小川洋子のレビュー一覧

  • 生きるとは、自分の物語をつくること

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    小説家・小川洋子さんと、臨床心理学者・河合隼雄さんとの対談集です。

    小説家は、例えば、生きていくうえで辛い出来事や厳しい現実に直面して苦しむ人間の姿を、言葉というものを紡いで、「物語」として表現することを仕事としていて、
    臨床心理士は、それぞれの人生の物語のを見失った人に対して、新たな物語を発見して自分の物語を生きていけるよう手助けすること(いわゆるカウンセリングと言われるもの)を仕事としていることから、

    小説家が小説を書けなくなったときに、どうしたら書けるのかと悶え苦しむのと、人が「どうやって生きていったらいいのかわからない」と言って苦しむのとは、どこか共通するところがあるのではないか、

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    2026年08月17日
  • 博士の愛した数式

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    小川洋子さんという小説家は、「妊娠カレンダー」という作品で芥川賞を受賞され、純文学の作家と認識していたのですが、この作品ではタイトルに「数式」という言葉があって、数学と純文学というある意味対極的なものが、どう融合するのだろうと思いながら読みました。

    確かに、登場人物は限られており、物語の舞台は主に博士が住む家の書斎や居間ばかりで、ストーリーが次々と展開するわけではなく、限られた登場人物の心理描写に焦点が当てられている、という点では、確かに純文学でした。

    ちなみに、ある本に書いてあったのですが、数学者は数に対する特別な思いや愛着をみんな持っていて、「素数」が好きな人って多いそうです。また、こ

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    2026年08月17日
  • 猫を抱いて象と泳ぐ

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    ネタバレ

    チェスをする少年の静かで、切ないけれど暖かい話。
    リトル・アリョーヒンとマスターや令嬢やミイラなど、様々な対局者との間にチェスを通してあたたかい時間や会話がなされていて、本当に素敵だった。最後、ミイラに言いたかったことは言えなかったけど、きっと手紙でのチェスを通して伝わってたんじゃないかな。
    マスターが亡くなったり、令嬢がチェスを忘れていたり悲しいことは沢山あったけど、何故か自然と受け入れることが出来たのは、そこにチェスをさした時間があったからなのかもしれない

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    2026年08月12日
  • 薬指の標本

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    ネタバレ

    小川洋子さんの小説はどれも落ち着いた不思議さがあって大好き。その不思議さにも2種類あると思っていて、教科書に載っている作品のような、奇跡みたいな不思議さと、不気味とも奇妙とも言い難い不思議さ。この本にあるお話はどちらも後者に近いような気がする。私はそういうお話がとてもとても好きなので、しみじみ楽しめました。

    どちらの短編も、何かに執着してしまう女性の話だった。でもその執着が悪いものではなくて、スルスル絡みついて離れない仕方のないものみたいな印象を受けて……それがすごく好きだった。
    「薬指の標本」はよりゾクゾクする美しさで、読んだあとの余韻がすごく心地よかった。糸を引く不気味さ。でもすごく綺麗

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    2026年08月12日
  • 不時着する流星たち

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    実在する人物や出来事を組み込んだオマージュ作品集。主人公たちは皆、秘められたものを静かに守っていて、その静けさや危うさが心地よかった。

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    2026年08月10日
  • 博士の愛した数式

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    初めてこの映画を観た時は泣いた記憶があり、映画で感動するというのが初めてのことだったので、とても思い出深い作品。
    いつか読みたいと思いながら絶対面白いからとっとこうという気持ちもあって日が経った笑

    改めて感想は言うまでもなく、やっぱり面白かった。
    スポーツ系は全く興味がないので低評価になりがちなのだが、この作品の野球はあくまでも博士と通じるネタのひとつなので受け入れやすい。
    また数年後に読みたい。

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    2026年08月08日
  • 劇場という名の星座

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    ネタバレ

    地方住みゆえ、帝国劇場には行ったことがないまま休館になってしまったのですが、宝塚やミュージカルは大好きなので、随所にその要素が散りばめられていて宝探しをしながら読んでいっている感覚でした(^^)

    場所にまつわるストーリーといえば、私の中では辻村深月さんの「東京會舘とわたし」がまずうかぶのですが、本作の雰囲気もとっても素敵。

    劇場って、思い浮かべるだけでわくわくするし、すべてが一期一会で2度と同じ体験はできないですよね。

    だからこそ、そこで生まれるストーリーは一人一人の宝物であり、時間がどれだけ経とうとも色褪せないものだと思います。

    映画だとエンドロールに名前が載るかどうかわからない1人

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    2026年08月04日
  • 海

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    何処か変わってる登場人物たちが愛おしくてたまらない。
    不器用だけど優しくて、でもちょっと変。
    あっという間に読み終えちゃった。

    ひよこトラックとガイドの話が面白かった。
    [思い出を持たない人間はいない]
    私も題名屋さんに行ってみたいな〜。

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    2026年08月01日
  • まぶた

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    小川洋子の作品は2作目だけど、
    こんな雰囲気だったっけ?と思った。
    どこか翳りがあって静寂があって、
    その中に優しさもあって艶やかな文体に魅了された。

    文体かあるいは主人公たちの考え方に妙なエロティシズムを感じ、それがささやかで心地よいものだったのも不思議な感覚。

    いざ読み終わってみるとどれが突出してよかったということはなかったように思えるけど、強いていうなら「飛行機の中で寝るのは難しい」が1番よかった。

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    2026年07月28日
  • 人質の朗読会

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    人生の1冊は何と聞かれたら、この本と答えようと思う。普通の人たちの普通の生活のかけがえなさ。ずっと心においておこうと思う。

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    2026年07月27日
  • NHK「100分de名著」ブックス アンネの日記 言葉はどのようにして人を救うのか

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    \\『 アンネの日記』のイメージが変わった //

    ホロコースト文学。
    けれどそこにいたのは一人の等身大の13歳になった少女。

    『アンネの日記』は思春期の少女のリアルな声が描かれている文学作品でもあったんだ!

    ◇◇◇◇◇◇

    【タイトル】NHK 100分 de 名著ブックス言葉はどのようにして人を救うのかアンネの日記
    【 著者 】小川洋子
    【 出版社 】NHK出版

    ◇◇◇◇◇◇

    私はまだ『アンネの日記』を読んだことがありません。有名であらすじも聞いたことがある。

    アンネがナチス・ドイツから逃れるために屋根裏で隠れ住んだ、とても悲惨で陰鬱な日々を描いた日記、そういうイメージをしてい

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    2026年07月27日
  • 耳に棲むもの

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    表紙のイラストに惹かれて、どうしても読みたくなった一冊。
    補聴器を販売して歩く男の連作短編集。
    男が亡くなって、耳鼻科医が骨壷の中から、四つの小さな骨を取り出した。
    カルテットが、耳の中で涙を音符にして、とても親密な演奏をしてくれていた。
    ひっそりと、静かに、ときには悩みながら生きてきた男の生涯。
    素敵な物語が、じんわりと響いてきました。
    やっぱり読んでよかった。
    この装丁もやっぱり素敵すぎる。
    抱えたまま眠りについて、耳の中の自分なりの演奏を聴きたい気持ちになる。
    どんな演奏なのか、今晩じっと耳を澄ませてみたい。

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    2026年07月25日
  • 劇場という名の星座

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    小川洋子さんの作品。ファンタジックでノスタルジー的な感じ。最近、わかんないなぁと思うものが多かったけど、これは読めた。

    第1話 紗和子の父が亡くなって施設の私物を引き取りに行った中に、紗和子の結婚の年の半券とパンフレットがあった。屋根の上のバイオリン弾きのものだった。目が見えなくなってからの時期なのにと思う。

    第2話 劇場のステンドグラスの裏で寝起きしている少年の話。

    第3話 ビンゴゲームで当たったチケットを譲られた。モーツァルト!のチケット。

    第4話 帝国劇場には幕内係が5人いて、さまざまな雑用をこなしている。

    第5話 帝劇のロビーには幸運の椅子がある。
    レ・ミゼラブルのパンフレッ

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    2026年07月25日
  • 小川洋子が読みとく『アンネの日記』 NHK「100分de名著」ブックス編

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    出会えて良かった一冊でした

    悲劇の少女、ではなく、感受性豊かでどんな困難な状況下でも希望やユーモア、人を愛する悦びを捨てなかった一人の少女という切り口からアンネを描いた一冊だった

    第2次世界大戦時において、すでに時代を先にいく価値観を持っていたアンネ

    ペーターとの恋が静かにすすんでいく様子が良き
    素敵!理想のひと!ととびつく恋ではなく、言葉を交わしながら少しずつ相手を知り、思慕をつのらせていった。
    わずか14歳で、なんて大人で素敵な恋だったのだろうと脱帽した。

    様々な彼女の一面を知ることができた

    フランク一家連行時、床に散らばったもののなかに見つけたアンネの日記をこっそり回収保存した

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    2026年07月25日
  • ことり

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    小鳥の小父さんの何でもない人生。
    小鳥を通して繋がる人々との物語。

    驚くような出来事はないんだけどあっという間に最後のページ。面白かった〜。

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    2026年07月22日
  • 劇場という名の星座

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    盲目の父が遺した劇場のパンフレットと手紙「ホタルさんへの手紙」
    ステンドグラスの裏側に住む、不思議な少年による舞台裏「内緒の少年」
    観劇のチケットをめぐる、少女と研究所補助員と薬剤師、3人のドラマ「一枚の未来を手にする」
    黒が表で赤が裏、着到板をひっくり返す幕内係「スプリングゲイト」
    ロビーの一角にある〈幸運の椅子〉の存在を知るのは売店で働くたった一人「こちらへ、お座り下さい」
    蘭の花咲く温室で、吹き矢を飛ばす「サークルうてな」
    帝劇で生まれた僕と母の物語「長すぎた幕間」
    パラソルを開き、2階席からの階段を降りてくる1分間だけ女優でいられたパラソル小母さん「劇場は待っている」

    帝国劇場を愛す

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    2026年07月21日
  • 妊娠カレンダー

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    初めての小川洋子さんの作品。大昔、博士の愛した数式は映画だけ見たことがあったのだけど、小説は読んだことがなくて、今回初めて読みました。

    全体を通して、とにかく無駄な言葉がなくきゅっと密度の高い、それでいて透明感のある文章が本当に素敵。物語全体が常に不穏な空気を纏っているはずなのに、それが不思議と和らぐ感じ。それでいて温度感を感じさせないから、描かれる空気を自由に解釈できるような。

    妊娠カレンダーは、日常に潜む隠れた狂気の描かれ方がとても印象的だった。姉もそうだけど、姉の旦那もかなり私とは波長が合わない。つわりで気分が悪いという姉につられてしまう旦那も、めかしこんで受診に行く姉も、とにかく全

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    2026年07月21日
  • 海

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    小川洋子さんの短編集。
    ほのかな哀愁、優しさ、不気味さ。
    世界観に浸りました。
    ”ガイド”が一番好きです。”博士の愛した数式”を
    彷彿させるお話で、とても好みです。

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    2026年07月19日
  • 犬のしっぽを撫でながら

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    小川洋子さんの文章を読んでいると自分がきれいな人間になったような気がしてくる(例えそれが阪神を激烈に応援する文章であっても!)。小川さんの文章そのものが持つ清廉さみたいなものが私を一時的に浄化してくれるんだよな。そのひとときだけでもきれいな人間になりたくて読んでるみたいなとこある。

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    2026年07月19日
  • 小川洋子が読みとく『アンネの日記』 NHK「100分de名著」ブックス編

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    アンネ・フランクと文章を通して出会った小川洋子さん。そしてその出会いから生まれた文章を今読めていることに感謝しなければならない。 

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    2026年07月19日