小川洋子のレビュー一覧

  • ブラフマンの埋葬

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    小川洋子先生。今回も小川フレグランスが
    まかれまくりです。オサレな読みモノ( ´ ▽ ` )

    日常の世界にファンタジーのエッセンスが、
    ほんの少し振りかかっているんです、ほんの少し、それがいい。不思議の国のアリスまでのファンタジーは私には楽しめない。装画を愉しめたらめっけもんくらいです。

    本作の舞台は、モノづくりをする人が
    ゆっくり創作できる「創作者の家」。
    主人公はそこの管理人。
    この舞台が海外のヴァカンスをイメージさせて、読み手からしたら非日常な空間。
    極めつけは、登場人物に名前がない。
    なのに、不思議と存在感があり
    読みやすいし、魅力的。

    そして謎の生き物「ブラフマン」。
    犬、猫ぽ

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    2026年05月11日
  • 博士の愛した数式

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    読み終わったあと、まだまだ世界は続くけどパッと広がって音楽が終わるような…なんとも言えない美しい気持ちになった。
    博士が愛しいし、ルートも母も、最後は義姉も温かくて好き。。
    私は算数、数学が嫌いだけど、もっと早く読んでたら数字に意味を感じて愛することができたかも…。
    初めて聞いた友愛数とか完全数とか、近くに子供がいたら自慢げに話してみたいと企んでいる。

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    2026年07月27日
  • 猫を抱いて象と泳ぐ

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    冒頭2ページで本書との出会いに感謝した。これほど優しく、力強く、美しく、哀しく、心に染みるような不思議な魅力を持つ小説はまれ。勝負よりも美しい棋譜を残す大切さ。チェスを知らずとも小説の世界に没頭できる。ただ、チェスを打つ人が羨ましい

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    2026年05月09日
  • ことり

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    恵比寿の有隣堂で、鳥の本の特設コーナーがあり、ことりが好きなので購入。
    ことりのおじさんとおじさんのお兄さんが静かに二人暮らしをしているわ。おじさんが園の鳥小屋を丁寧に掃除する。どうかこのまま誰にも邪魔されない暮らしが続きますように、と祈るような気持ちでページをめくりました。

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    2026年05月09日
  • 凍りついた香り

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    ネタバレ

    静寂の中で研ぎ澄まされる、記憶の断片
    イヤホンを忘れ、電車の騒音の中でページをめくり始めた。しかし、読み進めるうちに周囲の音は消え、脳内には物語が持つ「ひんやりとした空気感」だけが満ちていった。音楽がないからこそ、一文一文が驚くほど滑らかに頭に入ってくる、贅沢な読書体験だった。
    物語は、亡くなった調香師の記憶を辿る旅。劇的な恋愛に発展するわけでも、大きな事件が起きるわけでもない。ただ、人はこの世を去っても、誰かの中に「記憶」として残り続けるのだという事実を、小川洋子さんらしい静謐な筆致で描き出している。
    特に印象的だったのは、西日がガラスに反射する温室の描写だ。土と葉と花が混じり合った、湿り気

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    2026年05月09日
  • 海

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    短編集だけあってノイズなく読みやすかったし穏やかな気持ちになれて良かった。バタフライ和文タイプ事務所は言葉遊びが面白い上品な官能小説だし、銀色のかぎ針は短くてシンプルなのに情景が浮かんで素敵、ひよこトラックの夜明け前の描写は息を呑むくらいの美しさだし、ガイドはストーリーとして完成されすぎていて脱帽した。小川洋子の作品は何作か読んできたけどやっぱりうつくしいなー。

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    2026年05月08日
  • 人質の朗読会

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    ネタバレ

    あ〜〜好みぶっ刺さり小説。江國さんのひとりでカラカサさしてゆくに読後感が似てる。冒頭で、凄惨な最期を迎えた人々が残した物語であることが明かされるので、言いようのない切なさが全編漂う。わたしが好きだった話は、

    •大家の偏屈おばあさんとビスケット並べる話
    •公民館で細々と行われている集会や会合に参加する男性の話
    •おじいさんが作るヤマネのぬいぐるみをお守りにしている男性の話

    自分で書いててなんだそりゃと思ったけど本当にそういう話なんです笑
    どんな最期を迎えた人にも、きっとその人の心にずっと残り続ける大切な記憶や思い出があったんだなと、そう思って泣きたくなる宝物みたいなお話たちだった。

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    2026年05月06日
  • 薬指の標本

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    静かで、官能的で、狂気すらも感じる不思議な物語。
    「わたし」が「弟子丸氏」に靴をプレゼントされるシーンからどんどん不穏な空気が流れてくる。
    読後の余韻が好きでした。宝物。

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    2026年05月04日
  • 遠慮深いうたた寝

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    いちいち良い。作品にも滲み出ている気がするけど、物事の良い面を見つけてあげるのがとても上手な人なんだなとしみじみ思う。
    新米ママだった作者が、『紙おむつで育てると子供の情緒に影響する』という根拠のない噂を信じて、洗濯が大変な布おむつにこだわっていたというエピソード。「楽をするとそのツケが全部子供に回りそうで、怖かったのだ。」ってつづられていて、すごく愛だった。作者がすきな本もぜんぶ読んでみたくなった。やっぱり、小川洋子は言葉を扱うのがすごく上手だよね。

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    2026年05月03日
  • 密やかな結晶 新装版

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    失う事が怖い人は間違いなくしんどくなる。
    でも、普段から私たちは常に何かを失っていることに気付く。
    だけどそれでも次の日が来る。

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    2026年05月02日
  • 人質の朗読会

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    反政府ゲリラの襲撃を受けて人質として捕らえられた8人。
    捕らえられてる時に語られた8人の過去の忘れられない物語と人質救出作戦通信班の政府軍兵士の過去の忘れられない物語を描いた作品です。

    ただの日常の中でも、心に残ることはあり、それを言葉にすることで、日常が面白くなるのかなと感じました。
    印象に残った話はやまびこビスケットでした

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    2026年04月29日
  • 密やかな結晶 新装版

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    個人的に、小川洋子先生を読むならこの本を読んでくれ、と言いたくなる作品。
    世界観がしっかりと描かれており、すぐに没入することが出来る。大人向けのおとぎ話のようで、ひっそりと静かに、それでいて美しい文章に惚れ惚れしてしまう。
    世の中のあるものが消滅していく人と、消滅していかない人。それぞれの想いがきちんと描写されていて、胸が苦しくなる。苦しくなるのにどこか心地よい読後感がたまらない。

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    2026年04月25日
  • 耳に棲むもの

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    補聴器の営業マンを主軸にした連作。どんな生活をしていたらこんな話を思い浮かぶのだろうと思う。初期のグロさも感じられて面白かった。

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    2026年04月25日
  • 世にも美しい数学入門

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    藤原正彦の「数字を弄ぶ」という表現がとても気に入りました。
    自分も多少は弄んだとは思うのですが、数学者のそれには足元にも及ばないことが、よくわかりました。

    藤原正彦は、数学史にも造詣が深いようで、その点でも面白く読めました。

    『博士の愛した数式』の背景が垣間見れる本でもあるので、興味がある人は読んでみてはどうでしょうか。
    肩肘張らずに読めるので、数学の苦手な人にもオススメします。

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    2026年04月23日
  • ブラフマンの埋葬

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    切なく美しい物語。
    家族にペットがいる人ならきっと胸を締め付ける切なさと、そばに居てくれるありがたさに共感できると思います。
    それだけでなく、一文一文が詩のように美しいです。こんなに綺麗なリズムと描写はこの作家さんならではの持ち味。
    ラストがとても切ないですが、綺麗にまとまり、それでいてそっと余韻を残すような終わり方でした。
    ずっと本棚に入れておいて、読み返したく小説でした。

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    2026年04月22日
  • ことり

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    初小川洋子作品。

    吉本ばななと同様に自分に合っていると感じた。

    この作品は寂しい作品だと思った。

    鳥を通して、小父さんの人生を語った作品で小父さんという鳥を鳥籠にいれて、様子をみているような感覚。

    余韻の寂寥感がすごいため、元気のあるときに読むことをおすすめします。

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    2026年04月15日
  • ブラフマンの埋葬

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    ネタバレ

    久々に小川洋子の小説を読んで、こんなにも暖かくて悲しい手触りだったのかと思い、感動した。ブラフマンという言葉の響きと、謎のまま「娘」によってはねられ、埋葬された生物。タイトルを思い出すたびに、「創作者の家」の噴水に入り込んだような気持ちになる。

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    2026年04月11日
  • 人質の朗読会

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    ネタバレ

    最初にこの本を書店で手に取った時、表紙の白い小鹿が人質となった人物の悲しさや絶望感を象徴しているのだろうか、と思いました。しかし、作品を読み終わると、白い小鹿の目が人質一人ひとりの大切な過去を見つめているような気がしました。人質の絶望感というよりも、物語の温かさが胸に残る小説でした。

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    2026年04月09日
  • 猫を抱いて象と泳ぐ

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    与えられた環境を受け入れて自由を手に入れる。人間の欲と切り離された慎ましく優しい綺麗なお話。肯定も否定もしない人間愛。心の傷がすーっと溶けて頭の中がクリアになるような気持ちになりました。

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    2026年04月08日
  • 人質の朗読会

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    「人質たちが暇つぶしに、
    何か一つ思い出を文に書き出して朗読し合おうとする。
    今必要なのは、
    じっと考えることと耳を澄ませることだ。」
    冒頭のこの文を読んで、
    小川洋子さんが「物語の役割」で、
    辛い現実を乗り切るための手段として物語がある、
    と語られていたのを思い出した。

    杖 
    子供の頃足を怪我した太った下っぱ工員さんに、
    のこぎりで切った枝を渡して助けてあげた。十数年後、
    交通事故で意識を失っていたわたしの頭の中に、
    工員さんがバーナーと立派なお面を持って現れて、
    足を治してくれた。
    目覚めたら、切断寸前だったらしい足は、
    どうにか持ち堪えてくれていた。バーナーとお面は、
    世界を壊すのでは

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    2026年04月06日