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横なぐりに脇差をたたきつけてきた。かわしきれなかった。浅手ながら左肩を切り裂かれた平蔵。「鬼平。お前もこれまでだな」闇の底から、網切の甚五郎の声が聞こえた。……鬼平の危機せまるスリルを描く「兇賊」をはじめ、「深川・千鳥橋」「乞食坊主」「女賊(おんなぞく)」「おしゃべり源八」「山吹屋お勝」「鈍牛(のろうし)」の七篇を収録。間取りの万三、猿塚のお千代、霧(なご)の七郎、芋酒やのおやじこと鷺原の九平などの名キャラクターも次々登場!
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「鬼平犯科帳 でくの十蔵」
2024年6月8日~ 時代劇専門チャンネル 出演:松本幸四郎、市川染五郎、仙道敦子
「鬼平犯科帳 血闘」
2024年5月10日公開 出演:松本幸四郎、仙道敦子、中村ゆり
「鬼平犯科帳 本所・桜屋敷」
2024年1月8日~ フジテレビほか 出演:松本幸四郎、市川染五郎、仙道敦子
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Posted by ブクログ
今回もおもしろかった。 「乞食坊主」「兇賊」が特に好き。 敵も惚れる男、鬼平がよくわかるお話。 「鈍牛」は、ほろりとしてしまった。 どんな人も偏見なく接する平蔵さんを見習いたい。
「おれの死に水を取ってくれないか」 大工の万三は、屋敷の見取り図を盗人に売りつけることで稼いでいた。 結核で余命が短いことを悟った万三は、自分と同じ匂いのする女と出逢い、女のために最後の稼ぎを狙う… *** 人情的なオチで読者としては安堵した。 第1巻の頃だったら、万三も女も破滅していただろうなあ。...続きを読む 作者が丸くなったのか鬼平が丸くなったのか。 /深川・千鳥橋 「ある乞食坊主を殺してほしい」 菅野伊介は依頼を受けた。 しかしその乞食坊主に襲いかかってみて驚愕した。 かつて同じ道場で刀を振るい合った先輩の井関録之助だったのだ。 そしてその同じ道場では、若き日の鬼平も共に稽古に励んでいた。 /乞食坊主 隠居した老賊に知らされた急、赤子の頃に里子に出した息子が危機にさらされている。 どうやら女賊に誑し込まれ、押し込みの片棒を担ぐことになりかけているようだ。 女賊のお千代は、その身体を男たちによって育て上げ、男たちを操り押し込み強盗を繰り返している、一筋縄ではいかない女だ。 /女賊 鬼平の手下の久保田源八は、心臓を患い、鬼平のために余生を生きようと決意していた。 そんな源八が、密偵の最中に賊に襲われ、今までの記憶を失ってしまった… /おしゃべり源八 ひとりばたらきの老盗賊、鷺原の九平は、たまたま鬼平の殺害計画を耳にする。 盗賊なら知らないものはない、火付け盗賊改め鬼の平蔵、鬼平。 九平の表向きの仕事は芋酒呑み屋だ。 たまたま訪れた鬼平の男っぷりに惚れ込んだ九平は、鬼平を亡き者にしようとしてる相手を探ろうとする… /兇賊 鬼平の親族の三沢仙衛門は、今年で五十五になる。 そんな仙衛門が若い女を嫁にとりたいと言い出した。 女を探る鬼平は、その身のこなしに堅気でないものを感じる… /山吹屋お勝 火付けの犯人として捕らえられたのは、”鈍牛(のろうし)”と呼ばれる亀吉だ。 精神薄弱だが真面目でお人よしで近所の人々からも可愛がられていた亀吉が、果たして本当に犯人なのか…? *** いわゆる冤罪事件。 検挙率を挙げるため、拷問などで罪人を仕立て上げた場合、取り調べに当たったものたちも処罰される、というシステムがあったようだ。 /鈍牛
間取りの万三、網切の甚五郎がこの物語から去り、本巻が一つの節目になろうか。しかし「世に盗人の種は尽きまじ」の歌にもあるとおり、次から次に平蔵の前に敵が現れるのだろう。「おしゃべり源八」「鈍牛」は、火盗改方内の同心にまつわる話だが、部下の不始末、不祥事に心痛める平蔵には、現代の中間管理職の苦心と共通す...続きを読むるものがありそう。並の者ではこの職責に胃の腑に穴があくことだろう。
4巻読み終わったところで随分、止まってたけど久々に続きの5巻を読んだのだが、やっぱり鬼平シリーズは安定の面白さ!中でも凶賊は読み応えありました!まだまだ先の巻があるから、引き続き読んでいく予定。
時代小説。鬼平シリーズ5。短編7作。 「深川・千鳥橋」「乞食坊主」「女賊」「おしゃべり源八」「兇賊」「山吹屋お勝つ」「鈍牛」 人は見かけによらぬもの。お縄になった盗賊のうち、これという者は密偵として使おうとするのが平蔵流だがこの巻もそれが多い。 「鈍牛(のろうし)」が切ない。あと、女は恐ろしい。
収録された話は、 「深川・千鳥橋」、「乞食坊主」、「女賊」、「おしゃべり源八」、「兇賊」、「山吹屋お勝」、「鈍牛」の七篇。 「兇賊」の終盤は、まさに「鬼」の平蔵を感じさせるもので、これはTVでは規制されて表現できないだろうなと思った。 相変わらず異名を持つ賊の多いこと。賊主観で物語つくったら、「盗賊...続きを読む王になる!」で、漫画『ワンピース』のようになるのかもしれないと、ふと思った。 「鈍牛」は現代劇で設定される様な内容。こちらの方がより人情を感じたが、実際にこのような場合にはどのような処理がなされるのか、気になった。
池波正太郎の連作時代小説『新装版 鬼平犯科帳〈5〉』を読みました。 池波正太郎の作品は先日読んだ『新装版 鬼平犯科帳〈4〉』以来ですね。 -----story------------- 横なぐりに脇差をたたきつけてきた。 かわしきれなかった。 浅手ながら左肩を切り裂かれた平蔵。 「鬼平。お前もこれ...続きを読むまでだな」闇の底から、網切の甚五郎の声が聞こえた……鬼平の危機せまるスリルを描く「兇賊」をはじめ、「深川・千鳥橋」「乞食坊主」「女賊(おんなぞく)」「おしゃべり源八」「山吹屋お勝」「鈍牛(のろうし)」の七篇を収録。 間取りの万三、猿塚のお千代、霧(なご)の七郎、芋酒やのおやじこと鷺原の九平などの名キャラクターも次々登場! ----------------------- 文藝春秋が発行する月刊娯楽小説誌『オール讀物』に1969年(昭和44年)12月号及び1970年(昭和45年)7月号から1970年(昭和45年)12月号に連載された作品7篇を収録して1978年(昭和53年)に刊行された作品……実在の人物である火付盗賊改方長官・長谷川平蔵を主人公とする捕物帳、鬼平犯科帳シリーズの第5作です。 ■深川・千鳥橋 ■乞食坊主 ■女賊 ■おしゃべり源八 ■兇賊 ■山吹屋お勝 ■鈍牛 「本所の鬼銕」と呼ばれた若き日の平蔵の敵が思いもかけぬ形であらわれる「兇賊」は、人生の因果の劇的なさまに唸らされます、、、 第5巻収録作品は、「深川・千鳥橋」「乞食坊主」「女賊」「おしゃべり源八」「兇賊」「山吹屋お勝」「鈍牛」の全7篇……この中の「山吹屋お勝」は、後年、「著者が選んだ鬼平ベスト5」に入っている作品です。 テレビドラマでもお馴染みの鬼平犯科帳シリーズ……原作となる小説も面白いです! 本作品の収録作では、 平蔵の危機を救ったのは、ひとりばたらきの老盗賊・鷺原の九平だった!? 倶利伽羅峠で網切の甚五郎を斬り捨てるラストシーンが忘れらない『兇賊』、 平蔵本人を狙うのは難しいと判断した霧の七郎は、女盗賊を使って伯父にハニートラップを仕掛ける……男って、何歳になっても男だよねー と、改めて感じた『山吹屋お勝』、 鬼平の人間性に感服し、愚鈍な亀吉とのやり取りに感動……いつの時代でも冤罪は怖いなぁ と感じた『鈍牛』、 が印象的だったかな……連作短篇のカタチを取っており、1篇ずつでも愉しめるのですが、それぞれの短篇が繋がって大長篇としても読める構成なので、順番に読み進めると大河ドラマ的な愉しみがありますね。 第6作以降も順次、読んでいこうと思います。
このシリーズは基本的に短編集ながら、一つの事件が後々まで影響するとこが多い。そして悪人に必ず二つ名が付いているものの、後になるとどんな奴だったか記憶も薄れていてその面白さを味わいきれていない気がする。 元犯罪者が町奉行でいうところの岡っ引きのようなはたらきをして事件捜査に貢献するところが江戸時代らし...続きを読むくて良い。
深川・千鳥橋 乞食坊主 女賊 おしゃべり源八 兇賊 山吹屋お勝 鈍牛 「兇賊」網切の甚五郎の一件が片付く。
鬼平犯科帳5巻目。 「深川 千鳥橋」、「女賊」、「兇賊」の平蔵さんの盗賊たちへの采配は、すごい。 本当に人情深い方だ。 でも、極悪人へ拷問や、斬り合いは、すごい怖い。 時折、想像をしてゾッとしてしまう場面も。 「兇賊」の芋酒 加賀やでの平蔵さん、鷺原の九平、おもんさんのやりとりが好きだ。 身分も見...続きを読むた目も関係なく、人を人として扱う。 現代社会にも、これができない人、多いからね。。
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