小川洋子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
◆自分の人生にとって一大事が起きている最中にも、自分以外の世界を観察している。
◆日記と向かい合ったとき、彼女は大人になったのです。「言葉を探す」という作業が、彼女を年齢以上に成長させたのだと思います。
◆真理を描くとき、そこに必ずユーモアが生まれます。人間が一生懸命に生きている姿は、やはりほはえましい。
◆隠れ家にあって肉体的には外へ行けないぶん、観察と考察の対象は自分へと向かいます。内側へずっと深く降りていく。逆にいえばこの環境が、彼女を普通の女の子より早く大人にさせたのだと思います。
◆彼女たちは隠れ家で徹底的に静かな生活を余儀なくされていたにもかかわらず、静謐さが貴重だという。外に出て思いっきり走り回りたい欲望より、ペーターと二人、無言で自然の光を静かに浴びる喜びの方が勝ると感じているのです。
◆ペーターは恋をしてどんどん視野がアンネだけに集中します。一方アンネはむしろ視野が広がり、さまざまなことが見えてくる。
◆ペーターも、アンネと同様、生き延びるために急いで大人になったのです。
◆不自由な中で自由を得る方法が書くことであるーー。 -
Posted by ブクログ
【好きなだけ窪みに身を沈めていられるよう、ただ黙って放っておいた】
「一体こんなもの、誰が買うの?」という品を扱う店ばかりが集まった小さなアーケードの話。
「私」も店主たちも登場人物がみな大切なものがあり、繊細だけれど芯が通っているため、発言の一つ一つにハッと思わされる。
短編集のようだが話に繋がりはあって、ただ時系列がバラバラ。しかし不思議と違和感がない。
作中に「それを必要としているお客さんが来るまで、わたしたちはいつまでも待った。」という一節があるが、もしかするとこの話の一つ一つが読者が必要とするタイミングで読まれるようになっているのではないだろうか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレあの小川洋子さん作の絵本、ということで手に取った一冊。
読んでいて、映画『トイ・ストーリー』を思い出した。
小さなアンナちゃんの、お出かけ用のブラウスの一番上にとまっているボタンちゃん。丸いお顔のかわいい女のコ。
一番上にいるから、アンナちゃんの一番近くでアンナちゃんのことを見ていられる。いわば特等席に居られる存在。仲良しのボタンホールちゃんと一緒に、お出かけ中のちょっぴりおすましのアンナちゃんのことをニコニコしながら見守っている。
そんなボタンちゃんにある日ハプニングが。なんとボタンの糸が切れてしまってボタンちゃんが遠くに転がっていってしまい…。
小さなアンナちゃんがもっと小さな頃、大切に使われていたモノたちとの偶然の出会い。
『トイ・ストーリー』の中でもこういうシーンがあったけれど、使われなくなって置いてきぼりになったモノたちの寂しさと、その対極にある子供の成長の喜びがこの絵本に丁寧に描かれている。
うちにも娘たちが幼い頃に使っていたおもちゃやコップなどがまだとってあるけれど、もう使わないと分かっているのに捨てられないでいる。それらを使っていた頃の娘たちの思い出がたくさん詰まっているモノだから。
アンナちゃんが大きくなるにつれ「思い出の箱」の中身もどんどん増えていく。
昔の仲間はみんな、アンナちゃんの成長と幸せを願ってくれているんだよね。これからもずっと。
親としてはこんな有り難いことはない。
小学校低学年用の課題図書の本作。
子供よりも親世代から共感を得る絵本のように思えた。 -
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アンネの日記を小川洋子さんの視点から解説してくれている本。
大体のことを「へぇ〜」と「ふぅん」で右から左へ受け流す傾向があり、そんな薄っぺらな自分を変えたいけれど、「感性」なんてコントロールしようと思って出来るものでもなく、自分の人としての浅さを残念に思ってしまう。私のような底の浅い皆さん!そんな人たちに是非読んでほしい。
アンネの日記の一節が、小川洋子さんの感性を通すとこんなに広がっていくものかと驚き感心してしまう。同じ本を読んでも人によってこんなに得るものが違うのかと惨めな気持ちにもなる。(小川洋子と比べるなという話ですが)。
自分だけでは物語の世界をここまで広げられないので、本の読み方指南書的な位置付けとして良い本だと思う。
小川さんが、隠れ家同居人のペーターの心境に心を寄せているところと、「アンネは日記を書くことで苦しい現実を物語化し、なんとか心の均衡を保ってきた」という解説が心に刺さった。
小川洋子さんの美しい言葉選びと豊かな感性に、熱烈なファンがいる理由が少しわかった気がする(すみません今ごろ…) -
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琥珀のまたたき 小川洋子
壁の中の邸にひっそりと暮らす3人の子供と母親。
壁の外に出ることは許されていない。
そんな生活を描いた作品。
そんな生活だから些細な出来事が彼らにとっては一大イベントと感じる。その様子を繊細に描いてる。
読み進めると、実際に起こっている出来事なのか、琥珀の描いた絵の中の出来事なのか、分かりにくい場面もある。
けど、絵は琥珀の目に写った世界を描いたもの。つまり、琥珀にとっては実際の出来事になる。
これまで読んできた小川洋子さんの作品の中でも特段に静かな世界観を感じる。子供が3人もいれば、賑やかで派手になりそうなものだが。そうならない魅力。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ苔料理専門店で食事を終えた翌朝、爪が緑色になっており、"本物の苔を食べた証拠ですよ。"と言われたり。
自分の親族がいるわけでもない近場でやっている色んな学校の運動会に、こっそり混ざってみたり。
その参加賞で貰った学習ノートを、原稿を書くのに良さそうだ、判子を押すところもあってよくできましたの判子を押したりして、モチベも上がりそうだとやってみたり。
あらすじ係をやっていたら、技量に磨きがかかり、ついには本編よりあらすじの方が面白くなってしまい解雇されたり。
"ドウケツエビの宇宙"というタイトルのトランペットオリジナル曲だったり。
クスッと笑えるところがたくさんあって、こうゆう視点を大事にしたいなと思った。