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押し寄せる武田軍によって上州は陥落寸前。死を覚悟し、最後の出陣に臨んだ上泉伊勢守に「兵法を広めよ」との伝令が……。隠居を決意した伊勢守は、剣の道を極めるため、旅に出る。柳生の里や京都で「心と躰は二にして一」という「活人剣」を標榜し、無益な殺生を拒否した伊勢守が、最後に見せた凄まじくも静かな剣技。「新陰流」の創始者となった戦国武将の勇壮な生涯を描いた長編時代小説。
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Posted by ブクログ
「心と躰はは二にして一。 一にして二つに分かれている。」 深い、深すぎるわ上泉伊勢守! というような下巻。 今でいう剣道の竹刀の生みの親。 上巻より戦いのシーンが多く、流石は戦国時代。 国を、そして家を守るために親族とも争うのが世の常とでもいいましょうか。 於富の真からくる強さはもちろん、息子に家...続きを読む督を継ぎ ゆっくりと旅をする伊勢守もまた素晴らしい。 やはり剣聖だと思う。
中学生の時、入院中にベッドの中で寝る間も惜しんで読んだ本。たまたま見舞いに来てくれた同級生が貸してくれて、時代小説に馴染みが無くあまり期待せず読み始めたところ、あまりの面白さに深夜のベッドの中で枕元の蛍光灯をコッソリ点灯して隠れて読んだ。もう一度読みたいな〜。
長野業政が死去し、その息子長野業盛が武田信玄に敗れた後、上泉伊勢守は隠居を決意し、剣の道を極めていく。 集団で殺戮していく戦国時代において、鉄砲が登場し、次第にただ斬り合う技術から、精神的な人としての極みを目指す手段として、剣は注目されていったのだろう。
『上泉伊勢守の剣法は、敵と戦ってこれを倒すということの他に、それよりもさらに深く重く、人間の心身鍛錬し、人格の完成をめざすものとして体系づけられた』 『不動心というのは、いかなる狂瀾怒濤が身にせまってこようとも、我は大磐石のごとく動揺しないことである』
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