小川洋子のレビュー一覧

  • 博士の愛した数式

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    何度だって読みたくなる。疲れている時、何の本を読もうか迷っている時、なんとなく博士の埃っぽい部屋に戻って、意味不明な数の世界へ。愛すべき人しか出てこないこの本が大好き。

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    2026年10月05日
  • 劇場という名の星座

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    劇場独特の雰囲気の表現の仕方や、登場人物一人一人の個性がとても良く、小川先生独特の雰囲気。
    短編ではあるが、個々の話が所々繋がっていて、帝国劇場が人々を繋ぐ要因になっているのが読み取れる。
    帝国劇場で上演された舞台がよく話の中に出てくるので、その作品達を観劇をしたことがないと伝わりづらいかなと思う部分もある。
    個人的には1.3.8の話が好き。
    帝国劇場の杮落とし楽しみになった。

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    2026年10月05日
  • 博士の愛した数式

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    ネタバレ

    「ちびた鉛筆でメモを書いて、身体に貼っている時の博士を見ると、僕はいつも泣きたくなるんだ」
    受け入れ難いハンデを抱えながら懸命に生きている様はとても強く見えるけど、やっぱり辛い。強さと切なさが両立している。その中で博士の謙虚さと、愛がすごく尊い。記憶がもたない博士にとっては、数学が博士と人とを繋ぐ道具にもなっていた、だからこそ博士は数式を愛していた。でもそれは博士が元々「人」「子供」を無条件に愛していたということが前提になる。記憶が無くなってからも、同様にルートを愛していたように、だからこそ博士の偉大さが分かる。博士、ルート、「私」みんなの優しさに心温まる作品だった。

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    2026年10月04日
  • 博士の愛した数式

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    静かで知的で温かい、読んでるあいだ終始じんわりと涙がでるような物語だった。
    80分しか記憶がもたない博士が、記憶が更新されないまま生きる難しさが生々しく描かれる一方で、どんな時でもルートを必ず優先して優しく接する所に愛と品位を感じたし、10歳のルートも自然に博士を思い遣っていて、なんて優しい世界だろうかと思った。

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    2026年10月04日
  • 妊娠カレンダー

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    まるで目の前で感じられるような描写が素晴らしい。文章が身近で分かりやすい描写で自然と頭に入ってきてそれがイメージになる感覚。ストーリーにも余白があり想像が膨らんで心地よい。

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    2026年10月01日
  • 続 遠慮深いうたた寝

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    小説は『博士の~』しか読んだことがないが、4年前のエッセイ『遠慮深いうたた寝』がとてもよかったので続編にも大いに期待していた。思ったとおり心に染み入る内容だった。小さなことを丁寧に言葉ですくいあげるような。いろんな作家さんのエッセイを読んできたけれど、どんな風に本と向き合ってきたかということを語るときが特にそれぞれの著者の内面が立ち上がってくるように感じる。
    p176(引用)本は決して、読み手を否定しない。どんな読み方をされても、黙って受け止める。移り変わっていく読み手に、辛抱強くより添ってくれる。そういう本が、私にとっても名著だ。(引用終わり)

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    2026年10月01日
  • 博士の愛した数式

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    80分間しか記憶を保てない「博士」、家政婦の「私」、その息子の「ルート」。この3人の互いを思いやる空気感がとにかく優しくて心地よくて心に沁みるし尊い。数字が繋ぐ温かい絆に涙。
    私も人に優しくありたい…。人間の良心を思い出させてくれた一冊。

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    2026年09月29日
  • 博士の愛した数式

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    何度読んでも、読むたびに博士の愛に触れている感覚になる

    全てを包み込む尊い0と愛
    何でも入れられるn

    この先も、何度も読んで、愛に触れて、自分の立ち振る舞いを見直すきっかけにしたいと思う作品

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    2026年09月28日
  • 博士の愛した数式

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    博士の家政婦の息子ルートに対する優しさがほっこり。記憶が80分しかもたないなんて辛過ぎるけれど、それだからこその優しさが泣ける。みんな優しくホッとするストーリー。
    川上弘美の『センセイの鞄』と混乱しており、家政婦といつそんな関係になるのかドキドキしてしまった。こちらは恋愛無しだけれどとても良いお話しでした。

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    2026年09月28日
  • 博士の愛した数式

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    博士の記憶は80分しか持たない。
    「80分」で生きる博士は、「永遠」である数を愛した。
    それはまるで複雑に見える計算式がひとつにまとまっていくように、世代の異なる3人を数式が紡いでいく。

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    2026年09月26日
  • 猫を抱いて象と泳ぐ

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    悲しい。そんな生涯があるんだ。
    誰も知らなくとも確かにそこには一人の生きた証があった。小さな幸せと静かな日常が。
    小川洋子さんの美しい日本語、色々と儚い運命、それらが相まって始終幻想的だった。引き込まれて一気に読んだ。
    物語の最後にタイトル回収。
    猫と象が何のことかわかる(読んでいて既に薄っすら気づいていたけれど)
    読後感も独特で個人的に好きな世界観だった。

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    2026年09月26日
  • ことり

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    この本は、「愛」について教えてくれました。


    兄は、何かしら診断が下りる症状(自閉症など)を抱えています。
    私は弟がその特徴を自然に受け入れて、生活に大きな不都合を感じずに共に生活していることに驚き、心を打たれました。
    (弟はある程度の不都合や不満を感じることがありましたが、受容します。)


    これが「愛」なのかな、と思いました。


    他の本で読んだ受け売りになりますが、
    私にとって「愛」とは、
    「その人を、あるがままに受け入れて大切にすること。」
    だと思います。

    弟は、まさにそれを体現しているなと思いました。
    兄は自分の特性上、仕事をすることが難しく、家事をすることも難しい。
    鳥の言葉以外を話せないから、他者とコミュニケーションをとることも難しい。
    自宅と保育園の鳥小屋を往復するだけの生活しか出来ない。

    そんな兄の特性をごく自然に受け入れて、兄を大切にした弟。
    二人の関係性と人生が静かに流れていく描写が、優しく心に残りました。


    世の中には色々な特性を持つ人がいますが、
    「あるがままに受け入れて大切にする」ことを
    誰もが(私も)出来たら、もっと優しい世界になるのになぁ、と思いました。

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    2026年09月26日
  • 劇場という名の星座

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    帝国劇場には行ったことないけれど、古き良きものを自分らしく大切にしている人たちは素晴らしいと感じた。オフラインのものを大切にしていきたい。

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    2026年09月25日
  • 猫を抱いて象と泳ぐ

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    本当に、いつも不思議な世界に連れて行ってくれる。
    その紡ぐ言葉の美しいこと。
    電車の中で読んでいて、降りるのが嫌になってしまった。
    チェスを知っていたら、もっと面白いのではないかと好奇心も湧く。
    狭い世界にいながら、入り込む世界は無限。他人の価値観なんて無意味だと改めて思う。リトル・アリョーヒンの出逢う人の優しさと真っ直ぐさに癒される。
    もっともっと読んでいたいと思わされる。

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    2026年09月23日
  • 人質の朗読会

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    人質の朗読会という、タイトルも、テーマも心惹きつけられた。
    人質一人一人の人生の印象的な出来事が物語として語られるのだけれど、ドラマチックな出来事ではなく、少し不思議だったり少し不穏だったり、ある人からすると見逃しているような出来事が大切に語られているのが、とても良かった。
    文章を読んで慎み深いと思ったのは初めてだけど、全ての語りが静かで染み渡った。

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    2026年09月23日
  • 密やかな結晶 新装版

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    その島で起こる「消滅」とは人々から物の記憶が消えること。消滅が起こると人々は消えたモノを粛々と処分し、それについての記憶をなくしていきます。
    中には記憶を持ったままの人もいますが、そういう人たちは記憶狩りの対象に。秘密警察に見つかったら彼らは連れ去られてしまうのです。

    カレンダーが消えて春が来なくなり雪が降り続く。多くの島民と同じように、消滅を受け入れながら暮らす小説家の「わたし」は、古くからの付き合いのおじいさんと共に、記憶が消えない男をかくまっています。

    途中に挟み込まれる、主人公の書いた小説も、だんだん趣きが変わってきてゾクッとします。

    周りのモノが一つずつ消えていき…終盤には消えっぷりが加速!もう脱力のラスト。

    やっぱり小川洋子さんの雰囲気ですね、静かで綺麗で、ものすごく不穏。

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    2026年09月26日
  • 博士の愛した数式

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    数字の美しさと文章の美しさ両方に魅せられた作品だった。博士の心の温かさや切なさを感じて、2回くらい泣いてしまった。

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    2026年09月22日
  • 余白の愛

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    ジャスミンの香りの節で胸が苦しくなった。耳鳴りの音楽的な色付け、速記者の指のもつ癒し。耳と指、こんなに小さくて狭い世界の中で目の前の身体だけをみずみずしく映し出してもらえることの嬉しさ。

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    2026年09月20日
  • 劇場という名の星座

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    劇場の持つ「異界」性を、うまく物語に取り入れている。
    舞台にハマった人なら
    そういうこともあるかも
    (あってほしい)
    と思うストーリーだった。
    とても豊かな読後感。
    劇場に足を運びたくなった。

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    2026年09月20日
  • 海

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    小川洋子さんの書く物語を読まないとなれない感情がある気がする。今回もそれをたくさん味わうことができた。

    『ひよこトラック』が特に好きでした。言葉を発さない少女とドアマンの男の、なんだか不思議な交流がかわいかったです。

    解説に、吉田篤弘さんやウラジーミル・ナボコフなど好きな小説家の名前が出てきてなんだか嬉しかったです。
    『バタフライ和文タイプ事務所』を読んで『薬指の標本』を思い出したのは間違いではなかったらしい。『密やかな結晶』『薬指の標本』に並んで挙げられていた『沈黙博物館』も読んでみたいです。

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    2026年09月19日