小川洋子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
小川洋子先生。今回も小川フレグランスが
まかれまくりです。オサレな読みモノ( ´ ▽ ` )
日常の世界にファンタジーのエッセンスが、
ほんの少し振りかかっているんです、ほんの少し、それがいい。不思議の国のアリスまでのファンタジーは私には楽しめない。装画を愉しめたらめっけもんくらいです。
本作の舞台は、モノづくりをする人が
ゆっくり創作できる「創作者の家」。
主人公はそこの管理人。
この舞台が海外のヴァカンスをイメージさせて、読み手からしたら非日常な空間。
極めつけは、登場人物に名前がない。
なのに、不思議と存在感があり
読みやすいし、魅力的。
そして謎の生き物「ブラフマン」。
犬、猫ぽ -
Posted by ブクログ
ネタバレ静寂の中で研ぎ澄まされる、記憶の断片
イヤホンを忘れ、電車の騒音の中でページをめくり始めた。しかし、読み進めるうちに周囲の音は消え、脳内には物語が持つ「ひんやりとした空気感」だけが満ちていった。音楽がないからこそ、一文一文が驚くほど滑らかに頭に入ってくる、贅沢な読書体験だった。
物語は、亡くなった調香師の記憶を辿る旅。劇的な恋愛に発展するわけでも、大きな事件が起きるわけでもない。ただ、人はこの世を去っても、誰かの中に「記憶」として残り続けるのだという事実を、小川洋子さんらしい静謐な筆致で描き出している。
特に印象的だったのは、西日がガラスに反射する温室の描写だ。土と葉と花が混じり合った、湿り気 -
Posted by ブクログ
ネタバレあ〜〜好みぶっ刺さり小説。江國さんのひとりでカラカサさしてゆくに読後感が似てる。冒頭で、凄惨な最期を迎えた人々が残した物語であることが明かされるので、言いようのない切なさが全編漂う。わたしが好きだった話は、
•大家の偏屈おばあさんとビスケット並べる話
•公民館で細々と行われている集会や会合に参加する男性の話
•おじいさんが作るヤマネのぬいぐるみをお守りにしている男性の話
自分で書いててなんだそりゃと思ったけど本当にそういう話なんです笑
どんな最期を迎えた人にも、きっとその人の心にずっと残り続ける大切な記憶や思い出があったんだなと、そう思って泣きたくなる宝物みたいなお話たちだった。 -
Posted by ブクログ
「人質たちが暇つぶしに、
何か一つ思い出を文に書き出して朗読し合おうとする。
今必要なのは、
じっと考えることと耳を澄ませることだ。」
冒頭のこの文を読んで、
小川洋子さんが「物語の役割」で、
辛い現実を乗り切るための手段として物語がある、
と語られていたのを思い出した。
杖
子供の頃足を怪我した太った下っぱ工員さんに、
のこぎりで切った枝を渡して助けてあげた。十数年後、
交通事故で意識を失っていたわたしの頭の中に、
工員さんがバーナーと立派なお面を持って現れて、
足を治してくれた。
目覚めたら、切断寸前だったらしい足は、
どうにか持ち堪えてくれていた。バーナーとお面は、
世界を壊すのでは