あらすじ
盗賊改方の水も洩らさぬ探索網により、薬種屋を狙った大がかりな押し込みは未遂に終わった。しかし、安堵の空気もまもないころ、夕闇を切り裂いて疾って来た半弓の矢が、与力・秋本源蔵の頸すじへ突き立った──。与力暗殺! 同じころ平蔵も襲われ、長男の辰蔵も命を狙われる。そればかりか、盗賊改方の下僕にまで魔の手がのびる。生涯の怪事件に苦悩し、追詰められた平蔵の胸に去来するものは……。〈雲竜剣〉〈鬼火〉につづく感動のシリーズ長篇〈迷路〉。
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Posted by ブクログ
盗賊の捕縛から生まれた怨恨が、これほどまで平蔵を追い詰めるなんて……雲竜剣でも火盗改メの関係者が次々に斃されたが、今回はその範囲が拡大し、緊迫感が一層増した。序盤の流れからおまさの身に何か起こってしまうかと心配したが、著者の筆はそのようには動かなかったようでホッとした。最終巻まであと2巻。著者が長編に込めた思いを想像しながら楽しみたい。
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このシリーズの中で長編は少なく、短編の方がキレがあって好きなのですが、この巻は読み応えがありました。平蔵に近しい者が次々と殺され平蔵自身も襲われる、というハラハラの展開。平蔵の苦悩と、それを目にし何とか力になろうと必死で働く密偵達。平蔵が如何に部下や密偵達に慕われているのか、読んでいて胸が熱くなりました。あと二巻で終わりだなんて寂しい…。
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鬼平に迫る最大の危機。
平蔵への積もり積もった恨みが、鬼平の周りにじわじわと刃を閃かせる。
自らのみならず、部下や家族、役目に関係のないものまで狙われ、憔悴する平蔵。これは「鬼平」最大級の戦いに違いない。
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続編があるのを知らなければ、これが「鬼平−」の最終回かと思ってしまうラストである。
今回も事の発端は、細川君だった。反省しても反省してもダメな男、細川。せっかく外回りに復帰できたのに、またしても道を踏み外す。
しかし、いけないいけないと思いつつも博打に足を踏み入れる細川の逡巡する姿は、人間くさくて、どうにも憎みきれない。
火付盗賊改という仕事は、現代で言えば警察官なのだから、そこんところを考えたら「人間くさくて愛嬌がある」では済まされないのだが、まぁなんか憎みきれないわけなのだ。
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特別長編。平蔵が狙われ、平蔵ばかりか、平蔵に関係している者が、ことごとく凶刃に倒されてしまう。さすがの平蔵もげっそりとやつれ、ついには頭をまるめて、托鉢坊主の姿となり、探索を続ける。
長編であり、読み応えもあり、大変面白い。
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鬼平犯科帳 (22)
特別長篇「迷路」。
薬種屋を狙った盗賊一味を捕縛した後から、鬼平さんの周辺の方々が次々と殺されていきます。
捕縛された一味と縁のある者の犯行にしても、鬼平さんへの恨みが尋常でない為、過去に別件で何かあったように思われる黒幕。
周りの方々が殺されてしまうというのは、鬼平さんが最も苦悩するパターンで、今回も火盗改方メンバー総動員は勿論、鬼平さん自ら頭を剃り上げ、托鉢坊主の姿となり事件解決に全力を注ぐ姿勢には頭が下がります。
一旦は、幕府から火盗改方長官を罷免の話が出てしまう鬼平さんでしたが、ラストで返り咲きました。やはりこの人でないとね!と、皆思っているはずです。
それにしても、細川同心の人間的な弱さはどうしたものでしょう(呆)。本当、鬼平さんや佐嶋さんの爪の垢を煎じて飲んで頂きたいです。
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鬼平犯科帳 22巻目。
今回は、平蔵さんの窮地だ。
21巻目で、感じた「こんなに密偵がいたら、現役盗賊にバレないのか?」の疑問が現実となる。
そして、21巻目の最後の章が、この長編に繋がっていたとは。
平蔵さんや、その周りの方々、江戸の市民を救ったのは、平蔵さんの勘働きに他ならないだろうな。あと、自分から率先して動く行動力。
密偵の方々や、部下の心情を思うと、読み手も泣けてくる。
最後の文章では、本当に泣きそうになった。
面白かった。。
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読書完了日2011年11月13日。
最後のシーンはまるで映像でも見ているかのように、鮮やかに脳裏に浮かんできた。よいシーン。最終巻が近いだけに終わりを暗示するかのような場面だった。
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鬼平はやっぱり長編より短編のがいいかなーっと思っていたのですが、この長編は面白かった!これまでにない手強い敵に、火盗改めはどう対抗するのか。最終的には鬼平がちゃんと解決できるんでしょ、と思いつつも、本当に大丈夫なのかな、どこにきっかけがあるのか、と心配になったり、展開を楽しめました。
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平蔵が苦悩するお話しです。
盗賊改メ方を解任されてしまう騒動もあったりと、今までなかでもっともドキドキはらはらした上に、犠牲者の多いお話しでした。
本人ではなく、その周りの人間…。
盗賊改メ方で働く下男や門番、平蔵の娘の嫁ぎ先まで、狙われる…。
恨みを晴らしたいという気持ちもあるのでしょうけれども、本人ではなく周りの…という辺りが、何とも。
盗賊改メ方で働く人々の覚悟と絆が描かれているという感じがしました。
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特別長篇 迷路
なんだか暗ぁい。
次々と火付け盗賊改めの関係者、というか平蔵の関係者が殺されていく。最後の方までよくわからない。
前作で密偵になった玉村の弥吉が活躍した…らしいのだが、活躍というよりただデーンと構えてつなぎを待っていただけのような気がする。
Posted by ブクログ
数多の盗賊を捕らえてきた火付盗賊改方長谷川平蔵に恨みの抱くものは数え切れないが、縁者や役宅の者・同心達が次々に殺される。平蔵の性格を分かった上での攻撃。
長編はこれで何作目かだけれど、やはり面白い。あと2冊しかないのが残念。
2007.7.10