小川洋子のレビュー一覧

  • 完璧な病室

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    博士の愛した数式が良かったから他の読も〜と思って、小川洋子が好きという人からおすすめされて読んだ。短編です。けど、4つあるうちの3つは苦手だった。(冷めない紅茶は良かったよ)
    はっきり言うと胸くそ系だと思う。でも、主人公の心の中で思っていることや自分が嫌悪する世界を見る視線の残酷さ、悲しいことに、認めたくないんだけど、それはどこかで知っている気がする。それを言語化して突きつけられると、だとして何?って言いたくなってしまう。自分の中に心当たりがあるが故にこうやって怒りのような気持ちが湧いてくるんだと思う。不快感、というか不愉快感?
    はぁ〜、まじでここまで変態性を描かれてしまうと暗い気持ちになるよ

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    2025年11月13日
  • ミーナの行進

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    小川洋子さん特有の、品のある美しい表現と、淡々と描かれる情景の中にある優しさや温かさが、沁みました。
    私は、小川洋子さんの、冷たくて少し怖いくらいの描写や物語が好きだったし、その毛色の小説しか読んでなく、どことなく末恐ろしい結末を予想していたので、それが覆されて嬉しい発見だった。

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    2025年11月09日
  • 遠慮深いうたた寝

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    私たちに近い日常も、小川さんの目を通すと全く違う世界が広がり、偶然居合わせた一瞬にさえ光を見出す。その眼差しが見つめる先から新たな物語が始まるのだとわくわくが止まらない。
    まるで短編集のような珠玉のエッセイ。

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    2025年10月28日
  • ミーナの行進

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    『博士の愛した数式』『猫を抱いて象と泳ぐ』『ブラフマンの埋葬』を過去に読んだことあり。ブラフマンがかなり純文系で、以降あまり手に取らず。久々に手に取った。

    いい本だった。やはり作家の書く文章に限る。半端な訳者の文とは読みやすさが違う。

    西の魔女よろしく、田舎での素敵な思い出が綴られた形式の作品。日常のちょっとした所作や会話に光を当てて、美しさを感じさせる文章だった。

    ちょっと自分でもやってみる。


    好きな季節というものが決まっていなかったのだが、今年で明確に「秋」になった。

    仕事から逃げるように、金曜日の午前中に、メトロにのって江戸川の汽水域に。太陽光をキラキラと跳ね返す川面を眺めな

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    2025年10月26日
  • 薬指の標本

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    封じ込めること、分離すること、完結させることが、ここの標本の意義だからです。
    繰り返し思い出し、懐かしむための品物を持ってくる人はいないんです」

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    2025年10月18日
  • 続 遠慮深いうたた寝

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    好きな本。とにかく、装丁から世界観がとってもよい。どこを読んでも小川洋子さんの世界。当たり前なんだけれど、言葉の紡ぎ方と展開にハッとさせられながら、とても安心する。

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    2025年10月16日
  • ブラフマンの埋葬

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    犬でも猫でもない謎の生き物である「ブラフマン」がとても愛おしい。人物や場所の名前が「ブラフマン」以外に出てこないのも特徴で、その為か、現実感に乏しく幻想的な雰囲気がある。好きだけど悲しい。

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    2025年10月11日
  • 薬指の標本

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    この話に一切恐怖心が湧かず、親愛感すら湧いてくる事が怖い。いつの間にかそちら側に取り込まれている感じがする。

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    2025年10月10日
  • ミーナの行進

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    主人公の朋子が従妹・ミーナとその家族とカバ・ポチ子と過ごした1年間。裕福でおばあさんがドイツ人で、少し変わった家族たちとカバのポチ子。何が起きるわけでもない家族たちの日常ひとつひとつが宝物のように大切に描かれていてなんだか懐かしい気持ちになる。歪んだ心の持ち主などが一切でてこない本当に美しい物語。読んでよかった。

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    2025年10月10日
  • 不時着する流星たち

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    ネタバレ

    ヘンリー・ダーガー他、過去の人たちのエピソードから
    インスパイアされ書かれた10の作品。
    とても小川さんらしさに溢れた短編集。

    母乳ババロアをこんなにさらっとそこに自然にむしろ必然的に
    あるように書けるのは小川さん以外いない、と思います。

    過去の人たちのエピソード自体も面白く
    装丁もとても良かったです。断然文庫派なので
    文庫待ちですが違う絵になってしまってたら
    ハードカバーを買うかも。。

    2025年10月7日再読
    結局文庫を購入しました。

    1度目のときに書いた「母乳ババロア」が書かれた作品で
    「再読だわ…」と思い出しました。

    誘拐の女王
    主人公よりお姉さんのその後が気になります

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    2025年10月07日
  • ミーナの行進

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    朋子が過ごした立派なお屋敷ではないけれど、子どものころ、一時期祖母の家で過ごした日々が、今でも色濃い思い出となっていることを、改めて感じました。

    朋子にもミーナにも、伯父や伯母、ローザおばあさん、米田さんに小林さんにも、朋子の母にも、そしてポチ子にも心のどこかに影はあって、それでも、温かく過ごした日々を想像すると涙が滲みます。

    そして、いつか来るお別れも、すべてが消え去ってしまうわけではなくて形をかえるだけなのだと思うと、私自身にも必ずいつかは訪れる様々な人との別れ、自分自身との別れ(本作を読んだあとでは、別れという表現は違う気がしますが)が、恐ろしいものではないのかも知れないなと思うこと

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    2025年10月07日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    敬愛する御二方の対談は、読めども読めども、自分自身の未熟さばかりを思い知らされるものだった。どのように生きれば、人とこのような対話を交わせるようになるのか。。。10年後の自分よ、その片鱗でも分かるようになっていて欲しい...!

    とりわけ小川洋子先生のあとがきからは、小川先生のお人柄が文章からこれでもかと伝わり、随所でうっとりとしてしまう。
    内容もさることながら、まるで水面にしとしとと降る静かな雨のように、優しく、美しく、やわらかな日本語が、体に染み渡っていく。

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    2025年09月29日
  • 人質の朗読会

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    何かの比喩かな?と思った「人質の朗読会」というタイトル、そのまま「人質の朗読会」の話でした。

    その人質は全員亡くなったことが明かされ、複雑な気持ちで読み始めることになります。

    人質となってから時間も過ぎ、少し周りを見る余裕ができる頃。囚われの身である8人もだんだん打ち解けてきたのかな。
    殺伐とした状況の中で、せめて穏やかな時間を過ごすためにできる事。
    未来がどうなるわからない今、絶対に確かな過去の記憶を思い出し、したため、語る事。そしてそれに耳を傾ける事。
    それで自分を、お互いを支えていたのかな。生きるための朗読会であることは間違いなく、だから切ない。

    他人からしたらなんて事ない出来事だ

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    2025年09月24日
  • 博士の愛した数式

    購入済み

    心温まる

    言わずと知れた名作。
    不器用ながら愛に溢れた博士と親子の交流に、心が温かくなります。
    博士の過去などを詳しく描かず、匂わせる程度なのも良かったです。

    #ほのぼの #切ない #癒やされる

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    2025年09月21日
  • 科学の扉をノックする

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    科学のスペシャリスト7人のお話は、平凡な暮らしをしている私には到底聞き及ぶ事のない分野のお話ばかりで、時に難解なものがあるのは当然のこととして、とても興味深く貴重なお話の数々、感動しながら読みました。
    そもそも科学の扉をノックする小川洋子さんが流石だな〜というのと、それを読みやすくまとめてあるのがまたすごい。

    村上和雄先生のサムシンググレート。
    アポロ宇宙飛行士もその言葉を発したのではなかったでしょうか。
    偉大なる何ものか。先生の本も読んでみたい。

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    2025年09月21日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    『小川洋子のつくり方』の中の全作品紹介を読んで興味を持った一冊。
    大学で心理学を専攻した身として、河合隼雄はもちろん知っていたけれども、なぜかどうしても著書を読む気持ちにならず、当時周りがみんな読んでいたのに、何となく話を合わせて読まなかったわたし。
    今この本に出会えて良かった。

    ''人間は矛盾しているから生きている、整合性のあるものは生き物ではなく機械です''
    矛盾を意識し、折り合いをつける。その折り合いの付け方が個性であり、物語だ、と。2人がそこで共感していて、共感し合えることが素晴らしいと思った。

    その物語を小説にして見せてくれる小川洋子さんの

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    2025年09月15日
  • そこに工場があるかぎり

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    すごく面白くて1時間半ほどで一気読み。見学する工場に基準はなく、とにかく著者の気になる工場に行ったそう。

    出てくる工場は、
    ·エストロラボ(細穴屋)
    ·グリコピア神戸
    ·桑野造船(ボート)
    ·五十畑工業(サンポカー)
    ·山口硝子製作所(ガスクロマトグラフィーの部品)
    ·北星鉛筆

    時々出てくる著者の妄想劇が面白くてクスッとする。作家さんってやはり想像力が豊かなのだろうか。

    また、工場見学のレポは細やかで温かな視点で書かれており、これまた笑ったり、なるほどと唸ったりと読んでいてとても楽しかった。

    同著者の『科学の扉をノックする』も読んでみたくなった。

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    2025年09月14日
  • 人質の朗読会

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    やっぱり小川洋子作品にはハズレがない。夢の中にいるような、原風景を見ているような、生きているけどすぐ側には常に死があるような。この本の中で特に好きだったのは「やまびこビスケット」「B談話室」「槍投げの青年」「花束」かなー。解説で紹介されている小川さんの言葉「物語として残しておきたいと願うような何かを誰でも一つくらいは持っている」「それらを見つけ、言葉ですくいあげてゆくときのわくわくする気持ちが好き」。自分には出来ない言語化をしてもらってる感じ。

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    2025年09月07日
  • ホテル・アイリス

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    ネタバレ

    かなり食らった
    官能小説だと聞いて読んだが官能的なものもエッセンスにありつつも穏やかで脆く儚い小川ワールドが広がっていて、それに加えていつもよりも激しさを増した表現が響いた
    主人公の気持ちに入り込みやすかった 心情表現の奥ゆかさも凄い

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    2025年09月07日
  • ブラフマンの埋葬

    「ブラフマンの埋葬」

    この小説は、人にも場所にも名前がないおとぎ話だ。年代不詳、どこかの国の、山と海と川と沼に囲まれた村。

    芸術家の桃源郷「創作者の家」で管理人を務める若者の僕は、森で親とはぐれた小動物を「ブラフマン」と名付けて飼い始める。
    よそ者の男とつきあう雑貨屋の娘への僕の恋心。

    ひと夏が過ぎ、季節風が死の気配を運んでくる。
    この得も言われず愛らしい生き物がなんという動物なのか書かれていないが、そこが限りない夢想を誘って効果的だ。

    読み手に具体像を思い描かせない力があり、それがこの小説をファンタジー以上のものにしているのだ。
    映像文化に押されている小説だが、この小説を読むと、今もって言葉だけに成し得る魔

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    2025年09月02日