池波正太郎のレビュー一覧

  • 鬼平犯科帳[決定版](二十)

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    [おしま金三郎]
     元火盗改方の同心・松波金三郎の元へ、女賊のおしまが訪ねて来た。火盗改方同心・小柳安五郎が命を狙われているという⋯
     小柳暗殺計画に隠されたおしまの執念が恐ろしい。女の恋情はこのような事件を平気で起こすほど、激しいものかと震えた。

    [二度ある事は]
     火盗改方同心・細川峯太郎は非番の日に怪しい老人を見つけて尾行するが、その老人を見出したきっかけを長谷川平蔵に話すことはできないと思った。彼が妻帯する以前に関係を持っていた女の様子を、平蔵にたしなめられているにも関わらず、性懲りもなく確かめに行ったことがばれてしまうからだ。しかしながら、平蔵に隠しごとはできない⋯

    [顔]
     長

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    2026年05月15日
  • 真田太平記(一)天魔の夏

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    戦国の漢たちの粋な生き様を池波正太郎の巧みな描写で現代に伝える名作。「そのことよ」と言葉少なく、心を伝え合う戦国の猛者どもが、小説という枠を超えて、目の前で踊るようだ。このような小説にまた出会いたい。そんな作品だ。

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    2026年05月10日
  • 鬼平犯科帳[決定版](十九)

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    [霧の朝]
     長谷川平蔵の活躍はほぼ無く、準レギュラーの井関録之助が奮闘していた。池波作品ならではの偶然の集積が事態を動かしていく物語の妙が面白い。だが、あまりにも偶然に頼りすぎているのが作劇的に気になった。

    [妙義の団右衛門]
     火盗改方の密偵・馬蕗の利平治は、かつて恩を受けた大盗賊・妙義の団右衛門から盗めに誘われる。利平治は長谷川平蔵への忠義から火盗改方に密告するが、団右衛門にそのことが露見してしまう。準レギュラーである利平治に降り掛かった危難に爆発する平蔵の怒りはこちらも震えるほどに恐ろしかった。

    [おかね新五郎]
     珍しく、盗賊が出てこない。長谷川平蔵が放蕩時代に関わりのあったおか

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    2026年05月06日
  • 真田太平記(一)天魔の夏

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    真田太平記①
    武田氏滅亡〜本能寺の変まで
    真田昌幸、源三郎、源ニ郎を中心とした物語。
    草の者忍をつかい武田方についていた昌幸が乱世の中での知略、謀略を尽くし立ち回る長い長いお話がスタート。
    鬼平犯科帳もそうだが池波さんの文体は独特であるが慣れると読みやすく当時の情景が映像として蘇ってくる…

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    2026年04月30日
  • 鬼平犯科帳(十三)

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    今回は火盗改の与力など、悪人を捕らえる側のはずがちょっとしたきっかけで悪事を働いてしまう話が幾つもありました。
    その結末は平蔵が清濁合わせ呑む場合もあれば、残念な最後になることもあり、まさに鬼平シリーズの真骨頂という感じです。

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    2026年04月27日
  • むかしの味

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    昭和の時代の人と味、失われてしまった良きもの、人の思いやり、持続の美徳等を、池波正太郎自身が通った店の思い出やエピソードを交え、舌鼓を打った料理の味とともに綴る食エッセイ。

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    2026年04月19日
  • 幕末新選組 新装版

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    読んだ本 幕末新選組 池波正太郎 20260410

     数々新選組の本を読んできて、もう新鮮さを感じることもないかなって思ってましたが、さすが池波正太郎、活き活きとした生活感のある新選組が描かれてます。
     明治の時代に生き残った長倉新八が主人公で、試衛館との出会いや新選組の隊士となる経緯。
     芹沢鴨との関係や、藤堂平八郎との確執・和解そして死別、近藤や土方との決別、そこに女遊びなんかが絡んで、生きた証が感じられる小説仕立てになってます。
     近藤や土方は少ししか登場しなくて、長倉新八が反感持ったりするんだけど、土方が別れ際に長倉に十五両渡すシーンが、いかにも土方っていうセリフで格好いい。
     また

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    2026年04月13日
  • 仕掛暮らし

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    原作・池波正太郎「殺しの掟」を山田芳裕が漫画化。

    人の見栄や情欲、愛憎を基盤にしたミステリー時代劇。第三話の最後で『心が痛いよ』と音羽の親分が言ってますが、それはこっちのセリフというやつです。
    三話収録されていて、各話ごとにさまざまな人間模様、それぞれの思惑が縦横に交差するのですが、親分自身が多様な姿を見せるので、物語の彩りは増すのですが、統一感がなくなってゆく気がしてしまいます。

    しかしながら、読み終えた時に残るのは「心が痛い」という一念に集約されるのですが。

    勧善懲悪ではなく、ピカレスクでもなく。裏と表の二つの社会に生きている人間の二つの側面は、そのまま人間が持つ陰陽の感情を写してい

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    2026年03月28日
  • 鬼平犯科帳[決定版](二十二) 特別長篇 迷路

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    鬼平シリーズとしては珍しい長編となっている。
    過去のエピソードをいくつも回収しながら、約400ページがサクっと読めてしまう疾走感あり。

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    2026年03月28日
  • 幕末新選組 新装版

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    本作は、人間の生き方を描いた物語として読みやすく、史実に寄り添ったロマンを感じられる魅力的な作品であった。

    物語は三人称で描かれているが、永倉新八一人の男の成長の軌跡である。そのため、新選組という組織の内側から見た現実や、隊士たちの葛藤が強く伝わり、新選組という組織の厳しさと非情さが伝わってきた。

    一方で、壬生浪士組の時代があまり描かれていなかった点には物足りなさも感じた。新選組が成立する以前の混乱した時期こそ、人間関係や組織の本質がより色濃く現れる部分であり、そこも読んでみたかったと思う。

    また、作中では戦いや歴史的な出来事そのものよりも、日常や人間の生活感が丁寧に描かれている点が印象

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    2026年03月26日
  • 剣客商売一 剣客商売

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    ★3.5のおまけ。
    このシリーズを初めて読みましたが、上手いです、読まれる理由が明瞭なり。キャラ設定といい、緩急の付け方といい。どうやらこのキャラの物語はこの前にもあったし、この後も続いていくとのこと。その点でも作家の力量が推し量れます。
    当方、この後、続けて本シリーズを読むかどうかは別にして、いつでも手に取ることが可能かと思われます。
    ただもしかすると「男の世界」とクレーム入れる人もいるかもしれないですけれども。

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    2026年03月25日
  • 男の作法

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    昭和と令和。時代が違うから考え方や価値観のズレは少なからずあると思うが、
    ストレートに自分のエゴやこれは間違っている!こうでなくてはならない!と言い切ってくれるメッセージは直接こころに響くものが多く、面白かった。
    20代の頃に読みたかったと思う一冊。
    根本的な人の生き方、考え方は時代問わず一致しているんだな、自分の人生もっと大切にしよう、「時間は有限」と強く胸に刻むことでもっと大切にできる。
    そう思わせてくれた一冊。

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    2026年03月12日
  • 鬼平犯科帳(一)

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    池波正太郎の独特な文体、地域名、組織名、字名など慣れるまでかなり時間がかかったが…
    慣れてくると江戸の情景や物語をとりなす人々の風情までもある心地よさがかんじられるようになる。

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    2026年03月03日
  • 真田太平記(十)大坂入城

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     ついに東西手切れ、幸村入城、大阪冬の陣が始まりました。真田幸村が世に名を轟かせる事になります。

     ただ、冬の陣に関して言えば、‟ここ”を楽しみにこの小説を読み進めていたので正直、「あっけない」「肩透かし」という印象が否めない。

     佐平次が幸村のもとへ馳せ参じる、よもが佐平次の背中を押す、佐助への肌着を託す一連の場面はあつくなりました。

     大坂陣営については、幸村をはじめ後藤基次たち、智将・猛将の意見が全く通らない様子はもどかしく、苛立ちすら覚えた。

     うって変わって、徳川家康の唯一は言い過ぎかもしれないが、戦国時代、その時代の激しい戦、謀略を知る数少ない豪傑の立ち回りはさすがといえる

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    2026年02月25日
  • 真田太平記(十)大坂入城

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    ついに大坂冬の陣へ。
    幸村の本領が発揮されましたが、お江の無念も推しはかられます。そして結局のところ、豊臣家を滅亡へと導いたのはお家存続のためとはいえ能力がないのに余計な口出しを続けた淀君だという皮肉な結果です。

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    2026年02月15日
  • 真田太平記(一)天魔の夏

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    ネタバレ

    <目次>


    <内容>
    どうしようか?と思っていた長編小説に挑みます。全12巻(文庫の場合)!いいですね、池波節が炸裂してます。主人公、向井佐平次がこれからどうなっていくのか?サブキャラも歴史上の人物も人がタッテいる!面白いです。

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    2026年02月07日
  • 剣客商売番外編 ないしょ ないしょ

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    「このことはないしょ、ないしょ」だぞ。仕えていた剣客が殺され、それを機に江戸に出てきたお福は、次に仕えた御家人から偶然にも手裏剣の手ほどきを受けることになったのだが、そのときにこう言われるのであった。
    運命に翻弄される女性の半生を描いた、読み応えのある長編。人というのは長くかかわってみないと判らない生き物なのだな、ということを感じずにはいられない物語。その最期の時に「今度こそは、迷惑をかけずにすみます」の<迷惑>の意味の深さを考えこんでしまう。はたして、秋山小兵衛はじめ、お福にかかわった人々が、それを迷惑だなどとちらりとでも考えただろうか?

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    2026年01月26日
  • 剣客商売十五 二十番斬り

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    小兵衛が妙に気弱なのが前巻気になったのだけれど、ついには体調に変化が……。しかしながら、ごくふつうの人間に比べるとまだまだその超人ぶりは健在のようです。なにしろ二十番斬りですからね。12巻の表題が「十番斬り」でしたが、あの時に十人を倒したのと比べてみると、単に量的な変化ではないことが明かですね。剣というもので到達しえた境地、それは小兵衛の剣が質的にも変化していることを示しているのですね。最終巻がはたしてどういう収束を見せるのか、とても気になります。

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    2026年01月26日
  • 剣客商売十四 暗殺者

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    この長編の冒頭から登場する波川周蔵という剣客は、仕掛人ということでしょうね。この仕掛けがどういう方向にいくかというのが物語の主軸ではあるのですが、友人を失った小兵衛が妙に気弱になっているのも、このシリーズとしてはめずらしいことで興味をひかれます。表題の「暗殺者」はもちろん波川のことであり、どうやらその標的は大治郎らしいのですが、いったい何のために?というところが眼目です。波川が自分をとりまくいくつもの事情にだんだんにがんじがらめになっていくところが、なんとも哀しい物語でした。

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    2026年01月26日
  • 剣客商売十三 波紋

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    「消えた女」というのは、どこから?と考えるとなかなか趣深い題名ですね。小兵衛の昔日というのはシリーズ中の随所に語られるわけですが、これもまた格別。表題作「波紋」も味わい深い一編だが、これなどは長編にしようと思えばできるのではいないかというほどの様々な過去の因縁がちりばめられている。結末のたった数行でその因縁の結末が見事につけられており、余韻もひとしおです。
    このシリーズも本編はあと3冊にて完結だと思うと、読むのがいかにも惜しい気がします。この巻も一編一編なめるように楽しみました。

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    2026年01月26日