池波正太郎のレビュー一覧

  • 鬼平犯科帳(二)

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    昭和の時代の昨日だからなのか、最近の捕物帖よりどこか雰囲気がのんびりしてあるように感じます。
    だけどそれが名作という感じがして良い。
    捜査は乱暴だけど、真の悪人ではない犯人の扱いに手心が加わってている温かみが人気の秘訣でしょうか。

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    2024年07月05日
  • 殺しの四人 仕掛人・藤枝梅安(一)

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    最初の「おんなごろし」が、何度読んでも、映画で観ても、そしてaudibleで聴いても秀逸。北斗誓一朗読 6時間24分。ちょいと長い劇場鑑賞気分。

    商家の1度目の女房を殺したのも梅安ならば、2度目の女房を殺すのも梅安である。しかも、1度目の「起こし(殺人依頼者)」は2度目の女房だった。そして、2度目の女房はなんと、4歳の時に生き別れた梅安の実の妹だった。くらくらするような筋書きではあるが、梅安は淡々と暗殺の依頼をこなす。暗殺者(アサシン)として、元締めの言いなりになっているわけでもない。1度目の女房殺しが「この世に生かしておいてはためにならぬやつ」だけを殺すという梅安の信条に反していたのが判明

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    2024年07月03日
  • 上意討ち

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    時代小説の短編集。江戸時代の市井の庶民の人情噺から、戦国時代、幕末、新撰組など多岐にわたる。
    なんとも言えない温かさ、人間臭さが感じられ、ついつい感情移入してしまう。

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    2024年06月28日
  • 梅安針供養 仕掛人・藤枝梅安(四)

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    なかなかに冷酷な、とも感じる。とはいえ、必殺仕掛人としての活躍は、読者としては爽快感を感じるしかけ。

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    2024年06月12日
  • 真田太平記(十二)雲の峰

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    ネタバレ

    秀忠の気持ちは想像はできるけど、ちょっと器が小さいのではないかい?と思ってしまう。お江が生きていて本当に良かった。佐助の最後も分かって、皆が旅立つべき所へ旅立ち、信之もまた転地で旅立って最後。すべてを見送る気持ちはどれだけ寂しかっただろう。信之も、書ききった池波さんもお疲れ様でした。12巻、追いかけてきて私も楽しかった。

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    2024年06月12日
  • 火の国の城(上)

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    ネタバレ

    加藤清正の本が読みたくて買ったんだけど、上巻を読んだところ清正というよりは忍者(丹波大介)の話だった。とはいえ忍者ものも大好きなので面白く読むことができた。分厚かったけど、結構さくっと読めてしまった。
    信長がねね(秀吉の正室)を非常に好ましく思っていることがわかる「これからは二度と、わしの前でねねの悪口を申すな」と秀吉をたしなめたエピソードが印象に残った。

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    2024年06月06日
  • 真田太平記(十一)大坂夏の陣

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    ネタバレ

    幸村も佐平次もいなくなってしまって、喪失感がすごい巻でした。徳川の世があってこその今と知りつつも、ちょっと徳川が嫌になってしまう。もうダメだと首をはねるよう言いつけて慌てふためく姿が少し無様で心地よかったです。ごめんなさい。草の者のやりとりも人間味があって読んでいて切なくなりました。お江が残ってしまった感がありますが・・・。ラストも楽しみです。

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    2024年05月19日
  • 鬼平犯科帳[決定版](四)

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    先に映画を観たので、この部分が映画でこんな風に使われている、と確認しながら読むのも面白かった。それと、シリーズの4巻目から読み始めだけど、どこから読んでも面白い。

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    2024年05月14日
  • おとこの秘図(上)

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    ネタバレ

    この本ではないが大活字版の短編集で秘図として衆力されているもので、この文庫の源泉となった短編ではないかと思う。登場人物が同姓同名で波乱の人生を送った者である。

    また大活字版には刺客というものも掲載されていた。こちらも真田家の徳川で生きた末裔たちの話で面白かった。

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    2024年05月03日
  • 鬼平犯科帳[決定版](二十二) 特別長篇 迷路

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    5月3日は、池波正太郎の命日である。昨年は生誕100年で、新作「梅安」2本が上映され、今年は時代劇チャンネルで新たな「鬼平」のテレビシリーズ、そして劇場版「鬼平犯科帳 血闘」が5月10日に公開される。亡くなったのは、1990年(平成2年)のことであった。

    ‥‥‥‥はや、34年も経ったのか。
    貪る様に「梅安」「鬼平」「剣客商売」を買い揃え読み漁ったのも、40年近く前のはず。新社会人にとっては、丁度良い暇つぶしになる本であった。
    ‥‥‥‥短編ひとつが、ランチ時間のついでに読める量だった。
    これである。
    ‥‥‥‥文字が詰まってないから
    めくるスピードが速いのである。

    たまさか、忌日記念の本を選ん

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    2024年05月03日
  • 剣客商売十一 勝負

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    ▼剣の師弟 勝負 初孫命名 その日の三冬 時雨蕎麦 助太刀 小判二十両
    を収録。 大治郎・三冬夫婦に子供が生まれます。

    ▼「剣の師弟」は、小兵衛の弟子が悪に落ちていたパターン。このパターンはやはり評判が良いのか、何作かありますね。これも良作。苦く、おいしい。

    ▼「勝負」は滋味深かった。これも同主題の話はあった気がしますが。対戦相手にとっては、就職がかかった試合があり、大治郎が相手。大治郎は別に就職は必要なく。小兵衛が「負けてやれ」と秒で言い切る。大治郎はもやもや。当日、色々あって結局負ける。ところが相手が「わざと負けたのでは」と疑心暗鬼になり…。これはなかなかコクがありました。

    ▼「その

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    2024年05月01日
  • 剣客商売十二 十番斬り

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    ▼なんだか最近、「あさりを食べたいなあ」と思ってスーパーの冷凍剥きあさりで良いので適当に食べているのですが、よく考えたら池波正太郎を読んでいて刷り込まれた気がします(笑)。

    ▼白い猫密通浪人浮寝鳥十番斬り  同門の酒 逃げる人 罪ほろぼし  

    以上を収録。

    ▼似たような話が多いですが、オモシロイ。軽さも出てきました。「浮寝鳥」は、乞食までなって世を捨てた男が、一人娘のために危険を冒して金を作ろうとして殺されてしまう。こういう話を主人公からの距離感で見つめるあたりは、「メグレ警視」っぽさが面目躍如。

    ▼「十番斬り」は余命はかない病になった剣客が、最期に無頼者たち10人を斬って捨てようとい

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    2024年04月30日
  • 真田太平記(十一)大坂夏の陣

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    大阪夏の陣。
    真田左衛門尉幸村が大阪方の総指揮官であったなら果たして家康は勝てたのであろうか、平和に向かった江戸幕府はあり得たのだろうか?
    豊臣方に無理矢理仕掛けたような喧嘩ではあったけれどその後の長い平和日本をもたらしたのだと思うと複雑な思いがある。
    真田幸村の戦上手、兵士たちからの信頼の厚さ、人間としての様々な魅力が描き出されているのであるけれど、ひとつ考えさせられるのは世の中の事、人々の暮らし、などなどよりはとてつもない「戦好き」だったのだろうという事。
    だとすれば徳川の安定した力のもと徳川家の安泰、つまりは日本全体の平和を1番に求めていた家康こそが正義なんだろうな。

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    2024年04月22日
  • 真田太平記(十)大坂入城

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    九度山を抜け出し、真田丸を築き、いよいよ幸村が世に出た巻でした。個人的には与助が惨めな死に方をした事に安堵した巻。いかに男が傲慢すぎる時代だったかを想像させる言動の数々が嫌い過ぎました。女からは奪うだけ奪っておきながら。お江、佐平次、佐助、角兵衛あたりの描写もなかなか読み応えありました。秀頼はきっと本当に有能だったんだろうな…周りが無能だとこうなるのか、ととても残念な気持ちになります。

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    2024年04月21日
  • 梅安冬時雨 仕掛人・藤枝梅安(七)

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    池波正太郎先生が亡くなり、梅安も途中で終わってしまい絶筆。

    残念ではありますが、梅安シリーズ中盤から最初の悪の生々しさが消えて、何か梅安自体も年齢を重ねて変わってくる感じもそれはそれでよかったように思います。

    しかし、この中の『襲撃』で、危機一髪の梅安がみせた、反射神経には笑ってしまいました。ここまでの反射神経とは。 まさに、「このことである」。

    このフレーズもこれで終わりですね。残念です。

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    2024年04月15日
  • 鬼平犯科帳[決定版](二)

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    独自の境地を拓き、瞠目のシリーズ第二巻は、平蔵ならずとも同心・木村忠吾から目が離せない。「蛇の眼」「谷中・いろは茶屋」「女掏摸お富」「妖盗葵小僧」「密偵」「お雪の乳房」「埋蔵金千両」の七篇を収録。
    鬼平犯科帳の面白さのひとつに、登場人物のバラエティさがある。密偵たちや火盗改方の与力・同心たちとこれまた個性の強い盗賊たち。そして彼ら全てを包み込む平蔵の人間力の壮大さが素晴らしい。

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    2024年04月06日
  • 剣客商売七 隠れ簑

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    秋山小兵衛のもとに、刀屋の嶋屋が情報をもってくる。愛弟子を殺害した浪人を江戸で見かけたというのだ「春愁」
    四谷の岡っ引き弥七の部下、傘屋の徳次郎は博打場で一人の男に声をかけられる。男は盗賊で相棒を探していた。目指す獲物は鐘ヶ淵に隠宅を構え若い女房と二人で住んでいるというのだ「徳どん、逃げろ」
    秋山大次郎は侍に斬られそうになっていた老僧を助ける。老僧は盲人の浪人の世話をして暮らしていた。逆恨みで老僧を付け狙う侍がいる事に気付いた秋山親子。盲人は仇を探していた「隠れ蓑」
    大次郎は二人目の弟子をとった。田沼家用人の推挙があった笹野新五郎だ。新五郎は旧師の死後は酒食に溺れていたが、大次郎の元で剣士の道

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    2024年04月04日
  • 天城峠

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    長編時代小説の作家だという印象が強いですが、短編小説もいいですね。
    それぞれの人生、思いが語られた、味わい深い小説です。

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    2024年03月30日
  • 真田太平記(十二)雲の峰

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    多分ラスト近くという気持ちの問題だと思うんだけど、この巻と次に読んだ「獅子」が一番面白かった。

    別段信之が好きという訳でも無いんだけど、猫田与助が居なくなってからのおもしろキャラとして彦四郎や梅春、そして最後まで久野にぶん回された角。

    なんだろうね。あまり各大名のゴタゴタじゃなく人間味の巻だったきがする。

    だからこそわかりやすくて面白く感じたのかな。

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    2024年03月25日
  • 剣客商売六 新妻

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    渡部甚之介は将棋好きの剣客。ある日、秋山小兵衛の家で将棋を指し続けて、果し合いの約定を失念してしまう「鷲鼻の武士」
    佐々木三冬は根岸の寮に帰るさなか、一人の女性を助ける。女性は絶命するが、抜荷の証拠を託した「品川お匙屋敷」
    秋山大次郎は佐々木三冬と無事結婚。小兵衛と三冬は親子となる。そんな中、小兵衛はかつて道場に来ていた美男子を町中で見かける「川越中納言」
    大阪へ、修行時代の恩師の墓参りに行った大次郎は帰途に同姓同名の人物に出会い、その苦境を救う為に尽力する「新妻」
    小兵衛が料理屋•元長で見かけたのは品の良い老人。老人は行方不明になった娘の行方を探していた「金貸し幸右衛門」
    植村友之助は、病を

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    2024年03月24日