小川洋子のレビュー一覧

  • 薬指の標本

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    静かで、官能的で、狂気すらも感じる不思議な物語。
    「わたし」が「弟子丸氏」に靴をプレゼントされるシーンからどんどん不穏な空気が流れてくる。
    読後の余韻が好きでした。宝物。

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    2026年05月04日
  • 遠慮深いうたた寝

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    いちいち良い。作品にも滲み出ている気がするけど、物事の良い面を見つけてあげるのがとても上手な人なんだなとしみじみ思う。
    新米ママだった作者が、『紙おむつで育てると子供の情緒に影響する』という根拠のない噂を信じて、洗濯が大変な布おむつにこだわっていたというエピソード。「楽をするとそのツケが全部子供に回りそうで、怖かったのだ。」ってつづられていて、すごく愛だった。作者がすきな本もぜんぶ読んでみたくなった。やっぱり、小川洋子は言葉を扱うのがすごく上手だよね。

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    2026年05月03日
  • 博士の愛した数式

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    読みやすく、心が温まる作品だと感じた。
    博士の置かれている状況は複雑だが、博士自身は純粋で分かりやすい。
    それ故に、主人公、ルートへと温かさもまた伝播したのではと思う。
    解説では、学問という括りを超えて、数学と文学が結婚したと表現していた。数は無機質なものと思っていたが、素数・友愛数・完全数を博士から教えてもらい、性格を持った人物のように思えた。
    となると、数学自体も登場人物がおり、文学と同じ土俵にあるのではと新たな視点を得られた良い作品だったと思います。

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    2026年05月03日
  • 密やかな結晶 新装版

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    失う事が怖い人は間違いなくしんどくなる。
    でも、普段から私たちは常に何かを失っていることに気付く。
    だけどそれでも次の日が来る。

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    2026年05月02日
  • 人質の朗読会

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    反政府ゲリラの襲撃を受けて人質として捕らえられた8人。
    捕らえられてる時に語られた8人の過去の忘れられない物語と人質救出作戦通信班の政府軍兵士の過去の忘れられない物語を描いた作品です。

    ただの日常の中でも、心に残ることはあり、それを言葉にすることで、日常が面白くなるのかなと感じました。
    印象に残った話はやまびこビスケットでした

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    2026年04月29日
  • 劇場という名の星座

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    日常にある非日常の劇場。彼岸と此岸の境目で織りなす人の営み。誰もが主人公であり、誰もが闇の中から自分の道標を見つけ人生劇場を歩む。朝が来ない闇はなく、太陽はいつか沈む。そして新たな劇場の現れを待つ。

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    2026年04月29日
  • 博士の愛した数式

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    ネタバレ

    数学はよくわからないから、博士が丁寧に説明してくれるからありがたかった。
    220と284は友愛数という、じっくり説明を読み理解して、なんかわからないけど、わぁー素敵と感じた。
    ✳︎自分自身を除いた約数の和が、互いにもう一方の数になる最小の「友愛数(親和数)」のペア✳︎

    博士もルートも家政婦さんも、優しくて、素敵な話。
    ずっと心があたたかくなる話でした。

    義理のお姉さんは義弟をうとましく思っているのかと思ってたけど、そうではなかったことがわかり、切ない気持ちと、よかったという気持ちが両方。

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    2026年04月26日
  • 博士の愛した数式

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    算数は分数でズッコケました⁡
    ⁡⁡
    ⁡ってなことで、小川洋子の『博士の愛した数式』⁡
    ⁡⁡
    ⁡算数が苦手なわしは数式ってタイトルが入ってると手が震えて手が中々出なかったけど、良い本ってのは知ってたから積読してたけど、丁度出張のお供が少なくなってこの子が待ってましたと、わしをニッコリ見つめている様な感じがして連れ出す事に。⁡
    ⁡⁡
    ⁡ブルブルと震える手でページを捲るとなんだか優しさが溢れる文面に惹き込まれちゃう。⁡
    ⁡⁡
    ⁡小川洋子さんはホテルアイリスしか読んでなくて、ちょっと難しいってイメージがあったけど、これは愛に満ち満ちてて、グッとくる良い本じゃったね。⁡
    ⁡⁡
    ⁡√もええ子じゃし、数字や

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    2026年04月26日
  • 密やかな結晶 新装版

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    個人的に、小川洋子先生を読むならこの本を読んでくれ、と言いたくなる作品。
    世界観がしっかりと描かれており、すぐに没入することが出来る。大人向けのおとぎ話のようで、ひっそりと静かに、それでいて美しい文章に惚れ惚れしてしまう。
    世の中のあるものが消滅していく人と、消滅していかない人。それぞれの想いがきちんと描写されていて、胸が苦しくなる。苦しくなるのにどこか心地よい読後感がたまらない。

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    2026年04月25日
  • 劇場という名の星座

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    帝国劇場を巡る人の心の機微を丁寧に掬い取って、はたからは伺い知れないその人だけが持つ大切な何かを描くのと同時に、それらの話が星のように瞬いて、物語と物語が交差する瞬間静かに煌めきを放つ。とても好きな感じの本でした。

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    2026年04月26日
  • 博士の愛した数式

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    ネタバレ

    帯に300万人が泣いた!とデカデカと下品に書かれており、なんだこれと思ったのが最初の印象。
    見事に覆された。
    あまりにも儚くて、脆くて、切なくて美しいお話しだった。それでも確かに存在していた関係に、静かに心を打たれた。

    記憶が80分しかもたない博士。
    シングルマザーの家政婦と、その息子・ルート。
    三人が、数学と阪神を通して、静かに関係を結んでいく物語。
    小川洋子さんの描く「数学の美しさ」に心酔していく登場人物たち。そのまなざしや、ふとした仕草に宿る感情の揺らぎ。ものや人の機微を、ここまでやさしく、繊細にすくい取れるのかと、ただ圧倒され続けた。

    博士は子どもに対して決して上から教えない。大人

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    2026年04月25日
  • 耳に棲むもの

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    補聴器の営業マンを主軸にした連作。どんな生活をしていたらこんな話を思い浮かぶのだろうと思う。初期のグロさも感じられて面白かった。

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    2026年04月25日
  • 世にも美しい数学入門

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    藤原正彦の「数字を弄ぶ」という表現がとても気に入りました。
    自分も多少は弄んだとは思うのですが、数学者のそれには足元にも及ばないことが、よくわかりました。

    藤原正彦は、数学史にも造詣が深いようで、その点でも面白く読めました。

    『博士の愛した数式』の背景が垣間見れる本でもあるので、興味がある人は読んでみてはどうでしょうか。
    肩肘張らずに読めるので、数学の苦手な人にもオススメします。

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    2026年04月23日
  • 博士の愛した数式

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    ネタバレ

    とても気持ちの良い終わり方だった。言い方がうまく見つからないけれど、余分な涙を流す必要がなかった。
    本名や、未亡人と何があったのか明かされないところなどからも、この物語はこの厚みで、この文字数で100%なんだなって勝手に感じた。愛情、寛容、数学の面白さ、など、たくさんの喜びを感じる読書体験でした。

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    2026年04月22日
  • ブラフマンの埋葬

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    切なく美しい物語。
    家族にペットがいる人ならきっと胸を締め付ける切なさと、そばに居てくれるありがたさに共感できると思います。
    それだけでなく、一文一文が詩のように美しいです。こんなに綺麗なリズムと描写はこの作家さんならではの持ち味。
    ラストがとても切ないですが、綺麗にまとまり、それでいてそっと余韻を残すような終わり方でした。
    ずっと本棚に入れておいて、読み返したく小説でした。

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    2026年04月22日
  • 劇場という名の星座

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    帝国劇場が“主人公”の短編集。本を読みながら、初めて帝劇に行った時に見た風景や一緒に行った亡き母との思い出のあれこれが、それこそ走馬灯のようにぐるぐると脳内を駆け巡り、最初の話から完全にノックアウト。
    舞台関係者は勿論だけれど、一度でも観劇体験がある人にはきっと、登場人物の誰かに自分を重ね合わせたり、どこかの台詞に心慰められたりするはず。
    2030年。新しい帝国劇場で観劇できるように精進しないと!

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    2026年04月16日
  • 博士の愛した数式

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    子供の頃に何度も何度も読んだ本。人生で1番読んだ回数が多い本かもしれない。当時はこれが「名著」であることなんて分かっていなかった。

    受験勉強やら、就職やらで読書から離れた期間があり、それでも教師という私の職業柄、本の素晴らしさに再度気付くことができた。そんなこんなで、しばらく色んな本を読み漁っていたが、この本は何度も読んだことがあったので、法律上大人になってからは一度も読んでいなかった。ここまで自分も成長(?)してきているのだから、なぜ昔の自分があんなに魅了されていたのか分析くらいできるようになっているだろうと思って、現在に至る。

    読んでみた。

    魅了されすぎて分析する余地もなかった。

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    2026年04月16日
  • ことり

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    初小川洋子作品。

    吉本ばななと同様に自分に合っていると感じた。

    この作品は寂しい作品だと思った。

    鳥を通して、小父さんの人生を語った作品で小父さんという鳥を鳥籠にいれて、様子をみているような感覚。

    余韻の寂寥感がすごいため、元気のあるときに読むことをおすすめします。

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    2026年04月15日
  • 博士の愛した数式

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    ネタバレ

    阪神ファン必読。作中に出てくる選手の中で、現役時代を知らない選手もいるものの、作中に阪神の話がたくさん出てくるので特に興味を持って読むことができた。逆に言うと、私は学生時代数学に苦手意識を持っていた。そんな私でも、数学というものの面白さの一端を垣間見ることができた。映画の宣伝などで「80分しか記憶の持たない博士」の要素が強調されていたが、それはこの温かい話のための一要素であり、親子とこの博士の数学を通じての温かいやりとりに心がほっこりするそんな話だった。決して悲しい話でなかったのが良かった。

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    2026年04月13日
  • 劇場という名の星座

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    帝国劇場を思い出しながら読んだ。
    フィクションだけど、この作品の中に書かれている人物や椅子が実在していたら…と想像しながら読むととても楽しかった。
    初めて帝劇に行ったのは子供の頃母に連れられて『レ・ミゼラブル』を観に行った時。最後に帝劇に行ったのも母と『レ・ミゼラブル』を観に行った時。
    私にとって帝劇は母と行く場所で、『レ・ミゼラブル』を観に行く場所だったんだなぁと改めて思った。
    でももっと他の作品を観たかったし、もっともっと通いたかった…
    新しい劇場はどんな感じになるのだろう。
    ステンドグラスの裏に住んでる少年がまた住める場所があるといいな。

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    2026年04月11日