小川洋子のレビュー一覧

  • ミーナの行進

    Posted by ブクログ

    自分も社会人一年目で関東から神戸に移るという経験があるので、序盤から引き込まれた。神戸、芦屋の街並みを想像しながら登場人物たちの行方を追えたので、とても楽しくゆっくり読むことができた。

    思い出は死なない。死んでも消えるわけではない。

    0
    2025年10月05日
  • そこに工場があるかぎり

    Posted by ブクログ

    穴、菓子、ボート、乳母車、ガラス加工、鉛筆。身近なものを作っている工場を小川洋子さんらしくレポート
    彼女の筆にかかれば、どんな機会も職人さんも工場も美しく厳粛さまで感じる
    鉛筆作る過程の描写はピカイチ!

    0
    2025年10月04日
  • 犬のしっぽを撫でながら

    Posted by ブクログ

    作品はいくつか読んだことのある小川洋子さんですが、
    小川さんのエッセイは始めて読みました。
    小川さんの作品に流れる静かな哀しさや寂しさの源流はここにあるのか、と思わせるものもあれば、
    かなり熱心な阪神ファンとのことで、野球にまつわるあれこれまで様々なところで書かれたエッセイを一冊にまとめたもの作品のようです。

    『博士の愛した数式』にまつわるエッセイはとても興味深かったです。数字と人間の対比。美しく永遠に続く数字と弱くて物語なくしては生きていけない有限の人間の生。

    日常のお話では、資料となる雑誌や書物の整理に関するお話に共感。(私も人よりは「増殖する乱雑さ」に対する耐性はあると自負しています

    0
    2025年10月02日
  • 最果てアーケード

    Posted by ブクログ

    やさしくて、ほんのり体温が残っている喪失感。
    最初は外から「私」を通してアーケードを覗かせてもらっている感覚だったのが、最後はアーケードの中にぽつんと取り残されたような気持ち。

    徐々に「私」の輪郭がぼやけていく。
    「私」はいつからいるのか、いないのか、アーケードの輪郭だってどこまではっきりしたものなのか。
    素直に読み取れるようなものではない気がした。

    生よりも死や無に近いところの商品を扱う店々。
    アーケードの外がこちらで、ドアノブの向こうがあちら。ならばアーケードは時間がよどむ境界線か。

    迷い込んだ名前も知らないアーケード、作者にゆかりのある地でとおった商店街、半年だけ過ごしたあの国の蚤

    0
    2025年10月01日
  • 人質の朗読会

    Posted by ブクログ

    小川洋子さんの作品を読むのはもしかしたら『博士の愛した数式』以来かも?!美しく隙のない、完璧だけど冷たさを感じさせない文章が読んでいて心地よく、ひとつひとつのお話もなんだか摩訶不思議で切なく、唯一無二の小川ワールドに惹かれました。素晴らしかった~!他の作品も読まなきゃ!!

    0
    2025年09月28日
  • ミーナの行進

    Posted by ブクログ

    大人と子どもの間、まだ家族に守られている時代の中学生朋子が、事情があって一緒に暮らすことになった叔母家族。朋子を含む家族の誰もの拠り所である、芦屋の洋館での一夏の出来事と心情を瑞々しい感性で切り取り、描いた物語。
    芦屋は私が暮らした街なので、橋の名前さえも懐かしく、景色が目前に浮かび、私の思い出と作者小川洋子さんの生み出した世界が交錯するような、不思議な読書の時間でした。

    0
    2025年09月25日
  • そこに工場があるかぎり

    Posted by ブクログ

    毎日の仕事を、目の前の仕事を誠実にこなす。
    小川洋子さんが見学し、工場や働いている人、製品を見て聞いて感じたことを小川洋子さんらしい言葉での表現されており、とてもよかった。おもしろそうと思った工場をみつけ、現地に足を運び、見学し、お話しし、推敲を重ねて文章にしているのを感じられた。

    0
    2025年09月23日
  • 海

    Posted by ブクログ

    ネタバレ


    不思議な雰囲気の話が続く。
    特に気に入ったのは
    「銀色のかぎ針」と「ガイド」

    特にガイドの題名屋のおじいさん。
    名もない出来事や思い出に名前をつけることで、そのことをより鮮明に覚えることができる。
    楽しかったり切なかったり辛かったことも、知らない間に通り過ぎて過去になってしまうから。
    覚えたいことには名前をつけると、綺麗に思い出の引き出しにしまっておけて、取り出したい時に取り出して浸ることができるんだろうなぁ。
    ただの日常でもそれは振り返れば幸せな思い出なのかもしれない。わたしも日常から、幸せを見つけてたくさん覚えていたいな。 おじいさんと少年のやりとりにとても心が温かくなった。

    0
    2025年09月21日
  • ゴリラの森、言葉の海(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ゴリラについて知りたいなって思って手にとった本。気がついたら人間の本来のあるべき姿、について考えさせられてた。自然に求めるのではなく、私たちが謙虚にならなくてはいけない。

    0
    2025年09月15日
  • 掌に眠る舞台

    Posted by ブクログ

    不思議で、不気味で、美しい短編集。
    一見グロテスクに思える描写でも美しく見せてしまうところがさすが。


    以下備忘録
    「指紋のついた羽」
    舞台で見た妖精ラ・シルフィードに手紙を送る少女。

    「ユニコーンを握らせる」
    昔女優だった伯母と過ごした日々。

    「鍾乳洞の恋」
    歯の詰め物の間から白い生き物が生まれる。

    「ダブルフォルトの予言」
    劇場に住んでいる女性の話。

    「花柄さん」
    役者のサインを集め続ける花柄さんの話。

    「装飾用の役者」
    お金持ちの家で装飾用の役者として働く。

    「いけにえを運ぶ犬」
    移動書店の車を引く犬と少年の話。

    「無限ヤモリ」
    子供を望む女性と無限ヤモリ。

    0
    2025年09月14日
  • 猫を抱いて象と泳ぐ

    Posted by ブクログ

    小学生の頃にチェスクラブに入っていたこともあり、とても楽しく読めた。チェスは好きだけど、そこまで奥深いものとは思っていなかったので、小川洋子さんの筆致によって「こんなに可能性のある世界なんだ」と新鮮な発見をした。久しぶりにまたチェスをやってみたいと思った。

    駒の中では特にルークが好き!最初は地味に思えるけど終盤になると一気に強さを発揮するところが魅力的。ビショップは使い方が少し難しいからこそ憧れもある。ナイトも独特で面白い駒だけどこの作品ではあまり目立たなかったなぁ。

    小川洋子さんらしい独特な世界観とゆったりとした文体で、最初はページがすらすら進むタイプの本ではなかった。それでも「慌てるな

    0
    2025年09月11日
  • そこに工場があるかぎり

    Posted by ブクログ

    面白かった!文章がさすがの美しさ。単なる工場見学の「ルポ」ではなく、作家として色々なところに想像力を巡らせ、作家ならではの感性と表現力で表現をする「作家の作品」に他ならないと感じた。

    同じ場所を見学したとしても、このような表現にはならないだろう。工場で見つけた驚きや感動の共有により、日常目にするものや使うものを再認識できるという面白さももちろんあるが、この作家ならではの視点と表現力で表現し切った作品を読む楽しみもあり、通常のルポとは一線を画す「作品」であったと感じた。

    もっと小川洋子氏の作品を読みたくなった。

    0
    2025年09月06日
  • 最果てアーケード

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    良かった。こういう、連作短編集も良い。全てのエピソードに愛があって、柔らかく暖かかった。表現も美しくて素敵だった。

    0
    2025年09月05日
  • ブラフマンの埋葬

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    あらゆる種類の芸術家が集う〈創作者の家〉。その管理人である〈僕〉と、肉球と水かきを持つ謎の小動物〈ブラフマン〉との、ひと夏の邂逅そして別れを描く。南仏を思わせる架空の村を舞台に、物語は〈僕〉の抑制のきいた一人称で、水彩画で描かれた大人の絵日記のように淡々と静かに進んでゆく。

    正体不明ながらも愛くるしいブラフマンと、〈僕〉の心の交流が物語の主成分となっている。しかし、これを心温まるハートフルストーリーと呼ぶのは少し違うように思われる。物語の始めから終わりまで繰り返し現れるのは、取り繕いようのない死の気配だからだ。古代墓地、石棺、埋葬人、碑文彫刻師、身寄りなく死んだ老人の所有していた家族写真、そ

    0
    2025年09月03日
  • 琥珀のまたたき

    Posted by ブクログ

    壁の中はとても密かで静かな世界。壁の外の記憶が残っているオパール。何も知らない無邪気な瑪瑙。琥珀はいつの間にか、皆がバラバラにならないように行動していたのかもしれない。

    歪で恐ろしいのに美しくて穏やか。小川洋子さんの作品の魅力。大森静佳さんの解説も素晴らしい。

    0
    2025年08月31日
  • 猫を抱いて象と泳ぐ

    Posted by ブクログ

    書店で目について読んでみました。暖かくほろりとした物語でした。チェスにはまるで知識はありませんが興味が湧きました。さてどうしたものかなぁと。

    0
    2025年08月30日
  • 小箱

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    子を亡くす悲しみとは。結婚式と歌をもって解き放たれるのか。

    悲しみを抱き、生き延びるのはどこまでも待ち、よい耳を持たなければならない。

    最後のバリトンさんの歌の場面は圧巻だった。

    小川洋子さんの長編の中でも本作は一番沈痛かも知れない。

    ここの子どもたちはみな不慮の死なのか。集団で虐殺された影も感じる。

    そこで言葉を残したバリトンさんの恋人の手紙はまるでアンネの日記のようだ。

    コーネルの小箱も物語世界について、これ以上の喩えはないのではないか。

    <メモ>
    ・なぜ産院は爆破され、元・産院となるのか。
    ・死を忘れたことの象徴が博物館の廃館。
    ・博物館ケースの再利用は、生の展示物化。

    0
    2025年08月27日
  • 約束された移動

    Posted by ブクログ

    誰のどんな役割もすべて等しく神聖である気がした。ときどき常識から逸れることがあっても、大きな問題ではないような気もしてくる。すばらしくうつくしい、上品な雰囲気。うっとり。

    0
    2025年08月25日
  • 遠慮深いうたた寝

    Posted by ブクログ

    本を読まない人が増えて、本屋がどんどんつぶれ、何分以内に読める!というのが売り文句になってしまった今の時代だけど、やっぱり本を好きでいいんだ、本の力を信じていいんだと思わせてくれる心強い一冊。

    0
    2025年08月25日
  • 掌に眠る舞台

    Posted by ブクログ

    「舞台」をテーマとした短編集

    見てくれている、存在を望んでいる人がいるから
    そこに役者が存在している

    と感じた話でした。

    0
    2025年08月25日