小川洋子のレビュー一覧

  • 博士の愛した数式
    こういうハートウォーミングな作品は定期的に読むべきだな。特に小さな子を持つ親が読むと感情移入が倍増する。した。
  • 博士の愛した数式
    大好きな本。

    80分しか記憶が持たない数学者と、家政婦さん、その一人息子ルート君のお話し。

    美しく神秘的な数学の世界を3人の共通言語として、ときには誕生日から素数の話になったり、タイガースの防御率の話になったり。

    ルートと呼ばれるほど平らな頭を、博士がくしゃくしゃと撫でる。

    80分しか記憶が...続きを読む
  • 博士の愛した数式
    第一回本屋大賞を受賞したタイミングで母が買ってきたこの本を21年前に読んでいる。
    小川洋子さんの「猫を抱いて象と泳ぐ」を昨年読んで、どこかで読んだような文章だと感じていたが「博士の愛した数式」と同じ作家と気付けないまま過ごしていました。

    妻が読み終わったこの本が本棚に追加され、横目でなんとなく見る...続きを読む
  • 密やかな結晶 新装版
    初めの数十ページのうちは少しずつ読んでいく本になるかなと思ってたけど、思ってたより読みやすいし続きが気になるしで中盤以降はかなりの勢いで読み進めてしまった〜。

    次々と何かが消えていく島、という設定が本当に面白かった。例えば香水が消えるとき、香水という存在がなくなるだけじゃなくて、その香りをよいと感...続きを読む
  • 博士の愛した数式
    読んでいる途中から、もう、大好きだって人に言ってまわりたくなるような本だった。
    私には野球の知識が皆無と言っていいほど無いのが残念だが、一昨年母親になったばかりの私には博士のルートに対する愛情が尊く思えてしかたなかった。
    数学は学生時代から好きな方だったが、「数字」の綺麗さをこんなに感じたことはなか...続きを読む
  • 博士の愛した数式
    47歳の時の交通事故で脳に障害をうけ
    記憶が80分しかもたない64歳の元数学教授の博士
    そこへ派遣されたシングルマザーの家政婦と10歳の息子
    この3人と博士の義理の姉
    主な登場人物はこれだけ
    博士と家政婦とその息子の日々の暮らしが描かれています



    *・゜゚・*:.。..。.:*・*・゜゚・*:....続きを読む
  • 博士の愛した数式
    80分しか記憶が保てない博士と、家政婦の私、息子のルート。3人のどこか切なくて胸を締めつけられるが、どこまでも、あたたかい話だった。
    記憶が保てず、積み重なっていくものが無い博士だが、ルートに対して深い愛情を示し、ルートもまた、博士に対して深い信頼と理解を示す。二人の関係が本当に素敵だった。
    そして...続きを読む
  • 博士の愛した数式
    伝説の第一回本屋大賞受賞作!ついに読めました!
    第一回にふさわしい本当に素敵で心の温まるお話でした。
    家政婦さん(私)とルートと博士の物語。博士は80分しか記憶が持たない数学者。そんな博士のもとに家政婦として赴任した私とその息子であるルートの、絆と優しさの詰まったお話です。
    博士と私の雇用する側とさ...続きを読む
  • 最果てアーケード
    ささやかな生活と、死
    年を重ねて変わるもの、変わらないもの

    アーケードの住人になったような気持ちになる
  • 博士の愛した数式
    主人公とその息子「ルート」が、記憶保持80分の数学博士と心を通わせる物語。
    限られた時間の中でいかに絆を深めるか、重要なことは何か教えられた。
    博士の記憶保持時間が短くなり、施設へ入所しても親交は途切れず、ルートの道標となって行く博士は彼にとって大きな存在となる。心温まる物語。
    2024/05/26
  • 博士の愛した数式
    「記憶が不自由なのです。」記憶障害。2024年現在、記憶に関するドラマを観ることが多くなった。
    例えば、不慮の事故で脳を損傷した主人公は、過去2年間の記憶をすべて失い、新しい記憶も1日限り、寝て起きたら前日の記憶がなくなってしまう記憶障害。毎朝起きて机の上の日記を読み、失った記憶を覚え直すことから1...続きを読む
  • 生きるとは、自分の物語をつくること
    とても良い。常々思っていた疑問の答えがここにあった。
    小川洋子氏との対話形式なのでストンと心に落ち着く。
    もっともっと対談して欲しかった。小川洋子氏の長いあとがきが良い。繰り返し読んでいこうと思う。
  • 博士の愛した数式
    数学と文学のつながりをここまで鮮やかに表現できるものかと驚いた。かつ、人間の定義した概念と人間の思考、真理について考えさせられる話だった。
  • 博士の愛した数式
    もう何度も読みましたが、その度に、人に寄り添うとはこういうことなんだと教わります。とても、とても温かい物語です。映画で博士役をなさった寺尾聰さんは、私の学生時代の王子様。そして虎党歴が半世紀を越える私にとって、お守りのような小説です。
  • 薬指の標本
    表現がたまらなく好きで読む手が止まらなかった。2作とも取り憑かれたかのように人に吸い込まれていく主人公が印象的だった。もちろん私自身そんな思いを抱くような人や場所に出会ったことはないが、いくら危なっかしいとは言えそれも運命なのだろう。
  • 猫を抱いて象と泳ぐ
    言葉、文章、物語、世界観、全てが大好きな作品です。
    ゆっくり静かに物語が展開していき、幸せな何かがあるわけじゃないんだけど、じんわり心が温かくなります。
    手元において何度も読みたいなと思っています。
  • 博士の愛した数式
    相手に対する親しみと敬愛の気持ちを示し、相手の不運をともに悲しみ幸運をともに祝う。そんな友情?や絆は同年代でなくとも同性でなくとも体や心の不自由を持っていてもあるんだな、というより自分にない特性を持っている相手との方が強い絆になるのかもしれないなと思った。
    そして、子どもの純粋さとかひたむきさとか素...続きを読む
  • 凍りついた香り
    何が面白かったかとか、
    どこが良かったのかとか、
    言葉にするのはとても難しいけど、
    読んでいてただただ心地良かったです。
    敢えて言うなら文章が心地良い。言葉選びとかリズムが好きです。

    最愛の人を突然失った女性のお話。
    調香師の彼からオリジナルの香水をプレゼントされた翌日に彼は自殺…
    それだけでもか...続きを読む
  • 薬指の標本

    孤独と不思議な他者

    自然に滑らかに読めてしまうけれど、いろんな細かいところまで神経が
    行き届いている描写が好きです。どちらの語り手も孤独な女性で、内面
    や身体的な感覚の一部まで読んでいるとこちらが同化一体化してしまって
    いるよう。傷ついた自分がもしかするともっと危ない世界に引き込まれる
    ような感覚、逆に自分の中にある悪...続きを読む
  • 博士の愛した数式
    数学に対する言語化できないような手触り、肌感覚が美しい言葉で表現されている。その繊細な数学の対極にあるような阪神タイガース。にもかかわらずうまくマッチしている不思議な世界。