池波正太郎のレビュー一覧

  • 男振

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    とある藩のお家騒動を舞台に堀源太郎という人間の数奇な人生の物語。眉目秀麗な若侍がある日突然禿頭になってしまい厭世的になっていく前編から自身の運命を知り、いかに周りの人間が自分のために命懸けになってくれているかに気づき大人になっていく様子は心から応援したくなる。
    最後の章 薫風 は育ての父との邂逅に涙した。

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    2023年11月15日
  • 武士(おとこ)の紋章

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    まさか、牧野富太郎を池波正太郎が描いていたとは。
    少年のようなクリクリした眼が印象に残ったとのこと。らんまんとも通ずるポートレート。

    その帯に惹かれて広島空港で購入。
    短編集ながら、かなり刺さる言葉が多い。
    読み始めた時には、面白く無いと思っていた三根山の短編も、真摯な力士の肖像が立ち上がり、作者の眼差しもよく理解できる。

    そして、武士の紋章 滝川三九郎の話。
    武士たるものの一生は束の間のこと。何処にて何をしようとも、ただ滝川三九郎という男があるのみ

    その境地にて、粛々と俺のすることを為すのみと生きたいものだ。

    御報謝するという言葉も初めて知り、そうした心意気を粋に感じる。

    そして、

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    2023年11月03日
  • 剣客商売七 隠れ簑

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    ▼引き続き。オモシロイ。
    ・越後屋騒ぎ
    ・大江戸ゆばり組
    ・隠れ蓑
    ・決闘・高田の馬場
    ・春愁
    ・梅雨の柚の花
    ・徳どん、逃げろ

    ▼「徳どん、逃げろ」が印象的。秋山父子の剣術という、まあ言ってみれば圧倒的な暴力でもって解決留飲という話ではなく、言ってれば「愛嬌のある悪党」と「その悪党を騙しつつ惹かれていく岡っ引き」の話。まあ、スピンオフです。
     しかし、鬼平犯科帳もそうですが、「勧善懲悪」の安心感の中で、結局主題としては「犯罪者の色んな角度から描く」ということなんだと思いますので、言ってみれば魅力そのもののような一篇でした。

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    2023年11月03日
  • 剣客商売六 新妻

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    ▼収録されているのは以下です。


    鷲鼻の武士

    品川お匙屋敷

    川越中納言

    新妻

    金貸し幸右衛門

    いのちの畳針

    道場破り


    この中で「品川お匙屋敷」が、以下の内容。密貿易をめぐる犯罪事件に佐々木三冬が巻き込まれる。悪人に捕まってしまう。それを大治郎が助ける。三冬の父である田沼の言い出しで、ふたりは結婚することになる。祝言を上げる。


    ▼なかなか急展開ではありますが、その脱力さも池波節かな、と。


    ▼印象深いのは「川越中納言」。川越中納言の名で呼ばれる悪党を、小兵衛が成敗する。というそれだけの話なんですが、かつて被害にあった娘が、無事に幸せに市井で暮らしている。最後に小兵衛に赤ち

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    2023年10月15日
  • 剣客商売五 白い鬼

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    ▼収録されているのは以下。



    白い鬼

    西村屋お小夜

    手裏剣お秀

    暗殺

    雨避け小兵衛

    三冬の縁談

    たのまれた男


    ▼印象に残ったのは「雨避け小兵衛」。小兵衛が雨よけでとある小屋に入る。その小屋にあとから、誘拐犯が入ってくる。小兵衛は隠れていて様子を見る。誘拐犯は、かつて鎬を削った剣客だった男。いまは落魄して暮らしに困っているらしい。

     で、小兵衛は当然ながら腕でこれを退治解決するのだが、やるせない想いに襲われる。この誘拐犯が落魄するきっかけになったのは、自分との注目の試合だったからだ。

     ラスト、若い女房のおはるに慰めを求める小兵衛、という一幕が印象的。


    ▼つまりは、剣

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    2023年10月15日
  • 剣客商売四 天魔

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    ▼収録されているのは、以下。



    雷神

    箱根細工

    夫婦浪人

    天魔

    約束金二十両

    鰻坊主

    突発

    老僧狂乱



    ▼印象に残っているのは、全般、「剣客として生きていく商売」が因果で辛いなあ、という話が多かった。

    「箱根細工」「天魔」が両方、小兵衛が縁があった剣客の息子が、「悪魔のような、悪の剣客になった」というなんとも痛い話。


    ▼あと「突発」が確か、夫を毒殺しようとする悪女の話で、ちょっと異色の短編だった。ジョルジュ・シムノンが書きそうな。

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    2023年10月15日
  • あほうがらす

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    <目次>


    <内容>
    すべて時代物。短編ながら、主題作の「あほがらす」はじめ、実在の浅野内匠頭や大石主税、荒木又右衛門などを扱っても、ちょっと違う視点から切っていく。人生うまくいくものではないけど、捨てたものでもない、と感じられる珠玉の作品群。

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    2023年10月10日
  • 真田太平記(十二)雲の峰

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    十二巻読破した、「読んで良かった」強く感じる。自分の人生で素晴らしい作品に出会えた、特にこの最終巻は大坂の役のその後であり、涙が溢れてくるような残された人々の人間模様、この巻があって良かったと安心する部分と戦死した人々の逸話が素晴らしい。この最終巻が物語を更に引き締めており長編作品に丁寧な結末が用意されていた気がしてならない。今まで読ませていただいた歴史小説とは違う自分自身の心の動きを感じ読書の素晴らしさに触れられたシリーズであった。

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    2023年10月05日
  • 真田太平記(十一)大坂夏の陣

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    今までの10巻の中でどうしても気になって仕方がなかった「大義」、モヤモヤとしたものが付き纏っていたが少しづつ解消されてきた。家康の大義、幸村こ大義そもそも同じ目線で比べるのは間違いであった。為政者と武将そもそも終着点が違っていた。もし比べるのであれば家康と秀頼であって幸村ではない。しかしこの真田太平記で描かれる家康は広い視野で次の段階を見据えていた気がしてならない緻密な根回し、戦になる前の準備・仕掛け!豊臣家を滅ぼし誰かが盤石な泰平の世を築かなければ混乱の世は続く、戦国の世に終止符を打たなければならない、勿論私利私欲を除いてそこが大願であれば逆に素晴らしい「大義」であると思う。幸村が決戦前夜に

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    2023年10月05日
  • 真田太平記(十)大坂入城

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    名作「真田太平記」の全貌が視えてきた、素晴らしい!どこをどうとっても「素晴らしい」!このシリーズは昭和時代の発行であるが、令和の今、歴史ミステリーとしてよく上がる題材や、最近の大河ドラマに出てくる名シーンが表現されている様な描写!歴史の流れという本流をしっかり捉えた上で細かな支流の澱みまで描かれている。読み応えの骨太さは流石に驚かされる。これまでの感想にも残してきているように当時の価値観や倫理観また死への意識をそのまま理解することは不可能であるが、今では考えられない常識が普通であったのだろうと、想像することは出来る!このシリーズを楽しむ上でどうしても「大義」を意識して読んできたが、やはりハッキ

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    2023年09月20日
  • 梅安影法師 仕掛人・藤枝梅安(六)

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    改めて池波正太郎さんは凄い、と思った。解説で、北原亜以子さんが、池波作品は「中毒」になる、と言っていたけれど、まさに、その通り。完全に「中毒」になっている。

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    2023年09月14日
  • 真田太平記(一)天魔の夏

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    鬼平犯科帳、剣客商売などの時代小説で有名な池波正太郎が、このような本格的歴史小説を書いていたのを、恥ずかしながら知りませんでした。司馬遼太郎の戦国時代小説と比較しても遜色ない印象です。全12巻の長編ですので、じっくり読んでいきたいと思います。

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    2023年09月13日
  • 梅安乱れ雲 仕掛人・藤枝梅安(五)

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    まさに、手に汗握る展開で、一気に読み進んでしまった。特に、最後の場面は、畳み掛けるような、まるで映画を観ているようだった。

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    2023年09月06日
  • あほうがらす

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    池波正太郎の書いた本を初めて読んだ。
    11篇からなる時代小説で殿様、家来、家臣、そこから繋がる人間関係を読み込むほど、おもしろい話になっている。地位、お金、愛憎、欲、侮辱、と書いて何だ500年後にもあるものばかりだと、苦笑する。
    そして、貫く思い、覚悟、看過、変貌それらが混ざり合ってこの小説を愛おしくさせている。
    全ての人間に生きる意味がある。

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    2023年08月25日
  • 仇討群像

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    ネタバレ

    剣客商売シリーズのエッセンスになる短編が盛り込まれていると思う。秘伝の声であったり剣客商売番外編 ないしょ ないしょであったり三冬と同じ男勝りの佐々木留伊が出て来たりと剣客商売シリーズのエキスが詰まっている。
    時代の剣客を題材にした話も秀悦で新選組の原田左之助の話は時代背景もあって引き込まれる。最後のごめんよは若き頃の弟への謝罪をする兄の気持ちが温かい。
    短編だが本当に色々詰まった一冊です。


    さて?前回読んだ仇討群像は今回読んだ仇討群像とは別物なのか?ネットで調べたらこの本一冊しか出てこないが、前回読んだ本とは別の内容?
    今回はよろいびつに始まり興奮、坊主雨、波紋、敵、情炎、大石内蔵助、逆

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    2023年08月13日
  • 真田太平記(十)大坂入城

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    大坂冬の陣の有様。
    真田幸村、後藤基次などの優秀な武将の進言がことごとく豊臣方へ通らない。
    豊臣方の大野治長、淀君らの愚かな対応。
    曖昧な停戦交渉をして、大坂城の外堀を埋められてしまう。
    そして、豊臣家滅亡の大坂夏の陣へ……。
    NHK大河ドラマの「どうする家康」などで描かれている徳川家康は聖人君子
    だけど、そんな良い人ではない。世に言われている狸親父がぴったりだと思う。
    他に大坂の陣を描いた、司馬遼太郎の「城塞」も読む予定。

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    2023年08月08日
  • 梅安針供養 仕掛人・藤枝梅安(四)

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    <目次>


    <内容>
    いよいよ梅安さんが「起こり」(依頼人)なしで、仕掛けを次々とするようになった。今回は、1冊で完結の話。梅安さんや彦次郎の感情も見えて面白かった。

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    2023年07月25日
  • 剣客商売一 剣客商売

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    ▼「剣客商売(一)」池波正太郎。新潮文庫、初出は1972年頃、月刊「小説新潮」不定期連載だったそう。「鬼平犯科帳」「仕掛人・梅安」と並んで池波正太郎さんの「三大シリーズ」として(ファンには)説明不要の名作です。ざっくり言うと、
    ・六十代の隠居状態の剣客・秋山小兵衛
    ・その息子で町道場を営む剣客・秋山大治郎
    ・小兵衛に師事する女性剣客・佐々木三冬
    の三人がまあ主人公。基本は一話完結で、毎回何かしらか事件が起こって、まあ大まか小兵衛を中心になんらかの解決を見る、という言ってみれば大江戸私立探偵シリーズ。
    舞台は1780年代の江戸かと思われます。なぜ分かるかというと、女性剣客の三冬さんが「老中田沼意

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    2023年07月23日
  • 池波正太郎の銀座日記[全]

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    1983年から90年にかけての日記。他著の解説で『銀座日記』が紹介されていたことから、読みたかった一冊。日付が全て×月×日と表記されているのはどういうことか? 日付を探る手掛かりが著名人の死亡を書いた日記というのが悲しい。そして、著者の最晩年の日記という面もあり、だんだんに弱っていく姿を読むのは辛かった。生活の中に銀座(発祥の地)がある贅沢。山の上ホテルに缶詰めの時に味わう天ぷら。デパートの中の鰻屋、などなど美味しそうな料理は、まさに垂涎の的だ。

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    2023年07月15日
  • 日曜日の万年筆

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    再読。いろいろなエッセイ集に再録された文章が含まれているが、全部読み通したのは久しぶり。
    映画の話題は楽しい。

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    2023年07月12日