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歴史・時代 4位
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はっと、平蔵が舟の中へ身を伏せた。荒屋敷の潜門がしずかに開き浪人風の男があらわれ、あたりに眼をくばっている。(これほどのやつがいたのか……)平蔵の全身をするどい緊張がつらぬいた。──密偵・おまさの窮地を救うため、ひとり敵地にのりこんだ平蔵の凄絶な剣技を描く「血闘」、のちの展開に大きな役目を果たすことになる、盗賊・大滝の五郎蔵が初登場の「敵」ほか、「霧の七郎」「五年目の客」「密通」「あばたの新助」「おみね徳次郎」「夜鷹殺し」の全八篇。
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「鬼平犯科帳 でくの十蔵」
2024年6月8日~ 時代劇専門チャンネル 出演:松本幸四郎、市川染五郎、仙道敦子
「鬼平犯科帳 血闘」
2024年5月10日公開 出演:松本幸四郎、仙道敦子、中村ゆり
「鬼平犯科帳 本所・桜屋敷」
2024年1月8日~ フジテレビほか 出演:松本幸四郎、市川染五郎、仙道敦子
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おまさの登場巻。 おまさにとって平蔵は少女の頃に大好きだった年上の男性。おまさの心の清らかで汚れない思い出に結びついている特別な存在なのでしょう。 平蔵にとっても可愛くいじらしい妹、やはり特別な存在。 二人には独特の絆がありますね。
#ドキドキハラハラ
Posted by ブクログ
1~4の中で一番おもしろかった! 読めば読むほど、平蔵さんに惚れる。 そして、盗賊の美学みたいなものにロマンを感じる。 全部の話、おもしろかったなぁ。 本編とは関係ないのだけど… 私が読んだものが、1986年の版だったからか、解説を書いている方が奥様に対してだけれど、 「女には「鬼平犯科帳」の真髄...続きを読むは理解不可能である。女なんぞに何がわかるか。」 と書いていて、少しイラっとした。 でも、時代が時代だった!!と思い直す。 そんな昔の日本もしみじみと感じる本でした。
鬼の平蔵に対する盗賊達の復讐の連鎖がこの物語の底流を流れているのだが、読者を飽きさせることのない筆致が凄いと思う。「密通」で妻方の伯父に対して仕掛けた場面での最後の一言がふるっている。「あばたの新助」の末期は哀れであった。「夜鷹殺し」の下手人である旗本を斬って捨てる平蔵。本巻解説にもあるとおり、人の...続きを読む世は白と黒に二分できるものではない。最下層の夜鷹であっても人の命に変りはないと思う平蔵。そして、恐らく平蔵が斬らねば、この犯罪は止まらなかったし、最悪御咎めなしとなったかも知れない。そんな含みのある結末であった。
時代小説。鬼平シリーズ4。短編8作。 「霧の七郎」「五年目の客」「密通」「血闘」「あばたの新助」「おみね徳次郎」「敵」「夜鷹殺し」 江戸に戻り再び火付け盗賊改方に任ぜられた平蔵。 平蔵の長男・辰蔵や妻・久栄の伯父天野彦八郎など、平蔵の身内の者が関わる事件が多い。 あと、平蔵を慕ってやまないおま...続きを読むさが登場。「血闘」以降、「夜鷹殺し」など密偵として働くことになる。 連続して読まないと人物関係の把握が少し難しいが、適度な補足もあり次第に鬼平の世界へ引き込まれていく。
この前、多分初めて鬼平をテレビで観ました。今だから、じっくり観ることが出来るのかもしれません。若い時は黒か白かどちらかはっきりしていないと許せない気持ちでしたが、今は灰色もありだと思っているし、むしろ灰色のことの方が多いということも分かっています。だから、鬼平いいです、とても。 悪いことをした人にも...続きを読む救いがあるというか、罪を犯したことは悪いけれども、それを裁くことが良いとは限らないという柔軟な始末のつけ方がかっこいい!平蔵の周りの人間も、そんな平蔵だから慕っているというのを強く感じた巻でした。
収録されている話は、 「霧の七郎」、「五年目の客」、「密通」、「血闘」、「あばたの新助」、「おみね徳次郎」、「敵」、「夜鷹殺し」の八篇。 この巻で「おまさ」と「大滝の五郎蔵」が登場する。 TV版を散々見ていたせいか、「おまさ」は梶芽衣子のイメージ。これはピッタリな配役ではないかと思った。 事件の年代...続きを読むは話ごとに前後するため、年表が欲しくなる。 「夜鷹殺し」は「切り裂きジャック」を想起させる。 巻末の解説、必要だろうか。女性には鬼平の良さはわからぬ、と決めてかかる書き方は70年代ではまだ当たり前だったのだろうか。
霧の七郎 五年目の客 密通 決闘 あばたの新助 おみね徳次郎 敵 夜鷹殺し
池波正太郎の連作時代小説『新装版 鬼平犯科帳〈4〉』を読みました。 池波正太郎の作品は先日読んだ『決定版 鬼平犯科帳〈3〉』以来ですね。 -----story------------- はっと、平蔵が舟の中へ身を伏せた。 荒屋敷の潜門がしずかに開き浪人風の男があらわれ、あたりに眼をくばっている。(...続きを読むこれほどのやつがいたのか……)平蔵の全身をするどい緊張がつらぬいた。 ──密偵・おまさの窮地を救うため、ひとり敵地にのりこんだ平蔵の凄絶な剣技を描く「血闘」、のちの展開に大きな役目を果たすことになる、盗賊・大滝の五郎蔵が初登場の「敵」ほか、「霧の七郎」「五年目の客」「密通」「あばたの新助」「おみね徳次郎」「夜鷹殺し」の全八篇。 ----------------------- 文藝春秋が発行する月刊娯楽小説誌『オール讀物』に1969年(昭和44年)10月号から1970年(昭和45年)6月号に連載された作品8篇を収録して1976年(昭和51年)に刊行された作品……実在の人物である火付盗賊改方長官・長谷川平蔵を主人公とする捕物帳、鬼平犯科帳シリーズの第4作です。 ■霧の七郎 ■五年目の客 ■密通 ■血闘 ■あばたの新助 ■おみね徳次郎 ■敵 ■夜鷹殺し ■解説 佐藤隆介 「おなつかしゅうござります」20余年ぶりに平蔵の前に現われ、「密偵になりたい」と申し出たおまさには、平蔵への淡い恋心と語りたがらぬ過去があった(「血闘」)……鬼平の凄絶な剣技に息を呑む本作ほか、「霧の七郎」「五年目の客」「密通」「あばたの新助」「おみね徳次郎」「敵」「夜鷹殺し」の全8篇を収録。 テレビドラマでもお馴染みの鬼平犯科帳シリーズ……原作となる小説も面白いです! 本作品は 過去に男女関係となっていたふたり……そのことに気付かれたと思い不本意ながら音吉に抱かれるお吉と、そのことに気付かず愉しみながらお吉を抱く音吉、その認識のズレがふたりの関係に微妙な影を落とす『五年目の客』、 密偵となるおまさが初登場……おまさと平蔵のかつての恋心が交錯し、物語に深みが加わっている『血闘』、 実直で妻以外の女を知らなかった同心・佐々木新助……女に騙され、女に溺れ、墜ちていく男の悲哀を描いた『あばたの新助』、 夫婦ともに別な盗賊の下で活動している悪党なんだけど、徳次郎の方は妻・おみねの正体を知らないという夫婦関係がユーモア交じりに描かれ、おまさの活躍が見事な『おみね徳次郎』、 盗賊・大滝の五郎蔵が初登場……密偵になるまでを描く『敵』、 が印象的だったかな……連作短篇のカタチを取っており、1篇ずつでも愉しめるのですが、それぞれの短篇が繋がって大長篇としても読める構成なので、順番に読み進めると大河ドラマ的な愉しみがありますね。 第5作以降も順次、読んでいこうと思います。
①霧の七郎➡️辰蔵…倅事は頭が痛いね ②五年目の客➡️悪い事はせぬ事 ③密通➡️エッチビデオやん… ④血闘➡️おまさピンチ ⑤あばたの新助➡️ハニートラップ ⑥おみね徳次郎➡️Mr.&Mrs.スミス ⑦敵➡️五郎蔵登場 ⑧夜鷹殺し➡️将軍も夜鷹も同じ人間
このシリーズは勧善懲悪というよりも、人情味のある長谷川平蔵の捌きと、大物悪党を捉える短編が絶妙な 塩梅で混ざっているところにあるように感じます。 おまさの頑なな生き方がいじらしい。
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