小川洋子のレビュー一覧

  • 博士の愛した数式

    購入済み

    数学が1番好きなのですごく刺さりした。
    数学を入れ込むとどうしても論理的で冷たくなりがちですがこの作品は心が温まる作品です。引き続き数学を勉強したいと思います笑

    #感動する

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    2025年01月30日
  • 最果てアーケード

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    ささやかな物品や情景から垣間見える人柄など
    目にうかぶお話。
    今は無き、故郷の昔馴染んだ店々が思い浮かぶ。
    八角形のラーメン屋、祖母と行ったおやきとかき氷、手芸屋のおじさん先生、甘茶の匂いのお茶屋、飴色の喫茶店のコーラフロート、乾物屋のじいちゃん、母の財布を盗んで行った駄菓子屋、犬と散歩に行った時可愛がってくれた、食パンがとにかくおいしいパンやさん、やさしいお姉さんの肉屋さん、

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    2025年01月14日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    内容を全く予想していなかったが、とんでもなく良き出会いとなった一冊。どのページをとっても河合隼雄先生の温かさ、目の前の一人の人間にぶつかる真剣さ、そしてプロフェッショナルに触れる事ができた。


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    2025年01月11日
  • ブラフマンの埋葬

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     この人の文章、多分特に自分のツボなんだろうけど本当に魅力的。

     小説の面白さの一つは、読み進めながら自分なりに想像を膨らませて着色していくところにあると思うけど、この作品ほど読者に想像のゆとりを設けてるものは無いように思う。

     建物ひとつとっても、動物ひとつとっても、読む人によってまったく違った色形で記憶になっているような気がする。

     小川洋子さんにしか書けないこの尊さというか、儚さというか、整いきった危うさはなんなんだろう。
     沈むみたいに、縋るみたいに、飲み込まれるみたいに、ずうっと文章を読んでいたくなって、不思議。

     今作においては、人物などの固有名詞が出てこないという世界観も

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    2024年12月31日
  • 人質の朗読会

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    お店の名前はこの本のB談話室からとったようだ。

    「B談話室は町の片隅の、放っておいたら素通りされてしまう、ひっそりとした場所に隠れている。だから僕は、B談話室で行われている営みを間違いなくこの世に刻みつけるために、小説を書いている。」

    第八夜の花束と第九夜のハキリアリが特に好きだった。

    解説が俳優の佐藤隆太さんなのすごい。

    小川洋子さんのあとがき「面白みのない生活の中にも、書かれるべきことが隠れています」「それらを見つけ、言葉ですくいあげてゆくときのわくわくする気持ちが、わたしはやはり好きです。」

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    2024年12月25日
  • からだの美

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    細部に宿った魂について書いたエッセイ。バレエダンサーの爪先、力士の膝、シロナガスクジラの骨……それぞれに細部に込められた魂や芸術がある。

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    2024年12月09日
  • NHK「100分de名著」ブックス アンネの日記 言葉はどのようにして人を救うのか

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    100分de名著をたくさん読む。を目標にしました。記念すべき一冊目。
    原書は有名だけど読んだことないし、けっこうネガティブな評判を聞いていたこともあり、読もうという気持ちもなく。。

    泣きました。号泣。
    いろいろ考えさせられたけど、感銘を特に受けたのは、迫害を受けている中でもユダヤ人たちがなにかを学ぼうとする、その尊い力。
    大人から子供まで、未来があると信じて学ぶ意味を見出し外の世界とつながろうとする。
    ユダヤ人が優秀で成功者が多いその一端を見た気がしました。

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    2024年11月30日
  • からだの美

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    ネタバレ

    スポーツ選手、将棋の棋士、俳優、文楽の人形遣い、赤ちゃんなどの体の一部に焦点を当てたエッセイ。他にもレース編みをする人の指先、とか、動物の体に着目したものも。「ハダカデバネズミの皮膚」っていうのが面白かった。それぞれ写真が添えてあり、「外野手の肩」のエッセイではイチロー選手が遠投しているときの写真が載っている。本当に、美しい。「力士のふくらはぎ」では、もうほぼ、後ろに倒されているのに、それでも相手より持ちこたえようと、ひざから下の力だけで自分の全身を支えているありえない写真が。
    「その時」体の一部がどうなっているのか、なぜこんなにも美しいのかと、小川洋子さんにしか綴れない言葉で綴っている。本当

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    2024年11月20日
  • やさしい訴え

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    ネタバレ

    小川洋子さんの静かで芯があって冷たい印象なのにどこか温かい文章が好き。
    薫さんと新田氏の不思議な関係、惹かれました。
    そこに隙間を探し、入り込もうと躍起になる主人公の気持ちにも共感できる。
    別荘の時間の流れ、現実から切り離された雰囲気。

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    2024年11月20日
  • 琥珀のまたたき

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    母親から与えられた壁の内側の生活は色んな愛溢れた暖かい生活だと思いながら読んでいましたが、後から恐ろしい内容だったなとじわじわ気づかされました。それくらい言葉が優しく美しいです。

    オパール、琥珀、瑪瑙が成長するにつれて隠し事が増えていく度に、母親に愛されていたい、母親が好きなこどもでいたいという想いを感じてしまい切なくなりました。

    小川洋子さんは私の知らない感情を引き出して満たしてくれます。とても大好きな作家さんです。

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    2024年11月14日
  • 人質の朗読会

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    特殊な状況下にありながら(あるからこそ)静かに語られていく何気ないけれど印象的な出来事たち。ものすごく特別、というわけではないかもしれないけれど、少し風変わりで、確実にその人の中に残り、ほのかに息づいてる物語たちが良い。

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    2024年11月13日
  • NHK「100分de名著」ブックス アンネの日記 言葉はどのようにして人を救うのか

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    すばらしかった

    「紙は人間よりも辛抱強い」
    言葉は心を外に放つ通路

    ことばは、希望あり光であり宝

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    2024年10月31日
  • 掌に眠る舞台

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    舞台にまつわる(?)短篇集。
    それぞれに心の底で驚いたり、えーっと思ったり。
    そして最後は、ちょっと鳥肌が・・・

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    2024年10月30日
  • ブラフマンの埋葬

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     小川洋子さんの作品を読んでいると、やはり他の作家の方々とは一味違う、静けさのようなものを感じずにはいられない。あとがきにもあったが、まるで夢のようである。
     小川洋子作品の特徴として、登場人物の素性がわからないという点は誰もが知る所だろう。この点があるために、登場人物の感情に入り込みすぎず、夢を見ているように、俯瞰的に作品と向き合えるのかも知れない。

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    2024年10月21日
  • 海

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    ネタバレ

    小川洋子さんの本、大好きなんだけど、きちんと受け止めることができないときに、自分にとってもガッカリするので、読み始めるのに勇気がいるのだが、この短編集はどのお話もそれそのものにもどっぷり浸かれるし、その奥にあるものを手にできそうな感覚がたまらなく良かった。

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    2024年10月17日
  • 口笛の上手な白雪姫

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    表題にもなっている「口笛の上手な白雪姫」は、公衆浴場の片隅で、入浴中のおかあさんから赤ちゃんを預かって子守りをするだけのために存在しているおばあさんのおはなし。
    「ただひたすら赤ん坊のためだけに我が身を捧げている」というシンプルながらもそれを全身全霊で成し遂げるおばあさんの潔さと尊さに心を打たれる。

    小川洋子の小説はいつもそう。
    たったひとつの大事なことを狂信的なまでに守り抜く高潔さがとても美しい。すごくいいよね。

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    2024年10月16日
  • 約束された移動

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    「元迷子係りの黒目」はデパートで迷子になった子どもを見つけ、そっと手助けする女性が登場する。

    「彼女はいきなり大きな声で話しかけたりはしない。まずは。目配せを送る」

    これが彼女の思慮深い子どもへの声掛けの仕方で、なんて慎ましやかなんだろうかと感嘆する。

    小川洋子さんの紡ぐ物語には、誰も気にしないようなちいさなちいさな世界の片隅で、ただひたすらにひとつの役割を果たす人々が描かれていて、読むたびに「わたしもこんなふうに淡々と自分の役割を全うする人生を送りたいな」って思ったりする。

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    2024年10月16日
  • 貴婦人Aの蘇生 新装版

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    あなたの家には『動物製品』があるでしょうか?

    『動物』と言われて私の頭に浮かぶのは木彫りの熊の置き物です。北海道に旅行した親戚からお土産にもらった真っ黒なそれは、存在感抜群にしばらく家のリビングに鎮座していました。やがて北海道を旅行した時に土産物屋に大量に並んだ木彫りの熊を見て思わず苦笑いした時のことを覚えてもいます。

    しかし、改めて考えてみれば木彫りの熊は、熊を模したものであって『動物製品』とは異なります。それを『動物』からできたものと捉えるならば『剝製、毛皮、牙、角の類』がそれに当たるのだと思います。残念ながらいずれも私の身の回りにはないものばかりです。毛皮もなく、フェイクファーしかな

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    2024年10月14日
  • アンネ・フランクの記憶

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    作家の小川洋子さんが、アンネ・フランクの足跡を辿りに隠れ家や親友を訪ねて取材する。
    彼女は、ユダヤ人虐殺やナチスの蛮行のシンボルとしてではなく、純粋にアンネの文章を楽しみ、友人として接する。
    強制収容所では、「何百万人が」とか「無数の人が」と言ってひとまとめにしてしまうのではなく、一人一人の遺品、旅行カバンや、メガネや、靴や、子どものおもちゃやおしゃぶりなど…
    一人一人を尊重し、想いを馳せる。

    大雑把にまとめて、分かった気になるのはよくあることだと思う。
    「戦争になったらたくさんの人が死ぬ」
    そこには、人一人が死ぬということの恐怖が宿らない。
    だから、こうやってアンネフランクという一人の少女

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    2024年10月09日
  • アンネ・フランクの記憶

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    ネタバレ

    また素晴らしい本に出会ってしまった…
    アンネフランクを辿る小川さんの一週間の旅の紀行文。

    アンネの日記=戦争のことを知る読みものとしての浸透の仕方をしているけど、作者の小川さんは違う。
    ″純粋な文学として読んだ″と記されていて、それは、ナチスの犠牲者という歴史的事実とは別のところで、ただただアンネが書く文章に親しみを持ち、一人の友人が生きた歴史や受けた影響を知りたくて彼女のルーツを辿る旅に出ているのよ、という純粋な気持ちが、文章の節々から伝わる。

    小川さんの旅の進め方、アンネに携わる人々へのインタビューのスタンス、ホロコーストやユダヤ人への理解、全てが、大きな歴史を知るというより、アンネと

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    2024年09月08日