小川洋子のレビュー一覧

  • 猫を抱いて象と泳ぐ

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    「ああ、これは書きながらさぞかし興奮しただろうな。」と思わされる調った美しい1冊。

    枝葉末節まで拘られた緻密さ/読んでいて夢の海を泳いでいるような雄大さ。静謐で/力強い。嬉しくて/悲しい。希望的で/絶望的。理性的で/感情的。モノトーンで/カラフル。そのバランスたるや!完璧としか言いようがなかった。

    読み手も大分エネルギーを求められる分、なんだかキョウソウ(共創/協奏/競争)してるなあと思わされる。旅か漂流か、読んでいてどこか遠くへ連れて行かれる。

    彼らはずっと「そこ」にいるのに。

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    2025年04月13日
  • 妊娠カレンダー

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    風景や物の描写がとんでもなく丁寧。静謐で幻想的な情景を下地にして、嫌悪感と共感が入り混じる人間のグロテスクさが描かれていくのが、心地よい違和感というか、幻想的な世界に浸っているようでとても好きです。

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    2025年04月11日
  • 薬指の標本

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    人の、心の奥から突き動かされる衝動と
    そんなつもりじゃなかったのにのめり込んで一気に読んでしまうパワー

    ずっと脳内に残るワンシーンがあるような

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    2025年04月10日
  • 密やかな結晶 新装版

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    もっと早く出会えたらと思った作品。名作と言われるのも納得。自分にとっての結晶は何か?考えさせられますね。おじいさん、好きです笑。小川先生の作品をもっと読まねば。

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    2025年03月28日
  • ミーナの行進

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    芦屋の洋館で育まれたふたりの少女と家族の物語。
    自叙伝とファンタジーが融合したような不思議な感覚。
    心温まる話の中で伯父さんや伯母さんなど謎めいた人たちが良いアクセントになっている。
    大好きな映画「ドライビング MISS デイジー」を彷彿させる。

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    2025年03月27日
  • ミーナの行進

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    楽しかった日々はもう今はないと思うと哀しく切ないけれど、その反面これからの人生を照らして心の支えにもなる…。
    そんなことをしみじみ思いました。
    小川洋子さんの切ないけど心に染み渡る文章が好きです。

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    2025年03月16日
  • 遠慮深いうたた寝

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    小川洋子の目を通したら、日常はもう少しコミカルでユニークに映るだろうか。うたた寝、というのは内田百聞の短編「件」から来ているらしい。

    慣れない子育てをしながら家事をこなし、忙殺される中だったからこそ、彼女は小説を書かざるを得ない状況だったと言った。読むだけで満足できない、書きたいという創作の衝動は私もそういうものだと思う。ペンを握れば、今ここではない場所へと翔び立てる。本書では小説を書くネタのはじまりも書かれているのだが、物事一つの受け止め方にしろ、なんて感性が豊かさなんだろうと思った。私も、もっと自分の妄想を歓迎したいと思う。

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    2025年03月08日
  • 密やかな結晶 新装版

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    次々と何かが消失していく架空の島、という設定に小川先生の美しい文体が合わさってまさに大人ファンタジー。記憶を持った人々が秘密警察に迫害される様はアンネの日記のオマージュらしい。消失を描くことによりこの世に存在する物の美しさが際立つ画期的な小説。

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    2025年03月02日
  • 最果てアーケード

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    最初は大人のための童話・おとぎ話を読んでいるような気持ちだったけど、
    だんだん主人公の輪郭がぼやけていくような不穏な感覚が高まっていく。

    外国のようで、昭和の日本のようで
    本当に不思議な世界観。
    不穏さ、奇妙な売り物。
    全部好きです。

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    2025年02月19日
  • 博士の愛した数式

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    最高の出会い

    主人公とルートにとって、博士はかけがえのない存在になっていく過程にほのぼのした気持ちにさせられました。毎日、会うたびに博士は二人のことは覚えていなかったけれど、丁寧に接する博士は温かい心の持ち主なんだなあ。ルートはのびのびと成長したことが窺われ、安心しました。博士と出会っていなかったら、別の人生を歩んでいたでしょう。博士に会えて良かったね。

    #切ない #ほのぼの

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    2025年02月18日
  • 約束された移動

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    装丁の美しさ、短編一つひとつの美しさ。
    「寄生」という題の奇跡のお話。何かをし終えたときに「ちゃんと果たせた?」と訊いてくれる人がいて、それに頷けることの幸せ。利他の心と誠実さを持つ人だけが得られる幸せ。そして私には、その物語を読める幸せ。

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    2025年02月05日
  • 掌に眠る舞台

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    舞台の上で、観客席で、誰もが自分自身の孤独と向かい合っている。誰も入ることのできないその場所でしか存在できないものを、ステージ上の輝きに、客席に落ちた暗闇に、見出している。そんな、自分だけの「舞台」との関係性をそっと覗くような短編集でした。

    指紋のついた羽
    縫い子さんと少女の距離が、ラ・シルフィードの浮いた爪先と地面の距離なのかも知れない。その空間は青年のことを拒否したけれど、少女に手紙を届けて、ボビンケースの中の縫い子さんを守っている。得難い断絶となって二人の世界を包んでいる。ちょっとすれ違って、でもちゃんと心を通わせあっている手紙のやり取りが長く続きますようにと祈らずにいられない。

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    2025年02月01日
  • 最果てアーケード

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    不思議なアーケードの片隅で起こる「死」を弔う話。異国の童話のような不思議な世界観だった。「死」を美しく拾い集めた話の数々は、読後に喪失感を感じながらも、どこか心の傷を埋めてくれるような不思議な気持ちになった。ライオンのドアノブの奥の窪みのような場所はどんな人にもあるのだろうか。きっと誰にでもそんな場所はあって、見つけたいような見つけたくないような不思議な場所だと思った。

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    2025年02月01日
  • 沈黙博物館

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    読んでいるうちにだんだんと怖くて不安で後ろも振り向けなくなっていって読むのもやめられない

    文章の力をすごく感じた作品

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    2025年01月30日
  • 博士の愛した数式

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    数学が1番好きなのですごく刺さりした。
    数学を入れ込むとどうしても論理的で冷たくなりがちですがこの作品は心が温まる作品です。引き続き数学を勉強したいと思います笑

    #感動する

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    2025年01月30日
  • 最果てアーケード

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    ささやかな物品や情景から垣間見える人柄など
    目にうかぶお話。
    今は無き、故郷の昔馴染んだ店々が思い浮かぶ。
    八角形のラーメン屋、祖母と行ったおやきとかき氷、手芸屋のおじさん先生、甘茶の匂いのお茶屋、飴色の喫茶店のコーラフロート、乾物屋のじいちゃん、母の財布を盗んで行った駄菓子屋、犬と散歩に行った時可愛がってくれた、食パンがとにかくおいしいパンやさん、やさしいお姉さんの肉屋さん、

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    2025年01月14日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    内容を全く予想していなかったが、とんでもなく良き出会いとなった一冊。どのページをとっても河合隼雄先生の温かさ、目の前の一人の人間にぶつかる真剣さ、そしてプロフェッショナルに触れる事ができた。


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    2025年01月11日
  • ブラフマンの埋葬

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     この人の文章、多分特に自分のツボなんだろうけど本当に魅力的。

     小説の面白さの一つは、読み進めながら自分なりに想像を膨らませて着色していくところにあると思うけど、この作品ほど読者に想像のゆとりを設けてるものは無いように思う。

     建物ひとつとっても、動物ひとつとっても、読む人によってまったく違った色形で記憶になっているような気がする。

     小川洋子さんにしか書けないこの尊さというか、儚さというか、整いきった危うさはなんなんだろう。
     沈むみたいに、縋るみたいに、飲み込まれるみたいに、ずうっと文章を読んでいたくなって、不思議。

     今作においては、人物などの固有名詞が出てこないという世界観も

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    2024年12月31日
  • からだの美

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    細部に宿った魂について書いたエッセイ。バレエダンサーの爪先、力士の膝、シロナガスクジラの骨……それぞれに細部に込められた魂や芸術がある。

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    2024年12月09日
  • NHK「100分de名著」ブックス アンネの日記 言葉はどのようにして人を救うのか

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    100分de名著をたくさん読む。を目標にしました。記念すべき一冊目。
    原書は有名だけど読んだことないし、けっこうネガティブな評判を聞いていたこともあり、読もうという気持ちもなく。。

    泣きました。号泣。
    いろいろ考えさせられたけど、感銘を特に受けたのは、迫害を受けている中でもユダヤ人たちがなにかを学ぼうとする、その尊い力。
    大人から子供まで、未来があると信じて学ぶ意味を見出し外の世界とつながろうとする。
    ユダヤ人が優秀で成功者が多いその一端を見た気がしました。

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    2024年11月30日