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ハリウッド俳優Bの泊まった部屋からは決まって一冊の本が抜き取られていた――。客室係の「私」だけが秘密を知る表題作など、静謐で豊かな小説世界が広がる、“移動する”6篇の傑作短編集。
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Posted by ブクログ
装丁の美しさ、短編一つひとつの美しさ。 「寄生」という題の奇跡のお話。何かをし終えたときに「ちゃんと果たせた?」と訊いてくれる人がいて、それに頷けることの幸せ。利他の心と誠実さを持つ人だけが得られる幸せ。そして私には、その物語を読める幸せ。
「元迷子係りの黒目」はデパートで迷子になった子どもを見つけ、そっと手助けする女性が登場する。 「彼女はいきなり大きな声で話しかけたりはしない。まずは。目配せを送る」 これが彼女の思慮深い子どもへの声掛けの仕方で、なんて慎ましやかなんだろうかと感嘆する。 小川洋子さんの紡ぐ物語には、誰も気にしな...続きを読むいようなちいさなちいさな世界の片隅で、ただひたすらにひとつの役割を果たす人々が描かれていて、読むたびに「わたしもこんなふうに淡々と自分の役割を全うする人生を送りたいな」って思ったりする。
"移動する"物語六篇からなる短編集。職業、年齢、性別も様々な人々が登場する。かつては有名だったけれど落ちぶれてしまったハリウッド俳優とロイヤルスイートの客室係。元市民病院の案内係と孫娘。元迷子係と遠い親戚の少女。虫博物館で出会った男女。村で唯一の託児所の園長。バルカン半島の小国の...続きを読む作家とその希少言語の通訳者。世の中の人々に知れ渡るわけではなく、彼らだけが知っている密やかな約束、あるいは生きた証、尊厳という美しいものの数々を、まるで生まれたばかりのグッピーの赤ちゃんを岩や藻の隙間から網ですくいあげるように丁寧に的確にすくいとっている印象がしました。偉大な人と絶賛される人の人生だけが輝かしいのではない。寂れた裏庭に、ビルとビルの間の路地裏にいるそんな人の人生にも、輝く瞬間があったことをこの物語は教えてくれるのです。 小川洋子さんの小説はやはりいいなぁ…。
「約束された移動」「ダイアナとバーバラ」「元迷子係の黒目」「寄生」「黒子羊はどこへ」「巨人の接待」“移動する”物語、六篇。 ここに収められている作品に登場する老人たちの、穏やかな立ち居振る舞い、言葉づかい、仕事ぶり、そして、熱帯魚、子羊、小鳥、子供たちとのふれあい、そのどれもすべてが美しい。 それ...続きを読むらは、人目につかず、ひっそりとした佇まいなのだけれど、普通と違ってどこかずれてしまっている、その哀しさがまた美しいと思える。 一旦この物語に足を踏み入れてしまうと、読み終わるのがもったいないとさえ思ってしまう。 濃密で不思議な魅力のある、独特な世界。
ため息出る。。 「約束された移動」は、大きな人生のうねりだけではなく。 不特定多数のうちのたったひとり、 自分だけに差し出される手によって(しかしそれさえも錯覚なのだけど) あらゆる移動は約束され、人々は自分の還る場所に還ってゆける。 喪ったものを少しの間だけ愛でて、そっと閉じて、また還る。今は...続きを読む無くても、愛でていた事実について、あなたと私が証人になる。 『薬指の標本』でも思ったけどそんな描き方をしているかんじがする
小川ワールド全開。 不思議で残酷で懐かしくて愛おしくて切なくて。 絵本を読んでいるような小説。 素晴らしすぎです。
6編の短編それぞれに、独特の世界観があり小川ワールドに引き込まれた。映像なしに文章だけで、異次元空間を体験できた。
誰のどんな役割もすべて等しく神聖である気がした。ときどき常識から逸れることがあっても、大きな問題ではないような気もしてくる。すばらしくうつくしい、上品な雰囲気。うっとり。
タイトルの通り「移動」をテーマにした短編集。 小川洋子さんの著書はまさに純文学で、言葉選びが、構成の一つ一つが芸術品のように美しくて大好きです。 本という空間に閉じ込められるような、開かれているのに閉塞感のある歪な透明感がどの作品にも存在していて、読んでいる間は時間がゆっくり流れているような気さえし...続きを読むます。
小川さんらしい、童話のような雰囲気をまといつつもほの暗く、ひっそりとした短編集。静謐という言葉がこれほど似合う作家さんもいないだろうと思う。世の中の片隅で生きている人たちが心にひっそり持っている、美しい宝箱をこっそりと見せてもらっているようなお話だった。今作はあんまりグロテスクではなかったので、好み...続きを読むの感じだ。どの短編でも本を読む人がいて、それが良かったと思う。 ダイアナ妃の服をまねて自作し、自ら着る老婆バーバラが出てくる「ダイアナとバーバラ」、鳥好きの声の小さな作家「巨人」と通訳の交流を描く「巨人の接待」が好き。
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約束された移動
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小川洋子
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