小川洋子のレビュー一覧

  • 博士の愛した数式

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    この言葉にはできない関係を、前に読んだ時には理解できず、なぜこの本が人気でなぜ映像化されたのか分からなかったけど、いまは最後、涙が出るほどよくその温度と切なさがわかる。

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    2026年05月09日
  • 猫を抱いて象と泳ぐ

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    冒頭2ページで本書との出会いに感謝した。これほど優しく、力強く、美しく、哀しく、心に染みるような不思議な魅力を持つ小説はまれ。勝負よりも美しい棋譜を残す大切さ。チェスを知らずとも小説の世界に没頭できる。ただ、チェスを打つ人が羨ましい

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    2026年05月09日
  • ことり

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    恵比寿の有隣堂で、鳥の本の特設コーナーがあり、ことりが好きなので購入。
    ことりのおじさんとおじさんのお兄さんが静かに二人暮らしをしているわ。おじさんが園の鳥小屋を丁寧に掃除する。どうかこのまま誰にも邪魔されない暮らしが続きますように、と祈るような気持ちでページをめくりました。

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    2026年05月09日
  • 凍りついた香り

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    ネタバレ

    静寂の中で研ぎ澄まされる、記憶の断片
    イヤホンを忘れ、電車の騒音の中でページをめくり始めた。しかし、読み進めるうちに周囲の音は消え、脳内には物語が持つ「ひんやりとした空気感」だけが満ちていった。音楽がないからこそ、一文一文が驚くほど滑らかに頭に入ってくる、贅沢な読書体験だった。
    物語は、亡くなった調香師の記憶を辿る旅。劇的な恋愛に発展するわけでも、大きな事件が起きるわけでもない。ただ、人はこの世を去っても、誰かの中に「記憶」として残り続けるのだという事実を、小川洋子さんらしい静謐な筆致で描き出している。
    特に印象的だったのは、西日がガラスに反射する温室の描写だ。土と葉と花が混じり合った、湿り気

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    2026年05月09日
  • 海

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    短編集だけあってノイズなく読みやすかったし穏やかな気持ちになれて良かった。バタフライ和文タイプ事務所は言葉遊びが面白い上品な官能小説だし、銀色のかぎ針は短くてシンプルなのに情景が浮かんで素敵、ひよこトラックの夜明け前の描写は息を呑むくらいの美しさだし、ガイドはストーリーとして完成されすぎていて脱帽した。小川洋子の作品は何作か読んできたけどやっぱりうつくしいなー。

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    2026年05月08日
  • 博士の愛した数式

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    事故で記憶を保てない初老の数学者と家政婦母子が織りなす、数学の魅力に溢れた心温まるストーリー。人間の持つ優しさが最大限に描かれているように感じられる。スマホが無い時代の作品であり、スマホがこの世に無い方が幸せな事や感動することも多いに違いない、とあらためて感じさせられる。

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    2026年05月07日
  • 博士の愛した数式

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    ネタバレ

    数学で結ばれる、記憶を保持できない博士と家政婦と息子の温かい日常の日々。

    数字は見方を変えて、隠れた法則に気づくことで、有機的で意味のある詞となる。そして、それを愛しそうに教えてくれる博士が好きになった。

    まるで自分も4人目として博士と机を並べている気分になる。
    博士の日々が幸せで本当に良かった。

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    2026年05月06日
  • 人質の朗読会

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    ネタバレ

    あ〜〜好みぶっ刺さり小説。江國さんのひとりでカラカサさしてゆくに読後感が似てる。冒頭で、凄惨な最期を迎えた人々が残した物語であることが明かされるので、言いようのない切なさが全編漂う。わたしが好きだった話は、

    •大家の偏屈おばあさんとビスケット並べる話
    •公民館で細々と行われている集会や会合に参加する男性の話
    •おじいさんが作るヤマネのぬいぐるみをお守りにしている男性の話

    自分で書いててなんだそりゃと思ったけど本当にそういう話なんです笑
    どんな最期を迎えた人にも、きっとその人の心にずっと残り続ける大切な記憶や思い出があったんだなと、そう思って泣きたくなる宝物みたいなお話たちだった。

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    2026年05月06日
  • 薬指の標本

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    静かで、官能的で、狂気すらも感じる不思議な物語。
    「わたし」が「弟子丸氏」に靴をプレゼントされるシーンからどんどん不穏な空気が流れてくる。
    読後の余韻が好きでした。宝物。

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    2026年05月04日
  • 遠慮深いうたた寝

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    いちいち良い。作品にも滲み出ている気がするけど、物事の良い面を見つけてあげるのがとても上手な人なんだなとしみじみ思う。
    新米ママだった作者が、『紙おむつで育てると子供の情緒に影響する』という根拠のない噂を信じて、洗濯が大変な布おむつにこだわっていたというエピソード。「楽をするとそのツケが全部子供に回りそうで、怖かったのだ。」ってつづられていて、すごく愛だった。作者がすきな本もぜんぶ読んでみたくなった。やっぱり、小川洋子は言葉を扱うのがすごく上手だよね。

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    2026年05月03日
  • 博士の愛した数式

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    読みやすく、心が温まる作品だと感じた。
    博士の置かれている状況は複雑だが、博士自身は純粋で分かりやすい。
    それ故に、主人公、ルートへと温かさもまた伝播したのではと思う。
    解説では、学問という括りを超えて、数学と文学が結婚したと表現していた。数は無機質なものと思っていたが、素数・友愛数・完全数を博士から教えてもらい、性格を持った人物のように思えた。
    となると、数学自体も登場人物がおり、文学と同じ土俵にあるのではと新たな視点を得られた良い作品だったと思います。

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    2026年05月03日
  • 密やかな結晶 新装版

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    失う事が怖い人は間違いなくしんどくなる。
    でも、普段から私たちは常に何かを失っていることに気付く。
    だけどそれでも次の日が来る。

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    2026年05月02日
  • 人質の朗読会

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    反政府ゲリラの襲撃を受けて人質として捕らえられた8人。
    捕らえられてる時に語られた8人の過去の忘れられない物語と人質救出作戦通信班の政府軍兵士の過去の忘れられない物語を描いた作品です。

    ただの日常の中でも、心に残ることはあり、それを言葉にすることで、日常が面白くなるのかなと感じました。
    印象に残った話はやまびこビスケットでした

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    2026年04月29日
  • 博士の愛した数式

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    ネタバレ

    本をたくさん知りたい中でやはり読みたいと思った一作。

    長い年月の関わりのように思えるのに、実は一年の数ヶ月内に行われた思い出がぎゅっと纏まっていた。
    人の関わりの時間はとても濃く短いものだと思いました。

    博士の深い子供に対する愛は感動して
    なんて慈悲深い人なのだろうと感じました。
    最終、ルートは数学の教師へ道を進めると知った時の博士の嬉しさはもう計り知れないでしょう。
    とても美しい物語だと感じました。

    数学が得意ではなかった私にとって中学、高校の時に読んでおきたかったなと思った作品でした。
    声に出して、直感で楽しむことを教えてくれました。

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    2026年04月29日
  • 劇場という名の星座

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    日常にある非日常の劇場。彼岸と此岸の境目で織りなす人の営み。誰もが主人公であり、誰もが闇の中から自分の道標を見つけ人生劇場を歩む。朝が来ない闇はなく、太陽はいつか沈む。そして新たな劇場の現れを待つ。

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    2026年04月29日
  • 博士の愛した数式

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    ネタバレ

    数学はよくわからないから、博士が丁寧に説明してくれるからありがたかった。
    220と284は友愛数という、じっくり説明を読み理解して、なんかわからないけど、わぁー素敵と感じた。
    ✳︎自分自身を除いた約数の和が、互いにもう一方の数になる最小の「友愛数(親和数)」のペア✳︎

    博士もルートも家政婦さんも、優しくて、素敵な話。
    ずっと心があたたかくなる話でした。

    義理のお姉さんは義弟をうとましく思っているのかと思ってたけど、そうではなかったことがわかり、切ない気持ちと、よかったという気持ちが両方。

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    2026年04月26日
  • 博士の愛した数式

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    算数は分数でズッコケました⁡
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    ⁡ってなことで、小川洋子の『博士の愛した数式』⁡
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    ⁡算数が苦手なわしは数式ってタイトルが入ってると手が震えて手が中々出なかったけど、良い本ってのは知ってたから積読してたけど、丁度出張のお供が少なくなってこの子が待ってましたと、わしをニッコリ見つめている様な感じがして連れ出す事に。⁡
    ⁡⁡
    ⁡ブルブルと震える手でページを捲るとなんだか優しさが溢れる文面に惹き込まれちゃう。⁡
    ⁡⁡
    ⁡小川洋子さんはホテルアイリスしか読んでなくて、ちょっと難しいってイメージがあったけど、これは愛に満ち満ちてて、グッとくる良い本じゃったね。⁡
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    ⁡√もええ子じゃし、数字や

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    2026年04月26日
  • 密やかな結晶 新装版

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    個人的に、小川洋子先生を読むならこの本を読んでくれ、と言いたくなる作品。
    世界観がしっかりと描かれており、すぐに没入することが出来る。大人向けのおとぎ話のようで、ひっそりと静かに、それでいて美しい文章に惚れ惚れしてしまう。
    世の中のあるものが消滅していく人と、消滅していかない人。それぞれの想いがきちんと描写されていて、胸が苦しくなる。苦しくなるのにどこか心地よい読後感がたまらない。

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    2026年04月25日
  • 劇場という名の星座

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    帝国劇場を巡る人の心の機微を丁寧に掬い取って、はたからは伺い知れないその人だけが持つ大切な何かを描くのと同時に、それらの話が星のように瞬いて、物語と物語が交差する瞬間静かに煌めきを放つ。とても好きな感じの本でした。

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    2026年04月26日
  • 博士の愛した数式

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    ネタバレ

    帯に300万人が泣いた!とデカデカと下品に書かれており、なんだこれと思ったのが最初の印象。
    見事に覆された。
    あまりにも儚くて、脆くて、切なくて美しいお話しだった。それでも確かに存在していた関係に、静かに心を打たれた。

    記憶が80分しかもたない博士。
    シングルマザーの家政婦と、その息子・ルート。
    三人が、数学と阪神を通して、静かに関係を結んでいく物語。
    小川洋子さんの描く「数学の美しさ」に心酔していく登場人物たち。そのまなざしや、ふとした仕草に宿る感情の揺らぎ。ものや人の機微を、ここまでやさしく、繊細にすくい取れるのかと、ただ圧倒され続けた。

    博士は子どもに対して決して上から教えない。大人

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    2026年04月25日