小川洋子のレビュー一覧

  • 科学の扉をノックする

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    数学はいつでも苦手だったけれど、科学はどうだったか思い出せない。自分が親しく科学的学問を学んだのは高校生の頃、地学で星の運行にふれたのが最後。
    目に映るもの全てに詩情があるというなら、同じく科学のまなざしを持って世界を読み解くことが、こんなにも豊かに可能であるとこの本は教えてくれる。

    特にすきなのは3章と6章。
    死への流れと死のかたち。

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    2023年01月24日
  • 博士の本棚

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    小川洋子優しすぎ素直すぎとても好き
    どんなつまらない日常のことや機械のことでも小川洋子の言葉なら繊細な物語に見える
    村上春樹が好きなことも何の衒いもなく言っていて、すごい、気取って見えない

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    2023年01月18日
  • 夜明けの縁をさ迷う人々

    あ

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    不思議な話

    短編だから一話一話がさらっと読めるふんわりとしたホラーです。
    続きをめくるとストーリーが終わってるという感じですっきりとした終わりではないですが、何か胸の中にほんのりと残して終わる話です。

    #切ない #ダーク #深い

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    2022年12月17日
  • いつも彼らはどこかに

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    お気に入りは静かなぬくもりを感じた「ビーバーの小枝」
    なんだかぞわっとしたのが「断食蝸牛」
    いつもの小川作品のように、見つめるのはにぎやかな大通りではなく、どこかの片隅。気づかずにいるかもしれない世界をすくい上げてくれる。
    タイトル通り、どこかにいる彼らを感じた短編集。

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    2022年12月13日
  • 余白の愛

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    ネタバレ

    耳を患ったわたしは、座談会に出た際の速記者Yの指に惹かれる。何度か会ううちに、自分の語る話を速記してもらうことにする。
    しばらくして、Yが所属する速記の会を訪ねたわたしは、そこに事務所はなく、その代わり、その場所にあった家具屋の中にYが語った話の片鱗を見る。
    Yとは一体誰だったのか、耳の不調と離婚による精神的な凹みが生み出した幻想だったのか。

    全体を通して幻想的な雰囲気が漂う物語。

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    2022年11月30日
  • 約束された移動

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    小説の中でだけ展開される優しい世界。
    ファンタジーといえばそうなんだろうけど、読んでいるときはそう感じさせない。けれど本を閉じるとその感覚は失われる。ま、小説なんだから当然なんだけど、それにしても上手いよね。

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    2022年11月26日
  • 科学の扉をノックする

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    小川洋子さんが様々な科学者にインタビューする本です。

    科学では、知れば知るほどわからないことがたくさんあること。
    宇宙、鉱物、遺伝子、生物、、、まったく異なる分野なのに、なにか共通するものがあり、人間社会に通ずる話が見えてきます。そこを小説家が絶妙に料理してくれるので、小説に膨らむ妄想を楽しみつつ、それぞれの分野の最先端を理解することができます。

    科学の初心者におすすめの本

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    2022年11月05日
  • NHK「100分de名著」ブックス アンネの日記 言葉はどのようにして人を救うのか

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    邦語訳も素晴らしいのかも知れませんが、15歳のアンネのイキイキとした表現、時にドキッとする文学表現は正に名作です!

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    2022年10月31日
  • 原稿零枚日記

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    エッセイかと思って読み始めたのですが、苔料理が出てきたあたりから、あ、違うかも、と気付いた次第。果たしてこれは全くのフィクションなのか、それとも実は・・・。曖昧な境界線に立たされる読者の心を見事に翻弄しますね。なかなか書き進まないある女性作家の日常なのですが、白昼夢の中で迷わされ、独特の濃密で不穏な世界の底に沈んでいくような不思議な感覚を覚えました。様々な「荒らし」を行う彼女の隠された背景に、ぞくっとした震えを感じるのに、もっと覗いていたいという欲求にかられる空気は小川さんならではという感じです。

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    2022年10月27日
  • NHK「100分de名著」ブックス アンネの日記 言葉はどのようにして人を救うのか

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    なんとなく読んだような気になってたアンネの日記、本書を読んでその奥深さに感じ入りました。全く狭い視野で捉えていたことに茫然。思春期の少女のみずみずしい感性溢れる日々をつづった文章そのものです。性の目覚めと初恋の場面も素晴らしく、赤ちゃんが生まれるところについてのジャクリーヌの発言には驚かされます。思春期に遡って読むことはもうできないので、これから先もう一度じっくり味わいたいです。小川洋子さんが語る言葉は、それほどの強い魅力を与えてくれました。

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    2022年10月25日
  • 約束された移動

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    繊細でちぐはぐで欠損があり美しい小川洋子の物語を共有するには言葉を紡ぐしかないのだなあと強く感じる1冊。これをどうやって映像化する?

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    2022年10月14日
  • 言葉の誕生を科学する

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    第1部 言葉はいかにして誕生したのか?
    第2部 言葉は何を伝えるか?
    第3部 心はどのように生まれるのか? 
    「はじめに」小川洋子さんが文鳥を飼うことになったキッカケの話から、岡ノ谷一夫先生が「言葉の起源をもとめて」に繋がって本編に進む流れの段階で既にワクワクが止まらない。それにしても、おふたりのやり取りする単語とそれから連想ゲーム的に発展するテーマの多彩なこと!見た目だけで敬遠していたハダカデバネズミにも断然興味が湧いてきた。

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    2022年09月27日
  • 世にも美しい数学入門

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    藤原正彦(1943年~)氏は、東大理学部数学科卒、東大大学院理学系研究科修士課程修了の数学者、エッセイスト。お茶の水女子大学名誉教授。新田次郎と藤原てい夫妻の次男。『若き数学者のアメリカ』で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。「論理より情緒」、「英語より国語」、「民主主義より武士道」という氏の自説を説いた『国家の品格』(2005年)は、200万部を超えるベストセラーとなった。
    小川洋子(1962年~)氏は、早大第一文学部卒の小説家。『妊娠カレンダー』の芥川賞ほか、谷崎潤一郎賞、野間文芸賞、菊池寛賞、紫綬褒章等を受賞・受章。また、記憶が80分しかもたない数学博士と家政婦の母子との交流を描いた『博士の愛した数式』は、読売文学賞、本屋大賞(第1回/2004年)を受賞し、ベストセラーとなった。
    本書は、『博士の~』を執筆する前に、小川氏が知人を通じて藤原氏を紹介してもらったことをきっかけに、同書発表後に改めて行われた二人の対談をまとめ、2005年に出版されたもの。
    私はノンフィクションを好んで読み、興味のある新刊はその時点で入手するようにしているが、今般、過去に評判になった本で未読のものを、新・古書店でまとめて入手して読んでおり、本書はその中の一冊である。また、私は対談本をあまり好まず、それは、焦点がぼやけて物足りなさが残ること多いためなのだが、本書については、藤原氏も小川氏も過去に作品を何冊も読んでいて、この二人の対談がつまらないはずはないと確信があり、手に取った。
    そして、(学校で習ったもの、習わなかったもの含め)様々な定理・公式が如何に美しいか、また、数学者が何故それらに魅入られるのかが、期待に違わず興味深く語られ、一気に読み切ってっしまったのだが、それは、小川氏がもともと、『科学の扉をノックする』(様々な分野の科学者7人との対談エッセイ)や『そこに工場がある限り』(様々な工場の見学エッセイ)のような本を出してしまうほどの好奇心の塊で、また、藤原氏が、(『国家の品格』で繰り返しているように)現在の実学重視の風潮に大いに疑問を持ち、「高貴な学問の代表である数学の復権を試み」るという思いで答えていることにもよるのだろう。(尚、本書は単独でも楽しめるが、『博士の~』に関する記述も多いので、同書を読んでからの方がベターだろう)
    藤原氏は、あとがきで、次のように書いている。「数学や文学や芸術でもっとも大切なのは、美と感動だと思う。これらは金もうけに役立たないし、病気を治すのにも、平和を達成するのにも、犯罪を少なくするのにもほとんど役立たない。しかし、はたして人間は金もうけに成功し、健康で、安全で裕福な生活を送るだけで、「この世に生まれてきてよかった」と心から思えるだろうか。「生まれてきてよかった」と感じさせるものは美や感動をおいて他にないだろう。数学や文学や芸術はそれらを与えてくれるという点で、もっとも本質的に人類の役に立っている。読者がそんな私の、そしておそらく小川さんの、想いを感じていただければ幸いである。」
    藤原氏と小川氏ならではの対談で、「数学の美しさ」が分かりやすく説かれた良書である。
    (2022年9月了)

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    2022年09月08日
  • カラーひよことコーヒー豆

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    雑誌『Domani』に連載されたエッセイを集めてできた本。小川洋子さんの日常からの様々な所感が主に若い女性に向けて肩肘張らずに綴られている。2009年発行、当時の出来事に思いを馳せるのも面白い。民主党政権誕生、2006年はトリノオリンピックで荒川静香が金メダル。エッセイにも名前が出てくる高橋大輔が2022年現在、まだ現役続行してるとはこのとき誰が想像していただろうか。

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    2022年09月07日
  • 言葉の誕生を科学する

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    小説家・小川洋子さんと、動物行動学者の岡ノ谷一夫さんが言葉の誕生について語る対話本。

    岡ノ谷一夫さんは鳥の歌の構造などから、人間の言語の起源について考える研究などで知られる方で、この本にも動物の行動などからたてた言葉やコミュニケーションの誕生についての仮説が数多く載っており興味深かったです。
    特に、ひな鳥が餌をねだる声は餌をくれないと天敵を呼ぶと脅迫しているという「脅迫仮説」は今まで考えたこともなかったので驚きました。少し調べてみたら、鳥の鮮やかな色の卵も抱卵を促すための脅迫という説もあるそうで、よく出来ているものだなあと……。人間の子どももずいぶん大きな声で泣いたりしますが、起源としては鳥と同じなのかもしれないですね。証明は難しそうですが、想像が広がります。

    小川洋子さんは小説だけではなく対談本などもたくさん出されていますが、相手から言葉を引き出すのが上手でいつも感心してしまいます。
    エッセイなどとも違い、リアルタイムでの適切な反応を求められる分、考えのアウトプットがスムーズにできないと難しいかと思うのですが、自分の考えも、相手の言いたいこともスムーズに言語化できるのは本当に凄いですよね……。仕事柄人の話を聞く機会も多いですが、憧れてしまいます。

    小川洋子さんの別の対談本、臨床心理学者・河合隼雄さんとの『生きるとは、自分の物語をつくること』なんかもおすすめです。

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    2022年08月26日
  • 世にも美しい数学入門

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    学校でこんなふうに教えてほしかった!
    数学はただの計算式でなく、美しさを追求する学問なんですね。おもしろい!
    中田あっちゃんの数学の動画を見ていたので、ラマヌジャンやオイラー、フェルマーの名前が出てきたときは「あー知ってる!」と嬉しくなりました♪

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    2022年08月22日
  • 博士の愛した数式

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    優しい気持ちになれる本

    胸にジーンとあたたかいものが込み上げる、そんな素敵な本でした。
    また読み返したいなと思います。

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    2022年08月11日
  • 洋子さんの本棚

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    2人の洋子さんが、少女時代から各年代ごとの愛読書を持ち寄って語りつくす。これが殆ど未読の本ばかりなんだ。読んだことのある本なら、そこで語られることに反応できるけど、知らない本はそうもいかない。もちろん「今度読んでみますか」ってこともあるけど、読書案内のための対談ではないのでそれも苦しいところ。

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    2022年08月09日
  • 犬のしっぽを撫でながら

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    読むといつもふふっとなる。
    悲しくなると何故涙がでるのかという話で小川洋子さんってすごく精神的に純粋だなぁということと
    子供の頃の感覚を失わないまま大人になった人なのかなと思った。読んでいるととても落ち着く。

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    2022年08月04日
  • 口笛の上手な白雪姫

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    人間個人の、存在としての痛々しさに苦しくなりながら読む。

    身の回りの出来事や、自分の意識や認知の段階ではやり過ごしていることを豊かに発酵させて、あるいはジャムを作るように煮詰めて書かれているようだ。

    痛い。ほんとは生きててずっと痛い。傷が痛む

    ただ、それを注視していてもどうにもならないし、日々やらなくちゃらいけないことは積もっていくので傷に向き合っている時間はない。

    ところが小川洋子の本を開くと、放置してきた傷がいかに深いか、どれほど化膿が悪化しているか、あるいは多少は癒えているか、などを思い起こさせる。

    具体的な被害、加害の話ではないのに。

    私はこんなに傷ついていたんだなあ、難しくとも、ひとつひとつの傷をないがしろにせず消毒して化膿止めを塗りガーゼで保護したい。

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    2022年08月02日