鬼平犯科帳が、時代を超えて現代人の心を強く捉えるのは、部下を束ねる平蔵の“リーダーシップの見事さ”にある。部下を思いやる心の篤さ、だからこそ部下も我を忘れて働く……名管理職・平蔵の真骨頂を描く「五月闇」のほか、お頭へ盗賊を周旋する口合人(くちあいにん)と平蔵のかけひきが愉快な「殿さま栄五郎」、兎忠こと木村忠吾が久しぶりに活躍する「さむらい松五郎」、そのほか「あごひげ三十両」「尻毛の長右衛門」「浮世の顔」の全六篇を収録。
Posted by ブクログ 2017年09月05日
「五月闇」で危篤の伊三次、それに続く「さむらい松五郎」冒頭での伊三次の死は、一つの山場であり悲しみであった。忠吾が己の菩提寺に伊三次の墓を建立し墓参する姿に、こちらも涙が溢れそうになった。「さむらい松五郎」での忠吾の活躍は、そんな悲しみを忘れさせてくれた。それにしても須坂の峰蔵はその後どうなるのか?...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年04月05日
男前の密偵、伊佐次が昔の仲間に殺されてしまった…(;´Д`A
「五月闇」を読み終えた時は、大事な友達が死んだような喪失感を覚えた。その次の短編「さむらい松五郎」で、冒頭伊佐次を刺した昔の仲間、伊佐蔵が斬首されるに際し、「お前が刺した伊佐次は元気に暮らしているぞ」と伊佐蔵へ声をかけた兎忠の悔しさが堪ら...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年06月13日
今回収録されている話は、
「あごひげ三十両」、「尻毛の長右衛門」、「殿さま栄五郎」、「浮世の顔」、「五月闇」、「さむらい松五郎」の六篇。
鬼平の世界では、盗人の世界の話として、掟がよく出てくる。盗みの三ヶ条がそれだろう。しかし、盗人間の決め事というのは、その都度説明されることが多い。
「尻毛の長右衛...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年06月20日
時代を超えて多くのファンに愛されるシリーズ第14作。「五月闇」「あごひげ三十両」「尻毛の長右衛門」「殿さま栄五郎」「浮世の顔」「さむらい松五郎」を収録。
本巻の最も衝撃は、「五月闇」の伊三次の死。やんちゃさとスマートさを兼ね、そして仕事は堅実。置かれた立場上を考えると、いつ死んでもおかしくはないが、...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年09月29日
あごひげ三十両
尻毛の長右衛門
殿さま栄五郎
浮世の顔
五月闇
さむらい松五郎
「殿さま栄五郎」馬蕗の利平治の密告により、平蔵が「殿さま栄五郎」になりすまし火間虫の虎次郎一味に潜入。火間虫一味に偽物栄五郎とバレてからがひやひや。
「五月闇」鬼平シリーズ再読なので、この巻を読むときとうとう来てしまっ...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年03月26日
鬼平犯科帳 14巻目。
「五月闇」は、悲しすぎる。。最後は、助かってくれるだろうと思っていたが。。悲しい。。
その流れから展開された「さむらい松五郎」。
忠吾もとても悲しいだろう。
その忠吾が、人違いから、大捕物に参加する。
忠吾も、成長しているな。と、思えた。
解説にもあるとおり、平蔵さんの魅...続きを読む
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