池波正太郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
絶対空腹時には読んではいけない、
小説家池波正太郎氏が綴る極上の「食」のエッセイ。
と言っても、本作品はただ「この店の何が美味」
などといった事をダラダラと書き殴った
グルメ本などでは決してない。
飽食の時代と言われている現在、
舌で育てる味覚も心で味わう感動も
鈍ってしまっているような現代人に対し、
この作品を読む事で、
「食べる」という行為が本来持っている、
私達人間にもたらしてくれる喜びの感覚や
幸せの実感を呼び覚ましてくれるような、
「五感に訴えかける作品」である。
今までの自分の人生を振り返りそこで出会った
食べ物の味、店の雰囲気を、
その食べ物を味わった当時、
筆者が関わった -
Posted by ブクログ
実は、剣客シリーズ中、この巻が、
私の中では一番好きかもしれない。
表題作の「隠れ蓑」は実に渋くて味のある秀作。
それから「徳どん、逃げろ」はその名の通り、
私のお気に入りキャラ傘屋の徳次郎こと傘徳に
スポットライトがあてられた作品。
「隠れ蓑」にしても「徳どん」にしても、
登場人物達が辿った数奇な運命、
そして静かに隠されていた「真実」が明らかになるラストが、
とても切なくて哀しい。
最後の作品「決闘・高田の馬場」は、
そんな物悲しい気持ちを救ってくれるのかのように、
秋山父子の活躍により小兵衛の愛弟子の危急が救われ、
なんとも愉快で気分爽快な終わり方をする。
私は