小川洋子のレビュー一覧

  • ブラフマンの埋葬

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    ネタバレ

    久々に小川洋子の小説を読んで、こんなにも暖かくて悲しい手触りだったのかと思い、感動した。ブラフマンという言葉の響きと、謎のまま「娘」によってはねられ、埋葬された生物。タイトルを思い出すたびに、「創作者の家」の噴水に入り込んだような気持ちになる。

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    2026年04月11日
  • 人質の朗読会

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    ネタバレ

    最初にこの本を書店で手に取った時、表紙の白い小鹿が人質となった人物の悲しさや絶望感を象徴しているのだろうか、と思いました。しかし、作品を読み終わると、白い小鹿の目が人質一人ひとりの大切な過去を見つめているような気がしました。人質の絶望感というよりも、物語の温かさが胸に残る小説でした。

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    2026年04月09日
  • 猫を抱いて象と泳ぐ

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    与えられた環境を受け入れて自由を手に入れる。人間の欲と切り離された慎ましく優しい綺麗なお話。肯定も否定もしない人間愛。心の傷がすーっと溶けて頭の中がクリアになるような気持ちになりました。

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    2026年04月08日
  • 人質の朗読会

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    「人質たちが暇つぶしに、
    何か一つ思い出を文に書き出して朗読し合おうとする。
    今必要なのは、
    じっと考えることと耳を澄ませることだ。」
    冒頭のこの文を読んで、
    小川洋子さんが「物語の役割」で、
    辛い現実を乗り切るための手段として物語がある、
    と語られていたのを思い出した。

    杖 
    子供の頃足を怪我した太った下っぱ工員さんに、
    のこぎりで切った枝を渡して助けてあげた。十数年後、
    交通事故で意識を失っていたわたしの頭の中に、
    工員さんがバーナーと立派なお面を持って現れて、
    足を治してくれた。
    目覚めたら、切断寸前だったらしい足は、
    どうにか持ち堪えてくれていた。バーナーとお面は、
    世界を壊すのではなく創り出すものだったと気付いた。

    やまびこビスケット 
    味より型の種類が重要なビスケット。
    嫌われ者の大家さんにとって、
    家賃は決して横取りされてはならない獲物であり、
    整理整頓は理屈抜きの生存本能であった。工場でたまに
    貰える不良品を、大家さんと食べるようになった私。
    厄介者扱いされる不良品は、大家さんと私の仲間だ。
    大家さんが亡くなった部屋の丸テーブルには
    『整理整頓』のアルファベットのビスケットが
    綺麗に並んでいた。
    私はそれを布に入れ、お守りとして大事にした。

    B談話室 
    そこでは様々な集会が開かれる。どんな種類の会にも
    僕はすんなり入り込める才能があるようだ。
    不思議なことに必ず片隅に空いた席があるのだ。
    ここでの色んな経験が、
    僕が作家になったきっかけだった。
    世界中のひっそりとした場所にB談話室はある。
    ささやかな繋がりを持つ者たちが、
    真に笑ったり泣いたり感嘆したりできる場所。

    冬眠中のヤマネ 
    僕は子供の頃、いろんな事柄について「分かる」と
    感じる場面が多かった。受験に受かることも、
    茶店の店主が死ぬ日も。
    でも「分かる」と思っていたことは全部、
    外から発信されたものばかり。
    老人を背負って石段を登っているとき、
    二人はつなぎ目なく一つにつながり合っている、
    と感じた。生涯で初めて、本当に何かを「分かった」
    瞬間だった。片目の濁った老人が静かに泣きながら、
    片目しかない冬眠中のヤマネをくれた。
    それを僕はずっと側において過ごした、
    自分の身体の一部のように。

    コンソメスープ名人 
    僕は八歳、留守番中。隣の家の娘さんが、
    母(車椅子で庭にじっと動かずに居るから、
    ミイラになろうとしているんだと僕は信じている)
    にコンソメスープを作らなければならないから
    台所を貸して欲しい、とやってきた。
    どんよりした雰囲気は、台所に立った瞬間、一変した。
    テキパキと働き、眼差しは真剣だった。
    温度計を刺すという使命を与えられた僕は
    誇らしい気持ちで、これを飲んでミイラになれるなら
    幸福なことだと思った。
    娘の母は三日後に亡くなったそうだ。

    槍投げの青年 
    槍を投擲する、ただそれだけの練習だった。
    眼前で繰り広げられているのは、肉体を使う運動である
    と同時に、孤独な思索でもあった。
    何かに打ち込んでいるとき、
    真に自分との対話ができるんだろうと思う。
    描写が細かくて、槍と青年の一体感を表現しているのが
    印象的だった。
    亡くなった夫の代わりに、頭の片隅に住み着いた青年が
    心の支えになってくれた。素敵な終わり方だった。

    死んだおばあさん 
    「死んだおばあさんに似ている」。子や孫の世話に
    一生を尽くした祖母の、うつむき祈りを捧げる顔。
    偏屈なおばあさんが晩年、妄想の中でヴァイオリンを
    弾く顔。
    実にさまざまな、自分と似ているらしいおばあさんが
    登場する。「でも私自身は子供を持つことができず、
    死んだおばあさんには永遠になれないのです。」
    終わり方が衝撃だった。
    世にも奇妙な物語のような雰囲気だった。

    花束 
    バイトの最終日、唯一の僕の担当であった
    葬儀典礼会館の課長さんに立派な花束を貰った。
    死者があの世で着替えるためのスーツを、
    よく買いに来る人だった。僕は昔、腹違いの妹が
    大事にしていた人形をこっそり持ち出し、
    社宅の階段の踊り場から投げ落としたことがある。
    その後、同じ場所で投身自殺が起き怖くなった。
    帰り道の交差点にお供えされた枯れた花に気づき、
    綺麗に掃除して貰った花束を生けた。そして、
    課長さん、妹の人形、ここで亡くなった誰か、
    身を投げた主婦へ祈りを捧げた。

    ハキリアリ 
    ハキリアリの行進のことを
    「一つ一つの切れ端は皆形が違うのに、見事に統制が
    取れて、切れ目のない一続きになっている。
    ジャングルを静かに流れる、緑の小川だ。」
    と言った例えが素敵だと思った。
    緑の小川は、苦心する素振りも見せず流れてゆく。
    自分が背負うべき供物を、定められた一点へと運ぶ。

    そのようにして人質は自分たちの物語を朗読した。
    物語が一つ語り終わるたびに、そうだ、
    この人たちはもう居ないんだと、寂しくなった。
    話の終わりに現在の職業が記載されているのも
    楽しみにしながら読んでいた。

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    2026年04月06日
  • 続 遠慮深いうたた寝

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    前作が好きだったので本作も手に取った。
    著者の人柄や姿勢が滲み出ているエッセイ集。
    特に読書や執筆に関するエッセイがとても心に響く。色々な情報が溢れた現代で、やはり小説が好きで、その世界を鑑賞し追体験し思索することの幸せ。小川さんが紹介した本も読みたくなった。

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    2026年03月28日
  • 海

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    再読。のはずなのに「風薫るウィーンの旅六日間」「バタフライ和文タイプ事務所」以外はほぼ記憶から抜け落ちてる。「風薫る」は不謹慎なすべらない話。「バタフライ」はなかなかに癖。「海」「銀色のかぎ針」「ガイド」が特によかった。

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    2026年03月17日
  • 密やかな結晶 新装版

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    美しくも悲しくて怖い話であり、明らかに設定は虚構なのに「今ほんとにリアルに起きてること」でもある。なくなっていく現実に鈍感になっていくのも怖いけど、最後までなくなっていく現実に抗えないラスト1人になるのも怖いな。

    川上弘美さんと同じくで昔からあれこれ読んできた作家さんだけれど、小川洋子さんの話の多くには救われない人やネガティブな現実から脱するのを【諦めた人】がよく出てくる気がする(私の印象)。元気なときに読んで悲しみと美しさに浸るのは珠玉の幸せだけど、元気がないときに読むとけっこうキツい。

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    2026年03月17日
  • サイレントシンガー

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    毎日、夕方の5時になると町役場からの放送で「家路」が流れる。
    あまりにも自然に溶け込んだ歌声のため、人々は熱心に聴きいる事もなく、1日の区切りとして耳にしているだけで、誰が歌っているのかなどの関心を抱く者は誰もいなかった。

    この地域に、ちょっと変わった人々が暮らす集団が存在していた。
    彼らは極端な内気の性格のため、言葉を交わす人との関わりを避け、沈黙を優先した生活を営んでいた。
    その地域に、おばあさんと孫娘リリカの二人が雑用係として加わることになる。
    おばあさんはリリカを育てるために、この変わった人々が暮らす地域に職を得て、外部の人々との接触を担当する雑用係として働くことになる。

    リリカの成長とともに、物語は小川さん独特の不思議な世界を醸し出す。
    一人の少年が「アカシアの野辺」周辺で行方不明になり、大捜索にもかかわらず見つけ出すことはできなかった。
    おばあさんは少年を孤独にさせないようにと、廃材などを使って人形を数多く作り、森の池の湖畔に立て飾った。
    そしてリリカは湖畔で行方不明の少年や森の動植物たちに向かって歌い続けるのだった。

    人と接することの少ないリリカも、成長した証として恋に巡り合うが、リリカは恋というそのものを理解していない。
    純真な青年はリリカの生い立ちを理解して、踏み入った行動は慎む心優しい人だった。
    二人は人が殆ど立ち入ることのない「アカシアの野辺」の森を散策しながら会話をし、僅かながらも外界の世界をリリカは知ることになるのだが、やはり生きる世界は沈黙の「アカシアの野辺」だと強く認識する。
    そして孤独感を自ら意識することもなく、高貴とも云えるリリカの人生が綴られていた。

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    2026年03月16日
  • カラーひよことコーヒー豆

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    題名に強烈に惹かれて手に取った。小川洋子のエッセイ。どの作品も読みやすい。印象的なのは題名と同じ話。ほんわかした内容かと先入観を持って心躍らせながら読み進めると「そうきましたか!」と膝を打っていた。発想力が素晴らしい。

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    2026年03月15日
  • まぶた

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    再読。静かにそこに佇む死。それはこれみよがしなメメント・モリとも違う、小川洋子にしか出せない空気感だと感じる。昔読んで印象に残っていた「バックストローク」ここに収録されてたのか。一押しは「お料理教室」

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    2026年03月14日
  • 薬指の標本

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    再読。初期の小川洋子はけっこうエグみが強いなぁと思ったけど「妊娠カレンダー」「密やかな結晶」のほうが前なのね。喪失とインモラル。カタリコベヤ。

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    2026年03月10日
  • いつも彼らはどこかに

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    動物がモチーフの短編集。
    登場人物たちは何かしら大事なものを失っているし、そしてどこか狂っている。
    現実と非現実の境目が曖昧で、気づけばどこか別の世界に自分も連れて行かれている。

    短編集なので一作一作は短くて、しかも言葉が美しいので軽く見えるのだけど、とても重たくて。
    まるで海の中に潜って水底の神秘的な世界を見ているよう。ときどき顔を出して息継ぎするみたいに、合間に明るい外国作品などを読まないと、その圧倒的な力に押し潰されそうになりました。

    安心できる場所をちゃんと確保して、静かな夜に、一話ずつ。そーっとのぞき込むように。
    そんな読み方がおすすめの作品です。

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    2026年03月09日
  • 海

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    小川洋子さんの小説をちゃんと読んだのは今回が初めて。非常に良かった。特に好きなのは下記3編。恋人の弟と鳴鱗琴について話す「海」。孤独なホテルドアマンと話せない少女の交流を描いた「ひよこトラック」。最後にひよこを守るため言葉を発した少女の台詞がとても大人びてて驚いた。題名屋と観光ガイドの母を持つ少年の交流を描いた「ガイド」。巻末のインタビューもとても良かった。小川さんの描く歳の離れた人同士の交流が本当に素敵な関係性で良い。どこか懐かしく繊細で温かな気持ちになる物語ばかり。あやしい職業、不思議な世界観も好き。

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    2026年03月09日
  • 最果てアーケード

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    アーケードの人は、下世話な噂ばなしはせず、みんなひそかに、お互いを温かく見守る。お父さんと「私」のことも、輪っか屋さんの恋模様も。

    「私」ももう亡くなっていて、霊のようにゆらゆらと出てきては思い出を語っているのかな。小さいもの、目立たないもの、死んだものに視線を向ける。このアーケードでは、そういうものが大切にされ、尊重されている。

    目立たないけど、役に立つかどうかわからないけど、そのままでいいよ、と言ってもらえるような物語だった。

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    2026年02月28日
  • サイレントシンガー

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    小説は読者の精神の状態によって響き方が変わる。また読まれる環境によっても受け取り方は変わる。こんなにうるさくてせっかちな世界に生きる私にとって、鎮静剤のような物語だった。一枚の舌より二つの耳を重視する人々に囲まれてリリカは美しい声で歌い、それを認められた。ずっと彼女の『家路』が流れる町であってほしいけど、いつかは新しく明るく賑やかな歌と取って変わるのだろう。それでも小川作品の愛読者は、静かなシンガーを求める少数者がいることを知っているだろう。時折こんな世界に触れて心を落ち着けたいものだ。

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    2026年02月24日
  • とにかく散歩いたしましょう

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    小川洋子さんはエッセイでも文章が静謐で丹念で素晴らしいです。でも書かれている内容はフレンドリーで、小川さんにもこんな面があるんだ…!と楽しくなってしまう。文鳥やコビトカバの章では、ことりだ!ミーナだ!と盛り上がれるのも嬉しい。

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    2026年02月23日
  • まぶた

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    バックストロークは何回読んでも感動する。どんなに荒んだ心でもぐんぐんしみこむ小川洋子の言葉はすごいと思う(i_i)

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    2026年02月17日
  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    小説家・小川洋子さんと心理学者・河合隼雄さんの対談本。

    最近、私のなかで対談本が、アツい。
    この本を読む前に、村上春樹さんと河合隼雄さんの対談本を読んだ。
    宙をただよう概念が、思いもよらぬところで、ふっとつながるような体験が、なんとも快感だった。
    その熱量をそのままに、今回この対談本を手にしたのである。

    個人的には、次の一節が、心に響いた。

    「世界中にあふれている物語を書き写すのが自分の役割だとすれば、私はもうちっぽけな自分に怯える必要はないのです。物語は既にそこにあるのですから。」

    小説家・小川洋子さんが、河合隼雄さんとお話しして得た気づきである。

    書くときに、人はものを作り出そうとする。
    けれども、作り出す必要はない。
    なぜなら、物語は既にそこにあるのだから。

    引用するのも畏れ多いくらい、私はとてもそんなレベルにはたどり着いていない。けれども、この言葉を読んで、スッと心がラクになる感覚が、確かにあったのだ。

    書くことを考えたいときに、また読み直したいと思った。

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    2026年02月14日
  • ミーナの行進

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    主人公はごく普通の中学1年生・朋子。家庭の事情で伯父さんのもとで暮らすことになります。
    この伯父さん、飲料メーカーの社長でお金持ち。芦屋の洋館で過ごす1年はまさに絵に描いたような夢の暮らし。
    しかも母親がドイツ人の伯父さんはイケオジ、その息子・いとこのお兄ちゃんももちイケメン!シャンデリアのお屋敷、池のある広大なお庭…まさに少女マンガの世界。
    そしてもう一人のいとこ・ミーナは小学6年生。美少女でか弱くまさに蝶よ花よ。あ〜ハイハイ知ってますこういうの、やっぱマンガだね。と思いきや!

    ミーナはバリバリ関西弁、お屋敷の池に住むのはコビトカバ。そしてミーナはそのカバ「ポチ子」に乗って登校(!)するのです。
    まてよ、確かおぼっちゃまくんもカメに乗って学校行ってたし、マンガはマンガでもそっち系?
    いやいや。

    舞台は1972年。昭和47年の空気感が漂う中、朋子とミーナの日常のあれこれがまー愛おしいこと。
    登場人物もみんなどこか共感できちゃう。
    ミーナが途中で語る物語も、それだけで一冊作ってほしいくらい好みだし、カラーの挿絵も贅沢。

    ラスト、そこに至るまでを想像させるポイントがちょこちょこある気がして、思いを巡らせるのも楽しかった。このラストでよかった〜。

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    2026年02月14日
  • 続 遠慮深いうたた寝

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    久しぶりの小川洋子さんの文章。エッセイはもしかしたら初めてか。
    まず、書かれた媒体の幅広さに圧倒され。高校生に読書の魅力を伝えた文、想像力を働かせる登場人物たちへの愛、見知らぬ迷子への愛、そして本書のラストはアンネの日記を例に挙げつつ文章を書くということへの賛美。
    本のあちこちに著者の優しさ温かさを感じられた。洋子さんの愛情深さに触れ、だいぶ久しぶりに著者の名著たちを再読したくなりました。何から読もう。

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    2026年02月12日