小川洋子のレビュー一覧

  • 猫を抱いて象と泳ぐ

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    チェスなんて知らないし難しそうだな、と思いつつ読み始めたらスルスル読める。すーっと入ってくる。最後は泣かずには読めない。

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    2026年01月08日
  • からだの美

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    ネタバレ

    スポーツ選手、将棋の棋士、俳優、文楽の人形遣い、赤ちゃんなどの体の一部に焦点を当てたエッセイ。他にもレース編みをする人の指先、とか、動物の体に着目したものも。「ハダカデバネズミの皮膚」っていうのが面白かった。それぞれ写真が添えてあり、「外野手の肩」のエッセイではイチロー選手が遠投しているときの写真が載っている。本当に、美しい。「力士のふくらはぎ」では、もうほぼ、後ろに倒されているのに、それでも相手より持ちこたえようと、ひざから下の力だけで自分の全身を支えているありえない写真が。
    「その時」体の一部がどうなっているのか、なぜこんなにも美しいのかと、小川洋子さんにしか綴れない言葉で綴っている。本当

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    2024年11月20日
  • やさしい訴え

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    ネタバレ

    小川洋子さんの静かで芯があって冷たい印象なのにどこか温かい文章が好き。
    薫さんと新田氏の不思議な関係、惹かれました。
    そこに隙間を探し、入り込もうと躍起になる主人公の気持ちにも共感できる。
    別荘の時間の流れ、現実から切り離された雰囲気。

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    2024年11月20日
  • 琥珀のまたたき

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    母親から与えられた壁の内側の生活は色んな愛溢れた暖かい生活だと思いながら読んでいましたが、後から恐ろしい内容だったなとじわじわ気づかされました。それくらい言葉が優しく美しいです。

    オパール、琥珀、瑪瑙が成長するにつれて隠し事が増えていく度に、母親に愛されていたい、母親が好きなこどもでいたいという想いを感じてしまい切なくなりました。

    小川洋子さんは私の知らない感情を引き出して満たしてくれます。とても大好きな作家さんです。

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    2024年11月14日
  • NHK「100分de名著」ブックス アンネの日記 言葉はどのようにして人を救うのか

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    すばらしかった

    「紙は人間よりも辛抱強い」
    言葉は心を外に放つ通路

    ことばは、希望あり光であり宝

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    2024年10月31日
  • 掌に眠る舞台

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    舞台にまつわる(?)短篇集。
    それぞれに心の底で驚いたり、えーっと思ったり。
    そして最後は、ちょっと鳥肌が・・・

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    2024年10月30日
  • ブラフマンの埋葬

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     小川洋子さんの作品を読んでいると、やはり他の作家の方々とは一味違う、静けさのようなものを感じずにはいられない。あとがきにもあったが、まるで夢のようである。
     小川洋子作品の特徴として、登場人物の素性がわからないという点は誰もが知る所だろう。この点があるために、登場人物の感情に入り込みすぎず、夢を見ているように、俯瞰的に作品と向き合えるのかも知れない。

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    2024年10月21日
  • 海

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    ネタバレ

    小川洋子さんの本、大好きなんだけど、きちんと受け止めることができないときに、自分にとってもガッカリするので、読み始めるのに勇気がいるのだが、この短編集はどのお話もそれそのものにもどっぷり浸かれるし、その奥にあるものを手にできそうな感覚がたまらなく良かった。

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    2024年10月17日
  • 口笛の上手な白雪姫

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    表題にもなっている「口笛の上手な白雪姫」は、公衆浴場の片隅で、入浴中のおかあさんから赤ちゃんを預かって子守りをするだけのために存在しているおばあさんのおはなし。
    「ただひたすら赤ん坊のためだけに我が身を捧げている」というシンプルながらもそれを全身全霊で成し遂げるおばあさんの潔さと尊さに心を打たれる。

    小川洋子の小説はいつもそう。
    たったひとつの大事なことを狂信的なまでに守り抜く高潔さがとても美しい。すごくいいよね。

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    2024年10月16日
  • 約束された移動

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    「元迷子係りの黒目」はデパートで迷子になった子どもを見つけ、そっと手助けする女性が登場する。

    「彼女はいきなり大きな声で話しかけたりはしない。まずは。目配せを送る」

    これが彼女の思慮深い子どもへの声掛けの仕方で、なんて慎ましやかなんだろうかと感嘆する。

    小川洋子さんの紡ぐ物語には、誰も気にしないようなちいさなちいさな世界の片隅で、ただひたすらにひとつの役割を果たす人々が描かれていて、読むたびに「わたしもこんなふうに淡々と自分の役割を全うする人生を送りたいな」って思ったりする。

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    2024年10月16日
  • アンネ・フランクの記憶

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    作家の小川洋子さんが、アンネ・フランクの足跡を辿りに隠れ家や親友を訪ねて取材する。
    彼女は、ユダヤ人虐殺やナチスの蛮行のシンボルとしてではなく、純粋にアンネの文章を楽しみ、友人として接する。
    強制収容所では、「何百万人が」とか「無数の人が」と言ってひとまとめにしてしまうのではなく、一人一人の遺品、旅行カバンや、メガネや、靴や、子どものおもちゃやおしゃぶりなど…
    一人一人を尊重し、想いを馳せる。

    大雑把にまとめて、分かった気になるのはよくあることだと思う。
    「戦争になったらたくさんの人が死ぬ」
    そこには、人一人が死ぬということの恐怖が宿らない。
    だから、こうやってアンネフランクという一人の少女

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    2024年10月09日
  • アンネ・フランクの記憶

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    ネタバレ

    また素晴らしい本に出会ってしまった…
    アンネフランクを辿る小川さんの一週間の旅の紀行文。

    アンネの日記=戦争のことを知る読みものとしての浸透の仕方をしているけど、作者の小川さんは違う。
    ″純粋な文学として読んだ″と記されていて、それは、ナチスの犠牲者という歴史的事実とは別のところで、ただただアンネが書く文章に親しみを持ち、一人の友人が生きた歴史や受けた影響を知りたくて彼女のルーツを辿る旅に出ているのよ、という純粋な気持ちが、文章の節々から伝わる。

    小川さんの旅の進め方、アンネに携わる人々へのインタビューのスタンス、ホロコーストやユダヤ人への理解、全てが、大きな歴史を知るというより、アンネと

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    2024年09月08日
  • ブラフマンの埋葬

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    小川洋子らしい、静謐で穏やかだけれど、そこに世の中の秘密というか、簡単には触れられない大事なものがそっと置かれているような世界。
    死は悲劇でもネガティブなものでもない。生の対極にあるものじゃなくて、生のそばにただあるものなのかなと思える。
    ブラフマンの愛らしさの描写が卓越している。

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    2024年09月07日
  • まぶた

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    不穏で美しい。例えるなら廃墟の遊園地みたいな本だと思います。
    私は特に匂いの収集からのバックストロークの流れが大好きです。しん、とした閑けさと、現実ではありえないような情景がありありと浮かぶ繊細な描写は、ページを読まなくても思い浮かぶくらい何度も読みました。
    私にとっては誰もいない夏休みの、湿っぽいでも冷ややかな図書室を想起させる本です。

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    2024年09月04日
  • ミーナの行進

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    例に漏れず小川洋子さんの美しい言葉選びと静かななストーリー展開が至高の物語だった。
    『薬指の標本』や『妊娠カレンダー』のようなひんやりとした静けさではなく、『博士の愛した数式』のように柔らかくて暖かな静けさだった。
    阪神芦屋駅、須磨海岸、天王寺動物園と馴染みのある場所を舞台にこんなに素敵な物語が紡がれて嬉しい。
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    美しくて、かよわくて、本を愛したミーナ。あなたとの思い出は、損なわれることがない――懐かしい時代に育まれた、ふたりの少女と、家族の物語。谷崎潤一郎賞受賞作。

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    2024年08月20日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    優しい、柔らかい言葉の中に散りばめられたメッセージ。
    分けられないものを分けてしまうと、大事なものを飛ばしてしまうことになる
    噛み締める。

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    2024年08月19日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    河合隼雄さんが入院する2ヶ月前の対談で、最後の対談と言われている。
    相手が作家の小川洋子さんだからかもしれないが、河合さんがリラックスして喋っている。
    以下の小川さんの追悼の話が、どうも私の頭から離れません。

    『対談の途中、先生は一度、深い悲しみの表情を見せられました。御巣鷹山に 墜落した日航機に、九つの男の子を一人で乗せたお母さんの話が出た時でした。 心弾む一人旅になるはずが、あんな悲劇に巻き込まれ、お母さんは一生拭えな い罪悪感を背負うことになったのです。その瞬間、先生の顔に浮かんだ表情、 思わず漏れた声、 宙の一点に絞られた視線、それらに接した私は、失礼にも「先生は本物だ」と確信しまし

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    2024年07月28日
  • 最果てアーケード

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    この物語は「小さい時の思い出から」と、エッセイ『遠慮深いうたた寝』に書いてあった。
    だから、このアーケードでの出来事を語る「私」とは小川洋子さんだ。

    小川洋子さんは、岡山市中区森下町で生まれ育ち、11歳に祇園町に引っ越している。
    岡山市のどのアーケードの思い出なのだろうと思っていたが、パリのパサージュをイメージしていたそうだ。

    日常の「とるにたらないものもの」への想いを綴った、江國香織さんの作品を思い出したが雰囲気は違った。
    「最果てアーケード」は、だれがそんなものを必要とするの?という品物を扱っている商店の人々の物語だった。

    『ブラフマンの埋葬』でもそうだったが、本書も人の名前が出てこ

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    2024年07月15日
  • 海

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    夢か現か分からなくなる感覚を味わえる文体の作家はそこまで多くない。言葉にならない思いを文字として示し、徐々に空想に浸らしてくれる。
    作者久々の短編集はそういった現実で起きているにも関わらず、どこか現実ではない空気感が魅力の物語で、浮遊感を感じた。
    表題作『海』、『ガイド』や『風薫るウィーンの旅六日間』等、年齢差を超えた関わり合いはどこか滑稽で、あまりに魅力に満ちている。もう今はない失われてしまった日常を描く作家小川洋子さん、まだまだ読み続けていきたい。

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    2024年07月15日
  • NHK「100分de名著」ブックス アンネの日記 言葉はどのようにして人を救うのか

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    アンネは自分と年が近いので共感する部分が多かった。時代が違えば彼女は幸せになってただろうと思うと切ない。

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    2024年07月03日