あらすじ
週に何度となく出かけた街・銀座。少年のころから通いなれたあの店、この店。そこで出会った味と映画と人びとは、著者の旺盛な創作力の源であった。「銀座日記」は、街での出来事を芯にした、ごく簡潔な記述のなかに、作家の日常とそこから導かれる死生観を巧みに浮き彫りにして大好評であった。急逝の2カ月前まで、8年にわたった連載の全てを1冊に収めた文庫オリジナル版。
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「銀座」を舞台にしたエッセイ。読んでいると「粋」というものを感じる。ただのエッセイではなく昭和末期から平成になるまでの世相を写した現代史でもある。
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川口松太郎さんから「・・・・・銀座日記をよむと、少し食べすぎ、のみすぎ、見すぎ(映画)という気がする。とにかく大切に・・・・・」と言われたという。
銀座日記を読んでいると、本当に池波さんは映画を見ることと美味しいものを食するのが好きなんだなぁと感心する。
そんな池波さんも平成2年5月3日午前3時逝去なされる。享年67歳。
まだまだ、書いてもらいたかった。
池波さんは「死」について作品の中でいろいろ書いている。
「人間は生まれた瞬間から、死に向かって歩み始める。死ぬために、生きはじめる。そして、生きるために食べなくてはならない。何んという矛盾だろう。」
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銀座タウン誌「銀座百点」連載をまとめたもの。死ぬ直前まで書かれた。前半は、健康に気をつけなきゃと言いながら、どうしてもおいしいものを食べたくてしかたない池波さんが、かわいすぎる。後半は、だんだん彼の生きるエネルギーがなくなっていくのが良く分かる。読者には寂しい感じがするけど、人生は、いつか終わるんだ。
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前半、とにかく活動的。心配になるって思ってたら、現実にそういう手紙をもらったとあって笑う。後半、自分が記憶にある時代と被っていく。あーってなる。元気がなくなってゆくようで、周りの知人も亡くなっていくし、やっぱり心配になる。それでも、昭和の爺さんの良くも悪くもの一面、表現があちこちにあり、好きになる。
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ブク友松子さんのご紹介で訪れた梟書茶房のシークレットブックコーナーで購入した一冊がこれ。
池波正太郎さんの晩年を綴った日記でした。
時期としては昭和の終わりから平成の初めの時期、私が中学から高校生といった頃ですね。
出てくる内容は映画と仕事と食事のことがメインで前半は元気モリモリに仕事に取り組み、一回一回の食事をしっかり楽しんでいるのが伝わります。
お店を検索してみると名店ばかり。グルメな方だったんですねー。
ちなみに私も日記をつけてますが、仕事と家族と食べ物のことばかり…。いかにも自分が選びそうな本だったわけです^_^
ウチの奥さまにも「食べ物のエピソードからあなたの記憶は成り立ってるもんね」とよく言われます笑
後半の新銀座日記は大好きな食べ物が入らなくなったり、外出が億劫になったり、仲間や友人たちの死にかなり敏感になっている内容が伺えます。
私も死に向かって着実に歩を進めています。一日一日を大切に生きようと思いました^_^
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1983年から90年にかけての日記。他著の解説で『銀座日記』が紹介されていたことから、読みたかった一冊。日付が全て×月×日と表記されているのはどういうことか? 日付を探る手掛かりが著名人の死亡を書いた日記というのが悲しい。そして、著者の最晩年の日記という面もあり、だんだんに弱っていく姿を読むのは辛かった。生活の中に銀座(発祥の地)がある贅沢。山の上ホテルに缶詰めの時に味わう天ぷら。デパートの中の鰻屋、などなど美味しそうな料理は、まさに垂涎の的だ。
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再読。
今となっては、懐かしい映画ばかり。作品ガイドが付くといいのにとも思うのだが、オリジナルを尊重したいのでしょうね。
今年は著者の生誕100年だが、私自身が同じ年代に近づきつつあるのが驚きである。
山の上ホテルが来年春に休業。何てこった。
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古き良き昭和のダンディズムを感じる本。東京に土地勘はないけど東京に憧れがある地方民&そこそこ、いや、それ以上のレストランにふらりとアラカルトで注文できるおとなに憧れる民なので(私はドリンクを頼むのもためらうしがない守銭奴)とても満足でした。お出かけ上手、楽しみ上手。
パッと開いたところからアラカルトで読んでも違和感なし。
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池波正太郎 銀座日記
グルメで映画好きの著者の日記風エッセイ。銀座百点 連載。
とてもいい。銀座ブランドに 執着や特別な感情がなく、生活の中に自然に銀座、築地界隈がある感じ。著者の挿絵もいい
著者の意外な日常と偏愛
*映画の趣味が若い。インディジョーンズ、ターミネーター、ダイハード、エイリアンまで観る
*映画の好き嫌いが はっきりしていて、脚本や演者まで 細かな評価をするのに、本の書評がほとんどない
*「浄瑠璃素人講釈」「三岸節子 画集」は愛読書の様子
*山の上ホテルで仕事して、天ぷら食べることが多い
モンテーニュは、いつ読んでも、男らしくていいね「睡眠は死に似ているから、自分の睡眠を観察せよ〜自然が我々を生と死のために作ったことを教えられる」
トルコ映画「路」
苦難と悲痛の中から生まれる詩情が胸を打つ。日本は民主主義になって〜自由をえたが、自由という言葉の空しさを知り〜詩情を失った。人間がもつ矛盾はつきることを知らない〜得たものがあれば必ず失うものがある
人間の世界は、相対の世界で、暗もあれば 明もある。暗を生かすためには明も描かなければならない
元来、わたしは怠け者〜自分でもわきまえている。なれびこそ、仕事を前もってすすめるようにしている
人間、六十を過ぎて数年たつと、一切の欲がなくなる。このときが引退のときだと思う
自分で追体験したいのは
*トラヤで帽子を買い〜英國屋でネクタイを買う
*野田岩の鰻を注文し〜華門でアイスコーヒーを飲む
*あかつき公園のあたりから、聖路加病院をぶらぶら歩き〜かつ平へ行き、極上のロースを揚げてもらう
*日本橋 たいめいけん へ行き〜ビーフシチューにして〜永代橋を経て深川へ行く
*資生堂のカレーライス〜千疋屋のハヤシライス
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失礼だがご老体にしてこの食欲は凄いなと。夕食の後に夜食とか天ぷらそばと酒を嗜んだあとにせいろを一枚とか、この食欲があって作品にも活力が出ているのだなと関心する。進み行く文字列の中に月日は明示されてはいないがその時折の事象が記されており、自分の10代の頃と重ね合わせ色々と思い起こさせた。それにしても作者は揚げ物が好きだったんだなぁとつくづく感じる。豚カツ、天ぷら、メンチカツとこの三つの文字はかなりのページで探し出せるのではないだろうか。あと僕のよく行く所も一ヶ所あり時期によって頼むメニューも一緒だったのが訳も無く嬉しかったりして。何はともあれ面白かった。
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80年代「銀座百景」に書かれた日記エッセイ集。 健啖家で美味しいものが大好き、時間ができると銀座に通い、映画を観、 馴染みの店や時には新しい料理屋を見つけ入ってみて「旨い」「まずまず」 「まずい」。 それから少しの買い物をして帰ったら執筆。という日常がつれづれと書かれているだけなのですが、昭和銀座風物誌の ような趣があります。古本屋で見つけてから、何度も何度も読み返してしまう好きな本。銀座という場所や食べる事・呑む事が単に「好き」というより、自分の生活の中でとても大切にされていた事が伝わってくる。