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「大事にしてやらなくちゃ、赤ん坊は。いくら用心したって、しすぎることはない」。公衆浴場の脱衣場ではたらく小母さんは、身なりに構わず、おまけに不愛想。けれど他の誰にも真似できない多彩な口笛で、赤ん坊には愛された――。表題作をはじめ、偏愛と孤独を友とし生きる人々を描く。一筋の歩みがもたらす奇跡と恩寵が胸を打つ、全8話。
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Posted by ブクログ
8つの短編の中で『亡き王女のための刺繍』は小川洋子さんならではの妖しい毒っ気が美しかった。『かわいそうなこと』も良かったなあ。敏感なアンテナを大人になっても持ち続けている作者は日々の中で辛くなることはないのだろうかと心配になると同時に羨ましい。 でも、一番好きだったのは『一つの歌を分け合う』。同じ時...続きを読む代を生きる人たちは大縄跳びみたいに次々この世を抜けていく。だけどそれはおしまいじゃなくて、帰れる、焦がれた人たちに合流できるという優しい気持ちで越えられる一線。レミゼラブルから受け取れるうちのそんなひとつを、たった二十数ページで表せられるのがすごい。
表題にもなっている「口笛の上手な白雪姫」は、公衆浴場の片隅で、入浴中のおかあさんから赤ちゃんを預かって子守りをするだけのために存在しているおばあさんのおはなし。 「ただひたすら赤ん坊のためだけに我が身を捧げている」というシンプルながらもそれを全身全霊で成し遂げるおばあさんの潔さと尊さに心を打たれる。...続きを読む 小川洋子の小説はいつもそう。 たったひとつの大事なことを狂信的なまでに守り抜く高潔さがとても美しい。すごくいいよね。
8作の短篇集。小川先生は短篇の名手ですね。 ここの8作はそのどれもが、自分の世界を偏愛する孤独な主人公たちだ。表題作も好きだけど、「亡き王女のための刺繍」「仮名の作家」がお気に入り。「仮名の作家」は怖いなぁ。
彫刻や博物館の展示品や声など、普段あまり注目されなそうなモチーフへの深い洞察や想像力に圧倒される。赤ちゃんや子供の描写が特に好き。 人とあまり関わらずにひっそり暮らしていても、生き物やモチーフに対する敬意で瑞々しく生きている。
「かわいそうなもの」と「仮名の作家」が狂おしいほど好き。 混沌とした静かな世界のなかで、ほんのりとした切なさがとても好きです。ほの暗い雰囲気で普通はないようなことが起こっていても、どこかに妙な現実味があって… 何度でも読み返したい
みんな少しずつ偏っていてそれはある意味孤独なんだけど、寂しさよりも静かな強さ、したたかな美しさを感じる短編集。 物語たちそのものもとても素敵。特にそれぞれの余韻たっぷりな終わり方がいい。 ただ何より、心情や状況の描写、比喩のひとつひとつがときめく程美しくてたまらなかった。 「亡き王女のための刺繍...続きを読む」と「一つの歌を分け合う」が特に好き。でも選べないくらいどれも良かった。 色々な方が小川洋子さんの文章はうつくしいと言っている意味が、読み始めてすぐに理解出来た。 淀みなく流れるようで、でも確実にひとつひとつがきらめいていて虜になってしまう。 博士の愛した数式をかなり昔に読んだはずだけど、それ以外の著作にまだ触れたことがなかったから、 これから沢山小川洋子さんの言葉を浴びることができると思うと楽しみです。
他者の視線を気にせず、思うままに振る舞うのは簡単じゃない。何かに強いこだわりを持っているならなおさら。私はそう思うのだけれど、ここで描かれる人物たちは、偏執的な自分を良しとし、ありのままの姿で何をも恐れず突き進みます。そのエネルギーは、いったいどこから湧いてくるのでしょう… 8つの短編、どれも面白か...続きを読むったですが、表題作が一番心に残りました。舞台となっている銭湯の壁画の森に、私も迷いこみたいです。そして小母さんのように、幼い命に対して、私に何かできることはあるのかしら…と考えてしまいます。何かできる人でありたい。
久しぶりに読んだ小川洋子さんの著書。 8つの短編。 それぞれの物語の主人公たちは、ひっそりと偏った内面の世界を持ち、他と分かち合うことは決してない。その孤独は不幸というよりも、本人にしか見えない調和を守るためにある。
幼少期の自分が救われるような心温まる短編集。そこに存在することや言葉ではない部分で「大丈夫だよ」を伝えてくれる存在。そういうものが人生には必要。
小川洋子さんの世界観と美しい文章を堪能するにはじゅうぶんな一冊。ほんとうに無駄のない、でもごちゃごちゃしていなくて、ひたすら洗練された文章を書かれる…。「先回りローバ」がやさしくてすきだったなあ。でも、「仮名の作家」も最高に気持ち悪くてよかった。
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口笛の上手な白雪姫
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小川洋子
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