小川洋子のレビュー一覧

  • 密やかな結晶 新装版

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    新幹線のおともに。ワールドがすごい。
    みんなで失えば、忘れれば、痛くない?
    抗うことはとても大変。
    これは売れない。時間をおいて再読したい。

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    2025年11月03日
  • サイレントシンガー

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    小川洋子の個性爆発の素敵な作品。ちょっとホラーな気配も感じる。でもこの世界は不思議と気持ちが落ち着く。

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    2025年11月02日
  • 遠慮深いうたた寝

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    私たちと同じような日常の中でも
    小川洋子さんは誰も気づかないようなことに
    気づいたり、たくさん思考をしていて。
    それらを丁寧に紡いでいくと
    こんなにも煌めく言葉になるの、すごいな。
    彼女の小説がとても美しく繊細であり、
    また少し不気味なところもあるのは
    こんな風に日々を過ごされて、生み出されたからなのかと頷ける作品だった。
    自分の感性や言葉をもっと磨きたいと思ったし
    日常をどのように感じ取るかは自分次第だとも
    思えた。

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    2025年11月01日
  • 夜明けの縁をさ迷う人々

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    小川洋子さんの作品の全てを読みたい。
    けして社会の真ん中に居ないであろう、少し変わった人々にスポットを当てる静かな世界観とその描写が心にストレートに刺さります。

    この短編集では、ちょっと怖いと感じる話が多めでした。
    「パラソルチョコレート」が特に好きでした。

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    2025年10月31日
  • 続 遠慮深いうたた寝

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    小川洋子さんのエッセイ。
    日常の出来事や創作、読書について書かれた作品です。特に好きなエピソードは、『細雪』を読み、ある登場人物の行為がうまく思い描けず、愛犬のラブを使って試してみる小川さんがとてもチャーミング。
    『秘密の任務』で、夏の甲子園で歴史に残る名勝負、早稲田実業対駒大苫小牧の決勝を観戦しながら感じた小さな恐怖も面白かったです。
    内容も素晴らしいですが、装丁が美しすぎる!
    赤い帯がまた良いです。
    また小川さんの作品を読みたくなりました。

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    2025年10月30日
  • 掌に眠る舞台

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    ネタバレ

    舞台をモチーフとした短編集です。小川洋子さんだなあと思いながらの読書でした。研ぎ澄まされた文章に、不思議な世界が広がっていました。装画はヒグチユウコさん。この雰囲気と色合い、好きな感じです。そして何かが潜んでいるような感じもしました。背表紙もおしゃれです。

    以下は、読者の私が気に入った短編の感想です。

    【指紋のついた羽】
    ひとことで言えば〈無言の世界の美しさ〉。

    バレエのラ・シルフィードに魅せられた少女。逆さまに置いた工具箱の上で上演される無言の世界。その世界になぜか美しさを感じ、幼い頃から少女を知っている縫い子さんの優しさが心地よかったです。二つの光と二人の後ろ姿の描写で締めくくった最

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    2025年10月28日
  • 夜明けの縁をさ迷う人々

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    9話の不思議な世界の短編集だ。
    特に印象深かったのは⋯

    ⚫︎「 曲芸と野球 」
    「私」が少年野球を楽しんでいた小学校4年生の時、常に3塁側のファールゾーンで女性の曲芸師が椅子を4脚積み重ねての稽古をしていた。
    しかしチームメイトには、その曲芸師の姿は視界に入っていないようだった。
    大人になった「私」は、年に数回のペースで草野球を楽しむのだが、今でも三塁側のファールゾーンから曲芸師が「私」を見つめている。

    ⚫︎「 イービーの叶わぬ望み 」
    老舗の中華料理店のエレベーター内で、誰かに産み落とされていたイービー。
    お店に勤めていた心優しいチュン婆さんがイービーの育ての親になる。
    成長とともにイー

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    2025年10月26日
  • そこに工場があるかぎり

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    有名作家の仕事インタビューということで、気になった。ビジネス書とは違い、経営や業務の特徴を学ぶというのではなく、読み手に魅力を感じてもらえるよう、作家らしい喩えは斬新だった。

    町工場の魅力というか、一見普通に見える仕事を掘り下げるというよりも、見方を変える話の展開は気づきが多かったと思う。

    読み物としてだけでなく、仕事に対する啓発本としても読める。

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    2025年10月26日
  • 薬指の標本

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    2編の短編が入っている。

    1つ目は表題作「薬指の標本」。気味の悪いタイトルだな、と思いながら読み進めたが、意外とそうでもない。しかし、そうでもないな、と読み進めると、だんだん不気味になってくる…。
     といっても、タイトルから想起されるような肉体的な不気味さではなく、精神的な不気味さだ。主人公が沼にはまっていくのを、不思議な気持ちで読み進めた。

    2作目の「六角形の小部屋」の方が個人的には好きだった。小部屋に入った悩める子羊の「わたし」に、少しでも救いがあったのか、なかったのか? お悩み解決小説のような筋を辿りつつ、ハッピーエンドで終わらない。設定は非現実的なのに、そこがむしろリアルである。

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    2025年10月26日
  • 夜明けの縁をさ迷う人々

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    9編の話のうち、恋愛感情に触れた話がいくつかあった。小川洋子さんの小説が纏っているほんのりとした愛情が、明確に恋愛感情として描かれている話は特に好きなので、登場人物のそれぞれの愛し方に読み耽った。タイトルの『夜明けの縁を彷徨う人々』という一文になったつもりで、私もページを捲った。『ラ・ヴェール嬢』という題名の話が登場するが、ラ・ヴェールとはフランス語で緑という意味らしい。賃貸物件のサイトの引用を見つけてようやく見つけた意味だったが、この簡単に、明確に辿り着かない答えすらも題名に込められているのかなと思う。

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    2025年10月14日
  • サイレントシンガー

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    会話をしなくても聴覚、視覚、嗅覚、手触りで伝わる物事もある。何より静けさを共有することで生まれる一体感。それをいつから怖いと思うようになったのだろう。あえて静寂を壊すように話したり、行動したり、何か大事なものを取りこぼして生きているのでは?そんな風に思わず日常を振り返りハッとしてしまう内容でした。

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    2025年10月12日
  • 密やかな結晶 新装版

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    ネタバレ

    ファンタジーのような、それでいて物凄くリアリスティックな、その交差にある小説だった。個人的に主人公が書いている小説の内容と、主人公目線の物語とが並行し、そして最後には交わる点が興味深い。もともと一繋がりの話だったのではと感じる程。
    物語の中には大きく2種類の生物が存在する:消滅の影響を受ける生物(恐らく秘密警察もこちら側?)と受けない生物。前者は薔薇や鳥等の消滅を感じたとしても、2〜3日もすればその世界に順応し、不自由を不自由とは感じなくなる。一方後者は消滅の影響を受けないので、その様を見て、簡単には手放してほしくはないと願う。面白いなと感じたのは、自分たちはその中間に位置付けられるのではない

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    2025年10月11日
  • 人質の朗読会

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    博士の愛した数式からの2作目。

    人質たちが残した、一人ひとりの印象深い日記。
    まるで短編集を読んでいるような贅沢な一冊でした。

    全く異なる立場や目線など、色々な人の人生をちょっとずつ覗いているような気持ちになります。

    ちょっと稀有な日々だけど、ほっこり。


    タイトルの 人質 と 朗読会 のギャップが、湯豆腐をジャムで食べているような、、いや、そうはならない。

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    2025年10月10日
  • ブラフマンの埋葬

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    謎という意味のブラフマン。動きもなにもかもがかわいくて、僕との生活は微笑ましくて。タイトルが「埋葬」だからいつ死んでしまうのかドキドキしながら読みました。静かで独特な雰囲気の不思議な世界観。

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    2025年10月10日
  • サイレントシンガー

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    『魂を慰めるのは沈黙である』決して言葉を発しない人達が住む アカシアの野辺で働く祖母と暮らすリリカは老介護人が静かに歌う子守唄で育った リリカの歌は毛刈りの羊を穏やかにし 野辺の人達にそっと寄り添う おしゃべりより聞く耳が大事 だから耳は二つあるんだよ

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    2025年10月09日
  • 猫を抱いて象と泳ぐ

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    一見暗いと思える出来事を少年はまるで違う見方をして見ている
    思えばそれはチェスに出会うための布石
    盤上の表現がほんとにユニークかつ美しかった。
    チェスを通じて出会い、会話し、感情を味わう。
    チェスは昔良くやっていたけど、もちろん弱い(笑)
    少年と一緒に盤上を旅しているみたいでわくわくした。

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    2025年10月08日
  • 耳に棲むもの

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    第1章は補聴器のセールスマンとして生きた父に対する娘の視点から始まって、以降の章は父でありセールスマンである男が耳に棲むものと出逢う話が続いている。どの話も生き物の死が添えられているので、苦手な方はご注意を。小川洋子さんはいつも、現代でも中世でも何処でもない(登場するワード的には現代のものだけど)純粋に生きる人間を描き出すのがお上手だと思う。そんなひとり、ひとりに惹かれてページを捲る。

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    2025年10月08日
  • ブラフマンの埋葬

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    小川洋子さんの小説はいつも不思議が詰まっている。
    ここはどこなの?
    この人はなんていう名前なの?
    この動物は何?
    たくさんの想像力をつかって、たくさんの優しさをもらって、たくさんの尊さを得ました。
    次読んだら違う感想を持つのかな。

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    2025年10月07日
  • サイレントシンガー

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    まさにサイレントシンガーでした。独特の世界観に浸りました。
    静けさが素敵な物語。ここまでの静けさの中で私自身はずっと生活することはできないと思いますが、時にはこういう静寂の中に身を浸したいなと思います。赤ちゃんの時からの介護人さんとの触れ合いの部分がとても好きです。まずその地区(?)の人々が「アカシアの野辺」のような場所と共生できているというか受け入れられているところがなんか良かったです。

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    2025年10月07日
  • ミーナの行進

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    自分も社会人一年目で関東から神戸に移るという経験があるので、序盤から引き込まれた。神戸、芦屋の街並みを想像しながら登場人物たちの行方を追えたので、とても楽しくゆっくり読むことができた。

    思い出は死なない。死んでも消えるわけではない。

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    2025年10月05日