小川洋子のレビュー一覧

  • 博士の愛した数式
    切ないのに、心が温かくなる。
    博士は変わった人だけど、とても優しくて愛ある人。私も博士のように素直な気持ちを忘れずに生きていきたい。
  • 猫を抱いて象と泳ぐ
    初めて読んだ時、独特な世界観と作者の豊かな表現力に衝撃を受けました。私にとってこの作品は凄い!の一言につきます。
    唇がくっついて生まれてきた少年に神様は並み外れた集中力とチェスの偉大な才能の仕掛けを施して下さった。しかも少年しか出来ない独特なチェスの指し方で。恵まれない環境の中でも、愛情に満ちた人々...続きを読む
  • 小箱
    不思議な話、というのが一番の印象
    詳細があまり語られない出来事が多く、ほとんどの謎が残ったまま最後まで進んでいく。人によっては物足りないと感じることもあると思う
    ただ、不思議でありながらも、美しい雰囲気によって、自分は終始涙ぐんでしまっていた
    続きが気になって眠れない、というような話ではなく、日常に...続きを読む
  • 猫を抱いて象と泳ぐ
    リトル・アリョーヒンとして生きたチェスの名手。実在していた人物だが、いまだに謎が多いという。その彼を題材にしているが、チェス盤の下が彼の命そのものというくらい、チェスに魅了されチェスに生かされた彼の生き様が、素朴だけど奥深くて、心動かされた。彼を取り巻く、優しくて強い人物たちの存在にも勇気をもらえる...続きを読む
  • 博士の愛した数式
    何か欠けている3人が補い合いながら特別な時間が流れている。そんなほっこりするお話しだった。
    やっぱり心温まる系がすきだ。
  • 薬指の標本
    知らず知らずのうちに精神を縛られる、支配される、そして支配されたいと願う…
    物語全体がに薄暗い弱い青色が漂っている感じがした。
    六角形の小部屋も、標本室も、それを望む人だけが自然にありかを知り吸い寄せられていく雰囲気が共通していた。
  • 猫を抱いて象と泳ぐ
    読み終わってしまった…
    もう少し浸っていたかったし、ミイラとの再会も、老人ホームを出てまた別の場所でチェスをする姿も見たかった…
    洋館のような廃バスや、地下プールの更衣室など、場面が美しくどんな場所か想像しながら読むのが楽しかった
    途中から、私も棋譜の美しさをわかりたいと思い、チェスを学びながら読ん...続きを読む
  • 密やかな結晶 新装版
    この本で初めて小川洋子さんの作品を読みました。
    子供の頃の憧れのような、キラキラした言葉で紡がれていて、大事に読みたくなるような文章だなと思いました。
    しかし物語が進むにつれて、分かり合えない壁や閉塞感に惹き込まれていきました。
  • 人質の朗読会
    何度も読んでいる本。
    大きな華やかな出来事ではないけれど、力を与え
    られる出来事を見せてもらった感じが好き。
  • 人質の朗読会
    構成を初めに話して結果が分かっているからこそ中身の短編たちが意味を持って輝いて見える。

    小川洋子さんの小説は何かしら死の存在を織り交ぜるケースが多く、静かな中に美しさが感じられる文章が毎回落ち着く。
  • 人質の朗読会
    大きくわけると9つの話にわかれていて
    読みやすかった。
    どの話もドカンと衝撃的な話ではないが、引き込まれる話だった。未来が見えない中、自分の過去を思い出したときは、大きな出来事より些細な出来事が思い出されるのかもしれないなと。
    文体がそれぞれの性格や性分を現すように書かれているところもおもしろいと感...続きを読む
  • 薬指の標本
    大学の授業で扱った1冊。『薬指の標本』がいいな。小川洋子の作品には、身体の一部が欠如していたり、どこかを病んでいたりする女性が多く出てくることは言うまでもないけれど、これもそのひとつ。切り取られた自分の薬指が、ぷかぷかとサイダーの中に浮いている、みたいなことを主人公が想像する場面があり、私はそこが大...続きを読む
  • 余白の愛
    この小説で卒論を書いた同期がいる。小川洋子作品の中でもトップで好きな小説だな、と思う。タイトルである「余白の愛」がなんなのか、いまだに答えを出せていない。突発性難聴、耳の中にある蝸牛と呼ばれる器官と関連して、ぐるぐる回る、渦や螺旋のモチーフを見つけてみるとおもしろい。ヒロが大好きで仕方ないんだな…
  • 猫を抱いて象と泳ぐ
    チェスの棋士リトル・アリョーヒンの他は人名も地名も固有名詞が出てこない無国籍で異空間な小川ワールド。
    それでも豊富で緻密な表現力でどんどん引き込まれていく。
    たびたび訪れる死の場面も悲しいだけではなく必然だったんだなと様々な感情に揺さぶられる。
  • からだの美
    こういう観点からのものを読ませてもらえるから、小川洋子を読んでいるんだなあと思った。
    バレリーナの爪先について、折に触れ考えてしまうだろう。赤ちゃんの握りこぶしが一番染み入りました。
  • 妊娠カレンダー
    文章が醸し出す異世界のような雰囲気。
    不思議と惹きつけられる。
    何か普通ではない家族構成。
    日記を綴る妹は、妊娠した姉の為に日常の世話をこなしている。
    姉のつわり、食の偏り、体重の増加と姉の体調に振り回される妹と義兄。
    姉のお腹が大きくなるにつれ、読み手の不安も大きくなる。
    何かが起こりそうで怖い。...続きを読む
  • 猫を抱いて象と泳ぐ
    この本は、前からタイトルが気になっていたのですが、やっと読むことが出来ました!
    めちゃくちゃ良かったです。
    チェスの名人リトル・アリョーヒンの生涯を描いたものです。
    チェスを知らない私が読んでも、盤上の美しさが想像出来るような詩的な表現で駒の動きを描いており、とても良かったです!
    読んで良か...続きを読む
  • まぶた
    「飛行機で眠るのは難しい」「中国野菜の育て方」「まぶた」「お料理教室」「匂いの収集」「バックストローク」「詩人の卵巣」「リンデンバウム通りの双子」を収録した短編集。
    いずれも滑らかで柔らかく丁寧な感触の中に一点、針で、あるいは指の先で突いたかのような闇を含んだ、小川洋子さんらしい作品。個人的に「匂い...続きを読む
  • 薬指の標本
    惹かれた人に身も心も支配されたいと思う主人公の、⁡
    ⁡大人のような少女のような感情に
    淡々と流れる物語が混ざりあって時折り背中がぞっとします。⁡

    ⁡⁡2篇どちらも、想いや思い出、記憶、物体、身体、
    ⁡とにかく何かを封じ込めるお話しでした。⁡
    ⁡封じ込めた後に残るのは、満足感か喪失感か⁡
    ⁡はたま...続きを読む
  • 掌に眠る舞台
    8編の物語が詰まった作品です。⁡
    もう、⁡とにかく、美しい。
    舞台を見終わった後のような感覚です。⁡
    景色、人物、心、思い…⁡
    ⁡そして、舞台という非日常が生み出すどこか面妖な世界…⁡
    ⁡とにかく全てが儚く綺麗な物語でした。⁡
    ⁡⁡
    ⁡中でも私が心掴まれたお話しは⁡⁡⁡…

    『ユニコーンを握らせる』...続きを読む