鬼平犯科帳(七)

鬼平犯科帳(七)

小説・文芸
611円 (税込)

3pt

「長谷川平蔵と自分とが、もう切っても切れぬ間柄になってしまったことに、私は気づかざるを得ない」(作者の言葉)。ますます円熟味をました筆先から次々と新しい鬼平像が描き出される……。平蔵が「本所の銕」と呼ばれた放蕩時代の仲間・岸井左馬之助や妻・久栄、岡場所通いで修行が進まない息子・辰蔵など、おなじみの人物も大活躍。「雨乞い庄右衛門」「隠居金七百両」「はさみ撃ち」「掻堀のおけい」「泥鰌の和助始末」「寒月六間掘」「盗賊婚礼」の七篇を収録。

詳しい情報を見る

  • ドラマ化

    「鬼平犯科帳 でくの十蔵」

    2024年6月8日~ 時代劇専門チャンネル
    出演:松本幸四郎、市川染五郎、仙道敦子

  • 映画化

    「鬼平犯科帳 血闘」

    2024年5月10日公開
    出演:松本幸四郎、仙道敦子、中村ゆり

  • ドラマ化

    「鬼平犯科帳 本所・桜屋敷」

    2024年1月8日~ フジテレビほか
    出演:松本幸四郎、市川染五郎、仙道敦子

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

鬼平犯科帳 の一覧

1~24巻配信中 1巻へ 最新刊へ
1~24件目 / 24件
  • 鬼平犯科帳(一)
    611円 (税込)
    斬り捨て御免の権限を持つ、江戸幕府の火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)の長官・長谷川平蔵。その豪腕ぶりは、盗賊たちに“鬼の平蔵”と恐れられている。しかし、その素顔は「妾腹の子」として苦労をし、義理も人情も心得ている。昔は大いに遊び、放蕩無頼の限りを尽くしたことも。テレビに舞台に、人気絶大の鬼平シリーズ第一巻は「唖の十蔵」「本所・桜屋敷」「血頭の丹兵衛」「浅草・御厩河岸」「老盗の夢」「暗剣白梅香」「座頭と猿」「むかしの女」を収録。
  • 鬼平犯科帳(二)
    611円 (税込)
    四季おりおりの風物を背景に、喜びや悲しみを秘めた人間が生きている。強殺、強姦をいとわない盗賊一味あり、仇討ちと男のプライドにかけて盗みを働くものあり。清廉を装う論理だけでは裁けない江戸の街、警備にあたるのは火盗改メ。こころよい人情と溶けあう独自の境地を拓いた鬼平シリーズの第二巻は、「蛇の眼」「谷中・いろは茶屋」「女掏摸お富」「妖盗葵小僧」「密偵」「お雪の乳房」「埋蔵金千両」の七篇を収めている。
  • 鬼平犯科帳(三)
    611円 (税込)
    “鬼平”と江戸の悪人たちから恐れられる幕府火付盗賊改方の長官・長谷川平蔵が、ときにはユーモアをまじえ、ときには鋭い勘を働かせて、兇悪な盗賊を相手に大奮闘をつづける。その颯爽たる立ち回りが大評判の人気シリーズ第三巻は、珍しくも平蔵が、うさ忠こと木村忠吾を供に京都・奈良へ長旅をしたり、平蔵の妻・久栄が活躍する、動きのある傑作揃い。「麻布ねずみ坂」「盗法秘伝」「艶婦の毒」「兇剣」「駿州・宇津谷峠」「むかしの男」の六篇を収録している。
  • 鬼平犯科帳(四)
    590円 (税込)
    はっと、平蔵が舟の中へ身を伏せた。荒屋敷の潜門がしずかに開き浪人風の男があらわれ、あたりに眼をくばっている。(これほどのやつがいたのか……)平蔵の全身をするどい緊張がつらぬいた。──密偵・おまさの窮地を救うため、ひとり敵地にのりこんだ平蔵の凄絶な剣技を描く「血闘」、のちの展開に大きな役目を果たすことになる、盗賊・大滝の五郎蔵が初登場の「敵」ほか、「霧の七郎」「五年目の客」「密通」「あばたの新助」「おみね徳次郎」「夜鷹殺し」の全八篇。
  • 鬼平犯科帳(五)
    611円 (税込)
    横なぐりに脇差をたたきつけてきた。かわしきれなかった。浅手ながら左肩を切り裂かれた平蔵。「鬼平。お前もこれまでだな」闇の底から、網切の甚五郎の声が聞こえた。……鬼平の危機せまるスリルを描く「兇賊」をはじめ、「深川・千鳥橋」「乞食坊主」「女賊(おんなぞく)」「おしゃべり源八」「山吹屋お勝」「鈍牛(のろうし)」の七篇を収録。間取りの万三、猿塚のお千代、霧(なご)の七郎、芋酒やのおやじこと鷺原の九平などの名キャラクターも次々登場!
  • 鬼平犯科帳(六)
    580円 (税込)
    「つくづくとばかばかしく思うのだよ」なれど「このお役目が、おれの性にぴたりとはまっている」のである。清廉な心意気だけで悪行を取り締まることなどできない。俗を知り、人の本性を見据え、火盗改方の長官・長谷川平蔵は疲れをものともせず、また出動する。シリーズ中読者からの人気が高い、粋狂な鬼の平蔵の一面を描いた「大川の隠居」ほか「礼金二百両」「猫じゃらしの女」「剣客」「狐火」「盗賊人相書」「のっそり医者」の七篇収録。
  • 鬼平犯科帳(七)
    611円 (税込)
    「長谷川平蔵と自分とが、もう切っても切れぬ間柄になってしまったことに、私は気づかざるを得ない」(作者の言葉)。ますます円熟味をました筆先から次々と新しい鬼平像が描き出される……。平蔵が「本所の銕」と呼ばれた放蕩時代の仲間・岸井左馬之助や妻・久栄、岡場所通いで修行が進まない息子・辰蔵など、おなじみの人物も大活躍。「雨乞い庄右衛門」「隠居金七百両」「はさみ撃ち」「掻堀のおけい」「泥鰌の和助始末」「寒月六間掘」「盗賊婚礼」の七篇を収録。
  • 鬼平犯科帳(八)
    580円 (税込)
    悪い事をしながら善い事をし、善い事をしながら悪事を働く。心を許し合う友を欺して、その心を傷つけまいとする。全く人間とは奇妙な生きものよ……とは鬼の平蔵の心の底からの述懐である。盗賊でも市井の者でもみな普遍の業を心にしまいこみ、矛盾を抱えながら生きてゆく。その虚実を突きながら、情を持って応える人生の達人・鬼平の魅力いやますシリーズ第八巻。「用心棒」「あきれた奴」「明神の次郎吉」「流星」「白と黒」「あきらめきれずに」の六篇を収録。
  • 鬼平犯科帳(九)
    611円 (税込)
    「女は何よりも、男の肌身に添うているべきものだ」「な、なある……」おなじみの密偵おまさと、大滝の五郎蔵が、平蔵の粋なはからいで夫婦となった。おまさは、少女の頃から平蔵にひそかな想いを寄せており、平蔵もそれを知らぬわけはないのだが……苦労人・鬼平の面目躍如たる「鯉肝のお里」、内部から暗殺計画が! 鬼平まさに危うしの「白い粉」ほか、「雨引の文五郎」「泥亀(すっぽん)」「本門寺暮雪」「浅草・鳥越橋」「狐雨」の全七篇収録。
  • 鬼平犯科帳(十)
    611円 (税込)
    相模の彦十の様子がこのごろ何となくおかしい。むかしとった杵柄というやつかもしれぬ。いまはお上の御用ではたらく身ながら、人のこころの奥底には、おのれでさえわからぬ魔物が棲んでいるものだ。鬼の平蔵、自分でさえ、妻を捨てお上の御用を捨て、岡場所の女と駆け落ちをするかも知れぬ、という。彦十をみはる平蔵、密偵たちの活躍を描く「むかしなじみ」他、「犬神の権三」「蛙の長助」「追跡」「五月雨坊主」「消えた男」「お熊と茂平」の七篇を収録。
  • 鬼平犯科帳(十一)
    611円 (税込)
    鬼の平蔵のもとで働くのは勇猛な者ばかりではない。勘定掛としてはまことに有能な川村弥助は、小心で地震が大の苦手。しかし愛する妻をさらわれた時、この臆病者は変貌した──鬼平の部下への思いやりが光る「泣き味噌屋」。木村忠吾が男色の侍にさらわれ危機一髪!の「男色一本饂飩」。長谷川平蔵が長谷川平蔵に闇討ちされる? 奇想天外な「土蜘蛛の金五郎」。盗んだ金を元に返した老盗人の名人芸「穴」。他に「密告」「毒」「雨隠れの鶴吉」と七篇を収録。
  • 鬼平犯科帳(十二)
    621円 (税込)
    若き日、平蔵と左馬之助は高杉銀平道場の竜虎といわれ、もう一人又兵衛を加えて三羽烏とも呼ばれたものだった。それから幾星霜…盗賊となった又兵衛、火盗改方の長官・鬼の平蔵、二十数年ぶりの凄絶な対決を描く「高杉道場・三羽烏」。彦十に五郎蔵、粂八の元・本格盗めの男たち、いまはお上の手先だが興が乗り、<昔とった杵柄>に話がまとまってしまう「密偵たちの宴」。ほか「いろおとこ」「見張りの見張り」「二つの顔」「白蝮」「二人女房」の七篇を収録。
  • 鬼平犯科帳(十三)
    580円 (税込)
    盗賊にも守るべきモラルがある。盗まれて難儀をする貧しいものに手を出さぬこと、人を殺傷せぬこと、盗みに入った先で女を手ごめにせぬこと。この三カ条を守らない盗賊を畜生盗(づと)めという。さて、本巻の「一本眉」では掟を守りぬく真の盗賊が、畜生盗めの一味を成敗する痛快譚。その他に、平蔵が盗賊のお頭に変身? お忍びの湯治先で一行が出会った事件「熱海みやげの宝物」と「殺しの波紋」「夜針の音松」「墨つぼの孫八」「春雪」の計六篇を収録。
  • 鬼平犯科帳(十四)
    611円 (税込)
    鬼平犯科帳が、時代を超えて現代人の心を強く捉えるのは、部下を束ねる平蔵の“リーダーシップの見事さ”にある。部下を思いやる心の篤さ、だからこそ部下も我を忘れて働く……名管理職・平蔵の真骨頂を描く「五月闇」のほか、お頭へ盗賊を周旋する口合人(くちあいにん)と平蔵のかけひきが愉快な「殿さま栄五郎」、兎忠こと木村忠吾が久しぶりに活躍する「さむらい松五郎」、そのほか「あごひげ三十両」「尻毛の長右衛門」「浮世の顔」の全六篇を収録。
  • 鬼平犯科帳(十五)
    652円 (税込)
    二夜続けて、腕利きの同心が殺害された。その剣の手練は、半年まえ平蔵を襲った兇刃に似ている。あきらかに、何者かの火盗改方への挑戦だ。その目的は? あの大鴉のような男が向けてきた刃の凄さを思い返した長谷川平蔵は、湧き上ってくる闘志を押さえかねて思わず身震いした──正体不明の恐るべき強敵の登場に、じりじりと追い詰められる平蔵。亡き恩師・高杉銀平の言葉が思い出せれば、手がかりになるのだが……シリーズ初登場の長篇〈雲竜剣〉は、興趣満々の作品。
  • 鬼平犯科帳(十六)
    611円 (税込)
    出合茶屋で女賊の裸身をむさぼる同心・黒沢。どうも妙だ、と同僚の小柳は気づいた──「網虫のお吉」。結婚を目前に最後の悪所通い、としゃれこんだ木村忠吾が出くわしたのは──「影法師」。妻を寝とられ腹いせに放火を企てた船頭が、闇の中、商家へ吸い込まれてゆく黒い影の群れを見た時──「火つけ船頭」。巷にしぶとく生きる悪に鬼平は如何に立ち向かうのか? 「白根の万左衛門」「見張りの糸」「霜夜」とあわせ全六篇を収録。
  • 鬼平犯科帳(十七)
    621円 (税込)
    その居酒屋には名前さえついていない。うまい酒を出すが、亭主がたいそう無愛想なその店を、土地の人びとは「権兵衛酒屋」と呼んでいる。その身のこなし、もと二本差であったらしい。興味をひかれた長谷川平蔵は「権兵衛」に立ち寄り、評判の酒を堪能することに。しかし、直後、店の女房は斬られ、亭主はいずこかへ逐電した。捜査をはじめた平蔵に迫る怪しい影は、ついに鬼平を斬った! 武家社会の闇と悲哀が浮かび上がる特別長篇〈鬼火〉、満を持して登場。
  • 鬼平犯科帳(十八)
    559円 (税込)
    大恩ある盗賊の娘が狙われていると知った密偵・仁三郎は、平蔵に内緒で非常手段をとる。盗賊上りの部下を思いやる長官の情と密偵の苦悩を描く「一寸の虫」。尾行中の鬼平の前で提灯が闇に飛んだ。辻斬りか? 「神妙にせよ!」、途端に逃げ失せた賊と共に傷ついた男も消える。謎が謎を呼ぶ「蛇苺」。盗賊改方の勘定方・細川峯太郎が初の調査にのりだす「草雲雀」。そのほか「俄か雨」「馴馬の三蔵」「おれの弟」と、円熟の短篇全六篇を収録!
  • 鬼平犯科帳(十九)
    590円 (税込)
    双肌をぬぎ、太やかな腕を剥き出しにして、せっせと桶をつくる働き者のおろくは、息子の変事をきいて顔色が変わった。「これ、どうしたのだ?」「うちの子が、勾引(かどわか)されたんでございます」叫ぶようにいったおろくが、平蔵の手を振り切って家を走り出た。──幼児誘拐犯は、実の親か? 卑劣な犯罪を前にさすがの平蔵にも苦悩の色が……。「霧の朝」「妙義の團右衛門」「おかね新五郎」「逃げた妻」「雪の果て」「引き込み女」の六篇を収めた力作短編集。
  • 鬼平犯科帳(二十)
    611円 (税込)
    女は、いきなり甚助へつかみかかり、「何をしゃあがる」立ちあがった甚助に突き飛ばされると、「か、敵討ちの約束がまもれぬなら、わたした金を返せ、返せえ!!」白眼をつりあげて叫んだ。逃げ廻る甚助に旧知の平蔵は助太刀をするが、事は意外な方向に展開して行く。女心の奇妙さに、さすがの鬼平も苦笑い。花も実もある鬼平の魅力──「助太刀」。ほか「おしま金三郎」「二度あることは」「顔」「怨恨」「高萩の捨五郎」「寺尾の治兵衛」の全七篇収録。
  • 鬼平犯科帳(二十一)
    600円 (税込)
    大島勇五郎は、名前ほど勇ましくないが有能な同心だ。しかし最近おかしい。不審を感じた平蔵が、自ら兇盗の跳梁を制する「春の淡雪」、探索方から勘定方に戻されて、ふて腐れていた細川峯太郎が、非番の日に手柄を立て、再び探索方に戻るまでを描く「泣き男」、浮気の虫が騒ぎ出した木村忠吾にも温かく厳しい眼をそそぐ「麻布一本松」ほか、「瓶割り小僧」「討ち入り市兵衛」「男の隠れ家」を収録。“仏の平蔵”の部下への思いやりをしみじみと描く、慈愛溢れる一冊。
  • 鬼平犯科帳(二十二)
    621円 (税込)
    盗賊改方の水も洩らさぬ探索網により、薬種屋を狙った大がかりな押し込みは未遂に終わった。しかし、安堵の空気もまもないころ、夕闇を切り裂いて疾って来た半弓の矢が、与力・秋本源蔵の頸すじへ突き立った──。与力暗殺! 同じころ平蔵も襲われ、長男の辰蔵も命を狙われる。そればかりか、盗賊改方の下僕にまで魔の手がのびる。生涯の怪事件に苦悩し、追詰められた平蔵の胸に去来するものは……。〈雲竜剣〉〈鬼火〉につづく感動のシリーズ長篇〈迷路〉。
  • 鬼平犯科帳(二十三)
    559円 (税込)
    夜鴉(よがらす)が鳴くのを聞いた翌日、おまさは旧知の盗賊・峰山の初蔵に声をかけられた。「頼みがある。荒神の二代目に力をかしてもらいたい。二代目は女だ。先代の隠し子さ」──荒神の先代に世話になったおまさの心が騒いだ。初蔵には得体のしれないところがある。そして二代目はどんな女なのか……平蔵の亡父・宣雄の隠し子(お園)と盗賊の隠し子(二代目)がからんで、事件は複雑な様相を呈してゆく! 長篇〈炎の色〉と、お園が初登場する「隠し子」を収録。
  • 鬼平犯科帳(二十四)
    468円 (税込)
    風が鳴った。平蔵は愛刀の鯉口を切る。雪か? 闇の中に刃と刃が噛み合って火花が散った──。 著者の逝去によって「鬼平」シリーズ最終作品となった未完の長篇〈誘拐〉。そのほか、おまさ・お熊が活躍し、平蔵の腹違いの妹・お園の婚礼も登場する女づくしの「女密偵女賊」。おまさの亭主と同名の五郎蔵が役宅の髪結いに。緊張感あふれるなかにも、どこかユーモラスな「ふたり五郎蔵」を収録。また一巻目から読み返したくなる、充実の最終巻!

※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません

鬼平犯科帳(七) のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    『雨乞い庄右衛門』
    盗賊の頭の雨乞い庄右兵衛は、病を得て田舎で療養に入っていた。江戸に残した妾のお照は一味の若い男を寝所に引き込んでいた。
    庄右兵衛は最後の勤めをしようと江戸に上がる。そしてその後を付ける男たち。

    『隠居金七百両』
    長谷川辰蔵は、火付盗賊改方の長官鬼平の長男だが、刀の腕はからっきし、悪友に教えられた女遊びに明け暮れるお気楽人生を歩んでいる。
    辰蔵が今目をつけているのは茶屋の小女のお順。しかしお順の父次郎助は、盗賊のお頭白峰の田四郎の隠居金を預かっており、そのためにお順は男たちに誘拐されてしまう。

    『はさみ撃ち』
    薬種屋「万屋小兵衛」の女房おもんは、貸本屋の友蔵との屋敷内での色ごとに夢中になっていた。
    しかしこの友蔵は盗賊一味の引き込み役で、屋敷に入り込むためにおもんに近づいたのだった。
    そんな二人の情事と、小細工を仕込む友蔵の様子を主の小兵衛が盗み見てつぶやく。「ふ…盗人をやめた盗人の家へ、現役(いまばたらき)の盗人がへえってきやがった。これは面白くなってきた」

    ==昔気質の盗賊の鮮やかな手際。このような話は読んでいてもスッキリします。

    『搔堀のおけい』
    「あっしはこのままじゃあ、おけいのアマに取り殺されてしめえます」
    盗賊から足を洗い、今では鬼平の密偵を努めている大滝の五郎蔵に泣きつくのは、昔面倒を見た盗賊引き込み役の砂井の鶴吉。おけいという女に可愛がられすぎて成婚尽き果てているという。
    搔堀のおけいは、目を付けた金満家に取り入り妾や女房に収まり大金を盗み出すという一人場たら気を続けている。四十を超えてもなお男たちを骨抜きにする女の魅力を持っていたが、今まで散々男におもちゃにされた体の不満を若い鶴吉を可愛がることで発散させていた。

    ===この時代に、一人で男を渡り情事と盗みで生きてきた女が、心底可愛いと思って若い男を抱きつくすというのもなんとも物悲しいと感じる。

    『泥鰌の和助始末』
    若くてグレていた頃の鬼平、その友人岸井左馬之助は、剣客の松岡重兵衛に道を正してもらったことがある。その松岡重兵衛は盗賊の仕事を手伝いながら生き甲斐のない退屈な日々を送っていた。
    そんな松岡重兵衛に近づくのは泥鰌の和助。泥鰌の和助は大工でとして目を付けた屋敷の普請に関わり忍び込むための細工を弄しては盗賊一味にその情報を売っていた。
    そして泥鰌の和助は最後の大仕事をしようとする。自分の一人息子を死に追いやった大店への復讐を行うのだ。
    松岡重兵衛が盗みに関わっていると察した昔の義理と、盗賊改としての勤めに揺れる鬼平と左馬之助。

    ===鬼平の長男辰蔵が出てきますがまだまだ青二才。シリーズが進むと少しは成長するのだろうか。まあ同じく青二才だった兎の忠吾もだんだん面白みのある働けるやつになっているので、辰蔵もちっとは物になるのかなあ。

    『寒月六間堀』
    非番の鬼平は、息子の仇討ちをしようとする井口瀬兵衛老人を知る。この頃の武士の仇討ちは、父や兄の仇を討つことが掟であり、子や弟妹や妻などの仇を討つことは変則だったのだ。
    ボロボロの服で食うにも困るその日暮らしを贈りながら二十年かけて息子の仇を追うこの老人に、鬼平は身元を告げずに助太刀を申し入れるのであった。

    ===身分を隠して弱気を助けるってまさに時代劇だ。しかし自由だな、江戸時代のお勤め。

    『盗賊婚礼』
    昔気質の盗賊には鉄則の三箇条があった。「人を殺めぬこと、女を手込めにせぬこと、盗まれて難儀をする者へは手を出さぬこと」
    それを正しく守る傘山の弥太郎のような盗賊はすでに時代遅れとなりつつある。
    そんな傘山の弥太郎のところへ、大阪を拠点とする鳴海の茂蔵が渡りを付けてくる。
    先代の傘山と鳴海との間で、互いの倅と娘とを娶せようと約束を交わしていたのだ。しかし義賊たる掟を守る傘山の弥太郎とは違い、鳴海の繁蔵はならず者を雇い忍び込んだ家人を殺し女を犯す急ぎ働きへ方向転換をしていたのだ。

    ===鬼平は昔気質の義賊たる盗人には一定の敬意を示し、彼らも鬼平を正しく怖れます。このような盗賊が出てくる話は感じよく読めます。

    0
    2019年12月22日

    Posted by ブクログ

    解説も鬼籍に入った中島梓(栗本薫)で、久しぶりの再会という感じだった。彼女が言うように鬼平は、簡潔にして滋味に富む文章だと思う。女性は魅力的に、食べ物は美味しく、日本酒は旨く感じる。読み手の中で勝手にイメージが膨らんでしまう、そんな文章だ。「はさみ撃ち」はなかなか面白い。元盗賊の店へ忍び込む盗賊を、元盗賊と火盗改メが互いに知らずに追う展開は、読んでいてニヤリとしてしまう。「盗賊婚礼」の結末は悲しいものだ。畜生盗めの盗賊団の中にも心ある人間がいたことが救いと言えよう。

    0
    2017年09月05日

    Posted by ブクログ

    今回の鬼平も安定の面白さ。

    隠居金七百両、泥鰌の和助始末が面白かった。

    どちらも鬼平の息子が事件に絡んでくるのだが、鬼の平蔵も息子の前では悩んだり、放蕩息子を少し見直したり、我が子可愛いさに。。。といった父親の横顔を
    覗かせている。

    また、泥鰌の〜では、恩師と慕っていた人間をお縄にする葛藤も描かれていて、仕事としての鬼平と1人の素の人間としての鬼平がよく表現できているのが、興味深い。

    0
    2015年12月15日

    Posted by ブクログ

    収録された話は、
    「雨乞い庄右衛門」、「隠居金七百両」、「はさみ撃ち」、
    「掻掘のおけい」、「泥鰌の和助始末」、「寒月六間堀」、
    「盗賊婚礼」の七篇。
    真っ当な(?)盗賊であっても、その引き際は難しい。
    組織の維持というのも難しい。優秀な「右腕」がいるのはいいことだけれど、それが大きな野望を抱いていると怖いことに。
    本巻も様々な盗賊の人間模様が見られる。
    気になったのは、巻末の「解説」。いらないと思う。
    解説を請け負った人は、それがずーっと残るということをよくよく考えて書いてほしい。何刷目であろうと、残るわけだから。
    冒頭で「池波さんの文章は映画的である」と述べながら、結局その話ができずに終わるって、まさに「竜頭蛇尾」じゃないか。

    0
    2013年05月30日

    Posted by ブクログ

    雨乞い庄右衛門
    隠居金七百両
    はさみ撃ち
    掻堀のおけい
    泥鰌の和助始末
    寒月六間堀
    盗賊婚礼

    0
    2010年06月21日

    Posted by ブクログ

    池波正太郎の連作時代小説『新装版 鬼平犯科帳〈7〉』を読みました。
    池波正太郎の作品は先日読んだ『新装版 鬼平犯科帳〈6〉』以来ですね。

    -----story-------------
    「長谷川平蔵と自分とが、もう切っても切れぬ間柄になってしまったことに、私は気づかざるを得ない」(作者の言葉)。
    ますます円熟味をました筆先から次々と新しい鬼平像が描き出される…。
    「雨乞い庄右衛門」「隠居金七百両」「はさみ撃ち」「掻掘のおけい」「泥鰌の和助始末」「寒月六間堀」「盗賊婚礼」の七篇を収録。
    -----------------------

    文藝春秋が発行する月刊娯楽小説誌『オール讀物』に1971年(昭和46年)8月号から1972年(昭和47年)2月号に連載された作品7篇を収録して1980年(昭和55年)に刊行された作品……実在の人物である火付盗賊改方長官・長谷川平蔵を主人公とする捕物帳、鬼平犯科帳シリーズの第7作です。

     ■雨乞い庄右衛門
     ■隠居金七百両
     ■はさみ撃ち
     ■掻掘のおけい
     ■泥鰌の和助始末
     ■寒月六間堀
     ■盗賊婚礼
     ■解説 中島梓

    この年20歳の平蔵の長男・辰蔵は、剣術の稽古そっち退けで、女あそびに打ち込んでいる……いまは“芋の煮ころがしのような小むすめ”に夢中だ(「隠居金七百両」)、、、

    緩急自在の鬼平の魅力ここにあり……ほかに「雨乞い庄右衛門」「はさみ撃ち」「掻掘のおけい」「泥鰌の和助始末」「寒月六間堀」「盗賊婚礼」の全7篇を収録。

    テレビドラマでもお馴染みの鬼平犯科帳シリーズ……原作となる小説も面白いです! 本作品の収録作では、

    盗賊雨乞いの一味を捕らえる手柄を立てて、平蔵愛用の銘刀・国貞を褒美に貰い受けた左馬之助……武士に二言はないと言いつつ平蔵が泣き出しそうな顔になるという結末が忘れられない『雨乞い庄右衛門』、

    引退した元盗賊で商家の老主人が、年下の妻が引き入れた盗賊を出し抜く……平蔵も舌を巻くほどの見事な手際が痛快でユーモアたっぷりの『はさみ撃ち』、

    若い頃の平蔵と左馬之助が盗人稼業に手を出しかけたところを一喝して踏みとどまらせた恩人で現在は盗賊の用心棒となっている松岡十兵衛と相対する平蔵の苦悩、平蔵の長男・辰蔵の空回り、本格の盗みをする泥鰌の和助の最後のお盗めの理由、和助に狙われて小津屋の顛末……複数のエピソードがぴたりと嵌る『泥鰌の和助始末』、

    筋を通す男・長嶋の久五郎がムッチャ格好良い……最後の最後に傘山の弥太郎の父への恩義から、鳴海の繁蔵を裏切る展開に感動させられた『盗賊婚礼』、

    が印象的だったかな……連作短篇のカタチを取っており、1篇ずつでも愉しめるのですが、それぞれの短篇が繋がって大長篇としても読める構成なので、順番に読み進めると大河ドラマ的な愉しみがありますね。

    巻が進むに連れてどんどん面白くなっていきますね……第8作以降も順次、読んでいこうと思います。

    0
    2025年08月24日

    Posted by ブクログ

    このシリーズはたいてい粂八やおまさといった元盗賊の密偵が昔の顔見知りを偶然見かけて盗賊一味が江戸にやってきた気配を掴むか、平蔵が独特の勘で道ゆく人の何気ない素振りから怪しさを感じるかのパターンですが、それにはまらない寒月六間堀が今回は良かったな。
    あと、盗人の三箇条を守るか否かで平蔵の対応が変わるという分かりやすさも良い。

    0
    2025年04月04日

    Posted by ブクログ

    寒月六間堀より
    つまりは、人間というもの、生きていくにもっとも大事なことは‥‥たとえば、今朝の飯のうまさはどうだったとか、今日はひとつ、なんとか暇をみつけて、半刻か一刻を、ぶらりとおのれの好きな場所に出かけ、好きな食物でも食べ、ぼんやりと酒など酌みながら‥‥さて、今日の夕餉には、何を食おうかなどと、そのようなことを考え、夜は一合の寝酒をのんびりとのみ、疲れた躰を床に伸ばして、無心にねむりこける。このことにつきるな。

    鬼平の言葉は味わい深く、身に染みます。常に場面が目に浮かび、映画的でもあります。

    0
    2019年07月07日

    Posted by ブクログ

    雨乞い庄右衛門
    隠居金七百両
    はさみ撃ち
    搔掘のおけい
    泥鰌の和助始末
    寒月六間堀
    盗賊婚礼

    「雨乞い庄右衛門」左馬之助に国貞を渡すことになった平蔵の顔を想像すると面白い。
    解説に「「行間に絵のある」文章」とあり、なるほどと思った。

    0
    2018年09月17日

    Posted by ブクログ

    鬼平犯科帳シリーズ第七巻。「雨乞い庄衛門」「隠居金七百両」「はさみ撃ち」「掻掘のおけい」「泥鰌の和助始末」「寒月六間堀」「盗賊婚礼」の七編。

    0
    2016年09月16日

鬼平犯科帳(七) の詳細情報

  • ドラマ化

    「鬼平犯科帳 でくの十蔵」

    2024年6月8日~ 時代劇専門チャンネル
    出演:松本幸四郎、市川染五郎、仙道敦子

  • 映画化

    「鬼平犯科帳 血闘」

    2024年5月10日公開
    出演:松本幸四郎、仙道敦子、中村ゆり

  • ドラマ化

    「鬼平犯科帳 本所・桜屋敷」

    2024年1月8日~ フジテレビほか
    出演:松本幸四郎、市川染五郎、仙道敦子

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

鬼平犯科帳 のシリーズ、関連作品

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

文春文庫 の最新刊

無料で読める 歴史・時代

歴史・時代 ランキング

池波正太郎 のこれもおすすめ

鬼平犯科帳 に関連する特集・キャンペーン

同じジャンルの本を探す