あらすじ
斬り捨て御免の権限を持つ、江戸幕府の火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)の長官・長谷川平蔵。その豪腕ぶりは、盗賊たちに“鬼の平蔵”と恐れられている。しかし、その素顔は「妾腹の子」として苦労をし、義理も人情も心得ている。昔は大いに遊び、放蕩無頼の限りを尽くしたことも。テレビに舞台に、人気絶大の鬼平シリーズ第一巻は「唖の十蔵」「本所・桜屋敷」「血頭の丹兵衛」「浅草・御厩河岸」「老盗の夢」「暗剣白梅香」「座頭と猿」「むかしの女」を収録。
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Posted by ブクログ
普段まったく本を読まない夫が最近読書を始めまして、手に取ったのはこの作品。
私も鬼平は読んだことがなかったので読んでみました。
主人公はもちろん鬼平なんだけれど、影の主役は個性溢れる盗賊たち。
短編集なのでサクサク読めるし、当時の江戸の市井の雰囲気も感じられてとても面白かったです。ちょうど今大河ドラマでも若かりし鬼平が出てきているので、あんな感じだったんだなあと、読みながらニヤニヤしちゃいました笑
長いシリーズなので、夫と一緒に気長に読んでいこうと思います。
Posted by ブクログ
時代劇って勧善懲悪が多いけど
鬼平は違う
むしろ盗人が主人公だったりする
悪いやつは悪いやつなりに、心に正義と悪があり、それがとても人間臭く描かれているのが面白い
江戸時代に生きたこともないのに、目の前に江戸の街並みや食べ物の匂いまでもが広がるようで、本当にこの著者の表現力は鮮やかだなぁと感じます
すごく面白いです
鬼平犯科帳はドラマでは観ていて、好きなドラマだったので、小説も読んでみようと思いました。軽い気持ちで購入したのですが、読み始めると話に引き込まれてしまい、「面白い!」と思いました。この調子で次巻と、どんどん読んでいきたいと思います。ありがとうございました。
Posted by ブクログ
啞の十蔵
本所・桜屋敷
血頭の丹兵衛
浅草・御厩河岸
老盗の夢
暗剣白梅香
座頭と猿
むかしの女
「本所・桜屋敷」剣友、岸井左馬之助との再会。
「血頭の丹兵衞」小房の粂八が初めて密偵として動く。
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すっごく久しぶりに再読。昔読んだときにはあまり感じなかったけれど、鬼平って問答無用切り捨てごめん的な結構凄い裁きかたなんだなって。時代には流されてないつもりでも世間に染まっていることを痛感。
Posted by ブクログ
「鬼平犯科帳」シリーズ3度目の読み直しです。啞の十蔵、本所・桜屋敷、血頭の丹兵衛、浅草・御厩河岸、老盗の夢、暗剣白梅香、座頭と猿、むかしの女の8編。鬼平シリーズ事実上の第一作である。
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ついに去年末に全巻揃えたのですが、それまで読み終えてなかった本を読んでいたら、手を出すのが遅くなりました。
さすがは一巻。
粂八との出会い、大好きな彦十との再会。
酒井さんは元々盗賊改めだけど、前上司の組だったのかあ。
などなど、おなじみの方々の始まりが面白かったです。
TVシリーズ第一話も入ってました!!
本とは関係ないですが、TVシリーズでは今大人気の遠藤さんが演じられていて、一話を見直したときに気づいて感動しました。
二巻では忠吾出るかな、おまさの話あるかな。
あえて、あらすじを読まないように、全てにブックカバーをつけているので、わくわくです。
Posted by ブクログ
時代劇=テレビで観るもの、という意識だったので、「読む」ということを今までしなかったのですが、面白いですねぇ。いろいろな方がお薦めなのがよくわかりました。古めかしいイメージを勝手にもっていましたが、池波さん、全然古くありません。火付盗賊改方というのをこの鬼平で知りました。池波さん、もっと読みます!
Posted by ブクログ
ついに手を出してしまった…。読み始めたら止まらなくなるだろうから、という理由で避けてきたのだが。
江戸の治安維持のために設けられた「火付盗賊改方」長官、長谷川平蔵とその部下たちの活躍を描いた池波正太郎の代表作の一つ。
物事の視点が、自分の研究対象としている時代(中国清代)にも通用するような気がして、より面白く感じる。
収録内容は、
「唖の十蔵」、「本所・桜屋敷」、「血頭の丹兵衛」、「浅草・御厩河岸」、「老盗の夢」、「暗剣白梅香」、「座頭と猿」、「むかしの女」の8編。
さすがは池波正太郎ワールド
文庫本を毎年読み返すなかで劣化しました。
なので今回は色褪せない電子書籍にしました。
少し物足りなさを感じますが、読み出すと笑ったり、泣いたり…。
言葉・文字遣いや人情、加えて料理などどれをとっても最高!(^^)!
電子版も全巻揃えていきます。
Posted by ブクログ
たくさんあるので1巻に代表して。
日本のハードボイルドの最高峰は間違いなく鬼平犯科帳でしょう。
ハードボイルドの名文句といえばフィリップ・マーロウの「強くなければ生きていけない、優しくなければ生きている資格はない」に尽きると思うのですが、長谷川平蔵は間違いなくマーロウよりもこの言葉を体現している!
マーロウのシリーズは女性に読んでもらいたいのですが、鬼平は間違いなく男子が読むべきでしょう!
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今更ながらこのシリーズを読もうと思う。
平蔵さんがあまり出てこない。
【啞の十蔵】夫殺しの女をかくまった同心の話。しょっぱなから暗め。粂登場。
【本所・桜屋敷】平蔵若い時の女性があんなことに。左馬之助・彦十登場。
【血頭の丹兵衛】粂、密偵になる。
【浅草・御厩河岸】立派な?盗賊を密告する苦悩。
【老盗の夢】引退しておけば良かったのに。
【暗剣白梅香】平蔵、刺客に狙われるが、この刺客が敵討ちの最中で…
【座頭と猿】盗賊が女を巡ってすったもんだ
【むかしの女】強請りたかりは、死ぬよ
今回の推しは、粂と酒井。
そういや「釘ぬき屋」って、闇の狩人に出てきたアレでしょうか?
Posted by ブクログ
あまりに有名ですが、ドラマも見た事なくそもそも時代劇を見て育ってもいないので読む機会もなかったのですが。。池波氏の『散歩のときなにか食べたくなって』や『男の作法』を読む中で、その生業としている作品を読んでおかねば、、と言う理由から。
さすがに面白かった。一つ一つは短編ですが、盗賊や登場人物が繋がっていて、少しずつその生い立ちなどが明かされ、絡み合って行くところが、さすが、と思ったし、人気シリーズとなる事にも納得。
そして江戸の街並み、情緒、人情。。。今更ながら好きです。今後もちょっとずつ読み進めていこうと思います。
Posted by ブクログ
名作。時代劇を見ていたし、アニメも見ていて、原作を読んでみることに。池波正太郎さんの作品、難しいにちがいない!と、凝り固まった先入観で読み始めたが、面白い!そして、読みやすい。母が大好きな理由がわかった気がする。全作品読破目指します!
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1982年 第14版で読んだのですが、古くてバーコードもなくて…とりあえず、こちらに感想を。
実はドラマの存在は知っているものの、一度も見たことがない。おもしろいんだろうな、とは思っていたけれど、今回、職場の方が全巻貸してくださるというので、今年は鬼平の年になりそうです!
鬼平さん、ちょっと不良だった過去があったのか!と新鮮な気持ちに。
様々な人間模様が書かれているけれど、人って変わってしまうんだな。という悲しさと、やっぱり人情だな!と思う温かさが印象的な第1巻だった。
個人的には、元盗賊が狗になるというシステムが、ものすごく好き。
まだ先は長い。どんどん読まないと、今年が終わってしまう(笑)
Posted by ブクログ
名前は聞いたことがあるけれど、実はよく知らなかった鬼平さんの世界。
短いお話が進むにつれて、大きなお話がわかっていく構造で、これはハマるかも…。
せっかく東京に住んでいるんだから、舞台にあるあたりを涼しくなったら散策してみたいな。
今の司法と比べて悪人を証拠がなくても逮捕できるし、あっさりと処刑できるのがスゴイね。
Posted by ブクログ
2016年末の鬼平犯科帳ドラマを初めてみて、鬼平にはまり、今年は、全巻読んでみよー!と、思いたち、一作目。
平蔵があまり活躍をしない物語も含まれていて、ん?という感じだったけど、江戸時代の人たちの生き様を見ている感覚。
盗人の三か条を守っていた偉大な泥棒が、年齢を重ねたら、人を殺めることも厭わなくなる。自分を癒してくれた純粋な女性が、人を騙したり、殺したりすることを厭わなくなるなど、人って、変わるよね。。。
昔を知っていて、それを信じていた人にとっては、変わってしまった姿は、悲しすぎるでしょう。。
Posted by ブクログ
会社の方から鬼平犯科帳全24冊いただいたのでちょっとずつ楽しんでゆく。
鬼平はドラマを見たことも漫画を読んだこともないのですが、
それでも中村吉衛門の二枚目っぷり、さいとうたかお絵の強面っぷりがすぐ浮かぶくらい。
原作でもそのイメージで読もうとしたら、”小太りで笑うと深い笑窪が浮かぶ穏やかな風貌の持ち主で、市中見回りの時はどこのくたびれた浪人かと思われるような服装”だというのだから、私の吉衛門&さいとうたかおのイメージからうまく変換できずちょっと混乱(苦笑)
そんな穏やかな見かけの平蔵だが、若い頃は力に任せての暴力沙汰やら遊蕩三昧やら女遊びやら一通りの悪さは経験し、剣の技は常人をはるかに凌ぎ、盗人を捕まえれば自らが熾烈な拷問を加えて自白させるというかなりの剛健な男。
そんな鬼の平蔵、鬼平が江戸の盗人たちに睨みを利かす短編集。
===
盗賊追捕のお役目の十蔵が出会った盗人の妻。
そのころ火付け盗賊改めの新たな御頭として、鬼平の異名を持つ長谷川平蔵が赴任してきて…
/「唖の十蔵」
市中警備の解説など、ご挨拶代わりの一作か。
鬼平は、かつて父の屋敷のあった場所で過去に思いを馳せる。
再会したかつての剣の友。そしてかつて憧れた女性は今では盗人の女房となっていた。
/「本所・桜屋敷」
鬼平の生い立ちが紹介されるエピソード。
元盗人の粂八は、かつて自分の親分であった丹兵衛の新たな強盗の噂を聞く。かつては「人を殺さない、女を手込めにしない、貧しいものからは盗まない」の仁義溢れる盗賊だった。しかし今では目を付けた屋敷に押し入り皆殺しにし女は犯す最低のクズ野郎となっているという…。
/「血頭の丹兵衛」
盗人集団同士で手下の貸し借りしたり、大掛かりだと数年かけて家に入り込んだり、その後の換金方法など…当時の盗人のやり口が描かれていく。
小料理屋の亭主岩五郎は、かつて盗人一味だった。
岩五郎の元に仕事の話が舞い込み…
/「浅草・御厩河岸」
生きるために運命は過酷だったり、弱者は生きづらかったり、ちょっとの偶然で命運が崩れたり…
盗人を隠居したはずの蓑火の喜之助は、自らの血をたぎらせる女に出逢い、昔の仕事へと戻ろうと…
/「老盗の夢」
女の私からすれば「な~にやってんだ」と思わないでもないんですが、男性からすると気持ちは分かるのでしょうか?
親の仇討のため国を出た男は、それから二十四年、殺しで生計を立てていた。
血の匂いを隠すための香油を纏い、狙うは長谷川平蔵…
/「暗剣白梅香」
盲按摩を装う彦の市は、狙う屋敷に入り込み、中から盗人仲間を手引きする役目。
そんな彦の市は、情人としている女に間男がいると知り…
/「座頭と猿」
鬼平は、かつての女に声をかけられる。女は昔の男たちを強請り同然で金を得ていた。そこに便乗する浪人崩れの無法者たち。
/「むかしの女」
鬼平は、捕えた盗人たちを働かせる施設を管理してもいますが、
働かせることも改心させることもおとなしくさせることも全く不可能な悪党どももいるといいます。
P301「雷神党のような浪人崩れには打つ手がないのだよ。おそらく大丸屋へゆすりをかけたのもこいつらだろうが…そのゆすり方ひとつ見ても分かる。まるで獣だよ。世の中の仕組みが何も分かってねえのだ。獣には人間のことばが通じねえわさ。刈り取るよりほかに仕方はあるまい」
取り締まる相手の悪党たちの特性を瞬時に察し、捕えるか殺すか判断し、そして実行できるのが鬼平なんですね。
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司馬遼太郎の史実に基づいた小説はよく読んでいたんだけど、完全創作の池波正太郎のは初めて読んだ。
かつての大物盗賊が引退後、売春婦にいれあげて、金が足りなくなったので再び「おつとめ」に向かう。が、現代の盗賊は殺してなんぼの世界になってしまっており、結局は内輪もめで失敗し結局絶命してしまう。そのころ当の売春婦は別の男にいれあげていた・・・というストーリーが切なかった。女はいつもしたたか。
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いわずと知れた池波正太郎の有名作品。兄の蔵書から拝借。
時代物はどうもとっつくにくいイメージで今まで手を出してなかったのですが、読んでみたらとても読みやすくて面白かったです。もっと早くに読んでたらよかった。やはり時代劇のイメージが先行してあるので、脳内ビジュアルがはっきりしていてそれも読みやすさの一因だったかもしれません。
平蔵の人柄や捕り物の痛快さもさることながら、仁義に基づきつとめ(盗み)を行う盗人一味にも好感を持ってしまう。
噂に聞く「池波飯」が1巻ではまだあまり登場してなかったので、これからのシリーズが楽しみです。池波本は家にわんさかあるのでじっくり読んでいこうと思います。
Posted by ブクログ
時代小説。鬼平シリーズ1。短編8作。
「唖の十蔵」「本所・桜屋敷」「血頭の丹兵衛」「浅草・御厠河岸」「老盗の夢」「暗剣白梅香」「座頭と猿」「むかしの女」
火付盗賊改方の長官、鬼平こと長谷川平蔵を中心に物語は続く。
盗みが「おつとめ」と呼ばれた訳とか、盗賊にも様々な種類の人間がいること。そして鬼平と左馬之介、小房の粂八などの昔のことも書かれている。
作者のシリーズの中で「剣客商売」を読み終えたので、こちらか仕掛人のどちらかを読もうと思っていますが、只今考え中です。
江戸の「粋」が、自分が関西人なのでもうひとつピンときていないのかもしれません。
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ついにかの名作を初読。
最近の佐伯泰英氏のシリーズと比べると問答無用で悪人を斬るところなどは人情味に欠ける印象だけど、居眠り磐音も吉原裏同心も初巻はほぼ舞台設定に終始した印象があったことを考えると、この先平蔵を中心とした主要人物が個性を見せ始めるのだろうと期待したい。
故・池波氏と同じ台東区民としては、家の近所が頻繁に登場するので、当時の様子を想像するだけでも楽しいです。
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テレビ版なども見たことが無かった私は、
鬼平こと長谷川平蔵が悪人をやっつけてめでたしめでたし。みたいな話を想像してました。
そこには長谷川平蔵を中心にした江戸の民の生活があり、そこで起きる事件が1エピソードごとの短編になっている。
長谷川平蔵が中心にいる訳ではなく、エピソードごとのメインの人物がいる。
エピソードを跨いで出てくる登場人物もいて、他のエピソードに出てくるとなぜか嬉しい。
物語の最後は少し寂しい終わり方をするものばかりだが、それがまた良い。
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鬼平犯科帳 (1)
職場の方が貸してくださるというので、ついに“鬼平”に手を出してしまいました(笑)。
個性豊かな盗賊達VS“鬼平”こと、長谷川平蔵率いる火付盗賊改方。
連作短編で、話と話がリンクしていく展開なので、スイスイ読めます。
昔はワルだったという、鬼平さんの過去も興味深かったです。
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連続短編集。
最初の話で、うっかり主役を忘れて読んでしまいました。
嫁に頭が上がらない人のはずでは…とw
全編通して、わき役だと思っていた人が
地味に出てきて話をつないで行ったり。
現代と違って、地域と人が狭いのですから
この状態は当然といえば当然です。
侍の矜持、盗人の矜持、色々な矜持が出てきますが
女の変わり身の早さもすごかったです。
生きていくには当然、ではありますが。
老盗の夢、は全員取らぬ狸、をしすぎです。
しかしここまで考えるのが、普通だったのやも。
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言わずと知れた池波正太郎の有名作
ただ、期待し過ぎだったのか、なんだかイマイチな印象を受けた
ただ単に強盗を捕まえる話しに感じる
「現代のサスペンスにも通じる」とか「人情話がいい」とか聞いたことがあったけど、それはもっと後なのかね?
まぁ、美学のある「盗み」と「強盗」の違いはわからないでもないけど
結局やってる事は人様のものを盗む行為には違いないわけで
そこに人情があるかと聞かれると考えてしまう
最後の方はストーリーが捕物帳ではないのもあったので、続編を読むのを楽しみな期待感はある
Posted by ブクログ
「剣客商売」を読み始めて、池波正太郎にはまり、並行して鬼平を読み始めた。
「鬼平犯科帳」のほうが「剣客商売」よりも圧倒的に有名(だと思ってる)なのに、第一巻を読み終えて「???」と感じてる。
なぜだろう?
第一巻では長谷川平蔵は脇役で様々な盗賊が主人公のような扱われ方をしている。
極悪非道の盗賊、人を殺めない盗賊、盗まれたら路頭に迷うような人々からは盗まない盗賊、盗賊の一味同士の人材(?)の貸し借り、などなど江戸の町の様子とともに語られていて、最後は鬼平が捕まえる、という風に進んでいく。
あまり、鬼平の魅力を感じないのだ(ところどころに人情味のある出来事や他の追従を許さない剣の切れ味などがちりばめてあるが)。
こんなはずはない、と思っている。
鬼平に圧倒的な魅力がなければこんなには人気のシリーズになるはずがないのだ。
これからだ。
巻が進むにしたがって鬼平の圧倒的な魅力が噴出するに違いないのだ。
…それとも中村吉右衛門の「鬼平」の印象が強烈すぎるのだろうか。
Posted by ブクログ
池波正太郎の代表作のひとつ
あまりにも有名(笑)
わかりやすく勧善懲悪なので
頭を使わず読める感じ
そのぶん、人情の機微はイマイチものたりないかも・・・
Posted by ブクログ
火付盗賊改、長谷川平蔵を人は、鬼平という。
おれも妾腹の上に、母親の顔も知らぬ男ゆえなぁ。
という鬼平。
そんな生い立ちから、若い頃にやんちゃをする。
マドンナがいたことが、軌道を変えることになる。
鬼平は、盗人に対する目が、優しく、厳しい。
池波正太郎の主人公は、いずれも勘ばたらきが良い。
その勘ばたらきが、自分の身を助け、盗人を捕まえることができる。
盗人の美学が、堂々と語られるが、それをものともしない輩が出てくる。
時代は、良きものが廃れて行く。
盗まれて難儀するものへは、手を出さぬこと。
つとめをするとき、人を殺傷せぬこと。
女を手篭めにせぬこと。という三カ条が、盗人のルール。
簑火の喜之助。年老いて、ししおき豊かな女に惚れて、
最後のおつとめをしようとするが、その結末と女の生き様が、
何とも言えぬのである。
鬼平では、いい女が少なく、悪女が多い。