小川洋子のレビュー一覧

  • 余白の愛

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    素晴らしかったです。
    本書はフォロアーさんからのおすすめだったのですが。
    はい。大好きです。もう、大満足でした。

    小川洋子さんの本はまだ4冊目ですが、もう大ファンになってしまいました。

    この儚げな描写。全てがごくごく薄い鶯色のベールに包まれたような静寂。一人称の「わたし」で綴られる出来事のかずかず。


    耳を病み、夫の不義を知って夫との別れを決意した「わたし」。そんな「わたし」の前に現れた速記者Y。Yの紡ぎ出す暗号の様な速記字とその独特の指に惹かれた「わたし」は…。


    読むにつれ、『現実』と『過去』と『妄想』と『想像』が少しずつ区別できなくなっていく浮遊感。

    どこかでこの感触は感じたこ

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    2019年11月11日
  • 世にも美しい数学入門

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    三角形の内角の和は180度。
    平べったい三角形もとんがった三角形も…。
    そしてそれは100万年前も100万年後も変わらない。こんな真理はない。
    →「三角形の内角の和が180度だという美しさを
    どれだけ情熱的に語ってくれたかで、小学生の数学への興味は変わる」
    →本当にその通りだ。
    この本を読み終わったら数学は確実に好きになる。

    今後、友愛数や完全数を
    ユーモアを交えて日常会話に溶け込ませたい。

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    2019年10月19日
  • ことり

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    幸せそうです 小鳥の小父さんも、そのお兄さんも、自分の求めるもの、必要なことをよく知っていて、それだけを大切に生きています。
    時に、願いの叶わないこともありますが、それでも大丈夫です。二人とも一番大切な欲しいものは、ぶれずに手にしているのです。
    慎ましやかではありますが、実はとても贅沢な人生なのかも知れません。
    私とは求めるものが全く違うけれども、それを手にしているという点で、うらやましく思います。
    疲れたときに、また読みたくなるだろう、そんな本です。

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    2026年02月25日
  • 世にも美しい数学入門

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    ネタバレ

    再読であることをインドの天才数学者ラマヌジャンの話で気づいた。よっぽどこの人の人生が可哀想だと思ったからだろう。

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    2019年10月05日
  • 原稿零枚日記

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    小川洋子が、数々の体験を日記という形で表現する不思議な雰囲気の小説。

    宇宙線研究所の見学の後、F市の旅館の近くで不思議な苔料理を食べる。盆栽祭を見に行って、チャボを見る。近所の運動会に紛れ込み、父兄でもないのに観戦する。現代アートの祭典を見に行き、バスの集合時間に集まれなかったメンバーがひとりひとり消えていく…。

    てっきり本気の日記でエッセイだと思いこんで読み始めたが(相変わらずあらすじは読まずに読み始めるのである)、旅館に向かうタクシーの辺りで気がついた。これは偽日記だ。そもそも「宇宙線研究所」って何だ?

    小川洋子らしく、妙な生物のディテイルなどが細かく書かれているが、ドウケツエビなど

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    2019年09月26日
  • 沈黙博物館

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    ネタバレ

    小川洋子さんの静謐で美しい文章が、話の内容と組み合わさり、静かな不気味さとあたたかさを持った作品でした。博物館に集められていくモチーフはどれも少しぞっとするようなもので、それでもだんだんと収蔵物が増えるにつれて、博物館になっていく。沈黙の伝道師たちも印象的。こんな世界があればいいのにと思う。

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    2019年07月21日
  • やさしい訴え

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    静かな別荘地でチェンバロ作家と離婚寸前で別荘に家でしてきた女性の静かな交流を描く、あまり起伏もオチもないストーリーだけど、この作者らしい、静かな心落ち着く雰囲気がある。

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    2019年07月10日
  • ボタンちゃん

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    ボタンちゃんは、アンナちゃんのたいせつなブラウスのいちばん上。
    ある日、なかよしのボタンホールちゃんとはなれて、たびに出ることになって・・・・。
    ++++++++++++++
    食べ物の話ではないのですが、絵がとても素敵で、思わず購入しました。
    少し大きくなって、自分で読めるようになった子どもたちに、読んでほしい。

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    2019年05月05日
  • やさしい訴え

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    こんなにも徹頭徹尾「苦手かもこの人」と思う主人公がかつていたかしら。
    という感想を主人公の女性・瑠璃子にもった。

    とにかく視野が狭くて、自分のことしか考えていないのだ。
    好きな人とセックスに持ち込むことをねらい、持ち込めたら
    それを恋敵にチラつかせてマウンティングする。
    形成が不利になってきたら飼い犬を殺すと脅す。

    結構な感じにリアルにいやな女性なのである。
    小川洋子さんの文章力、すごい。
    ぐいぐい読んでしまった。

    きれいに振られるところが素敵な小説だと思った。
    人を書くって、きっとこういうことなんだろうなあ

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    2019年04月09日
  • 心と響き合う読書案内

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    数冊読んだことがあって、基本的には好きな小説家の手による書評集。とはいえ、最初から書評という形を取られていたものではなく、ラジオで話したものの字起こしってことだから、ちょっとニュアンスが異なる。ラジオで流れるってことは、読書家ってよりはもう少し一般寄りの相手が対象となる訳で、それもあってか、選ばれている作品も有名どころが占めることになっている。ブックガイド好きで、それらをよく読む目からすれば、既知・既読作品の割合が高い。かといって、刺激のない退屈な読み物となっていないのは、本書のリーダビリティの高さによるところも大きい。ラジオで話している内容だけに、伝わりにくい言葉は含まれないし、時間制限のあ

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    2019年01月21日
  • 夜明けの縁をさ迷う人々

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    多感な時期に読んで一番心に染みたのが小川洋子の作品だった。
    優しいのに残酷、綺麗なのに歪んでいて、何処か切なくて美しい。
    ずっとこの世界に浸り続けていたかった。

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    2019年01月09日
  • まぶた

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    一見、日常的な風景なのに、いつのまにか非現実な世界に入っていることに気づいた。
    小川洋子さんが描く静謐な雰囲気は変わらず。

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    2019年01月03日
  • いつも彼らはどこかに

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    何度読んでも好きです。
    癒し系ではない動物の短編集ですが、仄暗い世界に癒されました。
    「帯同馬」と「ビーバーの小枝」が好きです。
    「帯同馬」で、ディープインパクトとピカレスクコートという固有名詞が出てくるのが小川作品では珍しい感じがしました。あ、でも数式の江夏もそうか…。帯同馬、という関係性も密やかで好きです。
    この作品は日本でしたが、他の作品は国がわからなかったです。
    江國香織さんの解説もとても素敵でした。

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    2018年12月12日
  • いつも彼らはどこかに

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    世の中の片隅でひっそりと暮らしているひと。静かに寄り添う動物、または動物のかたちをしたもの。かなしみと小さなよろこび、現実かからそうでない場所に広がっていく、静謐な、著者ならではの世界。
    ディープインパクトとともに海を渡ったピカレスクコートに自らを重ねる冒頭の「帯同馬」、亡くなった弟を心の片隅におき身代わり旅人を請け負う巻末の「竜の子幼稚園」が特によかった。

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    2018年10月18日
  • 夜明けの縁をさ迷う人々

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    タイトルの「夜明けの縁をさ迷う人々」の場面を想像してみる…夜明け。眩しい光が差し込めるがそれを嫌い闇を求めてさ迷う人々。小説はその場面を切り取り彼らは永久に日の目を見ることがない。小川さんの作品から感じる世界にはどれも独特の時間軸が存在し時間がゆったりと流れるている事。人と人との微妙な距離感。見事なまでの五感の表現方。儚さ、切なさ、狂気、淫靡、孤独…といった感情を独特の時間の流れとともに読後に様々な想いを胸に抱かせてくれる。淫靡で狂気を伴っていてもそういう美しさもあるよなぁ…と感じさせながら。

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    2018年08月15日
  • 原稿零枚日記

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    日記風の小説ですが面白かったです。
    作家の「私」の奇妙な日々と、ひたすら原稿が進まないのがかわいいです。
    再読なのですが、今回は、好きなエピソードの、現代アートの祭典を見に行くお話が、西岡兄妹さんの作品のように脳内再生されて、更に好きになりました。ガイドさんのしわしわぶりが千晶さんの独特な老人で表れた、と思うとそのまま、あの世界に。楽しかったです。
    眠れない夜に図鑑を写すお話も好きです。「光の射さない深海で、少しずつ自分を失ってゆくのはどんな気分だろうかと考える。」

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    2018年08月08日
  • 科学の扉をノックする

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    理系の知識を付けたいと思い、色々読んでたけど、文系の私に一番しっくりきたのがこの作品。数式や原理原則がつらつらと書かれているのではなく、物語的に宇宙とか鉱物などの自然科学のことが語られています。ロマンティックです。

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    2018年03月02日
  • ホテル・アイリス

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    ネタバレ

    何気なく幾度となく読み返した作品。ふと読みたくなる。小川洋子さんの描くこの質感が好きなんだと思う。
    最初に読んだときは高校生だった。翻訳家の老人とおとなしい女子高生の関係はいわゆるSMというものなんだろうけど、高校生のわたしになにかが引っかかった。最近の再読で、ああ、それはその裏にひそむ二人にしかわからない究極の純愛なのかもしれないと感じた。

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    2018年01月23日
  • いつも彼らはどこかに

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    時間を忘れて一気に読破したくなるサスペンスフルな小説もいいけど、
    不思議でシュールでユーモラスな1つの短編の世界に
    1日の終わりにじっくりと浸るのも読書の醍醐味だ。

    本書はまさに寝る前に1話ずつ
    ゆっくりと読んで欲しい短編集。


    たちまち非日常にさらってゆく魔力と甘美な陶酔。
    残り香のように漂う異国情緒。
    小川作品に顕著な、
    物語の中、息を潜めた死の匂いとうっすらとした狂気。

    どの話も様々な動物たちをモチーフに、
    そこにしか居場所のない
    小さな場所に生きている人を描いている。


    スーパーマーケットで試食品のデモンストレーションガールをする女性は
    狭いモノレール沿線から抜け出せない自分の

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    2018年01月13日
  • 沈黙博物館

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    すごくしんとした気持ちになりました。
    爆弾事件と殺人事件のくだりは忘れていたので、こんなにミステリな作品だったっけ…と思いましたが好きです。
    沈黙の伝道師も好き。わたしもかれらにひっそりと語りたいです。
    遺品を展示する沈黙博物館、訪れてみたいです。
    わたしなら一体何を展示されるのだろう…。
    解説が、気になる堀江敏幸さんだったのも良かったです。この村はすでに命の無い人が住む場所、という視点は無かったので興味深く読みました。次に読むときは、このことを心に置いて読もうと思います。

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    2018年01月11日