【感想・ネタバレ】鬼平犯科帳(八)のレビュー

あらすじ

悪い事をしながら善い事をし、善い事をしながら悪事を働く。心を許し合う友を欺して、その心を傷つけまいとする。全く人間とは奇妙な生きものよ……とは鬼の平蔵の心の底からの述懐である。盗賊でも市井の者でもみな普遍の業を心にしまいこみ、矛盾を抱えながら生きてゆく。その虚実を突きながら、情を持って応える人生の達人・鬼平の魅力いやますシリーズ第八巻。「用心棒」「あきれた奴」「明神の次郎吉」「流星」「白と黒」「あきらめきれずに」の六篇を収録。

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人気時代小説第8巻

もはや説明不要ですらある人気時代小説第8巻。
火付盗賊改方の長官である長谷川平蔵とその部下や元盗賊の密偵たちの活躍を描く今作。
この巻で、見逃せない話は見かけは鍾馗さまの様にイカツイのに剣術はからっきしダメの見掛け倒しの用心棒高木軍兵衛が登場する「用心棒」と、平蔵の親友岸井左馬之助がいよいよ結婚!?しかしお相手の女性には前夫の影しかも盗賊?という「あきらめきれずに」が見どころと思われる。
オール読物という雑誌に連載されていたためか1話完結の短編で書かれており、好きな話から読み進められるのがこういう時代小説のいいところだなと思う。
近年でも松本幸四郎氏主演のドラマが放送されているみたいなので気になる方は是非。

#エモい #カッコいい #憧れる

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2025年10月20日

購入済み

個人的に大好きな同心の小柳。
大きな悲しみと喪失を経験が、平蔵もあきれる程、肝の座った仕事をやり遂げさせる。
優しさを失わず、強くなっていく小柳がカッコイイ!

#胸キュン #感動する #カッコいい

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2022年02月06日

Posted by ブクログ

本巻でも多くの紙面を充てた「流星」は、平蔵にとっても多くの苦悩を抱えた話だった。部下とその家族の斬殺、押し込みの畜生ばたらきの頻発。火盗改メの動きを見張られているような、平蔵を嘲笑うような事件に心痛める様は、読み手の心も痛くなる。恐らくは平蔵自身も「見張られている」感が常にあったのではないだろうか。「あきらめきれずに」は二つの意が掛けられているのだろうが、左馬之助が結ばれる結末に、少し複雑な気持ちを抱いた。

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2017年09月05日

Posted by ブクログ

収録された話は、
「用心棒」、「あきれた奴」、「明神の次郎吉」、「流星」、
「白と黒」、「あきらめきれずに」の六篇。
収録篇数が少ないが、それは「流星」のボリュームによる。頭脳派でしたたかな賊に剣客までつくと、ろくでもないことになる。
「兇賊」は平蔵暗殺を企てる賊の話だったが、今回は平蔵の周りの人々を襲い、平蔵を凹ませるだけでなく、その隙に盗みまではたらこうとする話。そんなこともあって、内容が濃い。
そういえば、丹波哲郎主演の『鬼平犯科帳』での、この「流星」では、剣客役に『ルパン三世』の銭形警部役の納谷悟朗
さんが出演されていた。声だけでなく、演技も素敵だった。
さて、「あきらめきれずに」では、またしても岸井左馬之助の純情な面が描かれる。「本所・桜屋敷」以降、左馬之助もお気に入りのキャラになったが、やっと春が来た。よかったよかった。

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2013年05月31日

Posted by ブクログ

久々の再読。藤枝梅安や剣客商売など、寄り道したけど、やっぱり長谷川平蔵が一番イイ!久しぶりに読みながら、吉右衛門のドラマを思い出した。小説に忠実なドラマだったなと。 用心棒で小房の粂八が出てきたときは、やたら嬉しかった。あと、お熊婆さんも。

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2012年05月10日

Posted by ブクログ

池波正太郎の連作時代小説『新装版 鬼平犯科帳〈8〉』を読みました。
池波正太郎の作品は先日読んだ『新装版 鬼平犯科帳〈7〉』以来ですね。

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悪い事をしながら善い事をし、善い事をしながら悪事を働く。
心を許し合う友を欺して、その心を傷つけまいとする。
く人間とは奇妙な生きものよ……とは鬼の平蔵の心の底からの述懐である。
盗賊でも市井の者でもみな普遍の業を心にしまいこみ、矛盾を抱えながら生きてゆく。
その虚実を突きながら、情を持って応える人生の達人・鬼平の魅力いやますシリーズ第八巻。
「用心棒」「あきれた奴」「明神の次郎吉」「流星」「白と黒」「あきらめきれずに」の六篇を収録。
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文藝春秋が発行する月刊娯楽小説誌『オール讀物』に1972年(昭和47年)3月号から1972年(昭和47年)8月号に連載された作品6篇を収録して1980年(昭和55年)に刊行された作品……実在の人物である火付盗賊改方長官・長谷川平蔵を主人公とする捕物帳、鬼平犯科帳シリーズの第8作です。

 ■用心棒
 ■あきれた奴
 ■明神の次郎吉
 ■流星
 ■白と黒
 ■あきらめきれずに

鬼平を苦しめるため、配下の家族を殺す前代未聞の兇族が登場する長篇「流星」をはじめ、「用心棒」などを収録した8巻。

テレビドラマでもお馴染みの鬼平犯科帳シリーズ……原作となる小説も面白いです! 本作品の収録作では、

平蔵が、笹屋のお熊のところで知り合った、ちょっと頼りない用心棒の高木軍兵衛の助太刀する展開(『水戸黄門』っぽい感じかな)……結末で平蔵の正体を知った軍兵衛が「怖くて、やさしくて、おもいやりがあって、あたたかくて……そして、やはり、怖いお人だよ」と話す場面が印象的な『用心棒』、

凶悪な盗賊の所在を掴むために捕らえた盗賊・鹿留の又八を信用して牢から出し自らが牢に入ることになった同心の小柳安五郎……信義を貫いた2人、あきれた2人に胸が熱くなる『あきれた奴』、

上方の盗賊・生駒の仙右衛門は江戸進出のために、江戸の盗賊・鹿山の市之助と手組み、平蔵の邪魔をしようと剣客2人を江戸に送り込み、同心の家族や役宅の門番などを殺す! 平蔵の怒りが爆発するハードな捕り物で、そこに『大川の隠居』に登場した引退した老盗賊・友五郎が巻き込まれる……卑劣な強殺の連続と盗賊に対する平蔵の激しい怒り、そして島流しとなった友五郎への平蔵の思いやり等、複数の要素がバランス良く織り込まれた中篇『流星』、

下女泥棒のお今とお仙ともんどりの亀太郎……白と黒と色男、タイトルの理由を知り思わずニヤリとしてしまい、結末に木村忠吾が平蔵にたしなめられるシーンに笑ってしまう『白と黒』、

が印象的だったかな……連作短篇のカタチを取っており、1篇ずつでも愉しめるのですが、それぞれの短篇が繋がって大長篇としても読める構成なので、順番に読み進めると大河ドラマ的な愉しみがありますね。

巻が進むに連れてどんどん面白くなっていきますね……第9作以降も順次、読んでいこうと思います。

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2025年08月31日

Posted by ブクログ

毎度のことながら、この長さの短編の中によくこれだけいろいろな要素を織り込んで作品に仕上げるものだと感心します。

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2025年06月10日

Posted by ブクログ

「用心棒」強くなれ。
「あきれた奴」でも他にもっと良い方法があったのでは
「明神の次郎吉」いい奴なら盗賊すな
「流星」大捕り物。流星は出ない
「白と黒」エロと亀
「あきらめきれずに」左馬之助、お静と夫婦に

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2023年03月09日

Posted by ブクログ

用心棒
あきれた奴
明神の次郎吉
流星
白と黒
あきらめきれずに

「流星」久しぶりに読み応えがあった。因縁の生駒の仙右衛門一味の事件が一件落着。友五郎に対する平蔵の心遣いが温かい。
「あきらめきらずに」左馬之助に待望の奥さんが。でも一筋縄でいかないのが面白いところ。

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2018年09月19日

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鬼平犯科帳 八巻目。
今回は、平蔵さんの人への情けがあらゆる章にかかれている。
船頭の友五郎さんへの最後の対応には、ホロリとさせるものがあった。
無事にシャバに戻ってきて、平蔵さんと再会をしてほしいものだ。。

「あきらめきれずに」の左馬之介は、かわいい。少し悩ましい関係になってらだろうに、最後は結婚ができて、ホッとした。

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2017年06月23日

Posted by ブクログ

鬼平の魅力を益々感じることが出来るシリーズ第八巻。
六編を収録しているが、なかでも「流星」では火盗改メに関係する者が次々と斬殺され鬼平ピンチに。

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2016年09月21日

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今巻も面白かったですー。
今回は、女絡みの事件は少なかったなぁ。
その分、読み始めから没頭できた。

最初の章『用心棒』は、平蔵様お得意のどんでん返しな結末で笑えましたー。
私だったら、自分の身分をすぐ明かしちゃうだろうけど、平蔵様のちょっとした遊び心で制裁しちゃうのはさすが。

『あきれた奴』は、小柳安五郎の独断での解決?で、なんとかめでたしで終わったけど、ほんとラッキーでした。
平蔵様だったら、どうこれを解決するのかなって思う。

今回は左馬さんの出番が多くて面白かったです。
子供っぽく純真でいて、それでいて豪快で良いキャラしてます。
そんな彼の新たな一面が読めた巻でしたー。

久しぶりの改方総出の大事件もあって読み応えあった。

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2016年01月30日

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ネタバレ

『大川の隠居』の友五郎が再登場して嬉しかったのですが、事件に巻き込まれた行く末は切ないものがありました。 『あきれた奴』『明神の次郎吉』など、人の情を感じられる話が多く、鬼平っていいなぁと再認識した次第です^^

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2013年12月02日

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基本的には盗賊VS鬼平の流れだけでよくここまで飽きさせないよなぁ。人が描かれているとかはあるだろうけれど、盗人の種類も多くてすごい。そろそろ過去の事件のどれがどれか分からなくなってきました。問題はないですが(苦笑)

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2010年03月02日

Posted by ブクログ

何度読んでも面白い、ページを捲るのが待てない。少し間を置いて、薄ら内容を忘れた頃に読むのが良い。以前、全巻持っていたが置き場所に困り、古本屋にはらってしまった。以後、馴染みの古本屋やブクオフで見つけては、買ったり買わなかったり。一度読んでいるから、何処から読んでも、忘れていた内容を思い出す。

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2011年08月15日

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あきれた奴では、同心の小柳安五郎が又八という捕らえた盗賊を逃がし、自分がその責めを負って変わりに牢獄に入るというお話。
仇を討った、又八は再び、盗賊改メ方に舞い戻ってくるという、走れメロス的な展開です。
安五郎と又八に通う心の交流が何とも、男っていいよなぁ〜と思わせる。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

鬼平犯科帳 (8)

「流星」:上方の“生駒の仙右衛門”と関東の“鹿山の市之助”が手を組み、鬼平さんを苦しめます。
その手段は、火付盗賊改方の同心の家族を次々に殺害しつつ、強盗もするという卑劣極まるやり口で、流石の鬼平さんも「おれのもっとも痛いところを衝いてきた」と青ざめる程・・。
勿論、ここまで“鬼の平蔵”を怒らせて悪党たちが無事なはずはありません。終盤の怒涛の捕り物に胸がすく思いでした。

「あきらめきれずに」:鬼平さんの剣友、左馬之助さんの純情さが良いですね。幸せになって頂きたいです。

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2020年04月05日

Posted by ブクログ

久々に鬼平さんの続きを読む。
左馬之助の実直さが好ましい。最後には惚れた娘と添い遂げられてよかったなぁ。平蔵夫婦も一安心だろう。しかし元旦那と未だに手を切れてない風?なお静さんで大丈夫なんだろうか、と少し不安になる。
「流星」では以前平蔵に粋ないたずらをやらかした大川のご隠居が再登場。穏やかな余生を過ごしていたはずの爺っつぁんが卑劣な勤めの片棒を担がされたのには胸が痛んだ。そして平蔵の情けが泣ける…。
悪党どもが一網打尽にされるところは何度読んでもスカッとするし「神妙にせよ!火付盗賊改メ長谷川平蔵である!!」に毎度しびれる。安定して楽しめる鬼平シリーズです。

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2017年10月18日

Posted by ブクログ

鬼平犯科帳。
この人の小説に出てくる食べ物は、どうしてあんなに美味しそうに思えるのか、いつも不思議。

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2016年02月13日

Posted by ブクログ

「あきれた奴」容疑者を信用して牢から連れ出し、逃がすなんてあり得ない。「あきらめきれずに」盗賊の首領に再度言い寄られずるずると逢引を繰り返すお静さんが左馬之介と結婚した。何の御咎めもないのが不可解。11.9.28

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2011年09月28日

Posted by ブクログ

用心棒おもしろい。こういう話好きだ。
ちょこちょこでてくる友人岸井左馬之助が最後の話では嫁をもらっていた。

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2011年06月19日

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