小川洋子のレビュー一覧

  • 科学の扉をノックする

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    10年近く本棚に眠っていたので手に取った。

    まずこの本の特徴として、小川洋子さんが書いているだけあって文章が読みやすい。
    読みやすいといってもユーモラスだというわけではなく、何というかスラスラ入ってくる。
    それは一つ一つの情景・感情描写にも普段から気を使い、細部にまで目を向けているからだろう。

    このような作家特有の繊細さを持って科学について書かれるとどうなるか。
    科学をストーリーとして味わえるのだ。
    科学の内容だけでなく、そこに携わる科学者の心情までも事細かに描いてくれている。
    よって、「科学をしている人」を客観的に見ることができるのだ。
    「科学者はそんなことを考えながら科学と向き合ってい

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    2021年07月11日
  • 科学の扉をノックする

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    宇宙、鉱物、遺伝子、放射光、粘菌、遺体科学を専門とする6名の研究者と、プロ野球のトレーニングコーチを取材して、それぞれの専門的な内容にも触れつつ、宇宙や生命といった科学の奥深さ、面白さを紹介した本。

    著者の小川洋子さんの科学に対する愛が端々に感じられ、大人でも子どもでも、読んだ人たちが、科学に興味を持つきっかけにもなると思う。

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    2021年06月27日
  • 博士の本棚

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    小川洋子さんのエッセイは初めて読んだのですが、子供の頃のことを読んでいると、歳が近いこともあって、懐かしい気分になりました。小川洋子さんの本はもちろん、この本の中に出てきた本も読みたくなりました。

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    2021年06月21日
  • 不時着する流星たち

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    10篇の短編集。
    人だったり、言葉だったり、植物だったり。
    ちょっとしたそういうトコロから着想を得て紡がれたようなお話たち。
    ここからそんなお話になるのか、とか、
    そこに着想を得ていたのか、とか。
    小川さんの凄さを改めて感じる作品たち。

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    2021年06月14日
  • 科学の扉をノックする

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    作品名のとおり、入門書の一歩手前のようなインタビュー記事のようなものでありながら、小川洋子さんの妄想から始まる各章はとても物語的。グルーヴ感満載の読み心地で、研究者の方々の人となりがひしひしと伝わってきて楽しい。

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    2021年05月26日
  • 小箱

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    ネタバレ

    廃墟となった郷土資料館のガラス箱は
    今は幼稚園で亡くなった子どもたちの無言の声と成長を保存するための小箱となっている。

    幼稚園で小箱の管理をする番人。
    歌うことでしか話せないバリトンさんが持ってくる
    入院中の恋人からの手紙を解読する作業。
    丘で行われる、亡き人たちの物で作った耳飾りで自分1人だけで行う音楽会。

    幼稚園の朽ち果てた遊具で時折遊ぶクリーニング屋さんの奥さん。
    息子を亡くし、彼が歩いた場所しか歩けなくなり
    死者の小説しか読まなくなった従姉。

    生きる人と小箱に積み重なる死んだ子どもたちの成長の記録。
    一人一人の胸にいつまでも成長し続ける子どもたちの記憶。
    それを思う尊さと深い幸福

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    2021年05月16日
  • 洋子さんの本棚

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    二人の洋子さんが、人生に影響を与えた本について対談。 教養と感性が豊かな人はこうやって文学を愉しむのか。物語の背景と自身の経験を重ね合わせながら昇華させてる。 飴玉を嘗めるように幸せな記憶を思い出して乗り切るって素敵。

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    2021年05月04日
  • 洋子さんの本棚

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    2人の洋子さんの対談集です。

    平松洋子氏はさぞかし多くの食にまつわる
    本を読んでいるのでは、と思いましたが、
    ここで語られているのは文学作品ばかりで
    した。

    そうだろうなあ。

    文章が上手いのは、やはり幼少の頃から
    多くの良書に触れていたからなのだな、と
    納得しました。

    小説家である小川洋子氏も当然しかりであ
    あり、それゆえ2人の本にまつわる楽しい
    対談集に仕上がっています。

    本好きの女性はどのような本を読んで、
    自身の成長につなげていくのかが分かる
    一冊です。

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    2021年04月22日
  • 夜明けの縁をさ迷う人々

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    ストーリーというよりも描写の残し方が全般的に秀逸。
    ストーリーは「教授宅の留守番」と「銀山の狩猟小屋」が面白く、前者はテンポの良いコントから小説らしいオチにもっていく形がよかった。後者はいまだにサンバカツギがなんなのか謎で想像力を掻き立てられた。

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    2021年03月31日
  • 刺繍する少女

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    1番図鑑がインパクトあった。
    読み終わるとゾクゾクする。
    普通の話をしていたのに、一瞬で狂気に繋がる。
    口裂け女的な妖怪チックな、いきなり非現実に陥る感じに似てる気がした。

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    2021年03月29日
  • 刺繍する少女

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    「キリンの解剖」という話のわたしと守衛さんのやりとりが心地よかった。
    工業地帯?をランニングするわたしの姿とそれを見守る守衛さんの画を思い浮かべながら読んだ。

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    2021年03月28日
  • やさしい訴え

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    ネタバレ

    文体の美しさは相変わらず。
    小説として素晴らしいので、その意味で星4つ。
    内容の好き嫌いなら、星1つ。

    新田という男は、卑怯だ。
    愛してる女がいるのに、違う女を抱く。
    女の訴えを沈黙でやり過ごし、拒絶すらしない。
    卑怯。
    結局女を傷つける。
    女は、どこにも居場所を得られない。

    雨がじとじと降る中で、チェンバロンなんか聴きながら読んだから、気分が鬱々としてきて、途中でポップな音楽に変える。

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    2021年03月13日
  • 余白の愛

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    詩的な物語。
    事前知識なく読みました。
    ちょうど一年前、私も同じ状況となり一時的に聞こえなくなりました。恐怖は相当ありました。一般的にはどうなのでしょう。私は1週間が勝負でしたけれど。
    その状況を思い出しつつ、読みました。
    確かに受け止めるしかないのです。
    冷静にストーリーは進んでいきます。静かです。

    +++

    レビューを読んでくださった方へ

    プールに入っているみたい、もわもわする、と突然感じて半日治らなかったら。
    様子を見ている場合ではありません。1時間でも早く診察を受けましょう。
    治らなくなります。タイムリミットは48時間です。(突然発症するので、いつから始まったかはっきりと把握できる

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    2021年02月18日
  • 凍りついた香り

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    謎解きと書かれてますが、ミステリー小説ではありません。
    答えは用意されてないので、読むならそのつもりで。

    突然もたらされた調香師:弘之の死。
    記念日のプレゼントは「記憶の泉」と名付けられた香水。
    フロッピーに残された言葉の断片から
    彼の軌跡を辿る旅をする決意をするのだが・・・

    「猫を抱いて像と泳ぐ」を連想しました。
    本作では、香りの表現に強く惹きつけられました。
    色んな記憶を掘り起こしてくれるから、
    小川作品は大好きです。

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    2021年02月07日
  • 凍りついた香り

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    救われないって読み終わって1番に感じた。大切なものをなくしてぽっかり空いた隙間を日常生活の中で、時折感じながら今後生きていくって思ったら、凄くリアルでズシンと来て、ため息が出てしまった。

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    2021年01月30日
  • まぶた

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    2021年 4冊目

    まぶたを巡る短編集

    1 飛行機で眠るのは難しい
    「飛行機は時間の迷路」
    飛行機で居合わせた老婆の死。嘘にまみれた手紙であっても彼女は幸福であった。手紙のなかに、二人だけの真実があったから。
    30ページ程度の付き合いだったが、私も彼女の最期に思いを馳せた。

    2 中国野菜の育て方
    光る野菜なんてあったら、すぐ手放すでしょう。夫婦はもうそれが食べられるかどうかなんてどうでもよく、捨てることができなくなった。
    はぐくむ、という字に違和感をもった。夫婦が中国野菜に「飼育」されているような感じ。

    3まぶた
    いつからか、少女はNの家から出なかったのだろうか。歪んだ関係がいいですね

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    2021年01月15日
  • 余白の愛

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    「どうしてもそこに、取り返しのつかない空白が残されている気がして仕方ないんです」

    耳をとおして見る静かな世界。

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    2020年12月31日
  • 余白の愛

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    雪に閉ざされたバースデーパーティーの帰り道はこの物語を象徴しているような静けさと温かさがあって素敵でした。時間を空けてもう一度も読みたいです。

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    2020年12月19日
  • 小箱

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    そこはかとなく落ち着かない世界。
    うっすらと不気味で残酷な空気が混入している静かな世界。
    装丁がとてもしっくりきて、美しい一冊。

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    2020年12月12日
  • 偶然の祝福

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    小川洋子の世界。
    短編連作。

    裏表紙から。
    失った物への愛と祈りが、哀しみを貫き、偶然の幸せを連れてきた。

    なるほど、なのでタイトルが「偶然の祝福」なのか。

    読み終わって、詳細をしっかり覚えているかというと、すごくあやふやな記憶しか残っていなかった。
    だけど哀しみの中に、息子と犬のアポロが寄り添っている。
    じんわりと幸せを感じる一冊。
    とくに「キリコさんの失敗」と「涙腺水晶結石症」が良かった。

    それにしても解説の川上弘美さんが一番好きな小川作品が「ホテルアイリス」というのがびっくり。
    英訳されている洋書もつい買ってしまったけれど、ちょっとついて行けない世界。
    もっと読み込んで小川洋子の

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    2020年11月29日