あらすじ
その居酒屋には名前さえついていない。うまい酒を出すが、亭主がたいそう無愛想なその店を、土地の人びとは「権兵衛酒屋」と呼んでいる。その身のこなし、もと二本差であったらしい。興味をひかれた長谷川平蔵は「権兵衛」に立ち寄り、評判の酒を堪能することに。しかし、直後、店の女房は斬られ、亭主はいずこかへ逐電した。捜査をはじめた平蔵に迫る怪しい影は、ついに鬼平を斬った! 武家社会の闇と悲哀が浮かび上がる特別長篇〈鬼火〉、満を持して登場。
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平蔵の着眼から、火盗改メの長い長い闘いが始まった。大身旗本の影で暗躍する盗賊団の手掛かりがなかなか掴めない展開に、読み手も焦らされた。最後は急転直下、火盗改メの捜査が結実し〔鬼火〕のタイトルも得心がいった。
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鬼平特別長編、雲竜剣に続く第二弾「鬼火」登場。老夫婦が営む酒屋「権兵衛酒屋」が襲われ・・・。平蔵がその窮地を救うと亭主が消えた。そして話は思わず不思議な展開に。
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「鬼平」もここ数年、私の本棚にはなくてはならぬシリーズものとなっている。
第十七巻は長編ということもあり、普段のものに比べて全体に贅沢な内容と言える。
シリーズも十七巻ともなると、かなりの登場人物がそれまでの出てきており、そのメンバーのキャラクターが織りなす模様が、作品への厚みを加えているわけだが、短編ではそれぞれ1〜2名の常連を中心に進む話が、長編となると、あちこちでお互いの特色を見せ合っている。
ストーリーも、長編ならではの持って行き方で、ハラハラさせられる部分もあり、読み応えがある。
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久しぶりに読んだ鬼平。しかも初めての長編。
抜群におもしろくて1日で読み終わった。
短編では個別に出てくる与力・同心・密偵がみんな出てくるからおもしろかった
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池波正太郎の長篇時代小説『新装版 鬼平犯科帳 特別長篇 鬼火〈17〉』を読みました。
池波正太郎の作品は先日読んだ『決定版 鬼平犯科帳〈16〉』以来ですね。
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その居酒屋には名前さえついていない。
うまい酒を出すが、亭主がたいそう無愛想なその店を、土地の人びとは「権兵衛酒屋」と呼んでいる。
その身のこなし、もと二本差であったらしい。
興味をひかれた長谷川平蔵は「権兵衛」に立ち寄り、評判の酒を堪能することに。
しかし、直後、店の女房は斬られ、亭主はいずこかへ逐電した。
捜査をはじめた平蔵に迫る怪しい影は、ついに鬼平を斬った! 武家社会の闇と悲哀が浮かび上がる特別長篇〈鬼火〉、満を持して登場。
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文藝春秋が発行する月刊娯楽小説誌『オール讀物』に1977年(昭和52年)11月号から1978年(昭和53年)5月号に連載された後1988年(昭和63年)に刊行された作品……実在の人物である火付盗賊改方長官・長谷川平蔵を主人公とする捕物帳、鬼平犯科帳シリーズの第17作です。
■権兵衛酒屋
■危急の夜
■旧友
■闇討ち
■丹波守下屋敷
■見張りの日々
■汚れ道
テレビドラマでもお馴染みの鬼平犯科帳シリーズ……原作となる小説も面白いです! シリーズ17作目で2作目の長篇、読み応えがありましたね、、、
従兄から話に聞き、興味をそそられた平蔵は、駒込の「権兵衛酒屋」へ立ち寄った……酒と一品のみの肴がうまいと評判だが、平蔵はそこに曲者の気配を感じる、、、
ほどなく、この店の女房が斬られ、亭主は姿を消す……これを発端に、平蔵暗殺から大身旗本の醜聞へと、謎が謎を呼ぶ意欲作。
従兄の三沢仙右衛門から、酒と一品のみの肴がうまいとの評判を聞き平蔵が立ち寄った権兵衛酒屋……そこで平蔵が曲者を見たことをきっかけに火盗改方が事件に関わることになる展開、、、
ほどなく、権兵衛酒屋の女房・お浜が斬られ、亭主の弥市は姿を消す……そして、薬種舗・中屋幸助の店が一家皆殺しという残忍な方法で襲われ、この中屋の出入りを調べているうちに、ある大身旗本の名前が浮上してくる。
相手が相手だけに慎重にならざるを得ない平蔵……単純に見えた事件がやがて膨らんでいき、意外な事件へと発展 という長篇ならではの複数の伏線が絡み合うという作品が愉しめました。
タイトルの鬼火の意味が最後まで読み終わって理解できる展開も好みでしたね……平蔵の剣友・井関録之助や絵師の石田竹仙、笹やの女主人・お熊 等々、懐かしい面々が登場するのも嬉しいですね。
本シリーズは、それぞれの物語が繋がって大長篇としても読める構成なので、順番に読み進めると大河ドラマ的な愉しみがありますね、、、
平蔵を取巻く登場人物の存在感も幅広く、関係性も濃くなり、それぞれの人間味に深みがでてきて、巻が進むに連れてどんどん面白くなっていきますね……第18作以降も順次、読んでいこうと思います。
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もと武士らしき男が営む『権兵衛酒屋』。その女房が斬られ、亭主は現場から姿を消す。謎を探る鬼平に兇刃が迫る。
ちょっとしたきっかけや何気ない出来事の記憶が、大事を未然に防ぐことができる。鬼平の大胆な推理と決断が、庶民の安寧を守った。登場人物も渋目のキャスティングで、大事件だけど落ち着いた雰囲気。
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鬼平犯科帳 (17)
特別長篇「鬼火」。
無愛想な夫婦が営む「権兵衛酒屋」。その居酒屋が突如襲撃されてしまい、店の女房は斬られ、亭主はいずこかへ逐電しています。
居合わせた鬼平さんが捜査にあたりますが、捜査の行く先々で狙われたり事情を知る人が殺されてしまいます。
さらに残虐な押し込み強盗まで発生し、またまた火盗改方に厳しい闘いの日々が・・。
今回は、大身旗本の家事情が絡むだけあって、鬼平さんの上司・京極備前守様の理解と信頼が心強かったです。
前回の特別長編「雲竜剣」では、きちんと仕事をしていた忠吾さんでしたが、なぜか今回は鬼平さんに叱られるような言動ばかりしていました。なかなか成長しないところが彼らしいです。
活躍というか、頑張っていたのは鬼平さんの旧友でもある井関さんと、13巻「夜針の音松」にて、変な性癖で女性読者をドン引きさせていた(?)同心・松永弥四郎さんがよく働いていた印象です。
因みに今回登場した、浪人の高橋勇次郎さんは、なかなか愛嬌のあるキャラでしたので、今後の登場も期待します。
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鬼平犯科帳 17巻目。
短編だと思ってたら、長編だった。
今回の平蔵さん、ちょっと後手後手に回るところが多かったような。
そして、年齢のせいか、盗賊改という役職に疲れてきているよう。。
それが、なんだかとても寂しくなった。
職務で失敗をした島田慶太郎に、新たな力を目覚めさせようとする平蔵さん。
失敗をした部下にチャンスを与える上司って、素敵だと思う。
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特別長編です。
居酒屋のおやじこと権兵衛が主要人物に見えるのですが、実はその女房と思われていたお浜という女が……。
という見事などんでん返しが最後にさりげなく添えられていて、びっくりです。
平蔵が何気に漏らした「おれはなぁ、お浜のような女に、滅法弱いのだ」という一言に、女性に対するキモチというのが現れているかのように思える。
主役は男ではなく、女なんだよ……。
なんて囁かれているキモチになる。
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序盤は平蔵の判断が後手に回る印象。
重要かと思っていた繋がりがそうでもなかったり、思わぬ繋がりがあったり。
タイトル「鬼火」の理由は最後の最後で分かる。
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少し平蔵の描き方が変わってきたような。
「佐嶋でさえ気づかない」という表現が多い。
平蔵の抜きんでた能力をアピールする機会が以前より増えたような・・・
何か作者の心境の変化があったのか。
今までの方が自然に平蔵の凄さが伝わっていたのになあと。
無理にアピールしなくても。