小川洋子のレビュー一覧
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ネタバレ小川洋子さんらしさはあるのだけど、今までに読んだ作品とは少し雰囲気が違う印象。ほかの作品で共通して感じるのは、薄暗くてどことなく埃っぽい空気感。『ミーナの行進』はもっと明るい陽だまりのなか、物語が展開していくようなイメージだった。
日本とドイツ、歳の近い2人の従姉妹(ミーナと朋子)、広くて豪華な芦屋の洋館。少女たちが一緒に暮らしたのはほんの1年にすぎないが、2人にとって忘れることのできない思い出になる。華やかな容姿を持つがなぜか家に帰ってこない伯父さん、一人でじっと何かに耐えるようにウィスキーと煙草を燻らせる伯母さん。双子の妹と家族を哀しい理由(ナチスの迫害)で亡くした過去をもつローザおばあさんに、洋館のことはなんでも把握しているお手伝いの米田さん、庭師でありコビトカバのポチ子のお世話係・小林さん。
ミーナと朋子はミュンヘンオリンピックを前にバレーボールに熱中したり、流星群を見るための初めての朝までの夜更かし、ポチ子との突然の別れや歳上の青年たちへの憧れの感情など、たくさんの経験を共にする。
2人の少女のただの冒険や成長の物語ではない、読み応えたっぷりで心が浄化される温もり溢れる物語という感じ。 -
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知人のおすすめで手に取った、小川洋子さんと河合隼雄さんの対談本『生きるとは、自分の物語をつくること』。
この本はまさに、私の「読み、聴く」という営みが深く意味づけられる内容でした。
対談されているお二人は、小説家と臨床心理学者であり、「物語をつくる」という共通点をお持ちです。
臨床心理では、人々が自分の物語をつくるのを手助けする。
小説家は、意識的に物語を生み出し、それを読んで人が救われる。
「もしや私がやっていることは、本を読むことで、物語を豊富にストックし、他者の物語化の材料として差し出すことではないか」と自らの行いに輪郭をもらえた心持ちです -
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物語は既にそこにある。
小川洋子さんにかけられる「なぜ小説を書くのか」という問いは、私が人に「なぜ山に登るのか」と問われる時と似ているものかあった。「なぜ登るのか」と聞かれるのは「なぜ生きるのか」と問われるのに等しい。説明できないからこそ、自分は山に登っている……。なんて、私における山の存在って、小川洋子さんにとっての小説くらい、知らぬ間にこんなに大きくなっていたのか、と驚いた。
河合隼雄さんのトークセンスが光に光っていており、一気に大好きになった。今まで存じ上げなかったことがもったいないくらいに素敵な方。谷川俊太郎さんとバカ飲みしたエピソードだけでも面白かったのにその勢いは留まることを知らず、荒唐無稽文化財のところでトドメを喰らって思わず電車でニヤついてしまった。新幹線のくだりも好き。そういうユーモアのある人が新幹線を命名したのかな、とか想像。
『ブラフマンの埋葬』を読んでいたので、ぜひ続きの対談が行われてほしいところだった。きっと著者が一番そう思っていることだろう。
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ネタバレ命は尊いものであり、生きていると色んなこと起こってくるけど、感動を大切にしたいと、この本を通して感じた。
やまびこビスケットの大家さん
整理整頓は自己防衛の最良の武器である。意地悪なばあちゃんってイメージが強いけど、これはその通りなのかも。大家さんと動物園に行くほど仲良いって、すごい展開
亡くなる最後まで、整理整頓を心掛けてた。守り抜いた、人間味のある内容でもあり、深かった。
B談話室
公民館の部屋、談話室。いろんなことに使われてる。
受付の女性に無理やりな感じで参加することなった。行き当たりばったりで話してるのがすごい。
最後、おじさん40年もやって、女性なんていない、あの女性はなんだったんだろう…
冬眠中のヤマネ
おじいさんとの出会いが、眼科医になろうという、背中を押した経験でもある。
コンソメスープの名人
隣の娘さんの料理かっこいい、憧れる。一切迷いがない様子とか。
槍投げの青年
こんなに槍投げの様子を豊かな表現でこんなにも文で書けることに感動。さぞかし青年かっこいいんだろうな。
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博士の愛した数式が良かったから他の読も〜と思って、小川洋子が好きという人からおすすめされて読んだ。短編です。けど、4つあるうちの3つは苦手だった。(冷めない紅茶は良かったよ)
はっきり言うと胸くそ系だと思う。でも、主人公の心の中で思っていることや自分が嫌悪する世界を見る視線の残酷さ、悲しいことに、認めたくないんだけど、それはどこかで知っている気がする。それを言語化して突きつけられると、だとして何?って言いたくなってしまう。自分の中に心当たりがあるが故にこうやって怒りのような気持ちが湧いてくるんだと思う。不快感、というか不愉快感?
はぁ〜、まじでここまで変態性を描かれてしまうと暗い気持ちになるよ。でも、だとして何、を感じるのが小説を読む醍醐味でもあるからな〜。久しぶりに自分の許容範囲を越えたという点では読んで良かったし、何を伝えたかったんだろうとすんごく悶々とさせられた。そしていつまでも記憶にも残ってしまうんだろうけど、決して好きではない。だかしかし高評価は押さざるを得ない。
あと、あの人なんでこの本をわたしにおすすめしてきたんだろう…?(ザワザワ)みたいな気持ちにもなっちゃった。。 -
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『博士の愛した数式』『猫を抱いて象と泳ぐ』『ブラフマンの埋葬』を過去に読んだことあり。ブラフマンがかなり純文系で、以降あまり手に取らず。久々に手に取った。
いい本だった。やはり作家の書く文章に限る。半端な訳者の文とは読みやすさが違う。
西の魔女よろしく、田舎での素敵な思い出が綴られた形式の作品。日常のちょっとした所作や会話に光を当てて、美しさを感じさせる文章だった。
ちょっと自分でもやってみる。
好きな季節というものが決まっていなかったのだが、今年で明確に「秋」になった。
仕事から逃げるように、金曜日の午前中に、メトロにのって江戸川の汽水域に。太陽光をキラキラと跳ね返す川面を眺めながら、ハゼ釣りを満喫。途中、天気雨に降られたが、日差しを反射して、はっきりと視認できる雨粒が、星のようだった。
今年は秋刀魚が豊作。ラグビー選手みたいなイカつい上背をしているのが、250円くらいで買える。IHコンロに乗せたフライパンで塩焼きに。小さい一人暮らしの部屋、グリルがないのが残念。何回も食ったが、最初に食ったやつが一番美味かった。
海産物のコーナーにいくと、1,000円もあれば贅沢できることがわかる。白子を1パック買って、まるごと白子ポン酢に。臭みがでないように、丁寧に下処理をしてから、九条ネギとポン酢に浸して、缶ビールと。調理の儀式を経ると、自然と食べる頃には、感謝の気持ちが湧いてくる。
サザエも丸ごと2個買って、壷焼きにして食ってやった。友達と行った居酒屋、「時価」と書かれたサザエが、1個2500円。2人でそれだけで5,000円もぼったくられたことを、俺はまだ忘れていない。正しい値段を確かめるように食ってやった。そうだ、お前は2個で700円だ。
ラフランスと柿がスーパーに出始めた。季節が早いから、自宅で追熟。段ボールの中に、まだ色が青いやつらと、リンゴ・バナナを同封しておくと、追熟が促されて甘みが増してくる。毎日箱を覗きながら、今日で10日くらい。ラフランスを一つ頂戴。手間のかかるやつだが、熟したときの甘さと香りはやはり格別。
「日常のちょっとした所作や会話に光を当て」るつもりが、会話など存在しておらず、飯しか出てこない件。
友達と会って、旅行にでも行って、酒を飲みながら、こういう話をしたい、こういう体験をしたい。なぁ。 -
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ネタバレヘンリー・ダーガー他、過去の人たちのエピソードから
インスパイアされ書かれた10の作品。
とても小川さんらしさに溢れた短編集。
母乳ババロアをこんなにさらっとそこに自然にむしろ必然的に
あるように書けるのは小川さん以外いない、と思います。
過去の人たちのエピソード自体も面白く
装丁もとても良かったです。断然文庫派なので
文庫待ちですが違う絵になってしまってたら
ハードカバーを買うかも。。
2025年10月7日再読
結局文庫を購入しました。
1度目のときに書いた「母乳ババロア」が書かれた作品で
「再読だわ…」と思い出しました。
誘拐の女王
主人公よりお姉さんのその後が気になります
散歩同盟会長への手紙
今回のNo.1。小説を書いてみたい、と思ったことはないんですが漫画を描いてみたい、とは思ったことがあるので主人公の気持ち、ちょっと分かるなぁ
カタツムリの結婚式
これは作品よりパトリシアハイスミスの経歴に目が行ってしまった。カタツムリを300匹飼育…。
臨時実験補助員
赤ん坊は本当にいたのかどうか。静謐なホラー。
肉詰めピーマンとマットレス
娘がいたらこんな感じなのかな、羨ましい。
若草クラブ
少女の妄想力がすごい。 -
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朋子が過ごした立派なお屋敷ではないけれど、子どものころ、一時期祖母の家で過ごした日々が、今でも色濃い思い出となっていることを、改めて感じました。
朋子にもミーナにも、伯父や伯母、ローザおばあさん、米田さんに小林さんにも、朋子の母にも、そしてポチ子にも心のどこかに影はあって、それでも、温かく過ごした日々を想像すると涙が滲みます。
そして、いつか来るお別れも、すべてが消え去ってしまうわけではなくて形をかえるだけなのだと思うと、私自身にも必ずいつかは訪れる様々な人との別れ、自分自身との別れ(本作を読んだあとでは、別れという表現は違う気がしますが)が、恐ろしいものではないのかも知れないなと思うことができました。
寂しい気持ちになったとき、また読み返したいと思います。