あらすじ
「女は何よりも、男の肌身に添うているべきものだ」「な、なある……」おなじみの密偵おまさと、大滝の五郎蔵が、平蔵の粋なはからいで夫婦となった。おまさは、少女の頃から平蔵にひそかな想いを寄せており、平蔵もそれを知らぬわけはないのだが……苦労人・鬼平の面目躍如たる「鯉肝のお里」、内部から暗殺計画が! 鬼平まさに危うしの「白い粉」ほか、「雨引の文五郎」「泥亀(すっぽん)」「本門寺暮雪」「浅草・鳥越橋」「狐雨」の全七篇収録。
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本巻のクライマックスは「本門寺暮雪」だろうな。平蔵間一髪のところを柴犬が活路を開くなんて洒落ている。でも「狐雨」が心に残ったかな。盗賊からの情報と賄賂で身を立てる同心の末路が『狐憑き』として描かれている。陰と陽、狂気と正気、そして闇に潜む得体の知れない何かと隣り合わせの江戸の暮らしが見えたような感じがした。
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この巻もまた充実した話でした。五郎蔵とおまさが夫婦になったり、剣の達人と闘ったり、平蔵が命を狙われたり、狐が憑いたり、とまぁバラエティーにとんでいましたね(笑)
柴犬のクマの活躍にも目を向けたいところです^^
読み始めたら引き込まれてしまうのはいつものことで、ついつい鬼平の世界にどっぷりつかりこんでしまいます。楽しかった♪
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今回収録されている話は、
「雨引の文五郎」、「鯉肝のお里」、「泥亀」、「本門寺暮雪」、
「浅草・鳥越橋」、「白い粉」、「狐雨」の七篇。
「本門寺暮雪」では凄腕の刺客が登場する。丹波哲郎主演の『鬼平犯科帳』では、それこそ作中の刺客を表現する「凄い奴」というタイトルに変更されていた。
「血闘」の時なども読んでいて思ったが、長谷川平蔵は決してスーパーマンではない。確かに剣の腕は素晴らしいのだが、だからといって10人以上を相手に、ズバズバ斬っていけるわけではない。そういうところが、よりリアルに感じる。
「浅草・鳥越橋」はなんとなく話が途中で終わっているような気がしてしまう。捕り物があったわけではないからか。…しかし、この話、読んでいるうちに定七がもしかしたら男色なのかもしれないと考えてしまう。仁助のことが…なんて。
「狐雨」はまるで古典落語のような話。狐憑というのは、もしかしたら今でもあるのかもしれない。顔の表情が大きく変わるという。しかし、このような不思議な話でも、『鬼平犯科帳』の一篇に加えられているのは実に面白く、興味深い。
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本門寺暮雪
鬼平の命を助ける柴犬のお話しが大好きです。のちに クマ と名付けられ 鬼平の心を癒した 柴犬との交流が 心を温めてくれました。鬼平も人の子。クマとの戯れで肩の力が抜け、疲れが和らいだことでしょう。
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池波正太郎の連作時代小説『新装版 鬼平犯科帳〈9〉』を読みました。
池波正太郎の作品は先日読んだ『新装版 鬼平犯科帳〈8〉』以来ですね。
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「女は何よりも、男の肌身に添うているべきものだ」「な、なある……」おなじみの密偵おまさと、大滝の五郎蔵が、平蔵の粋なはからいで夫婦となった。
おまさは、少女の頃から平蔵にひそかな想いを寄せており、平蔵もそれを知らぬわけはないのだが……苦労人・鬼平の面目躍如たる「鯉肝のお里」、内部から暗殺計画が! 鬼平まさに危うしの「白い粉」ほか、「雨引の文五郎」「泥亀(すっぽん)」「本門寺暮雪」「浅草・鳥越橋」「狐雨」の全七篇収録。
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文藝春秋が発行する月刊娯楽小説誌『オール讀物』に1972年(昭和47年)9月号から1973年(昭和48年)3月号に連載された作品7篇を収録して1981年(昭和56年)に刊行された作品……実在の人物である火付盗賊改方長官・長谷川平蔵を主人公とする捕物帳、鬼平犯科帳シリーズの第9作です。
■雨引の文五郎
■鯉肝のお里
■泥亀
■本門寺暮雪
■浅草鳥越橋
■白い粉
■狐雨
■解説 中桐雅夫
おなじみの密偵おまさと大滝の五郎蔵が、平蔵の粋なはからいで夫婦となった……実はおまさは少女の頃から平蔵にひそかな想いを寄せていた、、、
平蔵もそれを知らぬわけはないのだが……苦労人鬼平の面目躍如たる「鯉肝のお里」ほか、「雨引の文五郎」「泥亀」「本門寺暮雪」「浅草鳥越橋」「白い粉」「狐雨」の7篇収録。
テレビドラマでもお馴染みの鬼平犯科帳シリーズ……原作となる小説も面白いです! 本作品の収録作では、
年老いた元盗賊・舟形の宗平の命を賭した活躍に心を揺さぶられる『雨引の文五郎』、
密偵の五郎蔵とおまさが鯉肝のお里を見張るために一軒家で張り込みをするうちに男女の仲に! 平蔵の思惑通りに、ふたりが夫婦となる展開と、結末での鯉肝のお里を匿っていた煙管師・松五郎(元盗賊の長虫の松五郎)への平蔵の粋な声掛けが印象的な『鯉肝のお里』、
〈凄い奴〉に襲撃された平蔵が絶体絶命のピンチに! その茶店の柴犬だった……その後、平蔵に飼われることとなり、クマと名付けられる柴犬が初登場する『本門寺暮雪』、
借金に追われ女房おたみを誘拐された、平蔵の料理人・勘助が、悪党たちから料理に毒薬を入れるよう指示を受ける……今回も危機一髪でしたねー 島流しとなった勘助を待つおたみの心境が現れる結末のひと言が忘れられない『白い粉』、
が印象的だったかな……連作短篇のカタチを取っており、1篇ずつでも愉しめるのですが、それぞれの短篇が繋がって大長篇としても読める構成なので、順番に読み進めると大河ドラマ的な愉しみがありますね。
巻が進むに連れてどんどん面白くなっていきますね……第10作以降も順次、読んでいこうと思います。
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白黒ハッキリさせるだけじゃなく、人情をもって罪人やその関係者に対応する裁きは、現代でももしかしたら有効かもと思ってしまいます。
今回は意外なカップルが誕生したことが一番の読みどころでした。
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鬼平シリーズは、出勤のバスの中で読むのにちょうど良くて重宝している。
「鯉肝のお里」前巻の左馬之助に続き、おまささんと五郎蔵が夫婦に。鬼平犯科帳寿ラッシュである。おまささんの気持ちを知りながらも、鬼平さんはこいつならって五郎蔵さんをおまささんに添わせたんだろうな。
「本門寺暮雪」凄い奴との死闘。平蔵のピンチを救った柴犬のクマが平蔵家の子に。クマ可愛い。忠吾より有能かも??
「狐雨」はまさかの妖怪話という変化球。
今回も面白かった。
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鬼平犯科帳 9巻。
今回は、おまさと、五郎蔵が結婚をした。
平蔵さんの思う壺だったようだが、2人が幸せそうなのを後の章で読めて、嬉しくなった。
昔に世話になったものへの恩は忘れない。という平蔵さんとカブるクマの登場。
凄い人に立ち向かったクマに、感謝。
よかった。。平蔵さんが無事で!
そして、まさかのオカルト!
まさか、キツネが出てくるとは思わなかった。。
でも、面白かったから、良いけど。
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今回は、いろんな話があって面白かったです。
五郎蔵とおまさの結婚話があったり、痔持ちの盗人の話があったり、しまいには狐に憑かれた話もあって飽きることなく一気読み。
新しい登場人物(?)のクマも活躍したし。
平蔵様も素敵だけど、彦十の江戸バリバリのべらんめえ調がイイ感じ。
平蔵様と彦十のやりとりが面白い。
十巻も楽しみですー。
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今までと少しだけ違った雰囲気の1冊。浅草・鳥越橋の終わり方はこれまでの一件落着な感じとは違っていい味出してるし、狐雨も変わりネタとして面白みを足している。五郎蔵とおまさはちょっと意外だったけど、左馬之助が結婚したのも、なんだか素直に幸せになって欲しいなぁなんて思ったり。登場人物にここまで愛着を持たせるのってすごい。
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「雨引の文五郎」いい盗賊と悪い盗賊
「鯉肝のお里」五郎蔵とおまさが夫婦に
「泥亀」痔
「本門寺暮雪」凄い奴が出て犬を飼う話
「浅草・鳥越橋」盗人内で騙し殺し
「白い粉」毒殺されかかる
「狐雨」狐憑き
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鬼平犯科帳 (9)
左馬之助さんに続き、密偵のおまささんと五郎蔵さんが夫婦になりました。
おまささんは、鬼平さんへの想いもあったと思いますが、お幸せになって頂きたいです。
そして、「本門寺暮雪」で登場した柴犬のクマ。鬼平さん曰く、忠吾さんより役に立ちそうとの事で(笑)、今後の活躍に期待です。
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雨引の文五郎
鯉肝のお里
泥亀(すっぽん)
本門寺暮雪
浅草・鳥越橋
白い粉
狐雨
「鯉肝のお里」おまささんには今度こそ幸せになってほしい。
「本門寺暮雪」柴犬の恩返し。