池波正太郎のレビュー一覧
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1988年時点で書かれた”むかし”なので、概ね80~100年前の味、というか、お店の数々。
押しなべて物静かで職人肌の主人がいる良心的で誠実な店ばかり。調べるといくつかは今でも健在のようである。
いまふうに言うならギルティ飯に分類される、脂で揚げたカツ、ステーキ、濃厚なソース、あんかけ・・・ハイカラな洋食やこってりした中華がお好みだったようである。これで日本酒を飲み甘いものも好物という猛者だが、池波氏が亡くなられたのは白血病によるという(動脈硬化や糖尿ではない)
雪国の旅館に泊まり、夕食のカツにたっぷりソースをかけたものを朝食べるからと残しておいてもらって、翌朝、脂が白く固まってソースと絡んでトロリとなっている冷たいカツがたまらないとは、現代の旅館のオペレーションではまずありえず、まさにむかしの贅沢だったかもしれない。
早熟で向う見ずで馬が合い、つるんでいた悪友として頻出していた「井上」が、巻末で、行方不明のまま20年がたっていると明かされるのがせつなかった。
巻頭に写真があるが、昭和の料理写真は必ずと言ってよいほどすごくコントラストが強い。いつから変わっていったのか興味深い。
P78 或る日の宵の口に店に入っていくと、あるじが厭な顔をして私を見た。【中略】気に入らない魚介でにぎった鮨を客に食べさせることが(厭なのだろう)と直感した。あるいは、気に入った材料を握りつくしてしまったのやもしれぬ。そこで私が「いまは腹がくちいので、夜更けに食べたいから海苔巻きを折にしてください」というや、あるじは途端に笑顔となり「ご主人にお酒を‥」と妻女へ言った。(京都まつ鮨)
P112 いまはどこの町も同じような匂いしかしなくなってしまったが、戦前の銀座の匂いは、まさにバターと香水の匂いがしていた。
P140 (ひとり亭のような女ひとりが気ままにやれた商売など、存在を許してもらえぬ世の中になってしまった。「むかしの大阪は、金があればあるように、なければないように、気楽に暮らせたところでしたけど・・・」と同行の大阪在住の古い友達が私に言った。 -
Posted by ブクログ
上田城攻防戦から北条氏滅亡、秀吉による天下統一まで…
上田城攻防戦を経て信幸が一人前として成長する。
幸村は人質として上杉家から秀吉の元で見聞を広め立派に成人する。
やっと昌幸、信幸、幸村の一枚岩が形成されつつある…
この巻におけるツボはあれだけ幸村嫌いだった角兵衛が幸村の大人の対応で若者独特の難しい心を上手く懐柔され幸村大好きになるという…
西暦にすれば1590年代に入る…昌幸は上田城、信幸は沼田城、幸村は秀吉の人質として京、大坂に…
秀吉が秀長の死と息子の死を経て、ちとおかしくなってきており、朝鮮出兵を切望している模様…
面白くなってきた。4巻へ…