盗賊改方の水も洩らさぬ探索網により、薬種屋を狙った大がかりな押し込みは未遂に終わった。しかし、安堵の空気もまもないころ、夕闇を切り裂いて疾って来た半弓の矢が、与力・秋本源蔵の頸すじへ突き立った──。与力暗殺! 同じころ平蔵も襲われ、長男の辰蔵も命を狙われる。そればかりか、盗賊改方の下僕にまで魔の手がのびる。生涯の怪事件に苦悩し、追詰められた平蔵の胸に去来するものは……。〈雲竜剣〉〈鬼火〉につづく感動のシリーズ長篇〈迷路〉。
Posted by ブクログ 2017年09月05日
盗賊の捕縛から生まれた怨恨が、これほどまで平蔵を追い詰めるなんて……雲竜剣でも火盗改メの関係者が次々に斃されたが、今回はその範囲が拡大し、緊迫感が一層増した。序盤の流れからおまさの身に何か起こってしまうかと心配したが、著者の筆はそのようには動かなかったようでホッとした。最終巻まであと2巻。著者が長編...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
続編があるのを知らなければ、これが「鬼平−」の最終回かと思ってしまうラストである。
今回も事の発端は、細川君だった。反省しても反省してもダメな男、細川。せっかく外回りに復帰できたのに、またしても道を踏み外す。
しかし、いけないいけないと思いつつも博打に足を踏み入れる細川の逡巡する姿は、人間くさくて、...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年07月04日
鬼平犯科帳 (22)
特別長篇「迷路」。
薬種屋を狙った盗賊一味を捕縛した後から、鬼平さんの周辺の方々が次々と殺されていきます。
捕縛された一味と縁のある者の犯行にしても、鬼平さんへの恨みが尋常でない為、過去に別件で何かあったように思われる黒幕。
周りの方々が殺されてしまうというのは、鬼平さんが...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年04月15日
鬼平犯科帳 22巻目。
今回は、平蔵さんの窮地だ。
21巻目で、感じた「こんなに密偵がいたら、現役盗賊にバレないのか?」の疑問が現実となる。
そして、21巻目の最後の章が、この長編に繋がっていたとは。
平蔵さんや、その周りの方々、江戸の市民を救ったのは、平蔵さんの勘働きに他ならないだろうな。あと、...続きを読む
※予約作品はカートに入りません