小川洋子のレビュー一覧

  • 小箱

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    不思議な話、というのが一番の印象
    詳細があまり語られない出来事が多く、ほとんどの謎が残ったまま最後まで進んでいく。人によっては物足りないと感じることもあると思う
    ただ、不思議でありながらも、美しい雰囲気によって、自分は終始涙ぐんでしまっていた
    続きが気になって眠れない、というような話ではなく、日常に寄り添うような、噛み締めながら読みたくなるような作品

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    2024年03月06日
  • 余白の愛

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    この小説で卒論を書いた同期がいる。小川洋子作品の中でもトップで好きな小説だな、と思う。タイトルである「余白の愛」がなんなのか、いまだに答えを出せていない。突発性難聴、耳の中にある蝸牛と呼ばれる器官と関連して、ぐるぐる回る、渦や螺旋のモチーフを見つけてみるとおもしろい。ヒロが大好きで仕方ないんだな…

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    2024年02月17日
  • からだの美

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    こういう観点からのものを読ませてもらえるから、小川洋子を読んでいるんだなあと思った。
    バレリーナの爪先について、折に触れ考えてしまうだろう。赤ちゃんの握りこぶしが一番染み入りました。

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    2024年02月12日
  • まぶた

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    「飛行機で眠るのは難しい」「中国野菜の育て方」「まぶた」「お料理教室」「匂いの収集」「バックストローク」「詩人の卵巣」「リンデンバウム通りの双子」を収録した短編集。
    いずれも滑らかで柔らかく丁寧な感触の中に一点、針で、あるいは指の先で突いたかのような闇を含んだ、小川洋子さんらしい作品。個人的に「匂いの収集」が1番わかりやすく好みであった。

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    2024年02月07日
  • やさしい訴え

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    居場所を求める主人公の姿が痛々しく、悲しい気持ちになった。これまで読んだ小川洋子さんの作品の中で最も恋愛描写が濃厚だった。そして、孤独感も一層強かった。
    暴力を振るう夫との離婚、叶わない恋。次々と身の回りのものを失い、自分の存在を受け入れてくれる場所を探していく。淡々とした態度は達観してるようでもあり、しかし、嫉妬に燃え上がるほど情熱的な1面も見せる様は魅力的だった。
    やはり小川洋子さんの描く物語に常に香る切なさ、そう質感が大好きだと再確認した。

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    2024年01月24日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    物語とは、自分自身に現実にあるものを受け入れるもの。小説は現実に即した物語として、読み手や書き手に、そこにあるものを感じさせる。規則から生まれる合理性だけで世界は成り立っているわけではなく、そこにある偶然も含めて、その現実や矛盾をどう取り込むか、大きな流れの中で個性が現れる。(大樹)

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    2024年01月21日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    物語とは、自分自身に現実にあるものを受け入れるもの。小説は現実に即した物語として、読み手や書き手に、そこにあるものを感じさせる。規則から生まれる合理性だけで世界は成り立っているわけではなく、そこにある偶然も含めて、その現実や矛盾をどう取り込むか、大きな流れの中で個性が現れる。

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    2024年01月21日
  • 小箱

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    心の中の木の陰の水溜まりには日が射しているけれど、思いの外深いようだったから蒸発することはなかった。その底には祈るように、幾つかの色のあるものが呼吸をしていて、それらのものに呼吸を合わせることが、この小説を読むことだった。

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    2024年01月14日
  • 凍りついた香り

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    ネタバレ

    とても静かな最後になって、この作品にふさわしい終わり方をしたなと思う
    まだ悲しさと静けさが漂っているかのような不思議な感覚が無くならない

    結局ルーキーがなぜ自殺したのか、履歴書に嘘を書いたのか、関わった全ての人に異なった情報を与え続けたのか、答えは分からなかった。
    ただ目の前に彼が息をして言葉を操って確かに存在していたことだけが事実、死んでしまった人の事で新しくわかることなんてそうそうないし真実は分からないことの具現化みたいな小説だったな

    今現実に起こっていること、目に見えているもの、それだけがリアルでそれだけが思い出になる
    死んでしまって過ぎた過去の中で生きていた人間はもう「記憶」の中に

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    2024年01月14日
  • 口笛の上手な白雪姫

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    ネタバレ

    とても綺麗で素敵な物語でした。
    特に、『先回りローバ』、『亡き王女のための刺繍』が印象に残りました。全体的にふんわりとした雰囲気で、穏やかな気持ちになれます。

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    2023年12月30日
  • 琥珀のまたたき

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    目は口ほどに物を言うとはよく言ったものです。この本に書いてある文を読むと目で見た情報が思い起こされます。正解なんていらないし、至極シンプル。言語化レビューするのも憚られるくらい喰らっちゃったけど記憶のアウトプットに。小川洋子さんは何か特殊能力でも持ってるのかしら?

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    2023年12月20日
  • 博士の愛した数式

    QM

    購入済み

    ずっと気になっていた作品

    かなり前から存在は知っていたのですが、なるほどこういうお話だったんですね。
    博士と、男の子とそのお母さんと、3人が共に関わり合い成長していく姿に感動しました。

    #感動する

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    2023年12月19日
  • からだの美

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    イチロー選手が打球をつかみとり、ふりかえり、すぐさまホームに向かって投げる。見方のミットに吸い込まれていく。その肩をとおし、人々は記憶に刻まれた太古の肉体の美と再会する。と、いうふうに表現する小川洋子さんの文章がすごくいい。

    他には、ミュージカル俳優の声、棋士の中指、ゴリラの背中、バレリーナの爪先、卓球選手の視線、フィギュアスケーターの首、ハダカデバネズミの皮膚、力士のふくらはぎ、シロナガスクジラの骨、文楽人形遣いの腕、ボート選手の太もも、ハードル選手の足の裏、レース編みをする人の指先、カタツムリの殼、赤ん坊の握りこぶし。

    改めて考えてみると共感することばかり。一瞬のからだの美しさをとらえ

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    2023年12月09日
  • からだの美

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    小川洋子さんのフィルターを通して生身の「からだ」を観察すると、「人間と人間以外」を分けて考えることは無意味だな、とつくづく思わされる。超一流のアスリートから生まれたての赤ちゃんまで。文章も写真もすべて美しい。

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    2023年12月02日
  • 琥珀のまたたき

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    琥珀の現在も過去を織り交ぜて描かれるストーリー構成。

    琥珀たち子ども三兄弟目線で話が進むので、おかしなこと(犯罪)が起こっていることに当人たちは気づかない。それが当たり前かのように起こる。
    ただ読者の私はこれが犯罪であることがわかるのでなんかやばい…とずっと違和感を覚える。

    母親の思考が結局ずっと謎だった。いくら末娘にトラウマを抱えていても監禁をするのはよくわからない。
    でもだからこそずっと不気味で、穏やかな時間が流れているはずなのに緊張感が走っていてとても面白かった。

    一番ママに従順だったオパールが最後ママに批判的なことを琥珀に言うのはきっと外の世界の住民であるジョーから色々話を聞いた

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    2023年11月15日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    人間というのは物事を了承出来ると安心する。了承不可なことは人間を不安にさせる。下手な人はそういう時自分が早く了承して安心したくなる。質問する側が納得したくてなにか言ってしまう。質問する側が物語を作ってしまうのでそうならないように心がけるべし。

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    2023年11月15日
  • 犬のしっぽを撫でながら

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    『博士の愛した数式』に関連したエッセイが最初に10本も続く。
    「数の不思議」の世界をもう一度感じることができた。

    次のテーマは「書く」ということへの想いやこだわり、ワープロや机といった書くために必要な物の話題などが語られる。

    そしてごく自然に「書く」行為を問い直すためのアンネ・フランクの足跡をたどる旅の話に繋がる。
    小川洋子さんのアンネ・フランクへの想いが伝わってきた。

    後半はこんな暮らしをして来たんだよ、という雑多な日常の出来事の思い出話になる。

    犬(ラブラドールの子犬のラブちゃん)と野球(阪神タイガース)が重要な生活の一部になっている様子が微笑ましい。
    「犬のしっぽを撫でながら」と

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    2023年11月12日
  • 偶然の祝福

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    短編集だが繋がっている物語  小川洋子の作品はどうしてこんなに理不尽さと生きる苦しみと愛情でいっぱいなのだろう。

     一つひとつの作品は時系列に並べてられていないが繋がっている。

     弟の死、自分勝手な母親、身勝手な愛人など腹の立つ登場人物がたくさん出てくるが、ここぞという時に援助の手が差し伸べられる。キリコさんの話や飼い犬アポロの具合が悪くなった時に登場した獣医などが正にそれで、読者としてはほっとし、小川ワールドに引き続き浸っていてもいいかなという気になるのだ。

     彼女の本をもっと読みたい。

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    2026年01月18日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    小川洋子と河合隼雄のキャッチボールが見事だ。河合隼雄のダジャレやわかりやすい例えが実に効果的だ。聞くことを専門にしている河合隼雄の手法が、ツッコミを入れて楽しんでいる。小川洋子は『博士の愛した数式』を読んで、なんとステキな文章と体温のある物語を書くのだろうと感心した。それ以降、あまり注目していなかったが、最近の小川洋子の言っていることが興味深いので、読み始めた。
    「生きるとは自分の物語を作ること」という言葉がいい。
    小説家は、いろいろと妄想を働かせることが仕事。河合隼雄は、「小説家と私の仕事で一番違うのは、現実の危険性を伴う。作品の中なら父親を殺すこともできるが、現実に患者さんが殺すと大変です

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    2023年10月25日
  • 洋子さんの本棚

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     平松洋子さんと小川洋子さん、2人の洋子さんが、各章のテーマに沿った心に残っている本を挙げて対談する対話集。本の紹介のようにもなっていて、読みたい本リストがまた増えました。
     特に心に残っているのは、「人生のあめ玉」の章。親と子どもとの関係で、子どものかわいらしさの記憶、そう言うものが5つでもあれば、記憶のあめ玉のように何百回とむいてなめる、というくだり。小川さんは、「叶姉妹よりママの方がかわいいよ」と言ってくれた息子さん。平松さんは、娘さんのおやつに置いておいたパンを、おいしいからお母さんにも食べてもらいたくて、ほんの少しパンを残して覚えたてのひらがなで「たべてね」と書いてくれた娘さん。その

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    2023年09月24日