歴史・時代 5位
悪い事をしながら善い事をし、善い事をしながら悪事を働く。心を許し合う友を欺して、その心を傷つけまいとする。全く人間とは奇妙な生きものよ……とは鬼の平蔵の心の底からの述懐である。盗賊でも市井の者でもみな普遍の業を心にしまいこみ、矛盾を抱えながら生きてゆく。その虚実を突きながら、情を持って応える人生の達人・鬼平の魅力いやますシリーズ第八巻。「用心棒」「あきれた奴」「明神の次郎吉」「流星」「白と黒」「あきらめきれずに」の六篇を収録。
Posted by ブクログ 2017年09月05日
本巻でも多くの紙面を充てた「流星」は、平蔵にとっても多くの苦悩を抱えた話だった。部下とその家族の斬殺、押し込みの畜生ばたらきの頻発。火盗改メの動きを見張られているような、平蔵を嘲笑うような事件に心痛める様は、読み手の心も痛くなる。恐らくは平蔵自身も「見張られている」感が常にあったのではないだろうか。...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年05月31日
収録された話は、
「用心棒」、「あきれた奴」、「明神の次郎吉」、「流星」、
「白と黒」、「あきらめきれずに」の六篇。
収録篇数が少ないが、それは「流星」のボリュームによる。頭脳派でしたたかな賊に剣客までつくと、ろくでもないことになる。
「兇賊」は平蔵暗殺を企てる賊の話だったが、今回は平蔵の周りの人々...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年06月23日
鬼平犯科帳 八巻目。
今回は、平蔵さんの人への情けがあらゆる章にかかれている。
船頭の友五郎さんへの最後の対応には、ホロリとさせるものがあった。
無事にシャバに戻ってきて、平蔵さんと再会をしてほしいものだ。。
「あきらめきれずに」の左馬之介は、かわいい。少し悩ましい関係になってらだろうに、最後は結...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年01月30日
今巻も面白かったですー。
今回は、女絡みの事件は少なかったなぁ。
その分、読み始めから没頭できた。
最初の章『用心棒』は、平蔵様お得意のどんでん返しな結末で笑えましたー。
私だったら、自分の身分をすぐ明かしちゃうだろうけど、平蔵様のちょっとした遊び心で制裁しちゃうのはさすが。
『あきれた奴』は、...続きを読む
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