池波正太郎のレビュー一覧
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ネタバレ懸隔商売シリーズ第14弾
いよいよ終わりに近づいていくシリーズ(^^;)
ず~と読み続けていきたいシリーズだが、16巻で終わるのであと二冊。番外編も一冊は読んだが、もう二題あるのでそれで終わりか。
暗殺者は秋山小兵衛が波紋で永き友の内山文太を亡くして少し歳をとって弱気になっていて、なぜかいつもの強い小兵衛でない一面が滲み出ていい。大治郎を手に掛けようとする策略に右往左往(大げさだが)する人間味が出ている。
「暗殺者」はこのように大治郎を狙う暗殺者を使った策略を小兵衛が親として大治郎を守ろうと奔走する様を綴った物語となっている。
しかし、秋山親子はほんとうに強うございます(^^;) -
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▼「殺しの四人 仕掛人・藤枝梅安(一)」池波正太郎。講談社文庫。初出は1972年の「小説現代」不定期連載のようです。高度経済成長期の出版界のスターだった池波さんらしく、鬼平=文春、剣客商売=新潮、梅安=講談社、と見事に棲み分けていますねえ。表稼業は針医者、裏稼業は職業殺し屋という藤枝梅安と、バディである彦次郎というふたりを軸に描く一話完結連作シリーズです。池波さんの死去(1990)まで断続的に連載が続いて、鬼平や剣客商売と同じく最後は未完に終わっています。
▼時代小説ファンには説明不要な有名作で、江戸中期1800~1810くらいの期間の舞台設定。ちなみに鬼平は10年くらい前(1790年代くら -
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表紙に今村翔吾さんが書かれたコメント「小学五年生の夏、夢中に読み耽ったことが私の原点である」とある。これまでも歴史小説が大好きで多くの本を読んできた、司馬遼太郎さん吉川英治さん阿部龍太郎さん勿論今村翔吾さん他多くの作家さん、どういう訳か池波正太郎さんはこれが初めてであった。名作と呼ばれる作品がそうであるように、読み進めると著作も例外でなく長く愛されるワケが伝わり熱中してしまう。時代背景の描写、戦の迫力、戦闘における緊張感どれをとっても読み応えあり、また非凡であり現実離れしすぎず「忍」という視点や描写がこの物語の世界観を創っている。非常に面白い!十二巻という長編にも疲れたら休憩しワクワクしながら
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江戸の情緒と仕掛暮らしの三話
池波正太郎による仕掛人シリーズの原作『殺しの掟』から三話を選び,それを描く山田芳裕の漫画「仕掛暮らし」では絵の中にどんな工夫がされているのだろうかと頁をめくった.原作を読めばわかるが,仕掛人イコール,単純な「殺し屋」というわけでもない.それは表の仕事では手に入らないような高収入を得るため裏で殺しを請け負う稼業である.表の顏は妻帯もしていたり子供もいたりだが,過去にあった秘密を抱えながら生きている男が登場する.さて山田芳裕は原作中に登場する篆刻や絵画を仕掛人とともに,どのように描いたのだろうか.そこがひとつの見所かもしれないと思った.