小川洋子のレビュー一覧

  • ホテル・アイリス

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    ネタバレ

    読者を選ぶ内容だと思いますが
    すごく主人公に共感しました

    変わらない日々、どうしようもない嫌悪と、母親(他人)殻否定される主人公、だけど今現状の世界から出ていくことはできない少女
    そんな少女はたまたま老人に恋をした、それが汚い罵り言葉から始まった事だが、きっとどこに彼女の希望があったのだと思う。
    罪を抱え最後にしたいと考えていた老人、そして変えられないけど終わりにしたい認めて欲しいと望む少女。
    二人が認め合える、愛し方というのは「破壊」しかないのかもしれない。

    自分がどこか消えてしまいたい、破壊されたいと望んだ時に読むと救われた本です。

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    2025年07月27日
  • ミーナの行進

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    赤毛のアンを彷彿とさせるようなでも数十年前の芦屋での美しい世界の物語。とても好きなジャンルだった。
    物語のどの登場人物も大好きになれたし、小川洋子さんの日常を美しく彩る文才のお陰でこの本を通じて心が綺麗に洗われた気がする。起承転結があるようなどんでん返しがあるようなタイプのお話ではないが、一気読みしてしまった。

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    2025年07月27日
  • ゴリラの森、言葉の海(新潮文庫)

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    か〜な〜り〜前から
    読みたいなと思いつつ
    なかなか出会う事なく
    保留にしていた本
    (↑そんなんばっかり)

    初見でびっくり!という
    知識的な所は無かったけど
    おふたりそれぞれの
    知識や経験や諸々...が
    スパークしてる感じが
    とても良かった

    人間も「父親」になる
    というのは難しいように
    ゴリラも学んで経験して
    尊敬される「父親」に
    なるのだ...格好いい〜!

    人様にもおすすめしたい本!

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    2025年07月22日
  • ミーナの行進

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    友達に誕生日プレゼントでもらった本
    いつも読む続きが気になってドキドキとかどんでん返しとかではないけど、ミーナと朋子の思い出を読んでいると心が温まる感じがした。自分がしんどい時に読んだ部分でちょうどミーナが泣いていた。
    仕事帰りの電車で少しずつ読んだから時間がかかったけど、どんなに仕事で嫌なことがあっても帰り道が楽しみでこの1ヶ月乗り切れた。

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    2025年07月16日
  • ミーナの行進

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    思い出は色褪せないことを教えてくれる 
    芦屋の洋館、伯父さんの家で1年暮らすことになった朋子の日記のようなお話。読んでいるときに、脳裏に描き出される人物や景色や出来事が、なんていうか自分もそこにいたい!と嫉妬させられるほど生き生きとして素晴らしい。
    そして、時々「あれから何十年たっても」みたいな描写が入ると、そうかこの出来事は遠い昔のことか、と思いながらも、私にとっても決して忘れたくない色褪せてほしくない大切な思い出になる。読み終わりたくなかったが、読み終わったあとすごく前向きになれた。大好きな作品に仲間入り。

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    2025年12月05日
  • 妊娠カレンダー

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    ネタバレ

    2回読みました。1回じゃ正しく理解できなかった。

    ○妊娠カレンダー
    単純に言ってしまえば復讐譚なのだけど、そんな単純な言葉で表現しきれないのがこの作品。

    印象的だったのは、匂いに過敏になった悪阻中の姉に配慮して、主人公は庭で夕飯を作るのだが、食べられない姉をあざ笑うかのように、主人公は炊飯器の湯気が立ち上ってゆくさまを心安らかに眺め、大きな口を開けてシチューと一緒に「夜の闇」を飲み込むところだ。主人公は夜の闇とともに、心の闇を飲み込み自分のものとする。
    かたや、悪阻が終わった姉は「彼女の存在そのものが、食欲に飲み込まれてしまったように」食べつくす。その姉のお腹には主人公がDNAを壊す(と信

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    2025年07月06日
  • 科学の扉をノックする

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    これは面白い!一気読み。しばしば感涙しそうになる。「1.宇宙」「2.鉱物」「3.DNA」「4.スプリングエイト」「5.粘菌」「6.遺体科学」「7.トレーナー」という科学のスペシャリスト7人へのインタビューなんだけど、この感動はなんだろう?どの方も素晴らしいのは確かなんだけど、お話を聴き受け止める小川さんの感性に共感するところが大きいのかなぁ。

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    2025年07月05日
  • 薬指の標本

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    平凡な日常を生きる読者がひょんなきっかけで異常な世界に引き込まれ囚われていく様子が絶妙なタッチで描かれています。ページ数少なめの割に充実の物語でした。

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    2025年07月01日
  • そこに工場があるかぎり

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    ものを作ることは人間にしかできないこと。
    それは人間に想像力があることとイコール。

    穴を開ける、お菓子、乳母車、ボート、ガラス、鉛筆。
    派手ではないけれど、なくてはならないものを作る人々。
    それを見て、文章を書く小川さんの視点がよい。
    小川さんの工場のチョイスもいいし、大変楽しい工場についての本でした

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    2025年06月16日
  • ミーナの行進

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    ほっこりしました。誰でも子どもの時にあるような家族の経験なのに、小川さんの手にかかればまるで詩のような美しい物語になってしまう。素晴らしい話だった。ミーナがきちんと大人になれるかハラハラしたが、ドイツまで行進できて、無事に仕事にも就けて安心した。いつまでも仲の良い2人でいて欲しい。

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    2025年06月01日
  • 耳に棲むもの

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    小説と並んで、装幀、装画・挿絵もすばらしい。群像に掲載された短編を集めた作品集です。なかでも『骨壷のカルテット』の世界観と描写は、これぞ小川洋子さんというもので、これから私は何かにつけて「耳に棲むもの」に思いを馳せることになりそうです。

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    2025年05月31日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    対談の柔らかくあたたかい雰囲気が良い。
    カウンセリングと物語の話もとても興味深いが、個人的には、河合隼雄さんの著書や対談を通して小川洋子さんが「なぜ小説を書くのか」という、若い頃には答えるのが苦痛だった問いに対して、「誰もが物語を作っているのだ」という気づきを得て答えを見つけていった、というあとがきの文章がとても素敵だった。

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    2025年05月22日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    タイトルに惹かれて。金言だらけだった。人間はつらいときにその人なりの物語として落とし込んでいる。「個」は自分の知ってる範囲内。人間は矛盾しているから生きている。

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    2025年05月17日
  • 口笛の上手な白雪姫

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    8つの短編の中で『亡き王女のための刺繍』は小川洋子さんならではの妖しい毒っ気が美しかった。『かわいそうなこと』も良かったなあ。敏感なアンテナを大人になっても持ち続けている作者は日々の中で辛くなることはないのだろうかと心配になると同時に羨ましい。
    でも、一番好きだったのは『一つの歌を分け合う』。同じ時代を生きる人たちは大縄跳びみたいに次々この世を抜けていく。だけどそれはおしまいじゃなくて、帰れる、焦がれた人たちに合流できるという優しい気持ちで越えられる一線。レミゼラブルから受け取れるうちのそんなひとつを、たった二十数ページで表せられるのがすごい。

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    2025年05月17日
  • 博士の愛した数式

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    博士の愛した数式

    何度読み返ししても、博士と家政婦さんとルートの絆に温かい感情が湧いてきます。映画もこの作品の品格を損なわない素晴らしいものでした。

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    2025年05月15日
  • 海

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    小川洋子の書くお話ってどこかすいすいと夢を見ているようなんだけど、最後のインタビューに「短編は短い妄想」と書いてあって安心した。妄想は最も自発的で積極的な夢といえるからね。「そこにしか居場所がなかった人たち」。そういえば『猫を抱いて象と泳ぐ』もそうだったな。

    本当に小川洋子は均衡感覚に優れている。本書でもそう感じさせられた。生と死、理性と感性、温かさと冷たさ、それぞれが拮抗しているラインのたったひとつの交点にその小説がある。それより少し右でも左でも上でも下でもない。文字数もこれ以上多くも少なくもない。この完璧主義的でさえある小説を、なんというか無意識的に書いてそうなところがますます恐ろしい。

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    2025年05月05日
  • アンネ・フランクの記憶

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    今度オランダ旅行へ行くので、『アンネの日記』を読み始めました。
    そこからアンネに興味が出て調べていたところ、こちらの本を発見。
    アンネの足跡を辿るエッセイという事で、旅行前にピッタリだと思い読んでみました。
    実際にアンネの日記に登場する方にお会いしていて驚き。小川さんの繊細な言葉遣い、描写に涙が出そうになる場面もありました。
    旅行関係なく、すごく好きなエッセイになりました。

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    2025年05月05日
  • 遠慮深いうたた寝

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    エッセイを久しぶりに読んでいます。昔好きだったのは、向田邦子さん、伊集院静さんのエッセイ。小川洋子さんのエッセイも面白い。一つのお話から得るものがいくつもある。

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    2025年04月27日
  • 海

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    様々な物語が収録されているが中でも私がオススメしたいのが『ひよこトラック』


    初老のドアマンが元々住んでいたアパートの大家と揉め事になり引っ越す事から物語が始まってゆく、
    海老茶色の屋根に煙突が一つある家に住む事になった。
    そこには七十の未亡人と無口な少女が住んでいて、1年前に少女の母が亡くなり未亡人が娘の引き取り同居していた。

    無口な少女と初老のドアマンが関わっていく中で化学変化が起き、今まで無口だった少女が最後にドアマンにあるプレゼントを贈る。それは読んでからのお楽しみ♪

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    2025年04月19日
  • 猫を抱いて象と泳ぐ

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    「ああ、これは書きながらさぞかし興奮しただろうな。」と思わされる調った美しい1冊。

    枝葉末節まで拘られた緻密さ/読んでいて夢の海を泳いでいるような雄大さ。静謐で/力強い。嬉しくて/悲しい。希望的で/絶望的。理性的で/感情的。モノトーンで/カラフル。そのバランスたるや!完璧としか言いようがなかった。

    読み手も大分エネルギーを求められる分、なんだかキョウソウ(共創/協奏/競争)してるなあと思わされる。旅か漂流か、読んでいてどこか遠くへ連れて行かれる。

    彼らはずっと「そこ」にいるのに。

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    2025年04月13日