小川洋子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
10年近く本棚に眠っていたので手に取った。
まずこの本の特徴として、小川洋子さんが書いているだけあって文章が読みやすい。
読みやすいといってもユーモラスだというわけではなく、何というかスラスラ入ってくる。
それは一つ一つの情景・感情描写にも普段から気を使い、細部にまで目を向けているからだろう。
このような作家特有の繊細さを持って科学について書かれるとどうなるか。
科学をストーリーとして味わえるのだ。
科学の内容だけでなく、そこに携わる科学者の心情までも事細かに描いてくれている。
よって、「科学をしている人」を客観的に見ることができるのだ。
「科学者はそんなことを考えながら科学と向き合ってい -
Posted by ブクログ
ネタバレ廃墟となった郷土資料館のガラス箱は
今は幼稚園で亡くなった子どもたちの無言の声と成長を保存するための小箱となっている。
幼稚園で小箱の管理をする番人。
歌うことでしか話せないバリトンさんが持ってくる
入院中の恋人からの手紙を解読する作業。
丘で行われる、亡き人たちの物で作った耳飾りで自分1人だけで行う音楽会。
幼稚園の朽ち果てた遊具で時折遊ぶクリーニング屋さんの奥さん。
息子を亡くし、彼が歩いた場所しか歩けなくなり
死者の小説しか読まなくなった従姉。
生きる人と小箱に積み重なる死んだ子どもたちの成長の記録。
一人一人の胸にいつまでも成長し続ける子どもたちの記憶。
それを思う尊さと深い幸福 -
Posted by ブクログ
詩的な物語。
事前知識なく読みました。
ちょうど一年前、私も同じ状況となり一時的に聞こえなくなりました。恐怖は相当ありました。一般的にはどうなのでしょう。私は1週間が勝負でしたけれど。
その状況を思い出しつつ、読みました。
確かに受け止めるしかないのです。
冷静にストーリーは進んでいきます。静かです。
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レビューを読んでくださった方へ
プールに入っているみたい、もわもわする、と突然感じて半日治らなかったら。
様子を見ている場合ではありません。1時間でも早く診察を受けましょう。
治らなくなります。タイムリミットは48時間です。(突然発症するので、いつから始まったかはっきりと把握できる -
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2021年 4冊目
まぶたを巡る短編集
1 飛行機で眠るのは難しい
「飛行機は時間の迷路」
飛行機で居合わせた老婆の死。嘘にまみれた手紙であっても彼女は幸福であった。手紙のなかに、二人だけの真実があったから。
30ページ程度の付き合いだったが、私も彼女の最期に思いを馳せた。
2 中国野菜の育て方
光る野菜なんてあったら、すぐ手放すでしょう。夫婦はもうそれが食べられるかどうかなんてどうでもよく、捨てることができなくなった。
はぐくむ、という字に違和感をもった。夫婦が中国野菜に「飼育」されているような感じ。
3まぶた
いつからか、少女はNの家から出なかったのだろうか。歪んだ関係がいいですね -
Posted by ブクログ
小川洋子の世界。
短編連作。
裏表紙から。
失った物への愛と祈りが、哀しみを貫き、偶然の幸せを連れてきた。
なるほど、なのでタイトルが「偶然の祝福」なのか。
読み終わって、詳細をしっかり覚えているかというと、すごくあやふやな記憶しか残っていなかった。
だけど哀しみの中に、息子と犬のアポロが寄り添っている。
じんわりと幸せを感じる一冊。
とくに「キリコさんの失敗」と「涙腺水晶結石症」が良かった。
それにしても解説の川上弘美さんが一番好きな小川作品が「ホテルアイリス」というのがびっくり。
英訳されている洋書もつい買ってしまったけれど、ちょっとついて行けない世界。
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