小川洋子のレビュー一覧
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小川洋子の『妊娠カレンダー』を読んでいなかったので、今さら読んだ。ほんとにこの人は美しい文章を書くな…
薄い氷みたな冷たくて繊細で割れたらその角が尖ってる感じの
文章の美しさを咀嚼していたらいつのまにか終わってる。ただ妊娠と出産という事象に祝祭的な雰囲気は作中ほぼ見られず、そこには強く惹かれた
私も妊娠・出産という事象に対しては正直なところ気味が悪いと思っている。主人公”わたし”の姉が言ったようにに人間の身体のなかで10ヶ月もの長いあいだ、もうひとりの人間が育つという事象が私にはどうにも良きことだと思えない。ひたすらにおそろしいと思う
妊娠・出産に対しては村田沙耶香もSF的な設定を用いて性別に -
Posted by ブクログ
私は数学が大の苦手科目でしたが、高校生の時にある数学教師との出会いをきっかけに数学への捉え方が変わりました。その恩師の口癖は「どうしてそうなるのかも理解せず、公式覚えて問題解いて、それって虚しくないか?」「わからない問いにぶつかったらとにかく実験してみればいい」でした。数学が得意科目になることは遂にありませんでしたが、少なくともこの言葉たちはその後の私の人生の指針になっています。
この対談の中でも「数学は実験科学のようなもの」と、どんな天才による大発見も地道な実験を重ねて生まれていることが示唆されていて、「腕組みしててもなにもわからない。まず実験してみる。そして観察する」というスタンスはこれ -
Posted by ブクログ
「博士の愛した数式」を読んで以来、小川洋子の小説やエッセイに夢中になった時期もがあったのですが初期の作品も読んでみようと初めて買った文庫本でしたが積読になってました。
この人にかかると、毛穴から汗が吹き出して止まらなくなるような表現力が呪縛のようにねっとり絡んできて息苦しさを覚えて少し距離を置いてみたくなったんですよね。
この人に睨まれると動くことさえできずに直立不動になってしまうほど緊張します。よそ見してる隙に逃げ出したくなるのですが、またこっちを向いたら制止してヘビに睨まれたカエルとゆうかダルマさんが転んだ状態ですよぉ。
【完璧な病室】
弟の病状を説明する主治医の均整のとれた肉体にうっと -
Posted by ブクログ
涼子の恋人、香水の調香師弘之が自殺した。なぜ?彼の全く知らなかった一面が次々と明らかになっていく。涼子は弘之の面影を求めて迷宮の街プラハへ。
弘之の過去と涼子の今が重なり、弘之が残した『匂いのイメージの言葉』と出会う。
弘之の死の原因は解らない、ただ生きにくい人だったことはわかる。
涼子は弘之の過去を訪ねることで、救われたのだろうか。
臭覚で感じる香りを言葉で表現する。それを読者が香りとして感じるには、言葉が示す香りをイメージできなければならない。言葉から臭覚を呼び起こそうとし、知ってる何かに当てはめようとする。
言葉で五感を刺激し、言葉で静寂を感じる小川洋子さんの世界、好きだなぁ。