器具や、3階の病室の窓辺にいる女が記憶にある。
姉のつわりが酷くなってくると、色んな我儘を言い出す。食べるのも,家の中の匂いも。
姉がいる時にご飯を作れないし、食べれなくなる。
急にふっと長く続いたつわりが終わった。
途端にいろんなものをたくさん食べるようになってしまった。
仕事で大量に貰ったグレープフルーツを皮ごとジャムにすると,姉はパンにつけずジャムそのものもを食べてしまう。グレープフルー -
Posted by ブクログ
異様な状況なのに、どこか温かみのある不思議な雰囲気。本の中に確かに彼らの生活があって、壁の中のママ、オパール、琥珀、瑪瑙の密やかな生活をそっと静かに覗きたくて本を開いていた。
家族の絆というと安い表現だけど、家族だから成せた温かい日々だと思う。家族って不思議。
ママが”図鑑のモデル”でいるために、毎月スターに扮するシーンが印象的。たった数時間、ほんの一瞬の高揚感で1ヶ月じっと個性を押し殺して生活するなんて、私にはできない。家族を守りたいという母親の底深い執念を感じた。それとも父親からの愛を忘れられずに図鑑のモデルを演じ続けていたのかな。
後半ちょっと読みつかれちゃったので、星3 -
Posted by ブクログ
薬指の標本というタイトルだけで、薄気味悪い、もしかして猟奇的か、小川洋子作品だし、さてさてと読み進めるうちに、どこか自分にもこんな気持ちがあるのかも、と思わせられたら、作者の術中にハマってしまったことになる。
短編2作めの六角形の小部屋にしても同じ感じで、カタリコベヤって何なんだよ、そうかそういう漢字なのか、だから部屋の中で一人で語るのか、そんなやつはいるのか、と思いながら自分なら今日は何を話すのだろうと考える。
薄い文庫本に2篇の短編小説が含まれている、という体裁から奥が広くなっているような場所にいる感じすらした。広い場所と感じたのは自分で感じた空想なのか、ほらまた一歩ずつ作者の世界に引き込