小川洋子のレビュー一覧

  • 遠慮深いうたた寝

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    1つ1つはごく短いエッセイだけど1冊を通すとかなり読み応えがあった。些細な日常の切り取り方、そこからの世界観の広げ方が独特ですごい。なんの変哲もない事柄が突然、小川洋子ワールドに置き換わって感動する。小説の裏話も面白かった。

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    2026年02月28日
  • 耳に棲むもの

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    著者が原作とシナリオを担当した同じ題名のVR映画が作られ、後にこの短編集が書かれたとのこと。どの短編も幻想的で夢を見ているかのようで、これまでに読んだ著者のどの小説よりも、心に落ちるまでに時間がかかりました。とても静かで孤独な中に、生々しくグロテスクな死が描かれることで、生きていることの喜びが満ちてくるのを感じました。VR映画、観てみたいです。

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    2026年02月27日
  • 猫を抱いて象と泳ぐ

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    初めて読む類の本だった。
    小さいけど不自由だけど、大きな海を悠々と泳ぐみたいな、不思議な世界観を感じながら、チェスの海をリトルアリョーヒンと一緒に旅している気分になれた!チェスやったことないけどやってみたいな

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    2026年02月27日
  • 妊娠カレンダー

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    ネタバレ

    幸福な人たちを見て、この人たちの幸福が、このまま一生続いてくれたらいいと、純粋に願ってあげられることは、度々ある。けれども、その幸福な人間が、自分の嫌いな人間だったら、早く不幸になってくれないかと内心思うこともある。その源泉にあるのは、その嫌いな相手に対する妬みかもしれないし、自分が幸せになれない劣等感かもしれない。ただ、「妊娠カレンダー」に描かれている「わたし」の姉に対する心情というのは、そういった普通に想像できる範囲の気持ちとは、一線を画している。にもかかわらず、妊娠した姉に作るグレープフルーツのジャムが、農薬に汚染されているかもしれないと想像するその心理は、どこかで自分も抱いたことがある

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    2026年02月25日
  • 密やかな結晶 新装版

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    消失が当たり前に起こる世界の中で、記憶を失くさない人と、唯一奪えなかったものの話。
    秘密警察たちが奪えなかったものは、きっと「愛情」なのだと思った。

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    2026年02月22日
  • 博士の愛した数式

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    ネタバレ

    大変心温まる物語でした。博士はただただ純粋に子供を慈しみ、数学を愛しており、主人公の私もただひたすら優しい穏やかな心をお持ちで、ルートも小学生に似つかわしくないほどの利口っぷり。三者がおりなす尊くも儚い美しい物語は、全ての読者の琴線に触れること間違いなしだと思います。その尊さを担保したまま、最後までその雰囲気を貫き、その後を書かれなかったのがとても良かったです。読後感は非常に快いものになりました。

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    2026年02月21日
  • 博士の愛した数式

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    読み終わった時、なんでか涙が出てきました。
    とても愛に溢れた、あたたかいお話。
    軸となる数学に、私自身は全く精通していませんが、それでも(それゆえに)、数学のあたらしい受け取りかたを知ることができた、素晴らしい作品でした。
    作中の、レースの使い方がとても印象的です。

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    2026年02月21日
  • 博士の愛した数式

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    温かい、ちょっとだけ数学が好きになりそう
    博士はasdっぽさを感じるけど、自分の好きなことに一生懸命で知識もあって、惹かれるしかっこいいも思う
    家政婦さんもルートも大人だな〜すごい
    日常にたくさん素敵なことがあるのに忘れちゃうの悲しい
    最後のカードのとこ泣きそうだった

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    2026年02月22日
  • 薬指の標本

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    この本を読むのは数回目で、久しぶりに読むと主人公と殆ど同い年で驚いた。今の私は、薬指を標本にして欲しい相手には出会ったことが無い

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    2026年02月20日
  • ことり

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    放っておくと雑踏にかき消されてしまいそうなぐらい小さな声に耳を傾ける物語。厳しい世界を描いた静かで優しい文章だった。

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    2026年02月18日
  • ブラフマンの埋葬

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    愛しい可愛らしい存在と
    絵のように美しい景色
    折り目正しい日常とゆったり流れる時間の心地よさ
    とちょっとの違和感

    当然訪れる結末にも覚悟はしていたけれど



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    2026年02月18日
  • 海

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    短編でも、密度が変わらない。長編を読んでしまったかのような濃密さがある。
    『ひよこトラック』は特にお気に入り。

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    2026年02月14日
  • 妊娠カレンダー

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    ほっこりしない、ほのぼのしない、じんわりしない、ほろりとしない、ぽかぽかしないこんな感じの文章が、私の陰に寄った感情にピッタリとくる。

    無機質なのに美しい文章。
    現実からほんの少しずれた世界。
    感動を求めない静寂。
    無理に明るい場所へ引っ張り出されない安心感。

    この世界観に浸り過ぎると、抜け出せなくなる怖さもあるね。

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    2026年02月14日
  • やさしい訴え

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    ネタバレ

    瑠璃子の嫉妬が生み出した物語。

    新田は薫を大事で愛していて、薫も新田を大事で愛しているとしても。
    2人に恋愛的な描写はなく、それは、精神的な繋がりや師弟愛のようなものと私は感じたけれど、瑠璃子の目を通すとものすごくドロドロとした嫉妬の感情が乗っかってくる。

    仕事なのに、犬を脅しに使って、新田に薫と一緒に行かないでって怖い。
    瑠璃子、マジ怖いよ。
    あんな行動されたら、冷める。
    それまでは、新田も「瑠璃子ってステキ」だったと思うよ。
    なのにねー。
    残念だ。

    夫と揉め事が絶えなかったというのは、はじめは夫の不倫が原因だと思っていたけれど、度重なる揉め事が不倫に至らせた可能性あるね。暴力ふるって

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    2026年02月13日
  • 耳に棲むもの

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    タイトル通り、「耳に棲むもの」、静寂の中にある音を聴く人々の物語であった。「骨壷のカルテット」「耳たぶに触れる」「今日は小鳥の日」「踊りましょうよ」は補聴器のセールスマンを軸に描かれているが、最後の「選鉱場とラッパ」にだけセールスマンが登場しない(ながらにも関わりがあることが直前の「踊りましょうよ」の中で記されている)のが少し不思議である。
    いずれも小川洋子作品らしく、静謐の中に意思や言葉を持たない生き物·体の一部、あるいは無生物たちの声を感じられる。

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    2026年02月12日
  • サイレントシンガー

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    読みながらタイトルの意味を考えていた
    〈サイレント〉とは
    言葉を必要としない「アカシアの野辺」の人たち
    自分が歌っていることを知られていないリリカ

    結末に驚愕
    こんな終わり方なんて!

    料金係さんのリリカへの気持ちは本物だった?
    「アカシアの野辺」の興味があってのような気もする

    リリカの歌
    聞いてみたいな

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    2026年02月10日
  • 続 遠慮深いうたた寝

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    静かな暖かさに満ちた優しいエッセイ。小さなものへの愛や、弱いものへの思いやりが感じられる。また、学生時代の鬱屈した気持ち、当時の自分への優しさにも共感。上からではない観察眼による洞察が、あの優しい物語に繋がっているのかも。

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    2026年02月10日
  • ことり

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    久しぶりに紙の文庫本を買って読んだ。表紙の小鳥の絵が可愛くてつい買ってしまった。小川洋子の小説らしい、風変わりな人たちの静かな日常を綴ったお話。
    道端ですれ違ってふと気になった風変わりな人について、どんな人生を送っているんだろう?と思いを巡らすことがある。そんな風変わりな人の人生を、丸っと覗き見したような読後感。そんな静かな不思議なお話だった。

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    2026年02月09日
  • 小箱

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    『密やかな結晶』のあの雰囲気が凄く好きで、そういえば氏の本を積んでいたのを思い出し。期待に違わずとても好みだった。

    亡くした子供の成長を祝い続ける大人しかいない街。産院は潰され、幼稚園ももう本来の使われ方はしていない。ゆるやかな崩壊を予感させるそんな世界で、人々はただ静かに彼らの名残を慈しむ。骨や爪で作られた小さな楽器で一人だけの音楽を奏でたり、ささやかな誕生会を開いたり。時には、首にかけたおしゃぶりを吸ったり、乳首が露わになるのも構わず子供用の水着に身を包み夏のプールで泳いだり。それぞれの方法で弔う姿は、あまりにも幸せそうで、憐憫の情どころかかすかな嫉妬すら感じさせる。愛しい人の大切な小箱

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    2026年02月06日
  • 薬指の標本

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    何か現実には存在しない幻想的なものを通して、メタフォリカルに何かを伝えようとする作風で、とても好きでした

    取り扱っているテーマ的には、六角形の小部屋の方が好きだった

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    2026年02月06日