小川洋子のレビュー一覧
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数冊読んだことがあって、基本的には好きな小説家の手による書評集。とはいえ、最初から書評という形を取られていたものではなく、ラジオで話したものの字起こしってことだから、ちょっとニュアンスが異なる。ラジオで流れるってことは、読書家ってよりはもう少し一般寄りの相手が対象となる訳で、それもあってか、選ばれて...続きを読むPosted by ブクログ
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多感な時期に読んで一番心に染みたのが小川洋子の作品だった。
優しいのに残酷、綺麗なのに歪んでいて、何処か切なくて美しい。
ずっとこの世界に浸り続けていたかった。Posted by ブクログ -
何度読んでも好きです。
癒し系ではない動物の短編集ですが、仄暗い世界に癒されました。
「帯同馬」と「ビーバーの小枝」が好きです。
「帯同馬」で、ディープインパクトとピカレスクコートという固有名詞が出てくるのが小川作品では珍しい感じがしました。あ、でも数式の江夏もそうか…。帯同馬、という関係性も密やか...続きを読むPosted by ブクログ -
世の中の片隅でひっそりと暮らしているひと。静かに寄り添う動物、または動物のかたちをしたもの。かなしみと小さなよろこび、現実かからそうでない場所に広がっていく、静謐な、著者ならではの世界。
ディープインパクトとともに海を渡ったピカレスクコートに自らを重ねる冒頭の「帯同馬」、亡くなった弟を心の片隅におき...続きを読むPosted by ブクログ -
タイトルの「夜明けの縁をさ迷う人々」の場面を想像してみる…夜明け。眩しい光が差し込めるがそれを嫌い闇を求めてさ迷う人々。小説はその場面を切り取り彼らは永久に日の目を見ることがない。小川さんの作品から感じる世界にはどれも独特の時間軸が存在し時間がゆったりと流れるている事。人と人との微妙な距離感。見事な...続きを読むPosted by ブクログ
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理系の知識を付けたいと思い、色々読んでたけど、文系の私に一番しっくりきたのがこの作品。数式や原理原則がつらつらと書かれているのではなく、物語的に宇宙とか鉱物などの自然科学のことが語られています。ロマンティックです。Posted by ブクログ
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時間を忘れて一気に読破したくなるサスペンスフルな小説もいいけど、
不思議でシュールでユーモラスな1つの短編の世界に
1日の終わりにじっくりと浸るのも読書の醍醐味だ。
本書はまさに寝る前に1話ずつ
ゆっくりと読んで欲しい短編集。
たちまち非日常にさらってゆく魔力と甘美な陶酔。
残り香のように漂う...続きを読むPosted by ブクログ