小川洋子のレビュー一覧

  • 薬指の標本

    Posted by ブクログ

    独特な世界観で、とても引き込まれた。
    現実なのか夢なのか。
    ありそうでありえない絶妙なバランスで描かれた作品だと思いました。

    0
    2026年01月05日
  • 海

    Posted by ブクログ

    とても短いものから中篇に近い作品まで収めた、少し体温が低いような、逆に微熱があるような短編集。
    時折ユーモラスに、たまにエロティックですらあるのは、どこかほんの少しだけ終わりの意識/死の匂いがあるからだろうか。

    0
    2026年01月04日
  • サイレントシンガー

    Posted by ブクログ

    小川洋子さんらしい、静かな文章。
    読んでいて心が落ち着きます。
    本の中の世界がとても優しくて愛おしく、
    読み終えたとき、自然と涙が流れました。

    0
    2026年01月04日
  • サイレントシンガー

    Posted by ブクログ

    小川洋子さんの描く静かな世界。
    リリカは、“内気な人の会“と称する人達に囲まれて育った。彼らは言葉を話さず、指言葉で最低限の会話をする。
    言葉を尽くしても思いが伝わらずにもどかしいことがある。彼らが無言でも分かり合えて、思いが伝わる様子に心温まった。
    時折描かれる少しグロテスクな描写や、悲しい出来事も、この静かで優しい世界に溶け込んでしまうようだった。
    小川洋子さんの小説にはいつも生きづらさを抱えているような人が登場するが、読み終えた後は、自分は自分のままでいいのだと思える。

    0
    2026年01月02日
  • ミーナの行進

    Posted by ブクログ

    主人公の朋子が、ある事情によって、芦屋の富豪でもある、伯父・伯母のお屋敷に、1年間同居することになった。お屋敷には、朋子より1歳年下の体の弱いミーナと、伯父の母親(おばあさま)、家事を手伝う米田さんと小林さんが住んでいた。ミーナには、スイスの寄宿学校に留学をしている兄がいて、彼も朋子がお屋敷にいる間に帰省をしてくる。そして、お屋敷にはコビトカバのポチ子が住んでいて、体の弱いミーナを乗せて、小学校までの道のりを送り迎えしていた。
    物語は、そのような家族と偶然に1年間住むことになった朋子の視線で、その間のあれやこれやを描写したものだ。
    正直、芦屋での1年間の描写は、少し退屈なものだった。が、ミーナ

    0
    2026年01月02日
  • 人質の朗読会

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    多くの人が持っているちょっとした記憶に刻まれた出来事を、ちょっとした工夫で語られる話。それを人質たちが語る。それを立て篭もり犯人を囲む警察が盗聴するというシチュエーションがより人質たちの思いを際立たせる。僕だったら、何を語るだろうという思いを抱いた。そして、僕の行動・行為が相手を涙させたであろうことに思いが至った。きっと、とても楽しかったことではなく、心の奥に刺さったトゲのような出来事なんだとう。

    0
    2026年01月01日
  • サイレントシンガー

    Posted by ブクログ

    なんだろう不思議な物語
    大人の童話のような感じ
    沈黙の人達が住む土地で育ったリリカ
    母親が死に 祖母に引き取られ
    沈黙の人達の保健室で老介護人に
    世話され指で挨拶することを覚える

    自然と一体となり歌うことを覚え
    祖母も自然との関わり方を教えた
    自然と自分が一体化する
    そこで歌う自然とともに

    最後は死者の話相手になる人形の池で
    死んでしまう
    それはそろそろ昔のように歌えないと
    リリカが感じ始めた頃だった

    0
    2025年12月31日
  • とにかく散歩いたしましょう

    Posted by ブクログ

    いつから読んでいるんだろう。

    小川洋子さんの本はまだ読んだことないけど、エッセイから手を出してみた。
    一つ一つが短くて読みやすい。
    そしてこの人の本への愛がよくわかる。
    どんな思い出に関してもあの本のあの部分と似てるなぁとかあの本の主人公はこんな気持ちだったのかなとか、これまでの読書量が感想に出てきている。
    こんな素敵な表現ができるならもっと自分も本を読もう、そんなモチベを貰えたエッセイだった。

    時々切なさを感じる場面があり、「とにかく散歩をいたしましょう」につながる終わりがとても良かった。

    0
    2025年12月30日
  • 海

    Posted by ブクログ

    文芸評論家の三宅香帆さんがおすすめしていたので購読。眠る前のベッドで少しずつ読み進めたが、どのお話も心が静かになる短編。小川先生が巻末のインタビューで「ひとつ世代が抜けている者同士のつながりを書いたものが多い」と仰っているが、ひとつ世代が抜けていることによって、死の気配も、みなぎる生命力も同時に感じるのがなんとも儚くて、胸にじんわりとくる。小川先生の作品の登場人物の感受性の強さも好きで、また過去の作品も読み直そうかなと思った。

    0
    2025年12月27日
  • 海

    Posted by ブクログ

    薄水色の妄想の世界をずっと歩かされているような気分になる。官能的なものであれ、少し笑えるものであれ、すごく淡くて遠い。小川洋子といえば薄気味悪い表現で、わたしはそれが大好きなんだけど、この短編はそのエッセンスは少し弱いかな。
    「バタフライ和文タイプ事務所」は読んでいて感嘆の息を漏らすくらい好きだった。薬指の標本と同じ空気。

    全体として、純粋な者との交流というのが一貫してあったと思う。「海」の弟、「風薫るウィーンの旅六日間」の琴子さん、「缶入りドロップ」の子ども、「ひよこトラック」の少女…。「バタフライ和文タイプ事務所」と「ガイド」はメインの登場人物2人ともに純粋さを感じた。その純粋さには現実

    0
    2025年12月21日
  • 世にも美しい数学入門

    Posted by ブクログ

    中学生、高校生などがこれを読んだらかなり勉強熱心になるのでは、と思う。
    そんな時代に読みたかった本。
    数学の疑問について調べたくなる癖が着くと思う。
    対談形式なので読みやすい。

    0
    2025年12月20日
  • NHK「100分de名著」ブックス アンネの日記 言葉はどのようにして人を救うのか

    Posted by ブクログ

    『押し潰されそうに耐え難い、大きな岩石のような苦しみが、言葉というかたちをとることで頭の上から足元へと移動し、重荷から、その人自身の土台へと変わる。悲しみや苦しみはけっして消えないけれども、置き場所を変えることはできる』

    言語化することの意味やその効力の強さを学ぶことが多い1冊だった。

    0
    2025年12月20日
  • そこに工場があるかぎり

    Posted by ブクログ

    ふと気づくと、金属に穴があきはじめている。そもそもの目的がこれなのだから、驚く必要もないのに、なぜかとても不思議な現象を目にしている気分になる。一点の窪みが少しずつ、慌てず慎重に、奥へ奥へと潜り込んでゆく。電極と金属は一定の距離を保ち、決して触れ合わない。電極の回転も、穴の形成も、想像よりずっとゆっくりしたスピードで行われる。金属はまるでそれが自らの意思であるかのように、穴を受け入れている。この密やかな営みを、火花が祝福している。(第1章 株式会社エストロラボ〈細穴屋〉より)

    凡ゆる仕事には、たとえ文化勲章受賞者ではなくとも、匠の技が隠れている。と、私は思う。
    例えば、封筒詰めの単純作業であ

    0
    2025年12月17日
  • まぶた

    Posted by ブクログ

    小川洋子さんならではの素敵な言葉選びと不穏な雰囲気が漂う短編集。。
    バックストロークは強烈。まぶたは流浪の月みたいだと思った(まぶたが先です)。2001年にこの物語が存在したんだと思うと不思議な感覚。

    0
    2025年12月14日
  • 続 遠慮深いうたた寝

    Posted by ブクログ

    静謐な朗読を聞いているような作品だった。
    時に熱く語られているのにどこまでも客観的で、静かで穏やか。冬の午後にぴったりだった。
    時折差し込まれる夢か現か分からないお話にエッセイと創作の境目がなくなる感覚が小川洋子作品、という感じがして心地良かった。
    まさに「優れた文学に出会うとそれがエッセイか小説か分からなく」なった。

    0
    2025年12月12日
  • ミーナの行進

    Posted by ブクログ

    海外のお話し⁉️って何度も思った作品!

    何十年も前に観た“赤毛のアン”とか“フランダースの犬”な世界観を感じました✨♡

    小川洋子さんの作品にまた触れてみたい^_^

    0
    2025年12月10日
  • 猫を抱いて象と泳ぐ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    リトル・アリョーヒンには、チェスがあってよかった。

    彼にとってチェスは、単なるゲームではなく、人生そのものだった。勝ち負けが存在するのはもちろんだけれど、彼が本当に大切にしていたのは、どんな「棋譜」が生まれるかということ、そしてそれを通じて誰かと交わされる「会話」だったのだと思う。

    チェスは人生のように、対峙する相手や盤を挟む場所によって、まったく違う表情を見せる。汚い手を使ってでも勝ちを急ぐ者もいれば、報酬のために勝ち方にはこだわらない者もいる。そこには、その人がどんな人生を生きてきたかが、そのまま染み出している。

    象徴的なのが、マスターがアリョーヒンを叱る場面だ。橋のたもとで賭けチェ

    0
    2025年12月07日
  • 密やかな結晶 新装版

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    『密やかな結晶』の世界では、社会から一つひとつ、何かが静かに消滅していく。その中で「密やかな結晶」とは何なのだろうか、と読みながらずっと考えていた。

    小川洋子作品を通底するテーマに、「記憶の継承」「存在が滅びても、その記憶は残り続ける」というものがある。本作もまた、その系譜の上にある物語だと感じた。

    この世界におけるささやかな救いは、消滅に囚われた人々の中で、なおも消えたものたちの記憶を抱き続ける編集者の存在だ。
    彼は、すべてが消滅したあとの世界で、「わたし」が書き残した小説=物語の記憶をその身に宿したまま、歩き出していく。物語はその場面で終わるが、彼の中に残ったそれらの記憶は、なおも続い

    0
    2025年12月07日
  • 薬指の標本

    Posted by ブクログ

    勝手に登場人物を外人にして読んでしまうくらい現実離れしていて、でも普通に読めてしまっていて
    自分もこの話の中に取り込まれているような気がして変な感じになった

    0
    2025年12月04日
  • 遠慮深いうたた寝

    Posted by ブクログ

    小川洋子さんの言葉に触れるたび、私の心を守ってくれた物語たちを思い出す。小川洋子さんの作品もその一つだし、このエッセイもその一つになった。
    心が頑なになって、みんなが敵に見えてしまったときに、また読み返したい本。私は弱いし何もできないけど、そんな私を守ってくれる物語が世界にはあふれていると気づかせてくれる、お守りのような本。

    0
    2025年12月01日