小川洋子のレビュー一覧

  • ボタンちゃん

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    知り合いにおすすめされて手に取った本。色んなものに囲まれて、アンナちゃんは大きくなっていくんだなぁ。お母さんが優しくて丁寧な人でよかった!子どもたち、この本を読んだ後はぬいぐるみにちょっと優しくなってて微笑ましかった笑

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    2024年12月02日
  • アンネ・フランクの記憶

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    私は大分前からアウシュビッツにはとても興味がある。アンネの日記を知ったのは小学生の頃だったけど、ちゃんとは読んでなかった。
    偶々手に取ったこの一冊。もう、余計な事は今は言えない。まずはアンネの日記をちゃんと読む。初版と完全版と、どちらも。

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    2024年11月27日
  • 妊娠カレンダー

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    小川洋子の『妊娠カレンダー』を読んでいなかったので、今さら読んだ。ほんとにこの人は美しい文章を書くな…
    薄い氷みたな冷たくて繊細で割れたらその角が尖ってる感じの
    文章の美しさを咀嚼していたらいつのまにか終わってる。ただ妊娠と出産という事象に祝祭的な雰囲気は作中ほぼ見られず、そこには強く惹かれた
    私も妊娠・出産という事象に対しては正直なところ気味が悪いと思っている。主人公”わたし”の姉が言ったようにに人間の身体のなかで10ヶ月もの長いあいだ、もうひとりの人間が育つという事象が私にはどうにも良きことだと思えない。ひたすらにおそろしいと思う
    妊娠・出産に対しては村田沙耶香もSF的な設定を用いて性別に

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    2024年11月24日
  • 掌に眠る舞台

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    不思議だなぁ。日常のひとときを切り取ったのに、なんだか印象深くて、一生心に残るような感覚だった。
    各主人公のように思い出や経験が秘密裏に根を張り、一体化していく様を見て面白いなぁと思うと同時に安心する。
    自分以外の人もこんな経験を持っているのだろうかと考えてしまう。
    気に入ったエピソードは、「指紋のついた羽」「花柄さん」「装飾用の役者」「いけにえを運ぶ犬」。
    小川さんの文章がスッと入ってきて、さらに短編なので読みやすい。

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    2024年11月19日
  • 余白の愛

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    小川洋子さんの描くミステリアスな男性は本当に魅力的。
    せつないけれど失っていくようで取り戻していく物語。
    絵画で言うと印象派って感じがする。

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    2024年11月18日
  • ブラフマンの埋葬

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    穏やかな文章で、自然に囲まれた美しくも切ない情景をずっと頭に思い描きながら読みました。
    静かで境遇がわからない部分もあるけれど、それぞれの人生というものがあるんだなと感じた。
    ブラフマンの愛くるしさにほっこりとした。

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    2024年11月13日
  • 世にも美しい数学入門

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    私は数学が大の苦手科目でしたが、高校生の時にある数学教師との出会いをきっかけに数学への捉え方が変わりました。その恩師の口癖は「どうしてそうなるのかも理解せず、公式覚えて問題解いて、それって虚しくないか?」「わからない問いにぶつかったらとにかく実験してみればいい」でした。数学が得意科目になることは遂にありませんでしたが、少なくともこの言葉たちはその後の私の人生の指針になっています。

    この対談の中でも「数学は実験科学のようなもの」と、どんな天才による大発見も地道な実験を重ねて生まれていることが示唆されていて、「腕組みしててもなにもわからない。まず実験してみる。そして観察する」というスタンスはこれ

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    2024年11月11日
  • 凍りついた香り

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    自分が生きていた破片を
    ひとつずつ拾ってくれる人がいる

    遺された私たちはふとした香りで
    悲しさを思い出すけれど
    それもまた日常になる

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    2024年11月11日
  • 猫を抱いて象と泳ぐ

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    伏線回収が綺麗。星座を作るように張られてた。個人的に1番好きな伏線は、主人公が老婆令嬢にとっての「はじめての」チェスを教えるところ。
    回送バスの中でマスターとチェスをしてる時間があたたかくて好きだった。

    (チェスとは、2人で1つの海に潜ること。星を一個一個旅して歩くようなもの。地球の上だけでは収まりきれないから宇宙の上まで旅すること。)

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    2025年04月28日
  • 約束された移動

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    タイトルの通り「移動」をテーマにした短編集。
    小川洋子さんの著書はまさに純文学で、言葉選びが、構成の一つ一つが芸術品のように美しくて大好きです。
    本という空間に閉じ込められるような、開かれているのに閉塞感のある歪な透明感がどの作品にも存在していて、読んでいる間は時間がゆっくり流れているような気さえします。

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    2024年10月25日
  • 完璧な病室

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    「博士の愛した数式」を読んで以来、小川洋子の小説やエッセイに夢中になった時期もがあったのですが初期の作品も読んでみようと初めて買った文庫本でしたが積読になってました。
    この人にかかると、毛穴から汗が吹き出して止まらなくなるような表現力が呪縛のようにねっとり絡んできて息苦しさを覚えて少し距離を置いてみたくなったんですよね。
    この人に睨まれると動くことさえできずに直立不動になってしまうほど緊張します。よそ見してる隙に逃げ出したくなるのですが、またこっちを向いたら制止してヘビに睨まれたカエルとゆうかダルマさんが転んだ状態ですよぉ。

    【完璧な病室】
    弟の病状を説明する主治医の均整のとれた肉体にうっと

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    2024年10月24日
  • 掌に眠る舞台

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    あなたは、”装飾用の役者として生活”してくださいと言われたらどうするでしょうか?

    この世には数多の職業があります。厚生労働省による2022年時点の職業分類数は18,725種類にもなるようです。私たちは限られた人の一生の時間の中にそれら全てを体験することはできませんし、そもそもその全てを知ることもできないと思います。

    そんな職業の中には時代が違えば極めて突飛なものもあるでしょう。例えば宇宙飛行士という職業がありますが、100年遡れば、ホラを吹いているとしか認識されないものでもあると思います。一方で、時代が変わっても、えっ?という思いを抱くものもあると思います。そもそもそれは単に犯罪の匂いのす

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    2024年10月16日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    言葉の端々にお二人の優しいメッセージが伝わってくる。人生で何かを成し遂げるよりも自分の物語をつくるほうが幸せなのかもしれない。短い本だったが、安堵と幸福感を感じられるような素敵なお二人の掛け合いが心地良かった。

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    2024年10月11日
  • 約束された移動

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    小川さんらしい、童話のような雰囲気をまといつつもほの暗く、ひっそりとした短編集。静謐という言葉がこれほど似合う作家さんもいないだろうと思う。世の中の片隅で生きている人たちが心にひっそり持っている、美しい宝箱をこっそりと見せてもらっているようなお話だった。今作はあんまりグロテスクではなかったので、好みの感じだ。どの短編でも本を読む人がいて、それが良かったと思う。
    ダイアナ妃の服をまねて自作し、自ら着る老婆バーバラが出てくる「ダイアナとバーバラ」、鳥好きの声の小さな作家「巨人」と通訳の交流を描く「巨人の接待」が好き。

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    2024年10月02日
  • 琥珀のまたたき

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    この母親を毒と見倣すかどうか、これはなかなか難しい。我が子を失う事の辛さは、それを経験した人でなければ分からないし。でもやはり世間の目は冷ややかで。

    そんな中でも子供の発想力というのはやっぱり凄い。あんな閉塞的な場所でもあらゆる遊びを考え、実行する。オリンピックごっこ、楽しそう。

    とは言え、子供らしく、無邪気に、自由に遊ぶ。そんな環境に身を置けなかった彼等がどうしても不憫でならない。

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    2024年09月24日
  • 凍りついた香り

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    涼子の恋人、香水の調香師弘之が自殺した。なぜ?彼の全く知らなかった一面が次々と明らかになっていく。涼子は弘之の面影を求めて迷宮の街プラハへ。
    弘之の過去と涼子の今が重なり、弘之が残した『匂いのイメージの言葉』と出会う。
    弘之の死の原因は解らない、ただ生きにくい人だったことはわかる。
    涼子は弘之の過去を訪ねることで、救われたのだろうか。

    臭覚で感じる香りを言葉で表現する。それを読者が香りとして感じるには、言葉が示す香りをイメージできなければならない。言葉から臭覚を呼び起こそうとし、知ってる何かに当てはめようとする。
    言葉で五感を刺激し、言葉で静寂を感じる小川洋子さんの世界、好きだなぁ。

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    2024年09月18日
  • 心と響き合う読書案内

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    ラジオ番組だったものを文庫化されたもの
    もう番組が終わってしまっているのが残念… 紹介されている中では特に古典を読んでみたくなった。

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    2024年08月30日
  • 掌に眠る舞台

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    ちょっと独特な世界観のある小川さんの本.

    イメージとしては,ちょっと昔の,もしくはちょっと田舎の場所のお話.
    そのお話を,ある人の視点で眺めているような感触.

    人とは誰もがほんの少し歪んでいると思う.
    どんなに真っ当に見える普通に見える人でも,ある側面からある視点からある想いから見ると他人とは違う.

    この本の,ある人の視点,を考えた時に,どことなく,それとなく,ちゃんと気がつくくらいの薄さで,歪みを捻じれを狂気を感じる.
    それは誰もがもつ可怪しさ誰かが持ってもそんなに不思議ではないオカシサが混じっている.

    それがとてもクセになる.

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    2024年08月27日
  • からだの美

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    身体の細部についての随筆16篇。
    いつもながら観察力と表現力に驚く。
    スポーツ選手や動物などの説明だけではなく自身のエピソードも折り込まれており気軽に楽しく読める。
    バレリーナの足の指、赤ちゃんの手の指、なぜそうなったのか。
    考え出すと眠れない。

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    2024年08月26日
  • 海

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    風薫るウィーンの旅六日間
    ひよこトラック
    ガイド

    が特に好きだった。

    共通点として、年齢差のある登場人物たちが偶然の出会いで心を通わす。
    一生懸命お互いに歩み寄ろうとする感じがあたたかい。
    また、閉じられた空間だからこその親密感と、どこかに、永遠には続かないんだろうという切なさもある感じが、とても小川洋子さんぽい。

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    2024年08月24日