小川洋子のレビュー一覧

  • 海

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    何ともいえぬ不思議な短編が詰まっており、かといって何も残らない訳でもなくて、お茶の微かな苦味を味わうようなクセのある作品だった。
    特にひよこトラック、ガイド、が好みだった。
    題名屋の話はまだまだ聞いていたい。

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    2023年09月22日
  • ブラフマンの埋葬

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    “夏のはじめのある日、ブラフマンが僕の元にやってきた。”

    その子犬のような小さな生き物は、痩せて傷つき、震えている

    “最初に感じ取ったのは体温だった。
    そのことに、僕は戸惑った。
    朝露に濡れて震えている腕の中の小さなものが、こんなにも温かいなんて信じられない気持ちがした。
    温もりの塊だった。”

    それから僕はブラフマンとの濃密な日々を過ごしていき、彼の生態について詳しく記録していくのだ。

    ※ブラフマンの尻尾
    ※ブラフマンの眠り方
    ※ブラフマンの食事
    ※ブラフマンの足音
       ・
       ・ 
     そして最後は……
    ※ブラフマンの埋葬

    なんて愛おしいのでしょう。
    愛情しかありません。

    この

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    2023年09月19日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    ことばを大事にすることを生業にしている2人の対談

    人は誰しも物語を作らねば生きていけない
    小説家はそれを拾い上げ、
    カウンセリングはそれを手助けする

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    2023年09月18日
  • 博士の本棚

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    こうやって読みたい本は増えてゆく。もう抱えきれないくらいなんだけどなあ。
    読むことでも、書くことでも、世界は広がってゆく。

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    2023年09月14日
  • からだの美

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    しじみさんの本棚からメモメモ
    そして、本を借りるためだけ(笑)に通っている整形外科医院の本棚からお借りしてきました

    おー、さすが小川洋子さん!
    エッセイってこうなきゃ

    有名人やふつうの人、またマイナーな小動物にまで
    科学者の目で細やかな観察
    そして詩人の目で掬い取る
    むむむ
    やっぱ好きです
    小川洋子さん!

    興味深くため息をつきながら本を閉じました

    ≪ 魂は からだの細部に やどるのね ≫

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    2023年09月16日
  • NHK「100分de名著」ブックス アンネの日記 言葉はどのようにして人を救うのか

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    私も読んで触れてみたかった…!

    閉塞感ある隠れ屋の中でも
    生きる希望を失わず 真っ直ぐに
    世界を観ていたアンネ

    アンネから観た世界はどのように
    映っていたんだろう…

    8月中に1冊は 戦争の作品に触れてみようと思い
    今年はこちらの作品を読むことに決めました



    あの時代 あの限られた人たちの中で
    日記を通して 少女から大人へと
    成長していったアンネ

    日記で綴った自分自身の言葉に
    時には励まされながら
    決してユーモアを忘れなかったアンネ



    小川洋子さんの感性で 抜粋された
    アンネの日記の言葉に何度もウルウル…
    私も自分自身を見つめるきっかけになりました

    この本に出会えたこと

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    2023年08月15日
  • 掌に眠る舞台

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    それぞれに小川洋子さんらしい味わい深い8篇だった。一作一作、余韻を楽しみながら読み進めていくのが正しい読み方のような気がしたが、一気に読んでしまった。暑い夏の連休の最終日、8つの世界に飛んで行け、幸せな休日を過ごせた。
    小川洋子さんの頭の中はどうなっているのだろう。よくこんな小説がいくつも書けるものだなぁと感心してしまう。

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    2023年08月13日
  • ブラフマンの埋葬

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    4.0くらい
    小川洋子っぽいと言えばぽいけど解説に書いてあったみたいに南仏の夜明けみたいな雰囲気を密に感じ取れて真新しくて微睡むような空気を言葉として紡いだみたいな話

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    2023年08月13日
  • ブラフマンの埋葬

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     太陽の光を浴びて輝く泉の水面、風に誘われてさざめく樹々たち、自然の中で思いきり遊ぶブラフマン……。すべての描写を記憶したくなる程、美しい文章だった。
     架空の動物であるブラフマンの仕草は可愛さに溢れていて、見た事のない生き物を、ここまで鮮やかに描き出す文章に魅了され続けた。
     穏やかな日常が次第に不穏な雰囲気へと変わっていく様子が、季節の移ろいと共に感じられる。主人公である〝僕〟の純粋さに翳りが差し、引き起こされてしまった結末は心が痛み切なさが込み上げた。しかし物語は〝僕〟の心に宿ったエゴを非難する事なく、淡々と出来事だけを書き連ねていく。その表現のされ方に心はより深い余韻に包まれた。

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    2023年08月10日
  • 完璧な病室

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    4.8
    キター!これが見たかったんです小川洋子(・̥-・̥ )
    小川洋子時系列で追ったことなかったけどデビューしたての方がより毒々しくて優しすぎなくて最高

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    2023年08月04日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    何となく手に取り読んだ本。

    何となく、ではあったけれども、
    「人の話を聴くこと」や「物語を書くこと」、
    そこにあるものに気付き、とらえることのお話など、
    惹き込まれてあっという間に読み終えました。

    『博士の愛した数式』を読み返したくなりました。

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    2023年07月31日
  • ホテル・アイリス

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    母の強い支配からの逃げ道を、異様な関係の継続の中に見出すマリ。
    そんなことをされて快感を感じるくらいには、主人公の精神は蝕まれてるのかなと思うと辛い。

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    2023年07月30日
  • からだの美

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    以外な内容が新鮮だった
    イチローの肩、レイザービームのようにまっすぐ
    キャッチャーミットに収まるのを何回か見た
    本人は何でも無いかのように振る舞っていた
    シルバーバックの背中 確かに貫禄があって
    安心感さえ覚える
    フィギュアの高橋大輔のステップ 表現力
    作者は彼の首に注目していた
    感じ方はいろいろあって面白い
    バレリーナの爪先も

    鍛えれば人間の可能性は広がる

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    2023年07月16日
  • からだの美

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    小川洋子さんの観察眼はとてもとてもすごい!
    色々なものを色々な視点から切り取って観察し、美しさ繊細さ力強さを言葉で巧みに表現しています。
    私ももっとよく見よう。見たい。と思わされました。

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    2023年07月12日
  • 約束された移動

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    ネタバレ

    いつもの小川さんらしく、登場人物たちには名前がなくて殊更注目されるような人物ではないんだろうなと思っても、登場人物たちの仕事はぴったりとその世界に収まっている。
    代わりがおらず、万が一他の人がその仕事をすればそれは取り返しがつかないほど全く違うかたちにその世界を変えてしまうんだろうなというくらいに。それに、変わってしまった世界になると前のことなどすぐ忘れられてしまうだろう。
    そんな些細な人の一瞬を切り取る小川さんの目線は優しい。薄っすらと漂う狂気や、抑え込まれないグロテスクも、この尊さはなくならない。さすが小川さんだ。
    普段、自分のしている仕事は代わりがきくと思っていて、仕事のためにはそれが良

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    2023年07月02日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    決して上からでなく、対等の人として接する河合先生だからこそ、悩める人たちを多く治されているのだろうと思うけれど、ご本人は決して私はただ聴くだけ、そこにいるだけで、ご本人がご自身でと治されると言われる。小説と思うほどの奇跡も沢山経験されていて、人間の治癒力の可能性を信じられている。それは人を信じているこそなんだなぁ。

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    2023年06月29日
  • からだの美

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    美しさ、は女性だけにある言葉じゃないことに、改めて気づきます。そして、読み進めると、目に映す全てのモノに対する時間的な深みを、面白く感じるようになっていきます。

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    2023年06月12日
  • ブラフマンの埋葬

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    どこか異国を思わせる風景。そう遠くはない昔の出来事。ブラフマンと名付けられた謎めいた生き物。
    どこかの国の神話になぞらえた寓話を読んでいるような気持ちになった。
    私はブラフマンを、尻尾の長い犬のような動物としてイメージしながら読み進めた。

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    2023年06月11日
  • 博士の本棚

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    子どもの頃に読んだ本についての思い出、影響を受けた本、飼っている犬の話、食卓日記などのエッセイ。いろんなことがちりばめられていて飽きなかった。何冊か読んでみようと思える本にも出会えた。
    一番多く書かれていたことは影響を受けた本への思い。同じ本を読んでいても細かいところ、深いところに気づくのが作家になる人なのかもと思った。

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    2023年06月06日
  • からだの美

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    16篇の体の一部分に凝縮されたエッセイ。
    運動選手、人形遣いからハダカデバネズミやカタツムリまでその目の付け所が奥ゆかしい。そして、小川さんに指摘されるとそこから目が離せないような気持ちになる。

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    2023年06月04日