小川洋子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ文章と物語の運びが丁寧で読みやすい。
内容もほっこりして心あたたまるお話!
数学も野球も全然興味ないけど楽しんで読めた。
ルートが素直ですごく可愛い。
ただ、ハートフルな内容だが…家政婦の主人公が公私混同し博士に世話を焼きまくっているけれど、結局それはどうしてなの?
っていうのは少し思っていた。
博士が子ども好きで、ルートをとにかく可愛がったから主人公もルートも彼を信頼できたっていうことかな…。
博士を野球の試合に連れてったり、一緒にパーティーを開いたり、江夏の野球カードをめちゃくちゃ探しまわったり。
フィクションだからもちろん有りなんだろうけど、そこまで主人公とルートが彼に惹かれる決定的な理 -
Posted by ブクログ
ネタバレ人と人の思わぬ交流を描いた短編集。
最初の「曲芸と野球」は無茶な練習を繰り返す曲芸師のお姉さんとヒットの打てない少年が他の人なら気にしないような合図でお互いを励まし合うという話だった。心温まる人生の妙味を味わえるような個人的には好きな短編で、この短編集はこういう方向性の物語が多いのかなって思っていたが、以降「パラソルチョコレート」を除き、全てがファンタジーの作品であったため拍子抜けした(「ラ・ヴェール嬢の秘密」はどちらかと言えばファンタジーではないが)。
「曲芸と野球」以外では「パラソルチョコレート」が好きだった。シッターに預けられた二人の姉弟が毎週カフェに連れて行かれるのだが、シッター -
Posted by ブクログ
ネタバレ薬指の標本。わたしは、工場での事故で薬指の先を
失くし、偶然見かけた標本室で事務員をすることに。
標本技術師の弟子丸はどんなものでも標本にできる。
きのこ、文鳥の骨、楽譜の音、少女の頬の火傷跡まで。
弟子丸から革靴をプレゼントしてもらった辺りから、
怖さを感じ始めた。古い靴を握り潰したり、浴槽の底を
歩かせたり、硬いタイルに寝転んで抱き合ったり、狂気を感じた。一番恐怖だったのは、活字板を運ぶわたしを
転ばせて、散らばった活字を朝まで1人で拾わせた場面。「君は一晩中、僕のために働いたんだ」
「二人で朝を迎えたのね」
なぜだかわたしも嬉しそうにしている。
靴磨きおじさんとの会話、「彼とはどうしても -
Posted by ブクログ
ネタバレ3編とも静かだけど少し不穏な物語で好みだった。
「妊娠カレンダー」
グレープフルーツの皮に農薬が付着していることを意識しながら妊娠中の姉ためにグレープフルーツのジャムをせっせと作る妹。神経質な姉に対する嫌悪感な気もするけど、ただ農薬が付着しているんだろうという事実だけを見つめている感じがした。
「ドミトリイ」
まさか先生が黒幕⁉︎と思っけど違った。浮世離れした寮が魅力的。手足が不自由な先生の動きの描写が細かくてすごかった。
「夕暮れの給食室と雨のプール」
電報っていいなぁと思った。「誰でも一度は、集団の中に自分をうまく溶け込ませるための、ある種の通過儀礼を経験すると思うけど、僕はたまたまそれに