小川洋子のレビュー一覧

  • そこに工場があるかぎり

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    毎日の仕事を、目の前の仕事を誠実にこなす。
    小川洋子さんが見学し、工場や働いている人、製品を見て聞いて感じたことを小川洋子さんらしい言葉での表現されており、とてもよかった。おもしろそうと思った工場をみつけ、現地に足を運び、見学し、お話しし、推敲を重ねて文章にしているのを感じられた。

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    2025年09月23日
  • ゴリラの森、言葉の海(新潮文庫)

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    ゴリラについて知りたいなって思って手にとった本。気がついたら人間の本来のあるべき姿、について考えさせられてた。自然に求めるのではなく、私たちが謙虚にならなくてはいけない。

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    2025年09月15日
  • 密やかな結晶 新装版

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    心の中のものを一つずつ失くしていく話

    その島では鳥、バラの花、写真⋯
    消滅が少しずつ進む
    とめることはできず、島の人たちは受け入れていく
    消滅すると記憶からも消え、心の空洞が増えていく
    秘密警察が記憶狩りをし、記憶を持ち続ける人を連行していく
    記憶を持ち続けるR氏をかくまう
    小説を書くわたし
    やがて小説も消え、体も心も消滅していく


    物が消え、記憶さえもなくせば、いずれそれに順応していってしまう
    やがて実体のある体の消滅にまで危機が及んでるのに疑問もなく受け入れてしまうのが怖い

    希望という記憶を持つであろうR氏、
    希望がなんなのかさえわからないわたし、
    ふたりの道が二手に分かれることになるのが悲しい

    記憶というもので人は生きていける
    物に愛着し、思い出したり愛でたり、人と交流して楽しかったり、と
    だけど
    人生は喜びだけでない
    憂いや、痛みや、苦しみが心をかき乱す、そんなものでも心に留めて記憶しているほうがいい
    暗闇を失くしてしまったら光がわからない
    それがあるからこそ光や希望を目指して生きていけるんじゃないかと思った

    消えてほしいと思ったものでも消滅して記憶がなくなるのは困ると思った
    一つ消えればそれはやがて私の存在さえも薄らいでいくものになるから

    この夏の、心の1ページに刻まれる物語だった

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    2026年06月18日
  • そこに工場があるかぎり

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    面白かった!文章がさすがの美しさ。単なる工場見学の「ルポ」ではなく、作家として色々なところに想像力を巡らせ、作家ならではの感性と表現力で表現をする「作家の作品」に他ならないと感じた。

    同じ場所を見学したとしても、このような表現にはならないだろう。工場で見つけた驚きや感動の共有により、日常目にするものや使うものを再認識できるという面白さももちろんあるが、この作家ならではの視点と表現力で表現し切った作品を読む楽しみもあり、通常のルポとは一線を画す「作品」であったと感じた。

    もっと小川洋子氏の作品を読みたくなった。

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    2025年09月06日
  • 最果てアーケード

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    良かった。こういう、連作短編集も良い。全てのエピソードに愛があって、柔らかく暖かかった。表現も美しくて素敵だった。

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    2025年09月05日
  • ブラフマンの埋葬

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    ネタバレ

    あらゆる種類の芸術家が集う〈創作者の家〉。その管理人である〈僕〉と、肉球と水かきを持つ謎の小動物〈ブラフマン〉との、ひと夏の邂逅そして別れを描く。南仏を思わせる架空の村を舞台に、物語は〈僕〉の抑制のきいた一人称で、水彩画で描かれた大人の絵日記のように淡々と静かに進んでゆく。

    正体不明ながらも愛くるしいブラフマンと、〈僕〉の心の交流が物語の主成分となっている。しかし、これを心温まるハートフルストーリーと呼ぶのは少し違うように思われる。物語の始めから終わりまで繰り返し現れるのは、取り繕いようのない死の気配だからだ。古代墓地、石棺、埋葬人、碑文彫刻師、身寄りなく死んだ老人の所有していた家族写真、そして生活感を全く感じさせない登場人物たち。

    生身の肉体を感じさせるのはブラフマンと、〈僕〉が思いを寄せる雑貨屋の娘だけだ。しかし、ブラフマンは予めタイトルで死が暗示されており、いくら愛らしくともこの蜃気楼のような村の無自覚な虜囚であることから免れないように思われる。雑貨屋の娘だけが虜囚であることに満足せず、生身の人間らしい欲望に従って村から飛び出していこうとするが、その陳腐で無遠慮な生命力の前に、ブラフマンの存在はあっけなく掻き消されてしまう。

    ハートフルストーリーとしてはあまりに仄暗い物語は、しかしどこか遠い国のお伽話めいて、誰を罰するでもなく何を嘆くでもなく淡々と終幕を迎える。ここではこの世の価値基準は無効化され、ただ夢のような読後感と無常感が読者に残されるのみだ。この作品が受賞したのが直木賞や本屋大賞ではなく、泉鏡花文学賞だったというのはさもありなんと言うべきだろう。

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    2025年09月03日
  • 琥珀のまたたき

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    壁の中はとても密かで静かな世界。壁の外の記憶が残っているオパール。何も知らない無邪気な瑪瑙。琥珀はいつの間にか、皆がバラバラにならないように行動していたのかもしれない。

    歪で恐ろしいのに美しくて穏やか。小川洋子さんの作品の魅力。大森静佳さんの解説も素晴らしい。

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    2025年08月31日
  • 約束された移動

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    誰のどんな役割もすべて等しく神聖である気がした。ときどき常識から逸れることがあっても、大きな問題ではないような気もしてくる。すばらしくうつくしい、上品な雰囲気。うっとり。

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    2025年08月25日
  • 遠慮深いうたた寝

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    本を読まない人が増えて、本屋がどんどんつぶれ、何分以内に読める!というのが売り文句になってしまった今の時代だけど、やっぱり本を好きでいいんだ、本の力を信じていいんだと思わせてくれる心強い一冊。

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    2025年08月25日
  • NHK「100分de名著」ブックス アンネの日記 言葉はどのようにして人を救うのか

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    自分の置かれた状況がどうにもならない時に、文章や言葉にすることで、思わぬ気付きや救われることがあるのだと思いました。
    アンネの感性の豊かさに敬服です。

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    2025年08月24日
  • 口笛の上手な白雪姫

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    「かわいそうなもの」と「仮名の作家」が狂おしいほど好き。
    混沌とした静かな世界のなかで、ほんのりとした切なさがとても好きです。ほの暗い雰囲気で普通はないようなことが起こっていても、どこかに妙な現実味があって…
    何度でも読み返したい

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    2025年08月23日
  • ミーナの行進

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    小さい頃、友達の別荘で数日間過ごしたことを思い出した。
    あの頃に経験したすべての物事は、今となっても色褪せず大切な記憶。
    普段何気なく過ごしてる日常も、将来見返したときに、かけがえのない宝物にきっとなると思うので、日々を大切に過ごそうと思いました。

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    2025年08月20日
  • ブラフマンの埋葬

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    ファンタジーとリアルの合間 すごい薄い本で短いストーリーなのだけど、犬の描写が犬らしく可愛げで、犬っていいな、癒される存在だな、と思った。主人公の青年はなんか不思議な仕事をしている不思議な存在って感じ。ファンタジー感もあるし、現実感もあるけど、ふわっとしたストーリーだった。

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    2026年03月14日
  • 夜明けの縁をさ迷う人々

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    サクッと読める幻想小説。テーマを述べるとすれば個人的には「喪失」なのかなと思います。仄暗い世界で生きている人々に耳を傾ける登場人物。
    だけれどもその喪失から得た感情はとてもリアルな内容だと思いました

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    2025年08月14日
  • ブラフマンの埋葬

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    読後感はいい。
    静かな文章を楽しませてもらった。
    ブラフマン、かわいい、愛らしかった。
    この独特の世界観に魅入らされた。

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    2025年08月10日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    読みながら、第六感(?)みたいな、普段とは別の、心の深いところにある感覚がゆっくり目を覚ますような感じがしました。「黙っていられるかどうか」という章が特に印象に残っています。誰かにに寄り添うこと、心を通い合わせることは、シンプルでいて、でもとても繊細で、分かりにくい、「あわい」ということ。簡単ではない。それを本当に分かっているお二人だと思いました。

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    2025年08月09日
  • 貴婦人Aの蘇生 新装版

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    ネタバレ

    小川洋子さんの作品に出てくる「私」を中心に話が進められるが、個人的に一番主人公っぽいのは「オハラではないか?」と思った
    小川洋子作品で出てくる人物としてとても珍しい人物像だなと思いました。この人の視点で物語を読むと全く違う話ができあがりそうと思いながら読んでいました。

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    2025年08月05日
  • ホテル・アイリス

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    流れるような文体と100年後には童話になっているのではとすら思う小川洋子先生しか知らなかった私は、心を射止められてしまった。

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    2025年08月03日
  • ミーナの行進

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    ネタバレ

    久々に小川洋子読んだので面白かった〜!
    文学に触れてる感じがして本読むのが楽しい。
    何でもかんでも綺麗に書くから、伯父さんの行動すらも負の感情感じずに読み終わってびっくり。
    本書きたくなる

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    2025年07月31日
  • 耳に棲むもの

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    音と死をめぐる幻想的な物語。
    補聴器売りの男が出会った物たちが彼の耳の中に棲んでいたのかもしれない。
    静かに進む不思議な世界に引き込まれたが、難解でもあった

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    2025年07月30日