遠慮深いうたた寝

遠慮深いうたた寝

891円 (税込)

4pt

どのエッセイも結局は文学のない世界では生きられないことを告白している――日々の出来事、思い出など、温かな眼で日常を掬い取り、物語の向こう側を描く、作家の素顔が垣間見られる極上エッセイ集。

作家の日常が垣間見られる、10年ぶりの文庫エッセイ集!

どのエッセイも結局は
文学のない世界では生きられない
ことを告白している――小川洋子


日々の出来事、思い出、創作、手芸、ミュージカル……
温かな眼で日常を掬い取り、物語の向こう側を描く。
2012年から現在まで続く「神戸新聞」好評連載エッセイ「遠慮深いうたた寝」を中心に、約10年間に発表されたエッセイの中から厳選し、「手芸と始球式」「物語の向こう側」「読書と本と」の4章で構成する珠玉のエッセイ集。

*美しい装幀も話題!
九谷焼による陶板画・上出惠悟/デザイン・名久井直子
単行本 第55回造本装幀コンクール・日本書籍出版協会理事長賞受賞。

著者より
「本書を編むことは、文学が自分の生活、人生をどれほど大事な部分で支えているか再認識する作業でもありました。題材はさまざま異なっていても、どのエッセイも結局は文学のない世界では生きられない、ということを告白しています。実際には味わえない体験、自分とは異なる誰か、この世にはいない死者、そういうものたちへの想像力が、現実の私の救いとなってくれているのです」(「あとがき」より)

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遠慮深いうたた寝 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    私たちに近い日常も、小川さんの目を通すと全く違う世界が広がり、偶然居合わせた一瞬にさえ光を見出す。その眼差しが見つめる先から新たな物語が始まるのだとわくわくが止まらない。
    まるで短編集のような珠玉のエッセイ。

    0
    2025年10月28日

    Posted by ブクログ

    「ほんの数ページしかない小説でも、一度読んだだけでは見えてこない世界が隠れている。活字の間からこぼれ落ちてしまう何かがある。安易に分かったつもりになるのは、読み手の傲慢さに他ならない。──だからこそ再読には意味があるのだと思う。百年でも二百年でも小説は、書かれた時のままの形でそこにあり続ける。にもか

    0
    2025年07月30日

    Posted by ブクログ

    エッセイを久しぶりに読んでいます。昔好きだったのは、向田邦子さん、伊集院静さんのエッセイ。小川洋子さんのエッセイも面白い。一つのお話から得るものがいくつもある。

    0
    2025年04月27日

    Posted by ブクログ

    小川洋子の目を通したら、日常はもう少しコミカルでユニークに映るだろうか。うたた寝、というのは内田百聞の短編「件」から来ているらしい。

    慣れない子育てをしながら家事をこなし、忙殺される中だったからこそ、彼女は小説を書かざるを得ない状況だったと言った。読むだけで満足できない、書きたいという創作の衝動は

    0
    2025年03月08日

    Posted by ブクログ

    小川洋子さんの言葉に触れるたび、私の心を守ってくれた物語たちを思い出す。小川洋子さんの作品もその一つだし、このエッセイもその一つになった。
    心が頑なになって、みんなが敵に見えてしまったときに、また読み返したい本。私は弱いし何もできないけど、そんな私を守ってくれる物語が世界にはあふれていると気づかせて

    0
    2025年12月01日

    Posted by ブクログ

    私たちと同じような日常の中でも
    小川洋子さんは誰も気づかないようなことに
    気づいたり、たくさん思考をしていて。
    それらを丁寧に紡いでいくと
    こんなにも煌めく言葉になるの、すごいな。
    彼女の小説がとても美しく繊細であり、
    また少し不気味なところもあるのは
    こんな風に日々を過ごされて、生み出されたからな

    0
    2025年11月01日

    Posted by ブクログ

    本を読まない人が増えて、本屋がどんどんつぶれ、何分以内に読める!というのが売り文句になってしまった今の時代だけど、やっぱり本を好きでいいんだ、本の力を信じていいんだと思わせてくれる心強い一冊。

    0
    2025年08月25日

    Posted by ブクログ

    小川洋子さんの思い出話や本の感想、妄想や半分小説のようなお話をまとめたエッセイ。
    小川さんの魅力が詰まった作品でした。
    特に『答えのない問い』という作品で、小説を読んで、わけがわからない、面白くないと自分の狭い価値観で作品を否定してしまうことがあるけれど、分かる分からないにこだわるのは実にもったいな

    0
    2025年06月21日

    Posted by ブクログ

     まとまった小川洋子さんのエッセイを読むのは初めてでした。素晴らしい小説世界の創作秘話や素顔がうかがい知れ、小川さんの日常にそっと触れられた感があって興味深かったです。

     小川さんの描く世界観が腑に落ちたり、語りかけられ考え思わず納得したりと、気にも留めない自分の日常を、新たな視点で見直すきっかけ

    0
    2025年04月29日

    Posted by ブクログ

    やっぱりこの人の言葉や文章は好きだ
    めっちゃ阪神ファン(笑)
    偏愛している文学、小説を書くこと…
    色々な考えや出来事を垣間見れて楽しい

    0
    2025年04月07日

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